■政治資金の「公私混同」疑惑が指摘されている舛添要一・東京都知事が2016年5月20日、都庁で定例会見を開きました。舛添知事は、一連の疑惑について「ご迷惑、ご心配をかけた」と謝罪したうえで、「第三者」として、“政治資金規正法に詳しい複数の弁護士”に調査を依頼して、早急に調査結果を出す考えを示しました。
2時間16分にわたる記者会見では、報道陣から次々に質問が浴びせられました。政治資金で支払った千葉県内のホテルの宿泊費、インターネットオークションで購入した美術品などの質問や、海外出張時のファーストクラス利用や超高級ホテルの宿泊、自分の別荘への往復の足として公用車の使用など、質問が相次ぎました。
舛添知事はいずれの質問に関しても、「第三者の弁護士に厳しい目で調査してもらう」として、同様な回答を60回以上繰り返しました。
自分で雇った「第三者」の弁護士による実態調査の結果、もし、政治資金の問題があるとされた場合(現実的には自ら雇った弁護士なので、そのような調査結果が出ることはあり得ない?)、報道陣から「自らの出所進退はどうするのか?」という質問に対して、舛添知事は「まずは、しっかりと厳しい第三者の公正な目で見ていただいて、結果が公表される。そのときに同時に極めて公正な目でのご指示があると思う。それを受けて指示に従いたいと思っている」と述べました。
その上で「しかし、今のところは全身全霊を傾けて仕事し、都民のために信頼を回復したい、その一念です」として、都知事の椅子にこだわり、続投に意欲を示しました。
■今回の舛添知事の政治資金規正法違反問題は、5月11日に発売された週刊文春2016年5月19日号でスクープ記事として報じられたのが発端です。
**********週刊文春Web 2016.05.10 16:02
舛添都知事に政治資金規正法違反の重大疑惑!
舛添要一都知事(67)の三つの政治団体、「グローバルネットワーク研究会」(以下「グ研」)「新党改革比例区第四支部」「泰山会」の政治資金収支報告書(2012~2014年)を「週刊文春」特別取材班が精査した結果、政治資金規正法違反の疑いが浮上した。
「グ研」の収支報告書によると、舛添氏は2013年1月3日に、千葉県木更津市のホテル「龍宮城スパホテル三日月」における「会議費用」として、237,755円を計上している。翌年も1月2日にやはり「会議費用」として、133,345円を計上、その金額は、あわせて371,100円となっている。
正月の温泉リゾートで、いったいいかなる「会議」が開かれたのか。木更津に向かった小誌取材班は同ホテル関係者から次のような証言を得た。
「二回とも、会議は行われていません。舛添さんはお子さんを連れて、家族でご利用になりました。いずれの年もグレードの高い部屋に泊まったと思います」
言うまでもなく、政治資金には、国民の血税である政党助成金が含まれている。もしこの証言が事実ならば、舛添氏は自身の家族旅行の代金を血税で支払い、かつ「会議費用」と虚偽の記載をしたことになる。
舛添氏に事実関係を尋ねたが、「すべて法的に適切に処理しています」とだけ回答があった。政治資金規正法に詳しい上脇博之・神戸学院大学教授はこう指摘する。
「収支報告書に会議費用と記しておきながら、内実が単なる家族旅行だとすれば、政治資金規正法の虚偽記載に問われる可能性が極めて高い。しかも繰り返し同じ虚偽記載がなされており、会計責任者の単純ミスではなく舛添氏による意図的なものと考えざるを得ません」
政治資金規正法の虚偽記載の公訴時効は5年で、「5年以下の禁固叉は100万円以下の罰金に問われる可能性があり、最悪のケースでは公民権の停止もあり得ます」(同前)。
舛添氏の真摯な説明がまたれる。
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当会は、上脇教授とは昨年9月、神戸で開催された市民オンブズマン全国大会の会場でお目にかかり、小渕優子・元経産相の政治資金不正会計問題について情報共有したことがあります。同教授は、今回の舛添知事の政治資金問題について、その後5月19日に東京地検に告発をしています。
**********朝日新聞デジタル2016年5月19日21時34分
舛添都知事らを市民団体代表が告発 政治資金問題
東京都の舛添要一知事の政治資金問題で、市民団体の代表が19日、舛添氏や舛添氏が代表を務めていた資金管理団体の会計責任者に政治資金規正法違反などの疑いがあるとして、東京地検に告発状を送った。
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■オブチ「姫」と折田「国家老」による政治資金不正会計問題については、2014年10月16日発売の週刊新潮2014年10月23日号でスクープ記事が掲載されました。その後当会が、同10月20日に「姫」を公職選挙法と政治資金規正法違反容疑で東京地検に告発しました。そして最終的には、「国家老」ともう一人の政治団体会計責任者だけが、政治資金規正法違反で在宅起訴、書類送検され、2015年10月9日に東京地裁で執行猶予付きの有罪判決を受けました。
今回の舛添知事の場合では、週刊文春が同様にスクープしましたが、市民団体による告発を経て東京地検がどのような動きをするかは、オブチ「姫」の前例が参考になる筈です。
すなわち、会計責任者だけが在宅起訴されて執行猶予付き有罪となる可能性が大きいのですが、舛添知事本人にはお咎めが無いことが十二分に想定されるのです。
舛添知事はそのことをよく知っているため、オブチ「姫」と同様に、第三者委員会の弁護士による調査という形で、自らの説明責任を回避しようとしているものと考えられます。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告・この項続く】
※参考情報「知事の部屋」(前編)
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http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/TEXT/2016/160520.htm
知事冒頭発言
1 ホール・劇場等問題に関する東京都の緊急の取組について
【知事】冒頭発言ですが、都政に関することでございます。ホール・劇場等に関する、いわゆる「2016年問題」につきまして、都の緊急の取組として5項目を取りまとめましたので、お知らせいたします。
この中で主な項目を申し上げたいと思います。
まず、現在利用できるホール・劇場の基本情報の整備であります。それから、既存のホール・劇場などの活用を促進するため、都として初めて、都内全域を網羅的に調査いたしまして、約1300件をリスト化いたしました。これを本日から都のホームページで公表するとともに、実演家団体等に情報提供をいたします。
また、野外コンサート会場などに適した都有地・都有施設の調査も行いました。これらも実演家団体に情報提供し、マッチングを図ることで公演しやすい環境づくりを進めます。
さらに、先日、私が馳文部科学大臣に緊急要望いたしました、国、東京都及び首都圏の自治体が参画しました「課題解決を図る場」の設定についても、現在、具体的に進めております。
そして、ホール・劇場等問題を中長期的な視点で検討するため、「東京芸術文化評議会」に「ホール・劇場等問題調査部会」を設置いたします。調査部会には、芸術文化やホールの専門家や実務家の方に参加していただきまして、様々なご意見や提案をいただきながら、今後の方向性を取りまとめてまいります。また、外国人観光客の増加も見据えて、ナイトライフの充実策についても、ハード・ソフト両面から検討してまいります。こうした取り組みを着実に進めまして、ホール・劇場に関する問題の解決を図ってまいりたいと思っております。詳細につきましては、生活文化局にお尋ねいただきたいと思います。
※報道発表資料はこちらをご覧ください。↓
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2016/05/20q5k100.htm
2 政治資金について
【知事】それでは、私の政治資金に関しまして、様々なご指摘を受け、都民の皆様をはじめ、たくさんの方々にご心配とご迷惑をおかけしていますことを心から深くお詫び申し上げたいと思います。
平成28年5月13日の定例記者会見におきまして、週刊誌で指摘を受けた点について調査をし、説明をさせていただきました私の説明に対しましては、分かりにくいとか信じがたいなどの声がありましたことを真摯に受け止めております。また、その後も、他の支出についてもご指摘を受けているところであります。このような皆様の声があることを真摯に受けとめ、公正な目で見ていただく必要があると考え、今般、私の事務所とは無関係の政治資金規正法に精通した弁護士などに、私の関係政治団体の政治資金の支出を見ていただくことにいたしました。現在、複数の弁護士に打診中でございまして、引き受けてもらえれば、直ちに調査に着手してもらう予定であります。
ご意見やご批判があることを真摯に受け止め、第三者の目からしっかりと調査をしていただき、改めるべきところがあれば、これを改め、皆様の信頼回復ができますように、しっかりと対応してまいりたいと思います。
質疑応答
【記者】幹事社、東京MXの三嶌です。それでは、今の政治資金の問題等に関しまして、質問させていただきます。
前回の記者会見のときに、疑惑が持たれることは政治家として誠に恥ずかしいとおっしゃっていました。その後も、さらに疑惑が出てくるような、持たれるような問題が続出しているような状況です。このような状況を踏まえ、政治家としての責任をどのように考えておられるのかということと、また、前回の会見のときは、知事の職責をしっかり果たしていくと、都民の信頼を回復し、負託に応えると気持ちを話されていましたが、その気持ちにお変わりはないでしょうか。
【知事】まず、冒頭申し上げましたけれども、本当に都民の皆様方に、今回の件でご迷惑、ご心配をおかけしましたことを重ねて心からお詫び申し上げたいと思います。しっかりとした調査をやっていただきまして、その上で、知事として仕事をしっかりやりまして、そして都民の信頼を回復したいと思っております。
【記者】テレビ東京の石井ですけれども、千葉県木更津市のホテルでの支出の件について改めてお伺いします。本当に会議を開いたのか、都民、国民は疑念を抱いていると思います。こうした疑念を払拭するためにも、改めて、どなたと何人で会議したか、説明責任を果たされるお考えはないのでしょうか。
【知事】その点も、先ほど申し上げましたように、そういう疑念を抱かれていること、本当に、恥ずかしいと思っております。政治資金に精通した弁護士にお願いして、当然、私もヒアリングの対象になりますから、その疑念にも、今回の弁護士さんにお願いすることで、きちんと対応していきたいと思っております。
【記者】先週の会見で、「先方のプライバシーもあるので」というおっしゃり方をされていたと思うのですが、それは会議にどなたが何人出席したということが把握されての発言だと考えていいのですか。
【知事】その細かいことにつきましても、今申し上げましたように、第三者の厳しい公正な目に任せたいと思っております。
【記者】では、知事ご自身のお言葉では語られないということなのでしょうか。
【知事】今は、しっかりとした調査に協力をしたいと思っております。
【記者】もう1点なのですけれども、知事が新党改革を離党した直後に、政党交付金のおよそ429万円を自らの政治団体に移動していることについてですが、これは、法に抵触しているわけではないのですが、やはり少し一般の感覚とは、ずれているのかなと思うのですが、この点についてはいかがでしょうか。
【知事】その点も非常に、そういう疑念を持たれているということは恥ずかしいことだと思っておりますので、これも政治資金に関することでございますから、政治資金のことをよくお分かりになっている弁護士さんにしっかりと調査していただくと、そういうふうにお願いしたいと思っております。
【記者】知事は今週に入ってからも、「また新たに調べて、この場で説明する」とご発言されていたと思うのですが、今日のご説明というのはないのでしょうか。
【知事】そういうプロセスにおいて、これは、非常に私が信頼を失っておりますので、厳しい第三者の目で、しかも専門家の目で、調べていただいたほうがいい、そういう結論に至ったわけであります。
【記者】説明を引き延ばしているようにも感じられるのですけれども。
【知事】いやいや、できるだけ早く、お願いしたいと思っております。それはありません。
【記者】ご自身で把握されている部分を、なるべく早く説明されるというお考えはないのですか。
【知事】いや、それももう、先ほど申し上げましたように、きちんとした専門家に調査をしていただきたいと思っております。
【記者】日本テレビの久野村です。私どもの方でも知事にちょっと質問させていただいた件なのですが、湯河原の衣料品店の方で知事がご購入された品物について、私どもの取材では、ご自身の身の回りの、下着ですとかパジャマですとか、そういったものを買われたということが分かっているのですが、それはどのような政治活動にお使いになられたのでしょうか。
【知事】その点につきましても、政治資金報告書に書いてあることですから、これは厳しい目で見ていただきたいと思っております。専門家に任せたいと思っております。
【記者】もう1点なのですが、同様になるのですけれども、知事が購入された絵画についても、キース・ヘリングへの手紙というのがあって、それについても、どのような政治活動で、誰に対しての活動だったのかというのをご説明いただけますでしょうか。
【知事】それも政治資金規正、その政治資金の報告書に書いてあることですから、これを本当に専門家が厳しい第三者の目でチェックする、そういうことをお願いしたいと思います。
【記者】あわせて、多数の美術品を今まで購入されてきたと思うのですけれども、知事としては、それらのものを使ってどのような政治成果を今まで上げてきたと考えていらっしゃいますか。
【知事】まず、その前に、しっかりとどういう内容であるかというのを精査するほうがいいと思います。これは厳しい第三者の目で見ていただくということが前提だと思います。
【記者】最後に、今回のことに関して、6000件を超えるご意見が都庁に寄せられているということなのですが、この6000件という数字と、ご意見についてどうお受け止めでしょうか。
【知事】大変厳しいご指摘をいただいておりまして、都民の皆様方にご心配、そしてご迷惑をおかけていること、改めまして心からお詫び申し上げます。
【記者】元知事経験者の皆様からも、ちょっと資質として不適格なんじゃないかという指摘も出ているようですが、知事は、それについて、自分の知事の資質についてはどうお考えですか。
【知事】それも厳しいご批判をいただいているということは十分承知をしております。まずしっかり調査をした上で、そして全身全霊を尽くして都民のために仕事をして、都民の信頼を回復したいと思っております。
【記者】本当に最後なのですが、改めて確認ですが、知事の職を辞任する意向はないということでよろしいのかと、その場合は、どのようにして都民の信頼を回復していこうと思われているかというのをお伺いします。
【知事】大変ご迷惑をおかけて申し訳ないと思っておりますので、全力を挙げていい仕事をしたい、都民のために尽くしたいと思っております。
【記者】NHKの江頭です。質問重なりますけれども、千葉県木更津市のお正月のホテルのことについてお聞きします。調査をというお話は分かりましたけれども、これは先日、知事が弁明をされた件でありまして、新しい話題について、弁護士とか、そういう専門の方の調査を待つというのは、少しは分かるところがあるのですけれども、これについては、知事が家族で行かれていたと、政治活動していましたというところまで説明していて、あとは誰と行っていたかとか、人数とかは、これを言うか、説明するかしないかというのは、知事の説明責任を果たすかどうかの姿勢の問題だと思うのですけれども、やはりそこはおっしゃることはできないのでしょうか。
【知事】今おっしゃってくださったことは、よく分かります。ただ、冒頭申し上げましたように、色々な私の説明に対しましても、厳しいご批判を受けておりますので、この件につきましても第三者の厳しい目で調査をしていただきたいと思っております。
【記者】先日は、政治的機微があるのでというお話だったのですけれど、その弁護士の方々の調査次第では、そういうことは明らかにされる可能性はあるのですか。
【知事】弁護士の皆さん方が、私もヒアリングをなさると思いますので、そのときにどういうヒアリングをなさるか。いずれにしましても、厳しく第三者の目で見ていただきたいと思っております。
【記者】先日の会見でペンディングになっていた件ですけれども、知事自身が調べてお答えするといった件ですが、栃木県日光市のホテルの支出もございましたけれども、お盆に8万円を支出しているという。これに関しては、今日新しいご説明はないのでしょうか。
【知事】これにつきましても、この前は、週刊誌で指摘を受けた件についてご説明をさせていただきましたけれども、その後、他の施設についても、様々なご指摘を受けていますので、それについては、今の件も含めて、第三者の厳しい公正な目で調査をしていただきたいと思っております。
【記者】美術品に関してなのですけれども、ネットのオークションで商品、多くのものを購入されていることが伺えます。私どもNHKでも調べましたところ、平成24年と25年にアメリカ現代アートのキース・ヘリングのイラスト入りの手紙でありますとか、日本画家の油絵の抽象画とかを購入をされております。これについては、やはりどういう政治活動の中でどうご活用されたかというのは、やはりきっちりお伺いしたいところなのですけれども、いかがでしょうか。
【知事】はい。それはよく分かりますけれども、その前に、政治資金収支報告書、これをしっかりと精査していただいて、事実を確定していただいた上で、今おっしゃったこともそうだと思います。その上で、これはこうだという調査結果が公表になりますので、その上で対応を考え、ご説明をしたいと思っております。
【記者】同じご説明いただいているので、恐縮なのですが、ただ、この種のものというのは、一つひとつやはり違って、知事がやはり色々ネットオークションとかで選んで、こだわって丹念に選んでいることもうかがえますし、それを、今までの説明ですと、海外の方にあげたとかおっしゃってもおりましたと思いますが、そういうのは、ご記憶はされているはずなんだと思うんですけども、それは。
【知事】それはまず、政治資金報告書を政治資金に精通した弁護士の方にしっかりと一つひとつチェックをしていただいて、私もヒアリングに応じて、その上でのことになると、繰り返しになりますが、思います。
【記者】朝日新聞の小林といいます。同じ話の繰り返しかもしれませんが、例えば龍宮城の例の政治の会議があったと思うのですが、事務所の関係者の方とお話をされていて、それで政治活動ということで計上されておられると思うのですけれども、これまでの知事の支出の計上の考え方で、奥様が舛添政治経済研究所の代表をなさっていると思うのですけれども、奥様とお二人で何かお話をされたりとか、飲食店でお話をされたりをした場合というのは、それは事務所関係者という考え方で政治の資金として計上するということが今まであったのかどうかというのをお伺いしたいのですが。
【知事】いや、その点につきましても、これは政治資金を見て、しっかりまず調査をして、そういうケースはあるのかどうなのか、これを厳しく公正な目で見ていただいて、私もヒアリングに応じて、それでお答えを出したいと思っております。
【記者】あったのかどうなのかということは、もう把握されていると思うのですね。それを舛添知事のお考えで、それは政治活動というようにカウントされていたのか、それは全くプライベートだというように分けられていたのかという、その点なので、ここは調査とあまり関係なくて、今までのご判断されていた考え方の話だと思うのですが。
【知事】いや、それは、政治資金の報告書がございます。そして、過去何年間かございます。やはり一つひとつ見て、これはどういうことであるのかというのを第三者の、やはり厳正な目で見て、それで調べていくということが前提だと思っております。
【記者】NHK「ニュースウォッチ9」の田中と申します。専門家による第三者委員会からの調査を行うという話でしたけれども、この調査というのは、費用はご自身で負担されるのでしょうか。
【知事】もちろん、当然です。
【記者】また、もし第三者委員会から、適切な使い方ではなかったとなった場合は、どのような対応を取られるおつもりでしょうか。
【知事】今、第三者委員会とおっしゃいましたけど、私は、今、複数の法律専門家にお願いをしているところでありますので、まず、委員会というようなことではございません。今お願いしているという段階です。それで、その結果に従いたいと。その方々が厳正な第三者の目で見て、これはこうであるという結果を出されると思いますので、私はその結果に従いますし、その調査にも当然、ヒアリングを含めてきちんと応じたいと思っております。
【記者】その結果というものが、その使い方が適正ではなかったというような結果になった場合は、どのようなご対応を取られる考えですか。
【知事】それは、今申し上げましたように、これは政治資金規正法に精通した弁護士さんたちですので、どういうふうにしろということをおっしゃると思いますので、それに従いたいと思っております。
【記者】舛添知事ご本人は、政治資金をどのようなものとお考えで、どう使われるべきだとお考えですか。
【知事】それは、政治活動としてしっかりと都民、国民のために使うべきだと思っております。
【記者】そういう使い方をしてこられたとお考えですか。
【知事】そこも、今申し上げましたように、政治資金規正法に精通した弁護士さんが、「これはどうだ」「これはどうだ」ということを、しっかりと調査してご指示がいただけると思っております。
【記者】テレビ朝日の内田と申します。第三者の弁護士さんをお願いするということですけれども、その選定についてはどのようにお考えなのでしょうか。
【知事】それは、まず、今申し上げましたように、政治資金規正法にしっかり精通した方々にお願いすると。そして、先程来、繰り返して申し上げましたけれども、厳しい、公正、そういう目で見ていただけるという方を今、選定をお願いをしているわけであります。
【記者】それを知事がお願いするということなんですか。
【知事】ええ、もちろん、私の問題でありますから、私がお願いしたいと思っています。
【記者】知事が選ぶと、やはり疑念を持たれているということに対して、やはり、何ていうか、知事に寄った立場で見るのではないかというような眼も出ると思うのですけれども、その辺についてはどうですか。
【知事】それは、今、本当に複数の方に当たっております。したがって、まだ名前を出すとかいうわけにはいかないのはご理解いただけると思いますけれども、どなたが見られても、もうこの方ならば、例えば私寄りだとか、私にひいき目だと、そういうことではない方を選びたいと思っております。
【記者】その過程については、途中経過を公表されたりとか、結果を公表されるとか、そのお考えはありますか。
【知事】これはもうお相手のある話でございますので、その方が、「自分の名前出していいよ」とか、「もう中間報告しなさい」ということであれば、それはできると思いますけれども、相手の方とご相談しないとできないというのが今の状況です。
【記者】朝日新聞の吉浜です。調査をなさるということなのですが、具体的にいつ頃までに調査結果をまとめられるというお考えですか。
【知事】これは、今申し上げられるのは、できるだけ早くということでありまして、2か月かけるとか、3か月かけるということではありません。ただ、前回の週刊誌の件を調べるのにものすごく、あの項目だけでも時間かかりました。
かなり膨大な量になると思いますので、多少の時間は必要だと思いますけども、いずれにしましても、6月1日から都議会が、ご承知のように始まります。ですから、都議会の皆様方にご迷惑がかからぬよう心がけまして、可及的速やかに調査をしていただくようにお願いをしたいと思っております。
【記者】と申しますと、6月1日の都議会開会に間に合わせるようにということですか。
【知事】いや、そういうことではありませんが、とにかく都議会にご迷惑がかからないように全力を挙げて速やかに調査していただくことをお願いをしたいと思っております。
【記者】大体のめどというのは、ご説明は。
【知事】それも今、調査してくださる相手の方に、今、お願いしているところなので、またこれはお願いしてお受けいただいた方が精査を始めて、その段階でのご相談になると思います。
ただ、私の気持ちは、今申し上げたように、できるだけ早く、それから都議会が始まりますので、都議会の皆様にご迷惑をおかけしたくないと、これはあります。
【記者】あと、調査の件なのですが、これは政治資金規正法に抵触しているのか否かという点を調べるということですか。
【知事】いや、今回、様々な疑念が、様々な報道でなされております。本当にこれはもう、皆様方に申し訳ないと思っています。それだけ色々疑念を呈されたというのは本当に恥ずかしいことだと思っております。
先程来申し上げていますように、政治資金規正法に精通した方にやっていただくのですけれども、それ以外の問題でも、厳しい第三者の目で見ていただきたいと思っております。
【記者】どれぐらいの期間さかのぼって調べられるのですか。
【知事】これは、様々な問題が出てきております。どれだけというのは、もう具体的に調査していただく方との相談になりますけれども、ある程度過去にさかのぼって包括的に見ていただきたいと思っております。これは決まり次第、調査なさる方とご相談しながらそういう方向で参りたいと思っています。
【記者】最後に1点、いろいろ支出の内容なども調べられるということなのですけれども、仮に専門家が問題があるという判断をなさった場合、知事は、知事職を続けるかどうかというのはどのように判断しますか。
【知事】まずは、先ほどお答え申し上げましたように、しっかりと厳しい第三者の公正な目で見ていただいて、そして、これが結果として公表されることになります。そのときに、同時に、極めて公正な目でのご指示があると思います。それを受けて、その指示に従いたいと思っております。
しかし、今のところは、私は、全身全霊を傾けて都民のためにいい仕事をして、そして信頼を回復したいと、今、その一念でございます。
【記者】ジャパンタイムスの大住です。その調査に関して、調査を行われる方は、1名ですか。
【知事】今のところ、複数の方に。
【記者】何名か教えていただけますか。
【知事】今、まだ分かりません。数名の方に打診をしているところでございます。
【記者】はい、分かりました。
あと、2点目の質問なのですけれども、先ほどおっしゃったように、これから全力を尽くして皆さんの、都民の方の信頼回復をされたいとおっしゃったのですけれども、各社で行った世論調査によりますと、先週の会見を見た方で、90%以上の方は辞任を求めている、納得できないという回答が非常に多かったということで、具体的にどういうところを直したいか、どういうお考えでしょうか。
【知事】厳しいご批判を都民の皆様にいただいている、これはもう、先程来申し上げましたように、心から真摯に反省をしております。そして、そういうご批判を受けまして、それに対して二度とそういうご批判を受けないよう、そういう形でしっかりと仕事をしてまいりたいと思っております。
【記者】しっかり仕事をしてとは、どういうところで。改善されたい部分、ご自分のご活動の中で、どういうふうに。すごくあいまいな表現になってしまっていますので、具体的にどういうところを改善されたいかということをお聞きしたいです。
【知事】仕事、いろいろな分野があります。オリンピック・パラリンピックの準備もしないといけませんし、それから社会保障の問題もあります。都政はいろいろな分野がありますので、これまでも努力をしてまいりましたけれども、それにさらに加えて努力をして、あらゆる分野において良い仕事をしたいと思っております。
【記者】ちょっと私の質問が悪かったのかもしれないのですけれども、そのご活動の中での分野ではなくて、知事ご自身のご活動とか、これまでの行為の中で改善が必要な点はどういうふうに考えられますかという質問でした。
【知事】それは先程来申し上げていますように、都民の皆様方から本当に数多くのご批判を受けておりますので、一つひとつ肝に銘じて、この批判を受けたことに対して改善したいと思っております。
【記者】東京新聞の松村です。知事、先ほど言われた弁護士さんに見てもらう件ですけれども、法に抵触しているかどうかだけではなくて、どれくらいだったら一般都民の理解を得られるかというラインは見てもらうということなのですか。
【知事】それもどういう調査をするかというのは、先程来申し上げていますように、第三者の厳しい公正な目で見ていただくと。そのときにいろいろなご意見が調査結果の公表とともにいただけるものと思っております。
【記者】知事自身がそれは自分で判断できないということなのでしょうか。
【知事】いや、先ほど申し上げましたように、大変都民の皆さんの信頼を失っておりますので、厳正なる第三者の公平な目で見て、しっかりと指摘していただきたいと思っております。
【記者】それは逆に言うと、その弁護士さんがいいと言えば、それをカタにして、知事は、「これは大丈夫でしょう」ととられる可能性があると思うのですけれども。
【知事】私はそういう気は全くありません。
【記者】むしろ知事が、今後は、例えば「政治的活動が半分以上占めるものでないと、支出しません」とか、「少しでも私的なものが入っているのだったら、それは計上しません」とか、そういうことをご自身で表明して、その基準に基づいて弁護士さんに過去のものを見てもらうとかと言うのなら分かりますけれど、その基準自体を弁護士さんにやってもらうというのは、ちょっと頓珍漢ではないかと思うのですけれども。
【知事】いや、基準を作ってもらうということを申し上げているのではなくて、しっかりとまず調査をしていただいて、そして、それに基づいて、いろいろなアドバイスがある、こういうふうに思っております。
【記者】知事自身で今後についてご判断する気は全くないのでしょうか。
【知事】いや、そういうつもりで申し上げているのではなくて、まず事実についてしっかりと調査をしていただくことが全ての前提だと思っております。
【記者】事実が出てきたとしても、その事実をどう解釈するかという問題だと思うのですけれど。
【知事】それはそれからのことだと思いますので、まずしっかりと公平な厳しい第三者の目で見ていただきたいと思っております。
【記者】知事は辞めないまでも、例えば給料を削減するとか、そういう目に見える形で反省を示すということは考えていらっしゃるのでしょうか。
【知事】そういうことについても、全ては調査の結果を待ちたいと思っております。
【記者】東京新聞の川上です。今の質問の続きなのですけれども、弁護士さんの方々には、いろいろなことをお話できて、こういうふうにカメラが入って、都民の方々が見ているこの場では、正しいことはお話しできないと、そういうふうにも受け止められるのですけれども、この点についてはどう思われますでしょうか。
【知事】いや、私はそういう気は全くございません。先程来申し上げていますように、本当に申し訳ございませんけれども、大変都民の皆様の信頼を失っておりますので、まずは調査をしっかりとやっていただくということが前提でありまして、今おっしゃられたような意図は毛頭ございません。
【記者】調査そのものというよりかは、知事自身の言葉で説明をしてほしいということだと思うのです。知事自身がこの疑惑に関して、「こうですから、こうです」ということを説明していただいて、その上で都民の方々がその説明について納得するかしないかだと思います。前回の会見では、納得される方は大変少なかったです。むしろ我々の追及の方が甘いのではないかと私どもの方に大変叱責を受けております。その中で、知事が今回何も答えないということは、都民の方々は大変お怒りになると思います。その点についてはどう思われますでしょうか。
【知事】そういうお怒りもあると思いますけれども、やはり私は厳しい第三者の公平な目で調査をしていただきたいと思っております。
【記者】知事自身は、知事自身が活動していくときに、都民の信頼というのがどれぐらい必要だとお考えでしょうか。
【知事】それは、都民の信頼がなければ仕事ができないと思っておりますので、信頼を回復すべく全力を挙げて努力をしたいと思っております。
【記者】弁護士さんにお話しできて、都民にはお話しできないという中で、都民が信頼されるとお思いでしょうか。
【知事】そういうことを私は申し上げているのではなくて、厳しい第三者の目でまずしっかりと調査をしていただきたいということであります。
【記者】夕刊フジの山本です。まず、調査の結果は6月1日の都議会に間に合わないということなのでしょうか。それとも間に合うのでしょうか。めどを示さずに中身について答えないというのは、これは、都民は誰一人納得しないと思うのですが。まずその第三者の調査なるもののめど、6月1日なのか、6月10日なのか、2か月、3か月かかりませんとおっしゃいましたけれども、まず、めどをお示ししていただけませんでしょうか。
【知事】これも、申し上げたように、今調査してくださる方にお願いしている段階で、決まりましたら細かくまたご相談いたしますけれども、先ほど申し上げましたように、何か月も延ばすと、そういう気でやっているわけではありません。できるだけ早くということでありますけれども、量もたくさんあります。それで、一つの考えとしましては、都議会にご迷惑はかからないように、ということでありますので、その日程はいろいろ都議会の皆様方に迷惑がかかるのはこの日だというようなことをおっしゃると思います。だから、そういうことも含めて、まずはしっかりとした法律専門家をお願いするというのが前提でございます。
【記者】「都議会にご迷惑をかける」ということの意味がよく分からないのですが、都議会でこの件に関して知事がご説明されないのならば、都政は停滞して、大変な影響が及ぶと思うのですけれども、そのことをご迷惑とおっしゃっているのでしょうか。迷惑の中身というのは一体何なのでしょうか。
【知事】都議会は都民の代表者が集まっているところであります。したがって、そこでご質問があれば、私がきちんと答えるというのは知事としての義務であります。
【記者】今日の会見では答えられないけれども、都議会が始まったら、個別の案件についても詳細にご説明されるということでよろしいのでしょうか。
【知事】そういうことを今、申し上げているわけではなくて、まず、この調査の結果をしっかりしていただきたい。法律専門家を、今、選んでいるところでございますから、その上で、私の今の気持ちは、都民の代表である都議会で、これをしっかりと説明するというのは、それは当然なので、そういう意味でご迷惑をおかけしたくないということを申し上げたわけです。
【記者】改めて伺いたいのですけれども、政治家が、政治とカネの問題についてご自身がご説明できないという時点で、政治家を続ける資格があるのかどうか、多分私はないかと思うのですけれども、それについて知事の、自分の政治とカネについて、自分の口から説明できない現状について、どういうふうにお考えなのでしょうか。
【知事】「説明できない」という、そういう厳しいご意見は今いただきました。ご意見はいただきましたけれども、やはり厳しい第三者の公正な目で前提として実態がどうであるのかと、これをまずつまびらかにする必要があると思いますので、しっかりと私の政治資金の支出について見ていただこうと思っております。
【記者】テレビ東京の渋谷です。先週の会見では宛名のない領収書を受け取っていらっしゃったということをお認めになっていらっしゃいますが、こうしたことがミスの原因になったと思うのですけれども、こういうシステムは改善されたのかどうか確認させてください。
【知事】これもどういうふうにより良いシステムへ改善するのかというのを、今検討中でございますので、できるだけ早くいい方向に持っていきたいと思っております。
【記者】あと一点。また先週の会見なのですが、収支報告書の訂正に至ったことについて、会計責任者のミスで、人間だから100%はないとおっしゃっていましたけれども、これだけ多岐にわたる疑惑が出てきたということは、事務所そのものの体質の問題ではないかと思うのですけれども、それについてはどのように。
【知事】そういう面もあると思います。そういう厳しいご指摘を受けて、事務所のシステム、これも抜本的に改革したいと思っております。
【記者】いつまでに、ある程度考えて。
【知事】もう、できるだけ早くしたいと思っております。
【記者】毎日新聞の篠原です。調査の方法についてお伺いしたいのですけれど、結果はどのような形で公表されるのでしょうか。
【知事】これも、今、打診を専門家にしているところでございます。それで、こういう形でもちろん公表はいたします。ただ、どういう形で公表するのか、それについてはその担当の弁護士が決まった段階でご相談して決めたいと思っております。
【記者】これまでの報道で、一つひとつの項目について、いろいろな疑念が示されておりますが、その一つひとつの項目について、使途はこうであっただとか、これは私的なものだったとか、これは公的なものだったと、一つひとつ公表されるというお考えはないのでしょうか。
【知事】一つひとつというか、ご質問の意味はよく分かります。だから、皆さん方から様々な分野について、様々な点についてご疑問が呈されてございますので、そういう疑問であるとか、懸念であるとか、そういうものが全て払拭できる形で調査をお願いしたいと思っております。
【記者】一つひとつ出されるということですか。
【知事】もちろん。一つひとつ精査してくださると思います。
【記者】それを出される、公表されるということですか。
【知事】もちろん、そうだと思います。ただ、どういう公表の仕方をするかというのは、弁護士さんに任せないといけないですけれども、皆さん方がたくさん懸念や疑念というのを出されていますから、この説明で払拭できたということをやるために、専門家にお願いすると、そういうふうにご理解いただければと思います。
【記者】もう1点だけ。先週、知事は、会見の中で、「説明責任は果たした」と思うということをおっしゃいましたが、今週、この会見でさらに公正な調査をするとおっしゃられたということは、説明責任は果たされていないと考え方を変えたのでしょうか。
【知事】いや、そうではなくて、私は、私の事務所を一生懸命調べて、そして説明いたしました。しかし、冒頭、私が申し上げましたように、その後、皆様方から今、ご指摘いただいたように、多くの都民が納得していないと、批判的であるという声がありますので、それもありますので、私の事務所が調べるというよりも、厳しい、公平な第三者の目で見ていただくということの方がはるかに良いだろうと、そういうことで申し上げているわけであります。
【記者】説明が不十分だったという。
【知事】不十分というより、私は十分説明したつもりではありますけれども、先程来、皆様方がおっしゃっているように、9割の方が納得しないというような数字が出てございました。そういうことを受けて、しっかりとこれは反省して、やるということであります。
【記者】フジテレビの椿原です。改めてではありますけれども、第三者に厳しい目で調査をしてもらうということですが、その結果によっては知事の職を辞するという覚悟、気持ちはお持ちでしょうか。
【知事】まずしっかりと調査をしていただくということが前提なので、その結果を待ちたいというのが今の状況です。
【記者】結果によっては辞めるというお気持ちは、全く今のところはないと。
【知事】今の気持ちは、しっかりと仕事をして、都民の信頼を回復したいというのが私の今の気持ちであります。
【記者】先週、今週と、2週間にわたって政治資金などについて釈明することで、もう、既に都政に支障を来していると思うのですけれども、その点について、知事はどのようにお考えですか。
【知事】私自身は、決められた公務は、今朝も、きちんと、皆様方ご承知のようにこなしてまいっておりますけれども、職員の皆さんの士気に関わったり、そういうことは決していいことではございません。そういうことは非常に、職員の皆さんに対しても心から反省してお詫びをしないといけないと、そういうふうに思っております。そのことは十分に認識をしております。
【記者】ご自身としては、政治資金などについて精査する時間にとられて、都政について考える時間も削られていると思うのですけれども、ご自身は、都政については支障を来しているとはお認めにならないですか。
【知事】私自身は、今日もきちんと決められた公務をやっております。ですから、そこは支障を来さないで、私自身についてはやっておりますけど、先ほど申し上げましたように、職員の皆さんが不愉快な思いをされたり、そのことによって士気に関わったりと、これは、私は心から反省しないといけないと思っていますので、都民、そして頑張って日々努力して仕事をしている都の職員の皆さんに対しても、これは深くお詫びをして、一日も早く信頼を回復して、みんなが元気で仕事ができるように努力をしたいと思います。
【記者】もう一つお願いします。猪瀬都知事が都知事を辞められた後、舛添都知事は政治とカネの問題を批判して知事になられたわけですけれども、ご自身は、今、次々とお金に対する疑惑が報じられている、このことについてはどう考えてらっしゃいますか。
【知事】繰り返しになりますけれども、都民の皆さんに大変申し訳ないと、心から思って、しっかりと反省して、二度とそういうご批判を受けることのないように努力をしたいと思っております。
【記者】「次々と疑惑が出てくるな」という都民の目、世間の雰囲気というのは、どう受け止めていらっしゃいますか。
【知事】それは、非常に厳しいものがあると思っておりますので、真摯に反省して、仕事で信頼の回復に努めたいと思っております。
【記者】ニコニコ動画の七尾です。都庁に寄せられた批判の声の詳細を申し上げますと、知事ご存じだと思いますが、確かに、政治資金に関しましては6100件です。ただ、海外出張に関しては4800件、公用車問題に関しては2200件です。トータルで1万3100件になります。それで、この数は、これだけだと分からないので、比較、参考としていいますと、先ほど出ました当時の猪瀬都知事が、徳洲会グループから5000万円を受け取っていた問題で、そのときに都庁に寄せられた件数というのが、2010年11月27日時点で717件でした。今回、重要な点が2点、これに関してはあるのですが、やはり猪瀬都知事、当時もかなり騒がれたのですけども、その約18倍の声が寄せられているという点と、都民は知事に対して明らかにしていただきたいという批判の声は、必ずしも政治資金だけではなくて、やはり海外出張とか公用車の問題もあるのですが、こうした都民の声は、どう見ていらっしゃるか、改めてお伺いしたいです。
【知事】今、数字をいただきました。繰り返し申し上げますけども、大変厳しい指摘でございますし、心から真摯に反省して、そして仕事で、これは信頼を回復するしかないと思っております。
【記者】あともう1点、第三者に今、打診されているということなのですけれども、これは、いつから打診を始められたのでしょうか。
【知事】今週半ばあたりから打診をしております。ただ、皆さんお仕事持っておられますし、色々なお立場もございますから、今、なるべく早くということでお願いしているところであります。
【記者】これは、打診されてからそれぞれの方、まだご返事いただいてないということで、多分、知事としては、今日、本日、第三者に依頼したという形で発表されたかったとは思うのですけれども、まだ、決まってないという焦りみたいなものは知事にはございますか。
【知事】今おっしゃるように、それは、私は一刻も早くと思っていますけれども、お相手のあることですし、皆様お仕事持っていますので、即答できないというのは、分かりますけれども、また今日も、是非早くお願いしますということを再度お願いをしたいと思っております。
【記者】ありがとうございます。
【記者】TBSの松原です。自民党、公明党の幹部から、説明責任を果たしてほしいということがありましたが、今日の説明で、説明責任を果たせているとお思いでしょうか。
【知事】その点も、まず今おっしゃっていただいたように、与党の幹部から厳しいご指摘を受けている。これはもう、本当に反省をしないといけないと思っております。
ただ、先程来、申し上げていますように、私ないし私の事務所自体が、先ほどどなたかおっしゃったように、事務所の体質が問題じゃないのか、ということもありますので、説明責任を果たす前提として、第三者の厳しい専門家の目で公正にまずチェックしていただくと、これが大前提であろうと思っております。ですから、与党の幹部の皆さん方の厳しい叱責、これはもう、本当にそのとおりだと思っております。
【記者】あともう一つ。知事はいつも透明性、あとスピード感が大切とおっしゃっているのですけれども、そのどちらも今ないように思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。
【知事】それもご指摘の懸念はよく分かります。しかし、調査の過程において、まさに公正を期して、厳しい目で見ていただいて、結果は必ず公表いたしますので、その面では、問題ないと思います。それから、スピード。これもおっしゃるとおり、私は一日も早い方がいいと思っていますけれども、かなり膨大な資料の量になると思いますから、もう伏してですね、お受けいただける弁護士さん、専門家の方には急いでいただくようにお願いしたいと思っております。
【記者】毎日新聞の林田です。政治資金の問題については、第三者の目に託したいということですので、公用車についてお尋ねするのですが、湯河原町と行き来なさった48回のうち、43回で世田谷区を経由なさっていらっしゃるのですが、これは何のためにお寄りになったのでしょうか。
【知事】その点についても、これもまた、今、色々と疑念を呈されております。ですから、先ほど申し上げましたように、政治資金についてはもちろん精査をしていただきますけれども、同時に、そういう、今、疑念がたくさん、これは本当に都民の皆さんに申し訳ない。恥ずかしいぐらいたくさん出ております。もう慚愧の念に堪えないところでございます。
それで、そういうことにつきましても、厳しく、第三者の目をまず通してみたいと。そして、これはこうだと、出張させたらこうであると、それもきちんと公表して、公正を期したいと思っております。
【記者】分かりました。そうしたら、先ほどから事務所のシステムの問題、ご自身でもお認めになっていらっしゃいますけれども、そもそも知事の私的なお金も預けて、公私両方の領収書を預けるというシステムは、どなたのお考えだったのでしょうか。
【知事】どなたというより、それは最終的に私がやったことですから、私の責任だと思います。ただ、これは、私の記憶が正しければ、私が国会議員になったときに、先輩の国会議員の皆さん方、私も含めて、秘書さんたちが、皆さん色々そういうことをおやりになるときに、大体どういうふうになさるのですかって、普通聞くのです。そういうときに、こういうやり方だよという、他の国会議員の先生方、全部そうやっているということではありません。ただ、そういうことをお伺いして、「そうなんだ」「そういうシステムなのか」ということでやったと。私は、もう相当、10年以上前のことですので、今ちょっと記憶をたどればそういう感じだと思います。
【記者】そうなると、そもそも会計責任者の方にお願いになさる時点で、政治資金に関しても見ていただく、同時に私的な資金に関しても見ていただくと、そういうお願いをされていらっしゃるのですか。
【知事】いや、それは前回ご説明したとおり、分けてやっていただくということなので、先ほどお話ししましたように、そういうシステムがよろしくないと、それが1つの原因であるということなので、今、いい方法に改善しようと。
【記者】いや、当時です。ご依頼なさった当時、両方お願いしますという形でお願いなさっていらっしゃるのですね。
【知事】ええ。それはこの前説明したとおりです。
【記者】そうしますと、知事が国会議員時代から他の方々の政治とカネの問題について厳しく指摘してこられたと思うのですけれども、そういう観点から考えると、そもそも同じ方が管理しない方が、その辺の透明性というのは保てると思うのですが、なぜあえて同じ方にお願いされたのでしょうか。
【知事】それはもうおっしゃるとおりなので、そういうことについても深く反省して、これは改めたいと思っております。
【記者】いや、なぜかを教えていただけますか。
【知事】なぜかというよりも、そういうことをやってきていますので、これが一つの大きな原因になっているということですので、私はこれはしっかりと改めたいと思っています。
そして、今回、専門家が調査してくださいますから、「これはよろしくない」「こういう形で改善しなさい」と、良いアドバイスもいただけるものと思っております。
【記者】知事が反省なさっていらっしゃるのは非常によく分かるのですけれども、当時あえて同じ方に両方お願いしたというのは、傍から拝見すると、同じ方に白紙の領収書を渡した方が、どちらにでも計上できますよね。そういうことをあえて意図して同じ方にお願いしたのではないかと、そういう疑いも持ち得るのですけれども。
【知事】質問の意味は分かりました。ですから、私は少なくとも、そういう意図でもってやったつもりはありませんけれども、今ご指摘のように、そういうふうに疑念を持たれるということは、大変恥ずかしいことでありますので、今後できるだけ早く改善をしたいと思っております。
【記者】そういう意図でないということでしたら、どういう意図でいらっしゃったのでしょうか。
【知事】それはきちんと会計に精査をしてもらうという意味でやったわけでありまして、それ以上のことはありません。
【記者】でしたら、政治資金の分だけお渡しになったらよろしかったのではないのでしょうか。
【知事】なぜそうしたかというのは、この前ご説明したとおりであります。
【記者】その方が、都合がよかったと。
【知事】都合いいというより、私はそういうことをシステムとしてやっていたということです。
【記者】フジテレビ「グッディ!」の広瀬です。今日のこの会見を見ている都民は、今、どのような思いで、この会見を見ていると思いますか。
【知事】それは私が申し上げることではなくて、見ている都民の皆さんがお感じになることだと思いますので、私が、都民の気持ちをここで類推するというわけにいきません。
【記者】きょうの会見で都民を納得させようという説明をしようというつもりは、今、都知事、どのくらいお持ちでしょうか。
【知事】私は、今の状況でこういうことをやろうということを申し上げたわけであります。
【記者】この会見を見た都民が、第三者の見解を待ってくれるでしょうかという思いなのですけれど、その点いかがですか。
【知事】できるだけ早く結果を出すようにお願いしたいと思っております。
【記者】今、疑惑に関して、知事の説明が聞きたいという思いがあると思うのですね。それを、第三者機関の目でということになると、待たせてしまう、本当に待ってくれると思いますか。
【知事】確かに、本当に少しお待たせするのは大変申し訳ないと思っておりますけれども、厳しい、公正な第三者の目で見ていただきたいと、そういう思いであります。
【記者】公正な第三者の目とおっしゃいますが、都民の目はどのようなものだと感じていますか。
【知事】それは大変厳しい目だと、皆さん方のご指摘をいただいております。
【記者】都民の目こそが公正だとは思いませんか。
【知事】これは政治資金規正法に精通した弁護士などの専門家がしっかりと、そういう都民の目も念頭に置きながら、ご判断いただけるものと思っております。
【記者】今日は、全く疑惑に関してご自身の口から、今後、説明はないということでよろしいですか。
【知事】全て、厳しい第三者の目で調査をしていただきたいと、それがまず前提だと思います。
【記者】色々な疑惑がありまして、似顔絵入りまんじゅうだとか、色々な疑惑が出ているのですけれども、これをつくった記憶とかはありますか。
【知事】それはもちろん、存在していました。
【記者】これはどのようなお金でどのような目的でつくって、誰に渡したのかというのは。
【知事】そのことにつきましても、これは収支報告書に記載されていることでありますので、第三者の厳しい目でしっかりと調査をしていただくということは、全て他の項目と同様でございます。
【記者】これも回答を待たなければいけないということ。
【知事】同様でございます。申し訳ありません。
(指名されていない記者が発言を始める)
【記者】当事者として説明してもらいたいのです。当事者として説明していただきたい。
【記者】(幹事社)やめてください。不規則発言はやめてください。
【記者】第三者のね…。
【記者】(幹事社)だめです。いや、指されてないのでやめてください。
【記者】こういうね、記者会見にならないですから。
【記者】(幹事社)やめてください。いや、だめです。
【記者】説明責任をきちっと、公人として果たしてもらいたい。
【記者】(幹事社)幹事社として申し上げますが、ちょっと、だめです。
【記者】厳しい第三者の調査も大事ですけれども、両方やっていただきたいというのが、今日の記者会見ではないのですか。
【記者】(幹事社)会見の指示に従ってください。
【記者】(幹事社)知事、すみません。
【記者】読売新聞の越村です。調査についてですけれども、先ほど複数の弁護士に打診されているということでしたが、実際に調査をする弁護士の方は1人なのですか。それともチームで、何人か、複数が当たるということなのでしょうか。
【知事】今のところ複数になると思います。複数には打診しております。
【記者】複数に打診していて、理想だと複数の人が調査も行うということで。
【知事】そのつもりです。
【記者】あと、先ほどから、この弁護士さんについて公正な第三者の目ということをおっしゃっていますけれども、あくまでもこれは政治資金の使い方、いわゆる法的に問題があるかどうかというのが、こういう弁護士さんというのは専門家であって、いわゆる今、そういう法的な問題もそうですけれども、知事の、例えば解散直前に政党交付金を移動させたとか、それはもう法的には問題ないですけれども、いわゆる、道義的とか倫理的な問題に関しても、弁護士さんが判断できるのでしょうか。また、判断させてもいいのでしょうか。
【知事】その点は、正に担当になられる専門家の弁護士さんの方とご相談をしないといけませんけれども、厳しい都民の批判が背景にあるということを前提にして、的確に、厳しい公正な目で見ていただけるものと思っております。
【記者】あと1点。先ほど、調査結果を踏まえて、またご判断されるということでしたけれども、この調査結果というのは、例えば知事の出処進退ですとか、例えば知事ご自身の処分とか、そこまでも弁護士に委ねてしまうのでしょうか。
【知事】いや、そういうことではなくて、まず、膨大な量に当たります。そして、これはいろいろな懸念、疑問、これが今呈されていますので、まずそれをしっかり出していただく、そして、その公表をしていただく。それで、その結果についてどうするかということは、これはまた私の方でしっかり考えたいと思っています。
【記者】そうすると、知事自身がどう自らを処するか、律するかというのは、もちろん知事がご自身でご判断されるということでよろしいですか。
【知事】基本的に政治家の出処進退は政治家自らが判断するということです。
【記者】日刊スポーツの中山です。調査をなさる弁護士の先生方は今打診をしている段階で、まだ決まっていないということですが、決まるめどというのはあるのでしょうか。
【知事】本当にできるだけ早く、できれば週明けぐらいには、週末を挟みますから、週明けぐらいには遅くとも決めたいというのが、今の私の気持ちで、そういう思いで今お願いをしているところです。
【記者】そうしましたら、週明けに決まったとしても、調査には大分時間がかかるとおっしゃいました。では、もし結果が出ていない場合は、来週の記者会見もこういうふうな形でやりとりが続くようなことになるのでしょうか。
【知事】それは、とにかくまず、それこそ週明けすぐにでも決めて、もっと早くできればそうなのですけれども、直ちに調査に取りかかっていただきます。その結果次第だと思います。
【記者】あともう1点だけ。都議会が来月1日から始まりまして、代表質問、一般質問がございます。そこで質疑があると思うのですが、少なくとも代表質問や一般質問の頃までには、ある程度の調査結果を出すということでよろしいでしょうか。
【知事】先ほども申し上げていますように、何月何日ということを申し上げているわけではなくて、都議会にご迷惑かからないようにということでありますし、もちろん都議会というのは都民の皆さんの代表の方々がそこに来られるわけですから、都民を代表して各議員から様々なご質問、厳しいご批判も出るのは当然だと思います。そして、それに対しては、知事としてきちんと答弁をしていきたいと思っております。
(後編に続く)
2時間16分にわたる記者会見では、報道陣から次々に質問が浴びせられました。政治資金で支払った千葉県内のホテルの宿泊費、インターネットオークションで購入した美術品などの質問や、海外出張時のファーストクラス利用や超高級ホテルの宿泊、自分の別荘への往復の足として公用車の使用など、質問が相次ぎました。
舛添知事はいずれの質問に関しても、「第三者の弁護士に厳しい目で調査してもらう」として、同様な回答を60回以上繰り返しました。
自分で雇った「第三者」の弁護士による実態調査の結果、もし、政治資金の問題があるとされた場合(現実的には自ら雇った弁護士なので、そのような調査結果が出ることはあり得ない?)、報道陣から「自らの出所進退はどうするのか?」という質問に対して、舛添知事は「まずは、しっかりと厳しい第三者の公正な目で見ていただいて、結果が公表される。そのときに同時に極めて公正な目でのご指示があると思う。それを受けて指示に従いたいと思っている」と述べました。
その上で「しかし、今のところは全身全霊を傾けて仕事し、都民のために信頼を回復したい、その一念です」として、都知事の椅子にこだわり、続投に意欲を示しました。
■今回の舛添知事の政治資金規正法違反問題は、5月11日に発売された週刊文春2016年5月19日号でスクープ記事として報じられたのが発端です。
**********週刊文春Web 2016.05.10 16:02
舛添都知事に政治資金規正法違反の重大疑惑!
舛添要一都知事(67)の三つの政治団体、「グローバルネットワーク研究会」(以下「グ研」)「新党改革比例区第四支部」「泰山会」の政治資金収支報告書(2012~2014年)を「週刊文春」特別取材班が精査した結果、政治資金規正法違反の疑いが浮上した。
「グ研」の収支報告書によると、舛添氏は2013年1月3日に、千葉県木更津市のホテル「龍宮城スパホテル三日月」における「会議費用」として、237,755円を計上している。翌年も1月2日にやはり「会議費用」として、133,345円を計上、その金額は、あわせて371,100円となっている。
正月の温泉リゾートで、いったいいかなる「会議」が開かれたのか。木更津に向かった小誌取材班は同ホテル関係者から次のような証言を得た。
「二回とも、会議は行われていません。舛添さんはお子さんを連れて、家族でご利用になりました。いずれの年もグレードの高い部屋に泊まったと思います」
言うまでもなく、政治資金には、国民の血税である政党助成金が含まれている。もしこの証言が事実ならば、舛添氏は自身の家族旅行の代金を血税で支払い、かつ「会議費用」と虚偽の記載をしたことになる。
舛添氏に事実関係を尋ねたが、「すべて法的に適切に処理しています」とだけ回答があった。政治資金規正法に詳しい上脇博之・神戸学院大学教授はこう指摘する。
「収支報告書に会議費用と記しておきながら、内実が単なる家族旅行だとすれば、政治資金規正法の虚偽記載に問われる可能性が極めて高い。しかも繰り返し同じ虚偽記載がなされており、会計責任者の単純ミスではなく舛添氏による意図的なものと考えざるを得ません」
政治資金規正法の虚偽記載の公訴時効は5年で、「5年以下の禁固叉は100万円以下の罰金に問われる可能性があり、最悪のケースでは公民権の停止もあり得ます」(同前)。
舛添氏の真摯な説明がまたれる。
**********
当会は、上脇教授とは昨年9月、神戸で開催された市民オンブズマン全国大会の会場でお目にかかり、小渕優子・元経産相の政治資金不正会計問題について情報共有したことがあります。同教授は、今回の舛添知事の政治資金問題について、その後5月19日に東京地検に告発をしています。
**********朝日新聞デジタル2016年5月19日21時34分
舛添都知事らを市民団体代表が告発 政治資金問題
東京都の舛添要一知事の政治資金問題で、市民団体の代表が19日、舛添氏や舛添氏が代表を務めていた資金管理団体の会計責任者に政治資金規正法違反などの疑いがあるとして、東京地検に告発状を送った。
**********
■オブチ「姫」と折田「国家老」による政治資金不正会計問題については、2014年10月16日発売の週刊新潮2014年10月23日号でスクープ記事が掲載されました。その後当会が、同10月20日に「姫」を公職選挙法と政治資金規正法違反容疑で東京地検に告発しました。そして最終的には、「国家老」ともう一人の政治団体会計責任者だけが、政治資金規正法違反で在宅起訴、書類送検され、2015年10月9日に東京地裁で執行猶予付きの有罪判決を受けました。
今回の舛添知事の場合では、週刊文春が同様にスクープしましたが、市民団体による告発を経て東京地検がどのような動きをするかは、オブチ「姫」の前例が参考になる筈です。
すなわち、会計責任者だけが在宅起訴されて執行猶予付き有罪となる可能性が大きいのですが、舛添知事本人にはお咎めが無いことが十二分に想定されるのです。
舛添知事はそのことをよく知っているため、オブチ「姫」と同様に、第三者委員会の弁護士による調査という形で、自らの説明責任を回避しようとしているものと考えられます。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告・この項続く】
※参考情報「知事の部屋」(前編)
**********
http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/TEXT/2016/160520.htm
知事冒頭発言
1 ホール・劇場等問題に関する東京都の緊急の取組について
【知事】冒頭発言ですが、都政に関することでございます。ホール・劇場等に関する、いわゆる「2016年問題」につきまして、都の緊急の取組として5項目を取りまとめましたので、お知らせいたします。
この中で主な項目を申し上げたいと思います。
まず、現在利用できるホール・劇場の基本情報の整備であります。それから、既存のホール・劇場などの活用を促進するため、都として初めて、都内全域を網羅的に調査いたしまして、約1300件をリスト化いたしました。これを本日から都のホームページで公表するとともに、実演家団体等に情報提供をいたします。
また、野外コンサート会場などに適した都有地・都有施設の調査も行いました。これらも実演家団体に情報提供し、マッチングを図ることで公演しやすい環境づくりを進めます。
さらに、先日、私が馳文部科学大臣に緊急要望いたしました、国、東京都及び首都圏の自治体が参画しました「課題解決を図る場」の設定についても、現在、具体的に進めております。
そして、ホール・劇場等問題を中長期的な視点で検討するため、「東京芸術文化評議会」に「ホール・劇場等問題調査部会」を設置いたします。調査部会には、芸術文化やホールの専門家や実務家の方に参加していただきまして、様々なご意見や提案をいただきながら、今後の方向性を取りまとめてまいります。また、外国人観光客の増加も見据えて、ナイトライフの充実策についても、ハード・ソフト両面から検討してまいります。こうした取り組みを着実に進めまして、ホール・劇場に関する問題の解決を図ってまいりたいと思っております。詳細につきましては、生活文化局にお尋ねいただきたいと思います。
※報道発表資料はこちらをご覧ください。↓
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2016/05/20q5k100.htm
2 政治資金について
【知事】それでは、私の政治資金に関しまして、様々なご指摘を受け、都民の皆様をはじめ、たくさんの方々にご心配とご迷惑をおかけしていますことを心から深くお詫び申し上げたいと思います。
平成28年5月13日の定例記者会見におきまして、週刊誌で指摘を受けた点について調査をし、説明をさせていただきました私の説明に対しましては、分かりにくいとか信じがたいなどの声がありましたことを真摯に受け止めております。また、その後も、他の支出についてもご指摘を受けているところであります。このような皆様の声があることを真摯に受けとめ、公正な目で見ていただく必要があると考え、今般、私の事務所とは無関係の政治資金規正法に精通した弁護士などに、私の関係政治団体の政治資金の支出を見ていただくことにいたしました。現在、複数の弁護士に打診中でございまして、引き受けてもらえれば、直ちに調査に着手してもらう予定であります。
ご意見やご批判があることを真摯に受け止め、第三者の目からしっかりと調査をしていただき、改めるべきところがあれば、これを改め、皆様の信頼回復ができますように、しっかりと対応してまいりたいと思います。
質疑応答
【記者】幹事社、東京MXの三嶌です。それでは、今の政治資金の問題等に関しまして、質問させていただきます。
前回の記者会見のときに、疑惑が持たれることは政治家として誠に恥ずかしいとおっしゃっていました。その後も、さらに疑惑が出てくるような、持たれるような問題が続出しているような状況です。このような状況を踏まえ、政治家としての責任をどのように考えておられるのかということと、また、前回の会見のときは、知事の職責をしっかり果たしていくと、都民の信頼を回復し、負託に応えると気持ちを話されていましたが、その気持ちにお変わりはないでしょうか。
【知事】まず、冒頭申し上げましたけれども、本当に都民の皆様方に、今回の件でご迷惑、ご心配をおかけしましたことを重ねて心からお詫び申し上げたいと思います。しっかりとした調査をやっていただきまして、その上で、知事として仕事をしっかりやりまして、そして都民の信頼を回復したいと思っております。
【記者】テレビ東京の石井ですけれども、千葉県木更津市のホテルでの支出の件について改めてお伺いします。本当に会議を開いたのか、都民、国民は疑念を抱いていると思います。こうした疑念を払拭するためにも、改めて、どなたと何人で会議したか、説明責任を果たされるお考えはないのでしょうか。
【知事】その点も、先ほど申し上げましたように、そういう疑念を抱かれていること、本当に、恥ずかしいと思っております。政治資金に精通した弁護士にお願いして、当然、私もヒアリングの対象になりますから、その疑念にも、今回の弁護士さんにお願いすることで、きちんと対応していきたいと思っております。
【記者】先週の会見で、「先方のプライバシーもあるので」というおっしゃり方をされていたと思うのですが、それは会議にどなたが何人出席したということが把握されての発言だと考えていいのですか。
【知事】その細かいことにつきましても、今申し上げましたように、第三者の厳しい公正な目に任せたいと思っております。
【記者】では、知事ご自身のお言葉では語られないということなのでしょうか。
【知事】今は、しっかりとした調査に協力をしたいと思っております。
【記者】もう1点なのですけれども、知事が新党改革を離党した直後に、政党交付金のおよそ429万円を自らの政治団体に移動していることについてですが、これは、法に抵触しているわけではないのですが、やはり少し一般の感覚とは、ずれているのかなと思うのですが、この点についてはいかがでしょうか。
【知事】その点も非常に、そういう疑念を持たれているということは恥ずかしいことだと思っておりますので、これも政治資金に関することでございますから、政治資金のことをよくお分かりになっている弁護士さんにしっかりと調査していただくと、そういうふうにお願いしたいと思っております。
【記者】知事は今週に入ってからも、「また新たに調べて、この場で説明する」とご発言されていたと思うのですが、今日のご説明というのはないのでしょうか。
【知事】そういうプロセスにおいて、これは、非常に私が信頼を失っておりますので、厳しい第三者の目で、しかも専門家の目で、調べていただいたほうがいい、そういう結論に至ったわけであります。
【記者】説明を引き延ばしているようにも感じられるのですけれども。
【知事】いやいや、できるだけ早く、お願いしたいと思っております。それはありません。
【記者】ご自身で把握されている部分を、なるべく早く説明されるというお考えはないのですか。
【知事】いや、それももう、先ほど申し上げましたように、きちんとした専門家に調査をしていただきたいと思っております。
【記者】日本テレビの久野村です。私どもの方でも知事にちょっと質問させていただいた件なのですが、湯河原の衣料品店の方で知事がご購入された品物について、私どもの取材では、ご自身の身の回りの、下着ですとかパジャマですとか、そういったものを買われたということが分かっているのですが、それはどのような政治活動にお使いになられたのでしょうか。
【知事】その点につきましても、政治資金報告書に書いてあることですから、これは厳しい目で見ていただきたいと思っております。専門家に任せたいと思っております。
【記者】もう1点なのですが、同様になるのですけれども、知事が購入された絵画についても、キース・ヘリングへの手紙というのがあって、それについても、どのような政治活動で、誰に対しての活動だったのかというのをご説明いただけますでしょうか。
【知事】それも政治資金規正、その政治資金の報告書に書いてあることですから、これを本当に専門家が厳しい第三者の目でチェックする、そういうことをお願いしたいと思います。
【記者】あわせて、多数の美術品を今まで購入されてきたと思うのですけれども、知事としては、それらのものを使ってどのような政治成果を今まで上げてきたと考えていらっしゃいますか。
【知事】まず、その前に、しっかりとどういう内容であるかというのを精査するほうがいいと思います。これは厳しい第三者の目で見ていただくということが前提だと思います。
【記者】最後に、今回のことに関して、6000件を超えるご意見が都庁に寄せられているということなのですが、この6000件という数字と、ご意見についてどうお受け止めでしょうか。
【知事】大変厳しいご指摘をいただいておりまして、都民の皆様方にご心配、そしてご迷惑をおかけていること、改めまして心からお詫び申し上げます。
【記者】元知事経験者の皆様からも、ちょっと資質として不適格なんじゃないかという指摘も出ているようですが、知事は、それについて、自分の知事の資質についてはどうお考えですか。
【知事】それも厳しいご批判をいただいているということは十分承知をしております。まずしっかり調査をした上で、そして全身全霊を尽くして都民のために仕事をして、都民の信頼を回復したいと思っております。
【記者】本当に最後なのですが、改めて確認ですが、知事の職を辞任する意向はないということでよろしいのかと、その場合は、どのようにして都民の信頼を回復していこうと思われているかというのをお伺いします。
【知事】大変ご迷惑をおかけて申し訳ないと思っておりますので、全力を挙げていい仕事をしたい、都民のために尽くしたいと思っております。
【記者】NHKの江頭です。質問重なりますけれども、千葉県木更津市のお正月のホテルのことについてお聞きします。調査をというお話は分かりましたけれども、これは先日、知事が弁明をされた件でありまして、新しい話題について、弁護士とか、そういう専門の方の調査を待つというのは、少しは分かるところがあるのですけれども、これについては、知事が家族で行かれていたと、政治活動していましたというところまで説明していて、あとは誰と行っていたかとか、人数とかは、これを言うか、説明するかしないかというのは、知事の説明責任を果たすかどうかの姿勢の問題だと思うのですけれども、やはりそこはおっしゃることはできないのでしょうか。
【知事】今おっしゃってくださったことは、よく分かります。ただ、冒頭申し上げましたように、色々な私の説明に対しましても、厳しいご批判を受けておりますので、この件につきましても第三者の厳しい目で調査をしていただきたいと思っております。
【記者】先日は、政治的機微があるのでというお話だったのですけれど、その弁護士の方々の調査次第では、そういうことは明らかにされる可能性はあるのですか。
【知事】弁護士の皆さん方が、私もヒアリングをなさると思いますので、そのときにどういうヒアリングをなさるか。いずれにしましても、厳しく第三者の目で見ていただきたいと思っております。
【記者】先日の会見でペンディングになっていた件ですけれども、知事自身が調べてお答えするといった件ですが、栃木県日光市のホテルの支出もございましたけれども、お盆に8万円を支出しているという。これに関しては、今日新しいご説明はないのでしょうか。
【知事】これにつきましても、この前は、週刊誌で指摘を受けた件についてご説明をさせていただきましたけれども、その後、他の施設についても、様々なご指摘を受けていますので、それについては、今の件も含めて、第三者の厳しい公正な目で調査をしていただきたいと思っております。
【記者】美術品に関してなのですけれども、ネットのオークションで商品、多くのものを購入されていることが伺えます。私どもNHKでも調べましたところ、平成24年と25年にアメリカ現代アートのキース・ヘリングのイラスト入りの手紙でありますとか、日本画家の油絵の抽象画とかを購入をされております。これについては、やはりどういう政治活動の中でどうご活用されたかというのは、やはりきっちりお伺いしたいところなのですけれども、いかがでしょうか。
【知事】はい。それはよく分かりますけれども、その前に、政治資金収支報告書、これをしっかりと精査していただいて、事実を確定していただいた上で、今おっしゃったこともそうだと思います。その上で、これはこうだという調査結果が公表になりますので、その上で対応を考え、ご説明をしたいと思っております。
【記者】同じご説明いただいているので、恐縮なのですが、ただ、この種のものというのは、一つひとつやはり違って、知事がやはり色々ネットオークションとかで選んで、こだわって丹念に選んでいることもうかがえますし、それを、今までの説明ですと、海外の方にあげたとかおっしゃってもおりましたと思いますが、そういうのは、ご記憶はされているはずなんだと思うんですけども、それは。
【知事】それはまず、政治資金報告書を政治資金に精通した弁護士の方にしっかりと一つひとつチェックをしていただいて、私もヒアリングに応じて、その上でのことになると、繰り返しになりますが、思います。
【記者】朝日新聞の小林といいます。同じ話の繰り返しかもしれませんが、例えば龍宮城の例の政治の会議があったと思うのですが、事務所の関係者の方とお話をされていて、それで政治活動ということで計上されておられると思うのですけれども、これまでの知事の支出の計上の考え方で、奥様が舛添政治経済研究所の代表をなさっていると思うのですけれども、奥様とお二人で何かお話をされたりとか、飲食店でお話をされたりをした場合というのは、それは事務所関係者という考え方で政治の資金として計上するということが今まであったのかどうかというのをお伺いしたいのですが。
【知事】いや、その点につきましても、これは政治資金を見て、しっかりまず調査をして、そういうケースはあるのかどうなのか、これを厳しく公正な目で見ていただいて、私もヒアリングに応じて、それでお答えを出したいと思っております。
【記者】あったのかどうなのかということは、もう把握されていると思うのですね。それを舛添知事のお考えで、それは政治活動というようにカウントされていたのか、それは全くプライベートだというように分けられていたのかという、その点なので、ここは調査とあまり関係なくて、今までのご判断されていた考え方の話だと思うのですが。
【知事】いや、それは、政治資金の報告書がございます。そして、過去何年間かございます。やはり一つひとつ見て、これはどういうことであるのかというのを第三者の、やはり厳正な目で見て、それで調べていくということが前提だと思っております。
【記者】NHK「ニュースウォッチ9」の田中と申します。専門家による第三者委員会からの調査を行うという話でしたけれども、この調査というのは、費用はご自身で負担されるのでしょうか。
【知事】もちろん、当然です。
【記者】また、もし第三者委員会から、適切な使い方ではなかったとなった場合は、どのような対応を取られるおつもりでしょうか。
【知事】今、第三者委員会とおっしゃいましたけど、私は、今、複数の法律専門家にお願いをしているところでありますので、まず、委員会というようなことではございません。今お願いしているという段階です。それで、その結果に従いたいと。その方々が厳正な第三者の目で見て、これはこうであるという結果を出されると思いますので、私はその結果に従いますし、その調査にも当然、ヒアリングを含めてきちんと応じたいと思っております。
【記者】その結果というものが、その使い方が適正ではなかったというような結果になった場合は、どのようなご対応を取られる考えですか。
【知事】それは、今申し上げましたように、これは政治資金規正法に精通した弁護士さんたちですので、どういうふうにしろということをおっしゃると思いますので、それに従いたいと思っております。
【記者】舛添知事ご本人は、政治資金をどのようなものとお考えで、どう使われるべきだとお考えですか。
【知事】それは、政治活動としてしっかりと都民、国民のために使うべきだと思っております。
【記者】そういう使い方をしてこられたとお考えですか。
【知事】そこも、今申し上げましたように、政治資金規正法に精通した弁護士さんが、「これはどうだ」「これはどうだ」ということを、しっかりと調査してご指示がいただけると思っております。
【記者】テレビ朝日の内田と申します。第三者の弁護士さんをお願いするということですけれども、その選定についてはどのようにお考えなのでしょうか。
【知事】それは、まず、今申し上げましたように、政治資金規正法にしっかり精通した方々にお願いすると。そして、先程来、繰り返して申し上げましたけれども、厳しい、公正、そういう目で見ていただけるという方を今、選定をお願いをしているわけであります。
【記者】それを知事がお願いするということなんですか。
【知事】ええ、もちろん、私の問題でありますから、私がお願いしたいと思っています。
【記者】知事が選ぶと、やはり疑念を持たれているということに対して、やはり、何ていうか、知事に寄った立場で見るのではないかというような眼も出ると思うのですけれども、その辺についてはどうですか。
【知事】それは、今、本当に複数の方に当たっております。したがって、まだ名前を出すとかいうわけにはいかないのはご理解いただけると思いますけれども、どなたが見られても、もうこの方ならば、例えば私寄りだとか、私にひいき目だと、そういうことではない方を選びたいと思っております。
【記者】その過程については、途中経過を公表されたりとか、結果を公表されるとか、そのお考えはありますか。
【知事】これはもうお相手のある話でございますので、その方が、「自分の名前出していいよ」とか、「もう中間報告しなさい」ということであれば、それはできると思いますけれども、相手の方とご相談しないとできないというのが今の状況です。
【記者】朝日新聞の吉浜です。調査をなさるということなのですが、具体的にいつ頃までに調査結果をまとめられるというお考えですか。
【知事】これは、今申し上げられるのは、できるだけ早くということでありまして、2か月かけるとか、3か月かけるということではありません。ただ、前回の週刊誌の件を調べるのにものすごく、あの項目だけでも時間かかりました。
かなり膨大な量になると思いますので、多少の時間は必要だと思いますけども、いずれにしましても、6月1日から都議会が、ご承知のように始まります。ですから、都議会の皆様方にご迷惑がかからぬよう心がけまして、可及的速やかに調査をしていただくようにお願いをしたいと思っております。
【記者】と申しますと、6月1日の都議会開会に間に合わせるようにということですか。
【知事】いや、そういうことではありませんが、とにかく都議会にご迷惑がかからないように全力を挙げて速やかに調査していただくことをお願いをしたいと思っております。
【記者】大体のめどというのは、ご説明は。
【知事】それも今、調査してくださる相手の方に、今、お願いしているところなので、またこれはお願いしてお受けいただいた方が精査を始めて、その段階でのご相談になると思います。
ただ、私の気持ちは、今申し上げたように、できるだけ早く、それから都議会が始まりますので、都議会の皆様にご迷惑をおかけしたくないと、これはあります。
【記者】あと、調査の件なのですが、これは政治資金規正法に抵触しているのか否かという点を調べるということですか。
【知事】いや、今回、様々な疑念が、様々な報道でなされております。本当にこれはもう、皆様方に申し訳ないと思っています。それだけ色々疑念を呈されたというのは本当に恥ずかしいことだと思っております。
先程来申し上げていますように、政治資金規正法に精通した方にやっていただくのですけれども、それ以外の問題でも、厳しい第三者の目で見ていただきたいと思っております。
【記者】どれぐらいの期間さかのぼって調べられるのですか。
【知事】これは、様々な問題が出てきております。どれだけというのは、もう具体的に調査していただく方との相談になりますけれども、ある程度過去にさかのぼって包括的に見ていただきたいと思っております。これは決まり次第、調査なさる方とご相談しながらそういう方向で参りたいと思っています。
【記者】最後に1点、いろいろ支出の内容なども調べられるということなのですけれども、仮に専門家が問題があるという判断をなさった場合、知事は、知事職を続けるかどうかというのはどのように判断しますか。
【知事】まずは、先ほどお答え申し上げましたように、しっかりと厳しい第三者の公正な目で見ていただいて、そして、これが結果として公表されることになります。そのときに、同時に、極めて公正な目でのご指示があると思います。それを受けて、その指示に従いたいと思っております。
しかし、今のところは、私は、全身全霊を傾けて都民のためにいい仕事をして、そして信頼を回復したいと、今、その一念でございます。
【記者】ジャパンタイムスの大住です。その調査に関して、調査を行われる方は、1名ですか。
【知事】今のところ、複数の方に。
【記者】何名か教えていただけますか。
【知事】今、まだ分かりません。数名の方に打診をしているところでございます。
【記者】はい、分かりました。
あと、2点目の質問なのですけれども、先ほどおっしゃったように、これから全力を尽くして皆さんの、都民の方の信頼回復をされたいとおっしゃったのですけれども、各社で行った世論調査によりますと、先週の会見を見た方で、90%以上の方は辞任を求めている、納得できないという回答が非常に多かったということで、具体的にどういうところを直したいか、どういうお考えでしょうか。
【知事】厳しいご批判を都民の皆様にいただいている、これはもう、先程来申し上げましたように、心から真摯に反省をしております。そして、そういうご批判を受けまして、それに対して二度とそういうご批判を受けないよう、そういう形でしっかりと仕事をしてまいりたいと思っております。
【記者】しっかり仕事をしてとは、どういうところで。改善されたい部分、ご自分のご活動の中で、どういうふうに。すごくあいまいな表現になってしまっていますので、具体的にどういうところを改善されたいかということをお聞きしたいです。
【知事】仕事、いろいろな分野があります。オリンピック・パラリンピックの準備もしないといけませんし、それから社会保障の問題もあります。都政はいろいろな分野がありますので、これまでも努力をしてまいりましたけれども、それにさらに加えて努力をして、あらゆる分野において良い仕事をしたいと思っております。
【記者】ちょっと私の質問が悪かったのかもしれないのですけれども、そのご活動の中での分野ではなくて、知事ご自身のご活動とか、これまでの行為の中で改善が必要な点はどういうふうに考えられますかという質問でした。
【知事】それは先程来申し上げていますように、都民の皆様方から本当に数多くのご批判を受けておりますので、一つひとつ肝に銘じて、この批判を受けたことに対して改善したいと思っております。
【記者】東京新聞の松村です。知事、先ほど言われた弁護士さんに見てもらう件ですけれども、法に抵触しているかどうかだけではなくて、どれくらいだったら一般都民の理解を得られるかというラインは見てもらうということなのですか。
【知事】それもどういう調査をするかというのは、先程来申し上げていますように、第三者の厳しい公正な目で見ていただくと。そのときにいろいろなご意見が調査結果の公表とともにいただけるものと思っております。
【記者】知事自身がそれは自分で判断できないということなのでしょうか。
【知事】いや、先ほど申し上げましたように、大変都民の皆さんの信頼を失っておりますので、厳正なる第三者の公平な目で見て、しっかりと指摘していただきたいと思っております。
【記者】それは逆に言うと、その弁護士さんがいいと言えば、それをカタにして、知事は、「これは大丈夫でしょう」ととられる可能性があると思うのですけれども。
【知事】私はそういう気は全くありません。
【記者】むしろ知事が、今後は、例えば「政治的活動が半分以上占めるものでないと、支出しません」とか、「少しでも私的なものが入っているのだったら、それは計上しません」とか、そういうことをご自身で表明して、その基準に基づいて弁護士さんに過去のものを見てもらうとかと言うのなら分かりますけれど、その基準自体を弁護士さんにやってもらうというのは、ちょっと頓珍漢ではないかと思うのですけれども。
【知事】いや、基準を作ってもらうということを申し上げているのではなくて、しっかりとまず調査をしていただいて、そして、それに基づいて、いろいろなアドバイスがある、こういうふうに思っております。
【記者】知事自身で今後についてご判断する気は全くないのでしょうか。
【知事】いや、そういうつもりで申し上げているのではなくて、まず事実についてしっかりと調査をしていただくことが全ての前提だと思っております。
【記者】事実が出てきたとしても、その事実をどう解釈するかという問題だと思うのですけれど。
【知事】それはそれからのことだと思いますので、まずしっかりと公平な厳しい第三者の目で見ていただきたいと思っております。
【記者】知事は辞めないまでも、例えば給料を削減するとか、そういう目に見える形で反省を示すということは考えていらっしゃるのでしょうか。
【知事】そういうことについても、全ては調査の結果を待ちたいと思っております。
【記者】東京新聞の川上です。今の質問の続きなのですけれども、弁護士さんの方々には、いろいろなことをお話できて、こういうふうにカメラが入って、都民の方々が見ているこの場では、正しいことはお話しできないと、そういうふうにも受け止められるのですけれども、この点についてはどう思われますでしょうか。
【知事】いや、私はそういう気は全くございません。先程来申し上げていますように、本当に申し訳ございませんけれども、大変都民の皆様の信頼を失っておりますので、まずは調査をしっかりとやっていただくということが前提でありまして、今おっしゃられたような意図は毛頭ございません。
【記者】調査そのものというよりかは、知事自身の言葉で説明をしてほしいということだと思うのです。知事自身がこの疑惑に関して、「こうですから、こうです」ということを説明していただいて、その上で都民の方々がその説明について納得するかしないかだと思います。前回の会見では、納得される方は大変少なかったです。むしろ我々の追及の方が甘いのではないかと私どもの方に大変叱責を受けております。その中で、知事が今回何も答えないということは、都民の方々は大変お怒りになると思います。その点についてはどう思われますでしょうか。
【知事】そういうお怒りもあると思いますけれども、やはり私は厳しい第三者の公平な目で調査をしていただきたいと思っております。
【記者】知事自身は、知事自身が活動していくときに、都民の信頼というのがどれぐらい必要だとお考えでしょうか。
【知事】それは、都民の信頼がなければ仕事ができないと思っておりますので、信頼を回復すべく全力を挙げて努力をしたいと思っております。
【記者】弁護士さんにお話しできて、都民にはお話しできないという中で、都民が信頼されるとお思いでしょうか。
【知事】そういうことを私は申し上げているのではなくて、厳しい第三者の目でまずしっかりと調査をしていただきたいということであります。
【記者】夕刊フジの山本です。まず、調査の結果は6月1日の都議会に間に合わないということなのでしょうか。それとも間に合うのでしょうか。めどを示さずに中身について答えないというのは、これは、都民は誰一人納得しないと思うのですが。まずその第三者の調査なるもののめど、6月1日なのか、6月10日なのか、2か月、3か月かかりませんとおっしゃいましたけれども、まず、めどをお示ししていただけませんでしょうか。
【知事】これも、申し上げたように、今調査してくださる方にお願いしている段階で、決まりましたら細かくまたご相談いたしますけれども、先ほど申し上げましたように、何か月も延ばすと、そういう気でやっているわけではありません。できるだけ早くということでありますけれども、量もたくさんあります。それで、一つの考えとしましては、都議会にご迷惑はかからないように、ということでありますので、その日程はいろいろ都議会の皆様方に迷惑がかかるのはこの日だというようなことをおっしゃると思います。だから、そういうことも含めて、まずはしっかりとした法律専門家をお願いするというのが前提でございます。
【記者】「都議会にご迷惑をかける」ということの意味がよく分からないのですが、都議会でこの件に関して知事がご説明されないのならば、都政は停滞して、大変な影響が及ぶと思うのですけれども、そのことをご迷惑とおっしゃっているのでしょうか。迷惑の中身というのは一体何なのでしょうか。
【知事】都議会は都民の代表者が集まっているところであります。したがって、そこでご質問があれば、私がきちんと答えるというのは知事としての義務であります。
【記者】今日の会見では答えられないけれども、都議会が始まったら、個別の案件についても詳細にご説明されるということでよろしいのでしょうか。
【知事】そういうことを今、申し上げているわけではなくて、まず、この調査の結果をしっかりしていただきたい。法律専門家を、今、選んでいるところでございますから、その上で、私の今の気持ちは、都民の代表である都議会で、これをしっかりと説明するというのは、それは当然なので、そういう意味でご迷惑をおかけしたくないということを申し上げたわけです。
【記者】改めて伺いたいのですけれども、政治家が、政治とカネの問題についてご自身がご説明できないという時点で、政治家を続ける資格があるのかどうか、多分私はないかと思うのですけれども、それについて知事の、自分の政治とカネについて、自分の口から説明できない現状について、どういうふうにお考えなのでしょうか。
【知事】「説明できない」という、そういう厳しいご意見は今いただきました。ご意見はいただきましたけれども、やはり厳しい第三者の公正な目で前提として実態がどうであるのかと、これをまずつまびらかにする必要があると思いますので、しっかりと私の政治資金の支出について見ていただこうと思っております。
【記者】テレビ東京の渋谷です。先週の会見では宛名のない領収書を受け取っていらっしゃったということをお認めになっていらっしゃいますが、こうしたことがミスの原因になったと思うのですけれども、こういうシステムは改善されたのかどうか確認させてください。
【知事】これもどういうふうにより良いシステムへ改善するのかというのを、今検討中でございますので、できるだけ早くいい方向に持っていきたいと思っております。
【記者】あと一点。また先週の会見なのですが、収支報告書の訂正に至ったことについて、会計責任者のミスで、人間だから100%はないとおっしゃっていましたけれども、これだけ多岐にわたる疑惑が出てきたということは、事務所そのものの体質の問題ではないかと思うのですけれども、それについてはどのように。
【知事】そういう面もあると思います。そういう厳しいご指摘を受けて、事務所のシステム、これも抜本的に改革したいと思っております。
【記者】いつまでに、ある程度考えて。
【知事】もう、できるだけ早くしたいと思っております。
【記者】毎日新聞の篠原です。調査の方法についてお伺いしたいのですけれど、結果はどのような形で公表されるのでしょうか。
【知事】これも、今、打診を専門家にしているところでございます。それで、こういう形でもちろん公表はいたします。ただ、どういう形で公表するのか、それについてはその担当の弁護士が決まった段階でご相談して決めたいと思っております。
【記者】これまでの報道で、一つひとつの項目について、いろいろな疑念が示されておりますが、その一つひとつの項目について、使途はこうであっただとか、これは私的なものだったとか、これは公的なものだったと、一つひとつ公表されるというお考えはないのでしょうか。
【知事】一つひとつというか、ご質問の意味はよく分かります。だから、皆さん方から様々な分野について、様々な点についてご疑問が呈されてございますので、そういう疑問であるとか、懸念であるとか、そういうものが全て払拭できる形で調査をお願いしたいと思っております。
【記者】一つひとつ出されるということですか。
【知事】もちろん。一つひとつ精査してくださると思います。
【記者】それを出される、公表されるということですか。
【知事】もちろん、そうだと思います。ただ、どういう公表の仕方をするかというのは、弁護士さんに任せないといけないですけれども、皆さん方がたくさん懸念や疑念というのを出されていますから、この説明で払拭できたということをやるために、専門家にお願いすると、そういうふうにご理解いただければと思います。
【記者】もう1点だけ。先週、知事は、会見の中で、「説明責任は果たした」と思うということをおっしゃいましたが、今週、この会見でさらに公正な調査をするとおっしゃられたということは、説明責任は果たされていないと考え方を変えたのでしょうか。
【知事】いや、そうではなくて、私は、私の事務所を一生懸命調べて、そして説明いたしました。しかし、冒頭、私が申し上げましたように、その後、皆様方から今、ご指摘いただいたように、多くの都民が納得していないと、批判的であるという声がありますので、それもありますので、私の事務所が調べるというよりも、厳しい、公平な第三者の目で見ていただくということの方がはるかに良いだろうと、そういうことで申し上げているわけであります。
【記者】説明が不十分だったという。
【知事】不十分というより、私は十分説明したつもりではありますけれども、先程来、皆様方がおっしゃっているように、9割の方が納得しないというような数字が出てございました。そういうことを受けて、しっかりとこれは反省して、やるということであります。
【記者】フジテレビの椿原です。改めてではありますけれども、第三者に厳しい目で調査をしてもらうということですが、その結果によっては知事の職を辞するという覚悟、気持ちはお持ちでしょうか。
【知事】まずしっかりと調査をしていただくということが前提なので、その結果を待ちたいというのが今の状況です。
【記者】結果によっては辞めるというお気持ちは、全く今のところはないと。
【知事】今の気持ちは、しっかりと仕事をして、都民の信頼を回復したいというのが私の今の気持ちであります。
【記者】先週、今週と、2週間にわたって政治資金などについて釈明することで、もう、既に都政に支障を来していると思うのですけれども、その点について、知事はどのようにお考えですか。
【知事】私自身は、決められた公務は、今朝も、きちんと、皆様方ご承知のようにこなしてまいっておりますけれども、職員の皆さんの士気に関わったり、そういうことは決していいことではございません。そういうことは非常に、職員の皆さんに対しても心から反省してお詫びをしないといけないと、そういうふうに思っております。そのことは十分に認識をしております。
【記者】ご自身としては、政治資金などについて精査する時間にとられて、都政について考える時間も削られていると思うのですけれども、ご自身は、都政については支障を来しているとはお認めにならないですか。
【知事】私自身は、今日もきちんと決められた公務をやっております。ですから、そこは支障を来さないで、私自身についてはやっておりますけど、先ほど申し上げましたように、職員の皆さんが不愉快な思いをされたり、そのことによって士気に関わったりと、これは、私は心から反省しないといけないと思っていますので、都民、そして頑張って日々努力して仕事をしている都の職員の皆さんに対しても、これは深くお詫びをして、一日も早く信頼を回復して、みんなが元気で仕事ができるように努力をしたいと思います。
【記者】もう一つお願いします。猪瀬都知事が都知事を辞められた後、舛添都知事は政治とカネの問題を批判して知事になられたわけですけれども、ご自身は、今、次々とお金に対する疑惑が報じられている、このことについてはどう考えてらっしゃいますか。
【知事】繰り返しになりますけれども、都民の皆さんに大変申し訳ないと、心から思って、しっかりと反省して、二度とそういうご批判を受けることのないように努力をしたいと思っております。
【記者】「次々と疑惑が出てくるな」という都民の目、世間の雰囲気というのは、どう受け止めていらっしゃいますか。
【知事】それは、非常に厳しいものがあると思っておりますので、真摯に反省して、仕事で信頼の回復に努めたいと思っております。
【記者】ニコニコ動画の七尾です。都庁に寄せられた批判の声の詳細を申し上げますと、知事ご存じだと思いますが、確かに、政治資金に関しましては6100件です。ただ、海外出張に関しては4800件、公用車問題に関しては2200件です。トータルで1万3100件になります。それで、この数は、これだけだと分からないので、比較、参考としていいますと、先ほど出ました当時の猪瀬都知事が、徳洲会グループから5000万円を受け取っていた問題で、そのときに都庁に寄せられた件数というのが、2010年11月27日時点で717件でした。今回、重要な点が2点、これに関してはあるのですが、やはり猪瀬都知事、当時もかなり騒がれたのですけども、その約18倍の声が寄せられているという点と、都民は知事に対して明らかにしていただきたいという批判の声は、必ずしも政治資金だけではなくて、やはり海外出張とか公用車の問題もあるのですが、こうした都民の声は、どう見ていらっしゃるか、改めてお伺いしたいです。
【知事】今、数字をいただきました。繰り返し申し上げますけども、大変厳しい指摘でございますし、心から真摯に反省して、そして仕事で、これは信頼を回復するしかないと思っております。
【記者】あともう1点、第三者に今、打診されているということなのですけれども、これは、いつから打診を始められたのでしょうか。
【知事】今週半ばあたりから打診をしております。ただ、皆さんお仕事持っておられますし、色々なお立場もございますから、今、なるべく早くということでお願いしているところであります。
【記者】これは、打診されてからそれぞれの方、まだご返事いただいてないということで、多分、知事としては、今日、本日、第三者に依頼したという形で発表されたかったとは思うのですけれども、まだ、決まってないという焦りみたいなものは知事にはございますか。
【知事】今おっしゃるように、それは、私は一刻も早くと思っていますけれども、お相手のあることですし、皆様お仕事持っていますので、即答できないというのは、分かりますけれども、また今日も、是非早くお願いしますということを再度お願いをしたいと思っております。
【記者】ありがとうございます。
【記者】TBSの松原です。自民党、公明党の幹部から、説明責任を果たしてほしいということがありましたが、今日の説明で、説明責任を果たせているとお思いでしょうか。
【知事】その点も、まず今おっしゃっていただいたように、与党の幹部から厳しいご指摘を受けている。これはもう、本当に反省をしないといけないと思っております。
ただ、先程来、申し上げていますように、私ないし私の事務所自体が、先ほどどなたかおっしゃったように、事務所の体質が問題じゃないのか、ということもありますので、説明責任を果たす前提として、第三者の厳しい専門家の目で公正にまずチェックしていただくと、これが大前提であろうと思っております。ですから、与党の幹部の皆さん方の厳しい叱責、これはもう、本当にそのとおりだと思っております。
【記者】あともう一つ。知事はいつも透明性、あとスピード感が大切とおっしゃっているのですけれども、そのどちらも今ないように思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。
【知事】それもご指摘の懸念はよく分かります。しかし、調査の過程において、まさに公正を期して、厳しい目で見ていただいて、結果は必ず公表いたしますので、その面では、問題ないと思います。それから、スピード。これもおっしゃるとおり、私は一日も早い方がいいと思っていますけれども、かなり膨大な資料の量になると思いますから、もう伏してですね、お受けいただける弁護士さん、専門家の方には急いでいただくようにお願いしたいと思っております。
【記者】毎日新聞の林田です。政治資金の問題については、第三者の目に託したいということですので、公用車についてお尋ねするのですが、湯河原町と行き来なさった48回のうち、43回で世田谷区を経由なさっていらっしゃるのですが、これは何のためにお寄りになったのでしょうか。
【知事】その点についても、これもまた、今、色々と疑念を呈されております。ですから、先ほど申し上げましたように、政治資金についてはもちろん精査をしていただきますけれども、同時に、そういう、今、疑念がたくさん、これは本当に都民の皆さんに申し訳ない。恥ずかしいぐらいたくさん出ております。もう慚愧の念に堪えないところでございます。
それで、そういうことにつきましても、厳しく、第三者の目をまず通してみたいと。そして、これはこうだと、出張させたらこうであると、それもきちんと公表して、公正を期したいと思っております。
【記者】分かりました。そうしたら、先ほどから事務所のシステムの問題、ご自身でもお認めになっていらっしゃいますけれども、そもそも知事の私的なお金も預けて、公私両方の領収書を預けるというシステムは、どなたのお考えだったのでしょうか。
【知事】どなたというより、それは最終的に私がやったことですから、私の責任だと思います。ただ、これは、私の記憶が正しければ、私が国会議員になったときに、先輩の国会議員の皆さん方、私も含めて、秘書さんたちが、皆さん色々そういうことをおやりになるときに、大体どういうふうになさるのですかって、普通聞くのです。そういうときに、こういうやり方だよという、他の国会議員の先生方、全部そうやっているということではありません。ただ、そういうことをお伺いして、「そうなんだ」「そういうシステムなのか」ということでやったと。私は、もう相当、10年以上前のことですので、今ちょっと記憶をたどればそういう感じだと思います。
【記者】そうなると、そもそも会計責任者の方にお願いになさる時点で、政治資金に関しても見ていただく、同時に私的な資金に関しても見ていただくと、そういうお願いをされていらっしゃるのですか。
【知事】いや、それは前回ご説明したとおり、分けてやっていただくということなので、先ほどお話ししましたように、そういうシステムがよろしくないと、それが1つの原因であるということなので、今、いい方法に改善しようと。
【記者】いや、当時です。ご依頼なさった当時、両方お願いしますという形でお願いなさっていらっしゃるのですね。
【知事】ええ。それはこの前説明したとおりです。
【記者】そうしますと、知事が国会議員時代から他の方々の政治とカネの問題について厳しく指摘してこられたと思うのですけれども、そういう観点から考えると、そもそも同じ方が管理しない方が、その辺の透明性というのは保てると思うのですが、なぜあえて同じ方にお願いされたのでしょうか。
【知事】それはもうおっしゃるとおりなので、そういうことについても深く反省して、これは改めたいと思っております。
【記者】いや、なぜかを教えていただけますか。
【知事】なぜかというよりも、そういうことをやってきていますので、これが一つの大きな原因になっているということですので、私はこれはしっかりと改めたいと思っています。
そして、今回、専門家が調査してくださいますから、「これはよろしくない」「こういう形で改善しなさい」と、良いアドバイスもいただけるものと思っております。
【記者】知事が反省なさっていらっしゃるのは非常によく分かるのですけれども、当時あえて同じ方に両方お願いしたというのは、傍から拝見すると、同じ方に白紙の領収書を渡した方が、どちらにでも計上できますよね。そういうことをあえて意図して同じ方にお願いしたのではないかと、そういう疑いも持ち得るのですけれども。
【知事】質問の意味は分かりました。ですから、私は少なくとも、そういう意図でもってやったつもりはありませんけれども、今ご指摘のように、そういうふうに疑念を持たれるということは、大変恥ずかしいことでありますので、今後できるだけ早く改善をしたいと思っております。
【記者】そういう意図でないということでしたら、どういう意図でいらっしゃったのでしょうか。
【知事】それはきちんと会計に精査をしてもらうという意味でやったわけでありまして、それ以上のことはありません。
【記者】でしたら、政治資金の分だけお渡しになったらよろしかったのではないのでしょうか。
【知事】なぜそうしたかというのは、この前ご説明したとおりであります。
【記者】その方が、都合がよかったと。
【知事】都合いいというより、私はそういうことをシステムとしてやっていたということです。
【記者】フジテレビ「グッディ!」の広瀬です。今日のこの会見を見ている都民は、今、どのような思いで、この会見を見ていると思いますか。
【知事】それは私が申し上げることではなくて、見ている都民の皆さんがお感じになることだと思いますので、私が、都民の気持ちをここで類推するというわけにいきません。
【記者】きょうの会見で都民を納得させようという説明をしようというつもりは、今、都知事、どのくらいお持ちでしょうか。
【知事】私は、今の状況でこういうことをやろうということを申し上げたわけであります。
【記者】この会見を見た都民が、第三者の見解を待ってくれるでしょうかという思いなのですけれど、その点いかがですか。
【知事】できるだけ早く結果を出すようにお願いしたいと思っております。
【記者】今、疑惑に関して、知事の説明が聞きたいという思いがあると思うのですね。それを、第三者機関の目でということになると、待たせてしまう、本当に待ってくれると思いますか。
【知事】確かに、本当に少しお待たせするのは大変申し訳ないと思っておりますけれども、厳しい、公正な第三者の目で見ていただきたいと、そういう思いであります。
【記者】公正な第三者の目とおっしゃいますが、都民の目はどのようなものだと感じていますか。
【知事】それは大変厳しい目だと、皆さん方のご指摘をいただいております。
【記者】都民の目こそが公正だとは思いませんか。
【知事】これは政治資金規正法に精通した弁護士などの専門家がしっかりと、そういう都民の目も念頭に置きながら、ご判断いただけるものと思っております。
【記者】今日は、全く疑惑に関してご自身の口から、今後、説明はないということでよろしいですか。
【知事】全て、厳しい第三者の目で調査をしていただきたいと、それがまず前提だと思います。
【記者】色々な疑惑がありまして、似顔絵入りまんじゅうだとか、色々な疑惑が出ているのですけれども、これをつくった記憶とかはありますか。
【知事】それはもちろん、存在していました。
【記者】これはどのようなお金でどのような目的でつくって、誰に渡したのかというのは。
【知事】そのことにつきましても、これは収支報告書に記載されていることでありますので、第三者の厳しい目でしっかりと調査をしていただくということは、全て他の項目と同様でございます。
【記者】これも回答を待たなければいけないということ。
【知事】同様でございます。申し訳ありません。
(指名されていない記者が発言を始める)
【記者】当事者として説明してもらいたいのです。当事者として説明していただきたい。
【記者】(幹事社)やめてください。不規則発言はやめてください。
【記者】第三者のね…。
【記者】(幹事社)だめです。いや、指されてないのでやめてください。
【記者】こういうね、記者会見にならないですから。
【記者】(幹事社)やめてください。いや、だめです。
【記者】説明責任をきちっと、公人として果たしてもらいたい。
【記者】(幹事社)幹事社として申し上げますが、ちょっと、だめです。
【記者】厳しい第三者の調査も大事ですけれども、両方やっていただきたいというのが、今日の記者会見ではないのですか。
【記者】(幹事社)会見の指示に従ってください。
【記者】(幹事社)知事、すみません。
【記者】読売新聞の越村です。調査についてですけれども、先ほど複数の弁護士に打診されているということでしたが、実際に調査をする弁護士の方は1人なのですか。それともチームで、何人か、複数が当たるということなのでしょうか。
【知事】今のところ複数になると思います。複数には打診しております。
【記者】複数に打診していて、理想だと複数の人が調査も行うということで。
【知事】そのつもりです。
【記者】あと、先ほどから、この弁護士さんについて公正な第三者の目ということをおっしゃっていますけれども、あくまでもこれは政治資金の使い方、いわゆる法的に問題があるかどうかというのが、こういう弁護士さんというのは専門家であって、いわゆる今、そういう法的な問題もそうですけれども、知事の、例えば解散直前に政党交付金を移動させたとか、それはもう法的には問題ないですけれども、いわゆる、道義的とか倫理的な問題に関しても、弁護士さんが判断できるのでしょうか。また、判断させてもいいのでしょうか。
【知事】その点は、正に担当になられる専門家の弁護士さんの方とご相談をしないといけませんけれども、厳しい都民の批判が背景にあるということを前提にして、的確に、厳しい公正な目で見ていただけるものと思っております。
【記者】あと1点。先ほど、調査結果を踏まえて、またご判断されるということでしたけれども、この調査結果というのは、例えば知事の出処進退ですとか、例えば知事ご自身の処分とか、そこまでも弁護士に委ねてしまうのでしょうか。
【知事】いや、そういうことではなくて、まず、膨大な量に当たります。そして、これはいろいろな懸念、疑問、これが今呈されていますので、まずそれをしっかり出していただく、そして、その公表をしていただく。それで、その結果についてどうするかということは、これはまた私の方でしっかり考えたいと思っています。
【記者】そうすると、知事自身がどう自らを処するか、律するかというのは、もちろん知事がご自身でご判断されるということでよろしいですか。
【知事】基本的に政治家の出処進退は政治家自らが判断するということです。
【記者】日刊スポーツの中山です。調査をなさる弁護士の先生方は今打診をしている段階で、まだ決まっていないということですが、決まるめどというのはあるのでしょうか。
【知事】本当にできるだけ早く、できれば週明けぐらいには、週末を挟みますから、週明けぐらいには遅くとも決めたいというのが、今の私の気持ちで、そういう思いで今お願いをしているところです。
【記者】そうしましたら、週明けに決まったとしても、調査には大分時間がかかるとおっしゃいました。では、もし結果が出ていない場合は、来週の記者会見もこういうふうな形でやりとりが続くようなことになるのでしょうか。
【知事】それは、とにかくまず、それこそ週明けすぐにでも決めて、もっと早くできればそうなのですけれども、直ちに調査に取りかかっていただきます。その結果次第だと思います。
【記者】あともう1点だけ。都議会が来月1日から始まりまして、代表質問、一般質問がございます。そこで質疑があると思うのですが、少なくとも代表質問や一般質問の頃までには、ある程度の調査結果を出すということでよろしいでしょうか。
【知事】先ほども申し上げていますように、何月何日ということを申し上げているわけではなくて、都議会にご迷惑かからないようにということでありますし、もちろん都議会というのは都民の皆さんの代表の方々がそこに来られるわけですから、都民を代表して各議員から様々なご質問、厳しいご批判も出るのは当然だと思います。そして、それに対しては、知事としてきちんと答弁をしていきたいと思っております。
(後編に続く)
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