市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

大同スラグ問題を斬る!…10月9日群馬弁護士会館でのスラグ汚染問題に関する毎日新聞記者の報告(その2)

2015-10-14 23:36:00 | スラグ不法投棄問題
■続いて質疑応答に移りました。

**********
司会:ありがとうございました。せっかくの機会ですので、時間を6時半ぐらいまで伸ばしたいと考えていますので、質問のある方は、ぜひこの機会にしていただければと思います。

Q:はい、すいません。愛知県のほうでは、問題はないと、群馬県ではあると。どの程度の基準が、条例等の関係で違っていたんでしょうか。

A:愛知県はアイクル材という、要はリサイクル材、愛知の愛とリサイクルのアイクルでアイクル材という、リサイクル製品を積極的に愛知県は使いますよと、但し厳格な基準を設けたもの以外は公共事業から締め出しますよ、と言う強いスランスで臨んだんですね。その基準の中に、膨張比は勿論ですが、有害物質を原料から超えた場合はアウト、という基準を設けています。この原料からというのがポイントです。今回、大同特殊鋼の渋川工場がすり抜けたのは、原料のスラグは有害だということは大同も分かっていたんですけど、それに天然砕石をブレンドさせて、結局、検査をまとめてマスで検査をするので、マスで検査をすれば有害物質が、含有率は相対的に下がるから、それで大同はすり抜けていたんですね。だけど、愛知の場合は、二つの物質を混ぜる場合は、それぞれの物質で検査をしなければいけないという規則になっているので、今回のような手法が通じなかったので、超えるのは素直に廃棄していました。これは明らかに群馬県の愛知県の設けた基準の差が、今回の対応になったということです。

Q:その廃棄する費用というのは、廃棄はどういうものかということと、それに対する費用というのはどういう問題にひっかかってくるんでしょうか。

A:1立米3万円とか4万円とか言われているんですね。70万トンとかっていうふうに今排出、年間2万トンですかね。

参加者から:2万5千トン。

A:2万5千トンが大同の渋川工場から排出されて、それにトンで言えば2万円掛かるので、ちょっと計算していただければと思うんですけど、そのぐらいの数億円、多分かかると思うんですけど、それを惜しんで、建設屋さんに小遣いを渡せば殆どただみたいなおカネで、それが捌ける、コスト削減になるということで、やっていたんですね。

Q:その処理方法というのは。

A:スラグを処理しようとする場合には、遮断型という環境省の指定を受けた特殊な処分場に持って行かないと、処分が出来ないんです。単純にそのへんの安定型という穴を掘って埋める処分場、管理型の処分場では処分ができないんです。例えば、長野県のイーステージでしたっけ。そこに持っていて高いカネを払って、最終的には埋めるんですね。富山の方へ持って行って埋めるんですね。水が漏れないような特殊な遮蔽をしたような特殊な処分場でないと処分が出来ないんです。それにコストがかかってきます。
 さっきちょっと説明を抜かしてしまったところがあります。6ページを見ていただいて、覚書というのが有ります。運賃表と言うのが載っています。これは、甲が大同で、乙が群馬丸太と書いてありますが、これは群馬丸太が中抜きをほとんどしないで、全て佐藤建設工業に支払っているようですけど、大同はさっき販売管理費という名目でおカネを払っているだけではなくて、スラグを運ぶおカネというのも一切大同に負担を掛けまして、佐藤建設工業は、これを営業によく利用していまして、「輸送費込みの同一単価」という、凄いんですが、これは例えば、何処にスラグを運んでも値段が変わらない、ということです。で、資材もあまり詳しくないかたは、ご存知ないかもしれないですけど、資材というのは輸送費がすごくかかるんです。トラックで運ばなければならないんです。八ッ場ダムに運ぶと。東毛だったら、太田、館林まで運ぶと。だから輸送費が必ず販売単価に加算されてくるのが普通なんですが、佐藤建設工業は、輸送費を大同が全部負担してくれるので、ユーザーの建設業者に対して、「どこまで資材を持って行っても、値段は統一価格でやらせていただきます」というのを、一つ営業にしていました。太田の方に持っていた実績があるようなんですが、普通は、地産地消で、コストがかかるから太田にもたくさん砕石屋さんが居るのに、その太田の砕石屋さんが佐藤に負けたという話も出ているくらいです。運賃の負担と言うのが、やはりひとつ、販売管理費と並んで逆有償のひとつ、大きな要素になっていったというところですね。すいません。おカネに関して、そういった問題もあります。

Q:実際に混ぜていたのは、この佐藤工業のほうで混ぜていたわけですか。

A:大同の渋川工場で出たスラグを、佐藤建設が管理する渋川市内のヤードに・・・東吾妻町かな、そのヤードに持ってきまして、そこで、佐藤建設が自分の山で発破した天然採石を持てきてそこでブレンドするということなんですが、このブレンドが非常にいい加減で、きれいに混ぜていれば、スラグの使う量は、ある程度少なくて済むんですけど、もうトラックが来たら、私も見たんですけど、スラグの山から持って来るみたいな。だから、ものによって、スラグがうんと薄い場所もあれば、殆ど100%に近いような場所もあって、それが、県も頭を悩ませているところなんですけど、結局、もう、乱暴にほとんど混ぜることなく使っているものだから、あるところではスラグだけではなく、スラグが接している土壌にまで汚染が、深刻な土壌汚染を生んでいる場所もあります。そういった場所は、ほとんどもう、100%、“生一本”と専門家は言うんですけれど、100%に近いスラグが使われている場所もあると。仮にですけど、それが、八ッ場ダムの宅地の下で、生一本に近いものが使われていない保証がないので、それが結局、おそらく佐藤に聞いても、濃い場所と薄い場所がわからないわけなんですよ。それが、心配なんですよね。だから、先ほど見たTさんのうちは生一本の場所だから、あんなに直ぐに膨れてしまったんですけれど、八ッ場ダムの住宅の下で使われているものが生一本でないという保証なんていうのはまるでなくて、そこが非常に心配なんです。因みに試験に必ず出さなくてはいけなくて、行政で使う場合には試験に出すんですが、試験に出して使う場合には、ちゃんとした、きっちりブレンドして、試験を通るやつを出してわけなんですよ。

Q:スラグとは見た目で分かるものですか。

A:それが・・・分かりません。ただ、私は、国交省の現場監督とか、建設屋さんも有る程度気付いていたんではないかと思うんです。その根拠は、普通の、コンクリートガラを作った資材の2割から3割安い値段で佐藤建設は、資材を売っていたわけです。そうするとなぜ安いんだろうというのは、普通の業者さんなら分かるし、国交省だって、この辺ちょっと話が入ってくれば、そこの資材は安いんだぞということになれば、「あれ、スラグを混ぜているのではないか」ということは、当然分かる筈なので、国交省は「認めて無い所でたくさん使われていてうらは被害者」だと言っているんですけど、資材が2割、3割安いんだから、そこは常識的には気付くのではないかと私は思いますけれど、一応、今回は行政は被害者というふうになっているわけなんです。

Q:現在もでているわけですか、スラグは。

A:去年、渋川工場はもうスラグの排出を止めて、群馬県では、スラグは排出されていません。ただ、多くの鉄鋼メーカーが今もスラグは再生利用しているので、大同のような問題が、他のメーカーで起きないとは限らない、とは思っています。ただですね、今回の問題を受けて、業界全体が厳しくしているのと、あとは、みな、やはり新日鉄さんとか住金・・・新日鉄住金とか、JFEとか、神戸製鋼とか、やはり、スラグの有害物質の低減化に、かなりの設備投資をして、おカネをかけて有害物質が出ないような設備を導入していて、特許とかも取ったりしているので、他の所はかなり先進的にやっているところが多いんですよね。だから、大同は、特殊金属を使っているがゆえに、有害物質があれだけ入っているのをご存知であったにも関わらず、その環境に対する配慮が、やっぱり、他企業と比べても相当低かったのではないかな、というのは思いますね。特に、愛知ではやっていないので、群馬が・・・言い方は悪いんですけど、軽く見られていたというような、結果を見れば状況だったというふうに思います。

Q:愛知の方で使ったものを、群馬からでたものを持って行っていたんですか。

A:いや、先ほども申しましたように輸送コストが非常にかかるんで、基本、スラグは地産地消なんですね。愛知には、知多工場という鉄鋼工場を、大同は持っていまして、その工場で出たやつを愛知で使っていたわけです。で、愛知のほうは、有害物質が出た場合には処分をして、出ていないやつを限定的に、スラグとして向こうは使っている。お分かりになりますか。

A:はい。今のところ、新日鉄住金とか、神戸とかいろいろありますよね。こっちの方から今のところは、わかっていないんですか、スラグは。

Q:問題になっていないからということですかね。ちょいちょいあるんですよね、というのは、豊島でしたっけ。瀬戸内海で問題になったり、とか、過去にもいくつか出ているんですけれど、その度に問題が起きるとその企業が改めるという状況を繰り返して居まして、ただ、逆有償取引は、大なり小なりどこのメーカーもやっていたんですけれど、今回の大同のやつでみんな慌てて止めたという話は情報としてあります。有害物質に関しては、これは鉄鋼スラグ協会が言うには、大同の渋川工場は特に特殊で、他のメーカーは特殊金属を作っているメーカーは、そもそも殆どスラグを売っていないと。もう(有害物質が)出ちゃうから。スラグを売っているのは、有害物質をほとんど使わない「銑鉄」と言うんですけれど、高炉で使う、いわゆる科学で習った、コークスと鉄鉱石と石灰石を混ぜて作る鉄があるんですが、それのスラグはそんなに有害ではないので、それくらいしか流通させていないんだというふうに鉄鋼スラグ協会は言っています。ただ、協会が言っていることなので、どこまで本当かというところはありまして、現に私、今さっき名古屋で220箇所隆起したという説明をしたと思うんですけれど、あれも、さっきの私が言った愛知の基準からすれば矛盾している話で、おそらく愛知でもアイクル材に、通過するときに検査で持っていくやつには、基準を下回るやつを持って行ったくせして、流通させているのは基準を超えているのを使っているという可能性が十分考えられるので、私、最近名古屋にずっと言って、220箇所の亀裂問題をずっと取材しているところです。だから、他でも眠っている可能性があると思います。

Q:名古屋では膨張の問題が今、表に出ているんですか?

A:そうです。

Q:その有害な六価クロムの、含有とか、そういった所はもうクリアしているんですか。

A:一応、膨張したスラグを、行政が検査機関に持っていったら環境基準は全部下回っていて、その辺から、大体どこの製品かということが分かってきまして、何製のスラグが膨張してたのか、というのは、大体分かってきたんですが、それは企業秘密で、数カ月以内に毎日新聞をお楽しみください。(場内笑い)

Q:それは楽しみですね。スラグはもともと膨張するものですか。

A:すごくマニアックというか、科学的なことで、スラグには2種類ありまして、高炉スラグと製鋼スラグと言うのがあります。資料の1枚目にも書かせていただいたんですが、高炉スラグというのは、科学でいわゆる3つの物質を混ぜてつくる「銑鉄」といわれるやつなんですね。これ(のスラグ)は膨らまないんです。製鋼スラグ、とくに大同で使われている電炉スラグの場合に入れる物質が膨らむということで、全てのスラグが膨らむわけではないんですね。で、そうなってくると、膨らんだ鉄。名古屋で例えば膨らんだということは、高炉ではなくて製鋼なんだなと、そうすると電炉メーカーなんだな、とか。しかも有害物質を調べてみると、この物質がちょっと高くて、この物質がちょっと低いな、とか、いうのをバーッと調べていくと、鉄鋼メーカーもそんない幾つもあるわけではないので、だんだん業者が絞れてきて、最終的に、あのメーカーというのが絞り込めたんですけれど。膨らむのに、全部膨らむわけではないんです。

Q:いいですか。実は、私は2013年6月のスカイランドパークの駐車場問題に絡んだことがあるんですが、この事案は駐車場が膨張して、それを渋川市の方で改修工事をするということで、当然事業主体は渋川市で、スラグを掘り起こす業者、それから運ぶ業者、それから最終的には最後に処理する業者、それらに発送したんですけれども、産業廃棄処理法で、この処理費用は誰が法的に負うかということで、県とかいろいろやりあってきて最終的には県の見解は、そのスラグを掘り出した業者が法律的な責任をもつと。ただし渋川市の予算はまさに掘り出す費用といえば報酬しかくれないんですね。それでもし廃棄物処理費を負担すると言ったら、その会社が当選するという危機管理の問題があったので、これはおかしいのかなという気がしたんですが、これからやっぱり今回掘り起こす問題になった時に、誰が廃棄物処理法の法的な責任を負うかという問題で、それからその費用の負担という問題についてこれからまた話さなくてはいけないかなということがある。うっかりして工事を請け負って責任を負えば、他の人が責任を持たなくては、義務者が負うような格好になってしまうので、その辺が我々、今度は法律的な問題として相当整理が必要かなと思った次第なんです。

A:まさに2013年6月の問題は、この問題が一番最初に明るみになった時なので、いろいろな、研究と言うか、みんなが遅れている初めての状況だったんと思うんですけれども、例えば水資源機構の群馬用水の脇の砂利道で有害スラグが見つかって、それはもう撤去して工事が終わったんですが、その時、佐田道路とか、佐田建設が受注して、それは水資源費用がもう全部、費用を、片づける費用まで一義的には支払って、最終的には大同と話し合いが出来て、その費用は全部大同が全部負担しますよということで落ち着いたんです。これからは、撤去する、例えばあの当時だと北部土建か、地元の建設屋さんが、駐車場を掘り出す役回りをしていたと思うんですけれども、その業者さんに責任がいくような状況には、今後はなっていかないという風には思います。

Q:廃棄物処理法上の責任はその業者に有りそうなんですね。実際に費用は、そんな、高々掘り出すことだけを請け負った業者に、最終的にはそれを廃棄物処理する責任ということ自体は、おかしい事はおかしいですけれど、法律的にはそういったことをしっかり意識しておかないと。費用の負担者を決めておかないと、うっかり掘ることもできないんですよ。今言ったTさんの家を掘るにしても、掘った人が掘り出したものの処理に対する責任を負う格好になって来てしまうので、それをうっかり請け負えば、掘ってしまえば、掘った人の責任になってしまうのか。ただ、費用の負担者をTさんにするのか、それともその原因を与えた大同にするのかは、どういう形にするのかは別として、廃棄物をうっかり掘り返してはいけないのは、廃棄物処理法の処理義務者が誰になるのか、ということが非常に難しい問題が残ってくるわけです。

A:通常は多分、今回見たいな状況でなければ、工事を請け負った業者が、それも含めて請け負うんでしょうね。きっと。

Q:だから水資源開発機構とこの2つは決まったわけですね。だが堀った人が、あとは汚染が残ったひとが、
これは決まったが実際に掘った人が、あとは自分でマニフェストを作って、やらなくてはいけない。その費用が他の人に持ってもらうか、スカイランドの場合は、最終的には渋川市が持ってもらって、その辺は免れたんだと思うんですけれども、それは結果的にはそれは適切な処理だとは思うんですけれども、ただ廃棄物処理法違反だと、掘った人が義務者になってしまうことです。

A:私もその辺勉強させていただきたいと思います。なかなか難しいんですね。佐藤建設工業が無許可で使った場所を撤去する場合には、じゃあ、大同が負担するのかどうかとか、あと民間で、さっきの無償で提供された場所については、大同が負担するのかとか、一口に大同が責任を負うと言っても、いろいろなケースが有るので、今度逆に、大同が支払わないと言った場合は、おっしゃるとおりになる。

Q:そういったところは非常に大きな問題で、請け負ったり、業者と話をしたりする場合に、うっかり受けられない、受ければ自分が法的な義務ですから、そうすれば、トン当たり何万円を誰かから補てんするかたちが無ければ工事に掛かれないんですね。

A:そうですよね、うーむ。特に民間の公人場合だと今後そういった問題がいくつか出てくるんだろうと思います。

Q:怖くてうっかりうけられないということです。それから掘り出してしまえば業者が基本的には廃棄物処理法上で、掘り出したところでマニフェストを作って、最終的には管理型の処分施設に持って行き、管理型の最終処分場に捨てるということになります。制度としてはそうなります。

A:今のところは、かなり出来る限り負担をしたいということは、大同がおっしゃっているので、この辺がどこまで続くかですね。

Q:それでしてくれるなら良いが、県も、それなら除去できると思うんでしょうが。

A:貴重なご意見をありがとうございます。

Q:特に我々も、すぐ業者の方にも相談に行ったりあと、そういう問題であとで要請があったときに、廃棄物処理法と費用負担との関係で、大同が処理してくれるんかと、言ってら、廃棄物なんだから処理するんかと、いうことで、大同が処律してくれるのなら、建設業者は処理しますとは言わないでしょうし。

A:請求するにしても一時的にどれだけ払わなければならない問題がある。

Q:要するに200億とか300億とか、コストがかかることは間違いない。そのコストは全部大同が負担してくれるなら、それに基づいて義務者が早く工事が出来るんでしょうけれど、まだそこまでは大同は言っていないんです。

Q:渋川市の市内のその場所と言うのは、本当に(リストが)できているんですか。

A:公共工事(の「現場リスト」)はかなり出来ているんですけれども、ひょっとしたら一部かもしれないし。

Q:住民は知っているんですか、それを。

A:場所によっては、検出された場所には看板を出しているんですね。これは、こういう写真、こういう看板を出して、立入り禁止にいちおう渋川市ではしていまして。これ、実は裏にあるのは使われていない施設ではなくて、市民体育館と言って、今も市民の憩いの体育施設なんですが、従来ここは体育館に来た住民の人たちの駐車場だったわけなんですけれども、そこを今、こういうかたちで立入り禁止にしまして、この体育館を利用するかたは、離れた市役所の駐車場に車を止めて、ここまで歩いて、体育館を利用されていまして、だからバレーボールとか、そういう、バスケットボールとか、そういった道具を、歩いて運んで使っているような状況で、非常に気の毒な状況です。こういった施設が渋川市内にかなりありまして、この間、なにかオンブズマンのブログを見ましたけど、スカイランドパーク駐車場もほとんどがこういった状況で立入り禁止にしているので、時々、あの遊園地閑散としているんですけれども、時々、たくさん人が来ると、今度は逆に駐車場が無くて、大変なことになるという、渋滞が起きるという状況なので、かなり住民生活に影響が出ている現状です。渋川市の場合は。

Q:責任というのは、原因者責任と、もう一つ関心があるのは行政責任というものがあるわけですね。公共工事に関しては原則としては入札しているわけで、入札価格が見積もりの中で、相当低いところ、おかしいなと思う可能性があると思うんですが、それについても情報公開等はなさっているんですか。

A:やれる資料は、協力しながらとっているんですけれど、正直言いますと、まずは県の調査と、県警の捜査が行われるまでは、様子を見ようと、いうところがあったので、この9月11日までは、穏便にやっていたんです、表現悪いんですけれども。これ、しっかり捜査や、行政がしっかり対応をとるというのがハッキリしたので、ここからきっちり、個々の政策に対する問題追及を、記者としていけないかなというふうに思っているところです、現時点では明確に、相手の不手際の証拠が、手元にあるかというと、そうではない。
 ただ、小川さんたちがやっていらっしゃる裁判で、萩生地区の農政部が、県農政部が、やった工事なんですが、スラグが敷き砂利で大量に使われていまして、それが、えらいことだということで、隣に水田があるので、水田の隣に有害スラグがたくさん使われているので問題だというので、農政部は普通ならば撤去工事をしなければならない所を、上にアスファルトを簡易舗装でかぶせて、それで、安全対策を行ったというふうに言っています。それは違うだろうと。その、地中から結局水質で隣りの水田に流れるわけですし、蓋をすればいいという問題ではないし、逆に撤去するチャンスが、蓋をしてなかったわけですから、あったにもかかわらず、それを片付けずに蓋をしてしまったという、行政の不手際を今、まさに訴訟でやっていらっしゃると思います。あれなんかは明らかに政策として間違っていると思うし、県土整備部の幹部も、国交省も、基本的に今は、撤去という方向に政策として進んでいるので、あの農政部の対応は大きなミスで、今後問題になって来るんじゃないかなと思います。それが一つです。
 あと、いわゆる倉嶋文書というのがありまして、今の県土整備部長の倉嶋さんが出した文書なんですけれど、平成・・・2010年6月に、平成22年ですね。スラグを一般の再生採石と同じように使っていいですよ、というお墨付きを、お達しを、県が出すわけなんですよね。その通知を受けて、県内の市町村が積極的に使うようになって、もともとは渋川市がよく使っていただけなんですけれども、それから爆発的に流通するようになった、そのきっかけになった文書です。これを県庁に取材をしていろいろ聞いたら、「うちは安全対策とか基準とかちゃんと設けて、それを満たすものだけを使わせている」と、県庁が説明して、「その安全基準ってなんですか?」と聞いたら「ああ。大同の指導を受けて作った」という。つまり、取り締まる側が取り締まられる側の意見を聞いて作ったという基準なんですね。それなので、これも非常に問題だなと思っていまして、かなりよく読んでみると、鉄鋼スラグ協会ですら認めていない、混合で検査をするとか、甘い検査になっています。多分、大同が認めたから、全国的なそんな甘い検査をしている県は、私の知る限りないんですけれども、結局、大同に聞いているからそんな検査方法になってしまう。その辺も、どう好意的に解釈しても、ちょっと行政の対応としては、おかしいな、と思っています。これも今後の追及課題かなと思っています。ただ、群馬県は、一つだけ庇うと、結果的に群馬県の工事では1ヵ所しか有害な場所が検出されなくて、今、群馬県はホッとしていて、これで群馬県でもいっぱい出てきたら間違いなく県土整備部長の首が飛んでいたでしょうから、群馬県はそれで胸を撫でおろしている状況なんです。

(以下省略)

■当会から、研修会の最後にひとつコメントをださせていただきました。

「オンブズマンなんですが、先日、神戸で開催された全国市民オンブズマン大会で、名古屋の市民オンブズマン事務局に、現地の道路隆起について調べてくれと依頼してあります。当会の依頼に対して、今、愛知の方でも情報収集に努めてくれており、じきに何か出てくるかと思います。」

 まだ非公式情報ですが、現地のオンブズマンからの情報によれば、愛知県におけるスラグ問題では、大物政治家も絡んでいるようです。もしかしたら、一大スキャンダルに発展する可能性もあるやもしれません。

【市民オンブズマン群馬事務居からの報告・この項終わり】

※配布資料
○大同特殊鋼鉄鋼スラグ問題 説明資料→
20151009xouwilj.pdf
○ルポ「循環型社会」の裏側→
20151009xoulilj.pdf
P242-243 PDF⇒zep242243.pdf
P244-245 PDF⇒zep244245.pdf
P246-247 PDF⇒zep246247.pdf(※大同関係者の衝撃発言に注目!)
P248-249 PDF⇒zep248249.pdf
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