■10月9日の衆議院の解散を受けて、10月15日に第50回衆院選が公示され、10月27日の投開票に向けて12日間の選挙戦が繰り広げられています。自民党の政治資金問題や統一教会問題など、政治とカネにまみれた政治の改革を焦点に、物価高対策を含む経済対策や少子高齢化、教育、外交、防衛など国がかかえる各分野の課題を争点に、自民、公明両党の与党と、立憲民主党や日本維新の会などの野党各党が競っています。
定数は465(小選挙区289、比例選176)で、過半数は233議席。立候補者数は小選挙区で1113人、比例代表単独で231人のあわせて1344人が立候補しました。前回3年前は1051人といまの制度が始まって以来最も少なくなりましたが、今回、293人増えました。与野党1対1の構図は36選挙区で全体の1割あまりに留まっていて、候補者数が前回より増えた理由として、野党間での調整が進まず、各党がそれぞれ候補者の擁立を進めたことが背景にあります。
9月27日の自民党総裁選、10月1日の石破就任と新内閣の発足、10月8日の衆院解散、そして総選挙と、戦後最短のスケジュールでことが進んでいます。
■筆者の住む安中市は、高崎市の一部(旧群馬町・箕郷町・榛名町・倉渕村域)、渋川市、富岡市、北群馬郡、甘楽郡、吾妻郡とともに群馬5区に属しており、次の3名が立候補しています(敬称略)。
氏名 /年齢/党派/新旧/当選回数/代表的肩書/重複
○伊藤 達也/41歳/共産/新/-/党県書記長/-
○小渕 優子/50歳/自(公)/前/8回/(元)党選対委員長/比例(北関東)
○中島由美子/65歳/維新/新/-/(元)榛東村議/比例(北関東)
選挙戦が始まってから4日目の10月18日に筆者の自宅に小渕優子候補から選挙葉書が届きました。消印を見ると「前橋中央 6 10.15」とあり、公示日に前橋中央郵便局で受け付けたことがわかります。
字が小さいので判読しづらいのですが、公約らしき以下のスローガンが書かれています。
<希望溢れるくらしの実現>
【防災・減災対策 命を守る国土強靭化】
【暮らしを守る エネルギー政策】
【子育て支援、デジタル化でふるさとを守る】
【経済再生、持続可能な社会保障制度を創る】
【農業・工業・商業の振興 魅力あふれる群馬を創る】
ところで、小渕優子候補と言えば、岸田内閣時代は、第11代自民党選挙対策委員長を務め、石破内閣では組織運動本部長に再度就任していることから、今回の選挙では、ほとんど地元で選挙運動をする暇がありません。事実、10月20日も昼間、東京と埼玉で応援演説に従事し、夕方帰郷して一部の地元で遊説していました。
**********NHK News Web 2024年10月20日18:51
衆議院選挙 投開票まで残り1週間 各党の幹部が演説し支持訴え
衆議院選挙は今月27日の投開票まで残り1週間となり、各党の幹部は日曜日のきょう駅前などで街頭演説し支持を訴えました。
<自民 小渕組織運動本部長>
自民党の小渕組織運動本部長は東京 杉並区で街頭演説し「日本はまさに転換期にある。経済、子育て支援、防災・減災などに加え、安全保障環境も大変厳しい中にあるが、今、少しずつ明るい兆しが見えてきており、この流れを止めることがあってはならない。どの政党なら、皆さんの未来を切り開くことができるのか。自公連立政権こそ政治の安定につながり、日本を前に進めることができる」と述べました。
(以下省略)
**********
なので、地元の群馬5区ではもっぱら遊説車でウグイス嬢による街宣活動がメインです。筆者の地元の安中市野殿地区ではこれまで1度、街宣マイクが聞こえたきりです。10月20日の小渕候補の遊説ルートを見ると以下のとおりです。
**********小渕優子オフィシャルブログ2024年10月20日
本日20日(日)の遊説車の運行ルートです。
本日は北群馬郡と渋川市をまわらせていただきます。
● 08:30 榛東さいとう医院 駐車場
● 10:00 ヤマダ電機前橋吉岡店 駐車場
● 14:30 JA渋川北群本所
にて拠点遊説を行います。
17:30頃からは、新たに群馬5区になった赤城・北橘地区で小渕優子本人が皆さまにご挨拶をさせていただきます。
■17:40 JA赤城たちばな赤城支所
■18:05 JA赤城たちばな本所
■18:55 上箱田集会所
■19:20 Aコープ北橘店
■19:35 たちばなの郷公園
■19:50 JA赤城たちばな八崎ふれあい館
近隣の皆さまにおかれましては、お騒がせをして申し訳ございません。温かなご声援をいただけますと幸いです。
昼間は、東京都内と埼玉県で応援予定です。
詳しくは自民党の「2024年 第50回衆議院選挙特設サイト」をご確認いただけますと幸いです。↓
**********
■ところで、小渕候補の選挙葉書や上記の応援演説内容を見ると、「政治とカネ」について全く言及していないのが気になります。
くしくも10年前の2014年10月20日に当会は小渕優子経済産業相(当時)を東京地検に公職選挙法違反と政治資金規正法違反容疑で告発しました。
**********テレ朝News 2014年10月20日11:50
辞任の小渕経産大臣を刑事告発 群馬の市民団体
小渕経済産業大臣の地元の群馬県の市民団体が、小渕大臣を公職選挙法違反などの疑いで20日午前、東京地検に刑事告発しました。
市民オンブズマン群馬・小川賢代表:「(告発状は)公職選挙法違反と政治資金規正法違反容疑の2つを上げています」
告発状によりますと、2010年と2011年の明治座の観劇会を巡り、参加費の一部を政治団体が負担したことは選挙人への利益供与にあたり、さらに、政治資金収支報告書の不記載か虚偽記載にあたるとしています。団体の代表は「きちんと実態解明を行う必要があると考え、告発に踏み切った」としています。
**********日テレNews 2014年10月20日10:38
小渕経産相辞任 市民団体が刑事告発へ
小渕経産相の政治資金問題を巡り、群馬県の市民団体は、小渕経産相を公職選挙法違反などの疑いで刑事告発するという。
公金の使い方などを調べている市民団体「市民オンブズマン群馬」は、この問題で20日、小渕経産相を公職選挙法違反と政治資金規正法違反の疑いで、東京地検に告発状を提出するという。
小川賢代表は、「辞任して責任をとったことにされたのでは困る。司法当局にきちんと捜査してもらい、事実関係を解明してもらいたい」と話している。
**********
■今回の選挙も、相変わらず自民党による政治とカネの問題が取りざたされていますが、選挙が終われば、ふたたび政治改革はどこ吹く風とばかりに、旧態依然たる権力の継承が続くのではないか、となかば諦め気味の有権者も多いことでしょう。
かといって、諦めてはなりません。今度こそ、と気持ちをあらたに、投票に行きましょう。
↑安中市役所1階ロビーの期日前投票所。筆者はできるかぎり期日前投票はしない方針。なぜなら、投票箱のカギは市職員が保管しておりいつでも開けられるリスクがあるから。↑
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※参考情報
**********文春オンライン2024年10月16日(水) 16:00
小渕優子・組織運動本部長が代表 自民党群馬県連で約670万円が裏金化か 県連は支部に訂正を指示《政治資金規正法違反の疑い》
自民党の小渕優子組織運動本部長(50)が代表を務める政治団体「自由民主党群馬県支部連合会(群馬県連)」から、他の自民党支部への支出計約670万円が支部側の政治資金収支報告書には記載されているにもかかわらず、群馬県連側の収支報告書に記載されていないことが、「週刊文春」の取材でわかった。政治資金規正法違反(不記載)の疑いがある。県連側から支部に対する支出の不記載を巡っては、県連代表の国会議員が刑事告発されたケースもあり、波紋を呼びそうだ。
↑組織運動本部長に起用された ©︎時事通信社© 文春オンライン↑
★石破政権で党7役の一角を占める組織運動本部長に就任★
小渕氏は群馬5区が選挙区で、当選8回。2008年9月、麻生政権で戦後最年少の34歳で男女共同参画・少子化担当相として初入閣を果たし、2014年9月には、安倍政権で重要閣僚とされる経産相に就任した。ところが、その直後の10月、小渕氏の関係政治団体が開催した観劇会を巡り、政治資金収支報告書に不適切な記載をしていた問題が発覚。収支報告書への虚偽記載額は3億円を超え、2015年10月、小渕氏の元秘書2人には有罪判決が下された。
「しばらく表舞台から遠ざかっていましたが、昨年9月、岸田政権で選対委員長に就任。石破政権でも党7役の一角を占める組織運動本部長に起用された。地方組織や業界団体と連携して党組織を強化する役割を担う重要なポストです」(自民党関係者)
★「“裏金”から支出したことになり得る」★
今回、明らかになったのは、そんな小渕氏が代表を務める群馬県連の政治資金規正法違反疑惑だ。例えば、2022年に自由民主党邑楽郡支部が群馬県連から供与された交付金として計上している135万1000円が、県連の支出としては記載されていない。こうした不記載の総額は、過去3年間で少なくとも計約670万円に及ぶ。
政治資金規正法に詳しい神戸学院大の上脇博之教授が指摘する。
「政治資金規正法違反(不記載)の疑いがあります。県連側が“裏金”を作っており、その“裏金”から支出したことになり得る。小渕氏自身に関する巨額の政治資金規正法違反事件や、派閥パーティの裏金事件を受け、一層の政治資金の透明化が求められている。小渕氏は説明責任が求められるでしょう」
鳥取県連の不記載疑惑では石破首相が刑事告発されている
小渕事務所は事実確認に対し、以下のように回答した。
「ご質問の当県連から支部に交付された金員は、同支部が集めた党費の支部還付分です。支部に還付された党費は、同支部がその収支報告書の党費の記載欄に記載すればよいところ、同支部では党費の記載欄だけでなく、県連から供与された交付金の記載欄にも誤って二重計上してしまったものです。支部収支報告書の交付金の記載欄への記載は間違いですので、当県連から同支部に訂正するよう指示をしました」
群馬県連の事例と同様に、支部への支出約128万円が収支報告書に記載されていなかったとして、鳥取県連代表の石破茂首相らが政治資金規正法違反の疑いで先日、刑事告発されたばかり。首相に続き、自らが要職に起用した小渕氏においても、同種の疑惑が発覚した形となり、政権の政治資金問題に対する意識の在り方が厳しく問われそうだ。
現在配信中の「週刊文春電子版」および10月17日(木)発売の「週刊文春」では、「裏金候補を連続直撃&当落リストを緊急公開!」と題し、裏金事件に関与した萩生田光一元政調会長や西村康稔元経産相、高木毅元国対委員長をはじめ、旧安倍派の議員らを連続直撃し、その意外な当落予測についても報じている。
(「週刊文春」編集部/週刊文春Webオリジナル)
**********文春オンライン2023年09月13日
“ドリル事件“以来9年ぶりの要職 「ファミリー企業に1400万円超」 小渕優子・選対委員長(49)に不透明な政治資金処理が発覚
9月13日の内閣改造・党役員人事で、選挙対策委員長に就任した小渕優子氏(49)の関係政治団体が、2015年からの7年間で、1400万円以上を自身のファミリー企業に支出していたことが、「週刊文春」の取材でわかった。
関係政治団体を巡る政治資金規正法違反事件で経産相を辞任して以来、約9年ぶりに要職に起用されたが、新たに不透明な政治資金処理が発覚したことで早くも説明責任が問われる事態になりそうだ。
小渕氏は1996年、成城大学を卒業後、TBSに入社。1998年、父・恵三氏が首相に就任したのに伴い、TBSを退社し、私設秘書になった。2000年5月、恵三氏が急逝すると、地盤を継ぎ、翌6月の衆院選で初当選を果たす。
2008年9月、麻生政権で戦後最年少の34歳で男女共同参画・少子化担当相として初入閣。2014年9月には、第2次安倍政権で重要閣僚とされる経産相に就任した。
★「完全に禊が済んだ」岸田首相が選対委員長に起用★
ところが、その直後の2014年10月、小渕氏の関係政治団体「小渕優子後援会」などが開催した東京・明治座での観劇会を巡り、支出が収入を大幅に上回るなど、政治資金収支報告書に不適切な記載をしていた問題を「週刊新潮」が報道。
東京地検特捜部が捜査に乗り出し、小渕氏は経産相を辞任。結局、収支報告書への虚偽記載額は3億円を超え、2015年10月、小渕氏の元秘書2人には有罪判決が下された。
「以降、小渕氏が要職に起用されることはなかった。しかし、今回、岸田首相は『完全に禊が済んだ』として党四役の一角、選対委員長に起用したのです」(政治部デスク)
その後、小渕氏の政治資金はどうなっているのか。政治資金規正法違反事件が発覚した翌2015年以降の政治資金収支報告書を確認したところ、自身のファミリー企業に多額の支出をしている実態が浮き彫りになった。
問題のファミリー企業とは、「光山商事」、「光山倉庫」、「光山電気工業」など、小渕氏の祖父・小渕光平元衆院議員(故人)が立ち上げた「光山社(こうざんしゃ)」の流れを汲む企業グループだ。中でも「光山商事」や「光山倉庫」は、取締役の大半が小渕姓で、小渕氏の従兄が社長を務めている。
★親族が関連する企業への支出が計1400万円以上★
小渕氏の政党支部「自由民主党群馬県第五選挙区支部」や、「小渕優子後援会」の収支報告書(2015年~2021年)によれば、「光山商事」にガソリン代など、「光山倉庫」に倉庫使用料代など、「光山電気工業」に事務用品代などの名目で、計1400万円以上を支出していた。
政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授が指摘する。
「政治資金には税金が含まれているので、その使途には厳正さが求められます。その意味で、親族が関連する企業への支出は、道義的な問題がある。どうしてもその企業に発注しなければいけない必然性があるのか、丁寧に説明すべきです」
小渕事務所に見解を求めたところ、以下のように回答した。
「(ファミリー企業について)選挙区支部及び後援会の政治資金については、政治資金収支報告書記載のとおりです」
だが、小渕氏の政治資金に関する疑惑はそれだけではなかった――。
9月13日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および9月14日(木)発売の「週刊文春」では、小渕氏が、有罪判決を受けた元秘書が取締役を務める企業にも多額の政治資金を支出していた問題や、巨額の政治資金収入を支える意外な“タニマチ”、小渕氏が選対委員長に起用されるまでの経緯などについても詳報している。
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