市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

大同スラグ訴訟・・・1月13日に被告が送ってきた原告の鑑定申立に対する意見書が示す群馬県行政の支離滅裂

2017-01-17 01:10:00 | スラグ不法投棄問題

■2017年1月20日(金)午前11時から前橋地裁2階第21号法廷で開催される第8回口頭弁論期日まであと4日足らずと迫りましたが、1月13日付で被告群馬県の訴訟代理人弁護士から当会あてに、原告が2016年11月30日付で提出していた鑑定申立てに対する被告の意見書が1月16日に郵送で届きました。さっそく、内容を見てみましょう。

*****原告の鑑定申立に対する被告の意見書*****PDF ⇒ pdf.pdf
<P1>
平成27年(行ウ)第7号 住民訴訟事件
原 告  小川賢,外1名
被 告  群馬県知事 大澤正明

          鑑定申立に対する意見書

                       平成29年1月13日

前橋地方裁判所民事第2部合議係 御中

            被告訴訟代理人弁護士  関  夕  三  郎

            同      弁護士  笠  本  秀  一

            同    指定代理人  福  島  計  之

            同    指定代理人  松  井  秀  夫

            同    指定代理人  阿  野  光  志

            同    指定代理人  篠  原  孝  幸

            同    指定代理人  油  井  祐  紀

            同    指定代理人  安  藤     敏

<P2>
 原告らの平成28年11月30日付け鑑定申立てに対する被告の意見は,下記のとおりである。

                記

第1 意見の趣旨
   鑑定の必要を認めない。
第2 意見の理由
 1 はじめに
   原告らの鑑定申立ては,鑑定方法の点において不適切であるという問題があるが,その問題は後述することにして,まず,本性長道の下層路盤材率その下の土壌を鑑定することの要否について説明する。
 2 原告らの申立てに係る鑑定は原告らの請求を何ら基礎付けないこと
  (1)被告の平成28年12月27日付け第8準備書面の第2・5項(6頁以下)で明らかにしたとおり,仮に本件農道に下層路盤材として敷設されているブレンド骨材やその下の土壌から土壌汚染対策法所定の基準値を超える六価クロムやフツ素が検出された場合,以下のようになる。
    ① 地下水を経由した摂取リスクの観点から,本件農道から概ね500メートルの範囲における飲用の井戸の存否を確認し,飲用の井戸が存在する場合は,その範囲に存在する適当な井戸(この井戸は飲用に限らない。)から採取した地下水の水質測定を行い,その結果が地下水に係る基準値を超過していなかったときは,「汚染の除去等のための措置」として,継続的に地下水の水質測定を行うことになる(土壌汚染対策法施行規則別表5・1)。
    ② 人体に直接触れるリスクの観点から,舗装等を行うことになるが,これは本件農道舗装工事により,既に施工されている。
  (2)以上の説明では若干分かりにくいと思われるので,以下,鑑定を実施した場合に,その結果によって明らかになることや,論理的に帰結されることについ

<P3>
て,場合を分けながら整理する。
 ア まず,鑑定の結果,土壌汚染対策法所定の基準値を超えていなかった場合は,その時点で,原告らの請求に理由がないことが明らかになる。
 イ 他方,鑑定の結果,土壌汚染対策法所定の基準値を超過していた場合は,次に概ね500メートルの範囲に飲用の井戸があるかを調査することになる。
  (ア)概ね500メートルの範囲に飲用の井戸が存在しない場合は,地下水を経由した摂取リスクの観点からの措置は求められず,求められるのは,人体に直接触れるリスクを除去するための舗装等の措置のみとなる。したがって,この場合は,結果的に本件農道舗装工事の正当性を裏付ける帰結となり,原告らの請求に理由がないことが明らかになる。
  (イ)他方,概ね500メートルの範囲に飲用の井戸が存在する場合は,更に適当な井戸を選定して地下水の水質測定を行うことになる。
   i 水質測定の結果,地下水に係る基準値を超過していなかった場合は,地下水を経由した摂取リスクを除去するための水質測定を継続することになる一方,人体に直接触れるリスクを除去するために舗装等が求められることになる。すなわち,この場合も,結果的に本件農道舗装工事の正当吐が裏付けられることになり,原告らの請求には理由がないことが明らかになる(なお,水質測定を継続するか否かは,原告らの本件請求とは関連性がなく,本件訴訟の審理の対象外である。原告らの請求を離れて継続的な水質測定の要否の判断に踏み込むことは,住民訴訟の制度趣旨を逸脱するものであり,許されない。)。
   ii 他方,水質測定の結果,地下水に係る基準値を超過していた場合は,遮水工封じ込めや土壌汚染の除去等の措置(乙21・5頁以下参照)が求められることになる。この場合に限って,本件農道舗装工事の正当性に疑義が生ずる。
  (3)要するに原告らの請求が基礎付けられるのは,上記2(2)イ(イ)iiの場合に限られるから,結局,①下層路盤打率その下の土壌が土壌汚染防止法上の基準

<P4>
値を超えていること,②概ね500メートルの範囲に飲用の井戸が存在すること,③概ね500メートルの範囲から選定した適当な井戸から採取した地下水が地下水に係る基準値を超過していることの3つが全て証明されなければならない。
   しかるに被告は,大同特殊鋼株式会社から排出された鉄鋼スラブが用いられた群馬県内の地点について,土壌汚染対策法所定の手順に従って水質測定を実施しているところ,平成28年9月末現在,地下水に係る基準値を超過した結果が出た地点はない(添付資料参照)。したがって,現時点で鑑定を進めても,上記③の事実が証明される可古仏すなわち,本件農道から概ね500メートルの範囲から選定した適当な井戸から採取した地下水が地下水に係る基準値を超過している可能性は,極めて低い。
(4) 以上の次第であるから,原告らの申立てに係る鑑定によりどのような結果がでても,それによって原告らの請求が基礎付けられる見込は極めて乏しいから,鑑定の必要性はないと言わざるを得ない。
   なお,現時点で,地下水に係る基準値を超過している可能性が皆無と言い切れるものではないので,原告らにおいて,私的に測定を実施するなどして地下水に係る基準値を超過している可能性があることを疎明した場合(例えば,基準値は超過していないが,相当程度の有害物質が検出された場合など)は,別途検討する余地はある。
 3 鑑定の方法について
   以上のとおり,そもそも鑑定の必要性は認められないが,念のため,原告らが提案する鑑定の方法について意見を述べておく。
  原告らは,ブレンド骨材の中から鉄鋼スラブのみを抽出して検査を行う方法を提案している。
  しかし,地下水を経由した摂取のリスクの除去の観点からは,一定の広がりのある範囲内に有害物質がどの程度含有されているかが環境に与える影響の程度を左右するから,鉄鋼スラブを抽出して検査することには全く合理性がない。むしろ,環境負荷の程度を判断する上で誤りを生ずる恐れが高く,不合理な検査方

<P5>
法である。
                       以上

****添付資料******PDF ⇒ ytpdf.pdf
http://www.pref.gunma.jp/houdou/e1700096.html
                          最終更新日:2016年12月15日
【12月15日】大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグに関する使用箇所の解明等の状況について(廃棄物・リサイクル課)

 大同特殊鋼株式会社渋川工場から排出された鉄鋼スラグについて、平成27年9月11日に廃棄物処理法に基づく調査結果を公表後、使用箇所の解明及び環境調査を進めてきたところですが、現在の状況は次のとおりです。

1.使用箇所の解明及び環境調査

(1)公共工事について
<1> 平成27年9月11日に県から県内全市町村、及びスラグ再生路盤材の出荷記録があった国関係機関に対して調査を要請したところ、平成28年3月末時点では、使用が確認された工事は325箇所であった。
その後、別表のとおり林野庁関東森林管理局、渋川市及び東吾妻町から新たに12箇所の報告があり、平成28年9月末現在、使用箇所の合計は337箇所となった。
<2> 改めて、県では、環境調査が終了していない工事実施主体に対して、迅速な実施と結果の報告を要請した。

(2)民間工事について
<1> 平成27年9月12日、県から大同特殊鋼(株)に対して、民間工事における鉄鋼スラグの使用箇所の解明及び環境調査を指示したところ、平成28年9月末現在、70箇所の報告があった。
<2> 県では、同社に対して、引き続き使用箇所の全容解明に当たるとともに、判明した使用箇所における環境調査の加速化と結果の報告を指示した。

(3)環境への影響調査について
  調査の結果、土壌汚染が確認された場合には、県が直接周辺地下水の調査を実施し、環境への影響を確認してきている。これまでの調査の結果では、地下水への影響は認められない。

2.今後の対応[従前のとおり]
<1> 今後とも鉄鋼スラグの使用箇所の解明を進め、新たに使用箇所が判明した場合は、これまでと同様の方法で環境調査を行い、その結果を速やかに公表する。
<2> 判明した使用箇所はすべて県がリスト化し、環境への影響について監視を行っていく。

【別表】
大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグの使用箇所等 調査状況

平成28年9月末現在

1.公共工事

工事実施主体:施工箇所数(計=H28.3.31時点の箇所数+新たに判明した個所数)/環境調査実施箇所数/土壌環境基準等の超過箇所数(スラグ・土壌・周辺地下水)
国土交通省(関東地方整備局):66=66+0/66/27・5・0
林野庁(関東森林管理局):26=17+9/5/0・-・-
防衛省(北関東防衛局):1=1+0/1/0・-・-
(独)水資源機構:16=16+0/16/8・1・0
群 馬 県:58=58+0/58/1・0・-
前 橋 市:14=14+0/14/8・7・0
渋 川 市:80=78+2/78/52・42・0
榛 東 村:5=5+0/5/5・3・0
吉 岡 町:17=17+0/15/3・6・0
中之条町:3=3+0/1/1・1・0
長野原町:2=2+0/2/0・1・0
東吾妻町:18=17+1/14/0・-・-
昭 和 村:7=7+0/1/1・1・0
みなかみ町:24=24+0/0/-・-・-
  計  :337=325+12/276/106・67・0
(注)本表は、平成28年9月末現在の工事実施主体からの報告または工事実施主体ごとの公表資料を整理したものである。

2.民間工事

民間工事:施工箇所数(計=H28.3.31時点の箇所数+新たに判明した箇所数)/環境調査実施個所数/土壌環境基準等の超過個所数(スラグ・土 壌・周辺地下水)
民間工事:70=48+22/42/28・19・0
(注)本表は、平成28年9月末現在の大同特殊鋼(株)からの報告を整理したものである。

○このページについてのお問い合わせ
環境森林部廃棄物・リサイクル課
〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
電話 027-226-2851
FAX 027-223-7292
E-mail haikirisaka@pref.gunma.lg.jp
**********

■ご覧いただいた通り、これまであれほど「敷砂利ではない」という釈明に使っていた「ステージコンストラクション」は全く影を潜め、土壌汚染対策法の「地下水の環境基準」一本やりです。土壌汚染対策法は土壌の汚染について規定しているはずですが、被告はなぜか地下水に係る環境基準値だけにこだわっています。

 それも、有毒スラグを天然砕石で薄めたから、周辺の地下水の環境基準値はこれまでい一度も超過したことがないので、地下水への影響は認められない、という論理です。であれば、なぜ農道を舗装したのでしょうか?

 被告のこの論理の矛盾について、来る1月20日(金)午前11時00分から前橋地裁2階21号法廷で開催される第8回口頭弁論期日で徹底的に追及したいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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大同有毒スラグを斬る!・・・国道17号上武道路工事は群馬県や前橋市の土砂条例を脱法している!?

2017-01-16 01:27:00 | スラグ不法投棄問題

■前橋市で今年度末に完成予定の国道17号上武道路は、さながら「有毒スラグ街道」の異名をほしいままにしています。これに関連して、2016年10月20日、国土交通省高崎河川国道事務所が「工事中の盛り土から鉄鋼スラグに類似する不純物が見つかった」と発表しました。

有害スラグの利活用にたけた池下工業が受注した日輪寺改良その8工事。

 この不純物について国土交通省は以下の発表をしました。

**********
【分析結果】
・鉄鋼スラグに類似する不純物は15個のうち11個が鉄鋼スラグであることが判明しました。
・鉄鋼スラグが発見された3工事の土壌(盛土の材料)の分析を行ったところ(本文資料(PDF)別紙-2)3工事の土壌とも環境基準値以下であったことが確認されました。
【今後の対応】
 国は、国が実施した分析結果を群馬県環境森林部及び前橋市環境部に対し報告しました。
また、群馬県環境森林部による調査が行われています。
 国及び県の調査結果を受け、前橋市環境部より国に対し、「調査結果は土壌環境基準に適合していることから、環境保全上の影響はないと判断できる」との見解が出されています。
これを受け、事業者である国は、中止していた3工事について、12月5日から工事を再開することとしました。

**********

 詳しくはこちらをご覧ください↓↓
〇国道17号 上武道路 工事現場から発見された鉄鋼スラグに類似する不純物等の分析結果及び今後の対応
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/takasaki_00000290.html

■なんと、混入された不純物そのものの分析調査を実施せず、盛り土と不純物が混合された状態で分析調査し「土壌環境基準に適合している」として工事を再開してしましました。

 その分析結果を見ると「H28 上武道路 日輪寺改良その8工事 フッ素の溶出量が0.16mg/L」となっています。土壌環境基準は0.8mg/Lですので、基準値の1/4の値を示していることが分かります。通常群馬県で用いられる盛り土のフッ素の値は0.1以下であると考えられますので、明らかに盛り土と有害スラグが混合された状態で検査されたことが分かります。発見された不純物=有害スラグ以外にも盛り土の中に多数の有害スラグが混入されていることが分かります。


ブラック佐藤建設工業が搬入し自ら敷き均す日輪寺改良その8工事では、やはり有害スラグが適度?に混入されていたようだ。土壌環境基準を超過しないように、注意深く盛り土とスラグの量を調整し、本来遮断型最終処分場に埋設処分するところ、故意に脱法行為を行っている。

■群馬県や前橋市には「土砂条例」という、刑事罰まで規定されている法律があるのをご存知でしょうか?

 ウキィペディアで「条例」を調べてみました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%A1%E4%BE%8B

 これによれば、

「条例(じょうれい)は、日本の現行法制において地方公共団体が国の法律とは別に定める自主法。」

となっていて法律であることが分かります。

 群馬県と前橋市はそれぞれ「土砂条例」を定めています。
〇群馬県の土砂条例↓↓
https://www.pref.gunma.jp/04/e1600094.html
〇前橋市の土砂条例↓↓
http://www.city.maebashi.gunma.jp/jigyousya/376/009/p012817.html

 ここでは群馬県の「土砂条例」を見ていましょう群馬県「土砂条例」の条例制定目的は、次のとおりです。

**********
近年、建設工事に伴い排出された土砂等による埋立て等について、周辺地域の住民から有害物質の混入や堆積された土砂等の崩落を心配する声が増えています。
そこで、群馬県では、生活環境を保全するとともに、土砂災害の発生を防止するため、土砂等による埋立て等を規制する条例を制定しました。

**********

 どうやら、土砂等による埋立て等について有害物質の混入を心配する声が増えていることから、生活環境を保全するため条例を制定したようです。

■これを見て皆様、何らや、ある事件と類似していると思いませんか?当会ブログ風に書き直してみましょう。

 大同特殊鋼・佐藤建設工業による盛り土などの建設資材(土砂)に有害スラグを混入する不法投棄事件があったことから、群馬県民には有害物質の影響を心配する声が増えています。生活環境を保全するためにも「土砂条例」の適用を検討すべきです。

■土砂などの言葉の定義も定められています。

 県土砂条例における用語の定義は次のとおりです。

**********
1.土砂等
 土砂及び土砂に混入し、または付着した物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物を除く。)
2.埋立て等
 土地の埋立て、盛土その他の土砂等の堆積(製品の製造または加工のための原材料の埋立て、盛土その他の土砂等の堆積を除く。)
3.特定事業
 土砂等埋立等区域(土砂等による埋立て等を行う区域をいう。以下同じ。)以外の場所から排出され、または採取された土砂等による埋立て等を行う事業であって、当該土砂等埋立等区域の面積が3,000平方メートル以上であるもの

**********

 土砂等の定義では、廃棄物は除かれています。大同特殊鋼由来の有害スラグは、指導監督権限を有する群馬県が認定した廃棄物であり、土砂に混ぜてはいけません。定義から除かれるのは当然です。定義の上で廃棄物は除かれている以上、盛り土とは別に廃棄物の環境分析調査をしなければなりませんが、国土交通省は盛り土と廃棄物を混ぜた状態で分析調査をしてしまいました。今回の不純物混入事件では、環境分析結果(0.16mg/L)より、土砂に故意に有害スラグを少しずつ混ぜていると思われるので、土砂条例を故意に脱法しようとする意図があるのではないでしょうか?

■土壌基準に適合しない土砂等の埋立て等の禁止も具体的に記載されています。

**********
土壌基準に適合しない土砂等による埋立て等を行ってはいけません。
なお、「土壌基準」とは、環境基本法で定められている土壌の汚染に係る環境基準であり、27項目の有害物質の濃度の基準です。

**********

 この「土砂条例」は、廃棄物処理法などと同じ環境基本法を基にする法律であることが記載されています。環境基本法により土壌基準に適合しない土砂等の埋め立ては、行ってはいけないのです。当然、盛り土などと廃棄物の混合物は、常温では混ざり合うことはないので、それぞれ別々に取り扱わなければなりません。

 有害スラグ入り盛り土で土壌環境基準を超過している場所はもとより、上武道路日輪寺改良その8工事のように基準値を下回っている場合でも、「土砂条例」を脱法する目的で混入する場合には問題視しなければなりません。

■例外的に許可が不要な行為も示されています。

**********
2.国、地方公共団体その他規則で定める者が行う土砂等による埋立て等(委託し、または請け負わせて行うものを含む。)
**********

 上武道路工事のように、国が行う土砂等による埋立てには例外的に許可が不要であることも記載されています。

 例えば日輪寺改良その8工事においては、国土交通省の工事なので「土砂条例」の許可が不要なことに着目して、盛り土に不純物を混ぜる脱法行為を思いついたのではないでしょうか?

 日輪寺改良工事を施工した業者は、「土砂条例」を脱法して、盛り土にスラグが混ざった混合物を埋設してしまった、ということが言えるのではないでしょうか?

 また、国土交通省は、率先して土砂条例を守るべく模範となるべく行動すべきところ、許可がいらない事に着目して、有害スラグを分けることなく毒が薄まった状態で盛り土を分析調査して、工事を再開してしまいました。

■土砂条例には罰則も定められています。上武道路工事において、許可なく有害物質入り盛り土を埋設した建設業者はもとより、有害スラグを故意に不法投棄した佐藤建設工業は、当然、その脱法行為により罰則が適用されなければなりません。

 さらに、模範を示すべき国土交通省がこれらの脱法行為を庇っています。有毒物質入り盛り土を上武道路に埋設処分することを知っていて目をつぶる国土交通省も共同正犯として、「土砂条例」の罰則を受けるべきではないでしょうか? さもないと、群馬県の不法投棄の実態は、無法状態そのものとなってしまうでしょう。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

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東電の毒牙から赤城と県土を守れ!・・・環境アセス不要の根拠文書不存在訴訟で被告群馬県から答弁書

2017-01-15 22:31:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災

■通常は環境アセスを厳然と適用するのに、原発事故で汚染された木材を燃焼させるためのバイオマス発電所の場合、特例として環境アセス不要としたハレンチな群馬県の環境行政ですが、その経緯を徹底追及するため、2016年11月4日に提訴し、同12月7日に地裁からの補正命令に対して、12月12日に地裁に指示された補正書類を提出したところ、これが受理されて、2017年1月18日(水)に第1回口頭弁論期日が開かれることになりました。しかし、被告からの答弁書はなかなか送られてきませんでした。そうした中で、ようやく2017年1月10日付で答弁書が被告訴訟代理人の弁護士事務所から原告オンブズマン宛に送られてきたので、報告します。
 これまでの経緯は次のブログをご覧ください。
〇2016年11月6日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!・・・環境影響評価条例を歪めた証拠文書不存在でオンブズが県を提訴
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2155.html#readmore
〇2016年12月12日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!・・・環境アセス不要の根拠文書不存在訴訟で地裁から補正指示
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2184.html#readmore

*****送付書兼受領書*****

前橋地方裁判所民事第1部合議係 御中
ご担当 本多書記官殿
原告
市民オンブズマン群馬
 (FAX:224-6624)
                      平成29年1月10日
                  前橋市大手町3丁目4番16号。
                  被告訴訟代理人
                   弁護士 織 田 直 樹
                  TEL 027-235-2040 / FAX 027-230-9622

           送  付  書

   事件の表示 :御 庁 平成28年(行ウ)第24号
          事件名 公文書不存在決定処分取消請求事件
   当 事 者 :原 告 市民オンブズマン群馬
          被 告 群馬県
   次 回 期 日 :平成29年7月18日 午前10時30分 弁論期日

   下記書類を送付致します。ご査収の程,宜しくお願い申し上げます,
         1 答弁書           1通
                               以 上
 ------------------切らずにこのままでお送り下さい----------------
            受  領  書

上記書類,本日受領致しました。
                      平成29年1月  日

               原告
                              ㊞

前橋地方裁判所民事第1部合議係(本多書記官殿) 御中 :FAX 027-233-0901
石原・関・猿谷法律事務所(弁護士 織田直樹)行    :FAX 027-230-9622

*****答弁書*****
<P1>

平成28年(行ウ)第24号 公文書不存在決定処分取消講求事件
原 告 市民オンブズマン群馬
被 告 群馬県

              答 弁 書
                         平成29年1月10日

前橋地方裁判所民事第1部合議係 御中

           〒371一0026
           前橋市大手町三丁日4番16号
           石原・関・猿谷法律事務所(送達場所)
           TEL 027-235-2040 / FAX 027-230-9622
           被告訴訟代理人弁護士 石  原  栄  一
            同         関  夕  三  郎
            同         織  田  直  樹
            同指定代理人    水  澤  俊  也
            同         遠  藤  康  明
            同         森  下  留 美 子

<P2>

第1 請求の趣旨に対する答弁
 1 原告の請求を棄却する。
 2 訴訟費用は原告の負担とする。
  との判決を求める。
  なお,謂求の趣旨1の5行目で「㎡」とあるのは,「㎥」の誤りであると思料する。

第2 請求の原因に対する認否
 1 「第1 原告の情報公開請求と被告の不存在決定処分」について
   認める。
 2 「第2,本件処分の違法性について」について
   柱書きは否認する。
  (1) 1項「本件文書の存在情報」について
    否認する。
    なお,請求の原因第1の1項によれば,「本件条例」とは,群馬県情報公開条例のことを指すものである。
 (2) 2項「本県条例第18条第2項の非該当性」
    第一段落は認める。
    第二段落は否認ないし争う。
    なお,前記(1)と同様,「本件条例」とは,群馬県情報公開条例のことを指すものである。
  (3) 3項「事業者の説明に基づく情報」
    不知。
 3 「第3 むすぴ」について
  争う。

<P3>

第3 被告の主張
 1 「本件文書」(請求の原因第1の1と同義。以下同じ。)は存在しない。
   すなわち,「本件文書」とは,群馬県環境森林部環境政策課「以下「環境政策課」という)が,「前橋バイオマス発電施設」設置工事について,群馬県環境影響評価条例に定める環境アセスメントの対象除外と判断した根拠・経緯を示す情報を記録する公文書である(甲1)。しかし,同条例に基づく環境アセスメント(以下「条例アセスメント」という)は,事業者において,その対象となるか否かを自ら判断する制度である。つまり,後述のとおり,行政機関は,条例アセスメントにつき,その対象となるか否かを判断する立場にない。したがって,その判断に関する情報を記録する必要性はなく,また,同条例上も求められていないことから,これに係る公文書は存在しないのである。
 2 環境アセスメントの手続について
   群馬県内における環境アセスメントには,環境影響評価法(以下「法」という)に基づくアセスメント(以下「法アセスメント」という)と,群馬県環境影響評価条例に基づく条例アセスメントの2種類があり,それぞれアセスメントの対象事業を別個に規定する。すなわち,法アセスメントの対象事業に該当しない類型及び規模の事業であっても,環境に影響を及ぼす程度が著しいと考えられる類型の事業について,一定の規棋要件を満たす場合に条例アセスメントの対象事業となる。
   まず,法アセスメントは,その対象事業として,第一種事業及び第二種事業を規定し,第一種事業については無粂件でアセスメントが必要であるとし,第二種事業については,アセスメントが必要かどうかにつき行政機関による「判定」を行うものと規定している(同法2条3項,4条)。この「判定」手続では,事業者の届出により,主務大臣等が,都道府県知事の意見を聴いたうえ,環境影響の程度が著しいものとなるおそれがあると認めるときに,アセスメントが必要であると決定する(同法4条)。例えば,火力発電所の設置工事事業を行う場合,出力が15万キロワット以上であれば第一種事業に該当し,出力が11万2500

<P4>

キロワット以上15万キロワット未満であれば,第二種事業に該当する(法施行令別表第1の5号ホ)。第二極事業に該当する場合,法アセスメントが必要かどうか「判定」が行われることになる。この点,「前橋バイオマス発電施設」については,出力が6700キロワットであるため,その設置工事が法アセスメント対象事業ではないことは明白である。
 他方,群馬県環境影響評価条例に基づく条例アセスメントは,法アセスメントの適用対象とならない事業のうち環境影響の程度が著しいものとなるおそれがある事業を対象とするものである(同条例2条2項,3項)。同条例は,その規定する第一種事業及び第二種事業について,いずれも条例アセスメントの対象事業となるか否かにつき「判定」を必嬰としていない(同条例2条2項,3項,5条,25条)。この点,「前橋バイオマス発電施設」設置工事は,同条例施行規則別表第1のG号イ(工場又は事業場の新設又は増設の事業)により,排出ガス量(温度が0度で圧力が1気圧の状態に換算した1時間あたりの湿り排出ガスの最大量)が「4万立方メートル以上」である場合,条例アセスメントの対象となる。
 このように,「前橋バイオマス発電施設」設置工事は,法アセスメントの対象とならないことは明白であり,条例アセスメントの対象となる可能性があるのみであるから,法アセスメントの第2種事業に適用される「判定」(スクリーニング)は不要である。この点,原告は,法アセスメントと条例アセスメントに必要とされる手続を混同し,環境政策課がアセスメント対象除外を判断したのであると誤解したものと思料する。
                          以 上
**********

■このままではよくわからないので、原告オンブズマンの訴状の内容に対して、被告群馬県がどのような答弁をしているのか、項目ごとに記述してみましょう。訴状を青字、答弁書を赤字で示しました。

**********
                                平成28年11月4日
前橋地方裁判所 御中
                       原 告   市民オンブズマン群馬
                             代表 小 川   賢   
〒371-0801 群馬県前橋市文京町一丁目15-10(送達先)
             原    告    市民オンブズマン群馬
                       代表者 小 川   賢
             電話:090-5302-8312
                (市民オンブズマン群馬代表・小川賢)
                  又は 027-224-8567
                  (市民オンブズマン群馬事務局長・鈴木庸)
             ファクシミリ:027-224-6624
〒371-8570 群馬県前橋市大手町1-1-1
被    告   群馬県知事 大 澤 正 明
             電話:027-223-3131(代表)

公文書不存在決定処分取消請求事件 

  訴訟物の価格  金160万円(算定不能)
  貼用印紙額   金13,000円

                 請求の趣旨

1 被告が原告に対し、平成28年5月6日付環政第30066-1号で行った次の文書:
関電工とトーセンが赤城山南麓の電中研の敷地内で計画中の「前橋バイオマス発電施設」に関する情報のうち、次のもの。
   ③環境政策課が、上記施設について群馬県環境影響評価条例に定める毎時4万ノルマル㎡の排ガス量の観点から、対象除外と判断した根拠と経緯等を示す一切の情報(とくに関電工から提供された排ガス量に関する情報、条例に基づく判断基準、その判断基準の根拠となった議論の経緯が分かる会議録等、当該判断基準の運用を最終決定した協議の議事録、そして当該判断基準の運用を開始した年月日と県庁関係出先等への通達内容、さらに関電工との間でこの件について交わしたすべてのやり取りを示す情報を含む)。
の不存在決定処分を取り消す。 
2 訴訟費用は被告の負担とする。
 との判決を求める。

                 請求の原因

第1 原告の情報公開請求と被告の不存在決定処分
1 原告は、平成28年4月22日、被告に対し、群馬県情報公開条例(以下「本件条例という)第12条第1項の規定に基づき、請求の趣旨記載の公文書(以下「本件文書」という)の開示請求を行った(甲1号証)。
2 しかるに、被告は、平成28年5月6日付環政第30066-1号の本件文書の不存在決定通知書をもって、不存在処分をなした(甲2号証)。
3 上記不存在決定通知書には、不存在の理由について、本件条例第18条第2項に該当するとして、以下のとおりの記載があった。
 環境影響評価は、「群馬県環境影響評価条例」及び「群馬県環境影響評価条例施行規則」に定める事業の種類ごとに、「群馬県環境影響評価条例」及び「群馬県環境影響評価条例施行規則」で定める規模要件等を勘案し、環境影響評価を行うべき事業に該当するか否かを事業者が自ら判断する制度となっている。したがって、環境影響評価に関する手続きの要否について、県に対して書類を提供することや協議することは必要とされていないことから、当該請求に係る文書を保有していないため。

【被告の答弁書】
 認める。


第2 本件処分の違法性について
 被告が挙げる不存在の理由は全くのデタラメ=虚偽である。その事由は以下の通りである。

【被告の答弁書】
 柱書きは否認する。


1 本件文書の存在情報
  原告が平成28年10月中旬に伝え聞いたところでは、少なくとも、本件条例のは運用に関して平成27年3月30日に起案され、翌31日に決裁された文書が存在している可能性のあることが分かった。

【被告の答弁書】
 否認する。
 なお,請求の原因第1の1項によれば,「本件条例」とは,群馬県情報公開条例のことを指すものである。


2 本件条例第18条第2項の非該当性
  本件条例第18条第2項には、「2 実施機関は、開示請求に係る公文書の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき及び開示請求に係る公文書を保有していないときを含む。)は、開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。」と記してある。
  このため、前項1の情報が真実だとすると、実際には、少なくとも、本件条例の運用に関して平成27年3月30日付で被告が作成している公文書が存在していることになり、本件条例第18条第2項には該当しないことになる。

【被告の答弁書】
 2項「本県条例第18条第2項の非該当性」
  第一段落は認める。
  第二段落は否認ないし争う。
  なお,前記(1)と同様,「本件条例」とは,群馬県情報公開条例のことを指すものである。


3 事業者の説明に基づく情報
  前橋バイオマス発電施設が群馬県環境評価条例で定めた排ガス量4万ノルマル㎥を超えるかどうかについて、前橋バイオマス発電事業者である関電工は、地元説明会で、「平成27年1月に環境アセスメントの適用有無について被告と協議を開始し、平成27年3月には本計画(前橋バイオマス発電計画のこと)については被告の環境アセスメントの適用対象とならないことを群馬県環境政策課に確認。」というふうに説明している(甲3号証)。
  よって、本件文書が存在しないという被告の処分理由は極めて疑わしい。

【被告の答弁書】
 不知。


第3 むすび
 以上のとおり、本件文書を不存在とした本件処分が違法であることは明らかであるから、本件処分の取消を求めるため本訴を提起した次第である。

【被告の答弁書】
 争う。

**********

■以上のとおり、被告群馬県は、バイオマス発電設備の煙突から排出される排ガス量を群馬県環境影響評価条例に定めた4万㎥を無視して、関電工だけに特別措置として2割ゲタをはかせて環境影響評価を不要としたのですが、そのようなエコ贔屓をした根拠を示す情報は不存在だと言い張っているのです。

 しかし、当会に寄せられた情報によれば、実際には3月30日から31日にかけてエコ贔屓をするための内部通達の書類が存在したのです。

 ところが、被告群馬県の答弁書ではこのことについて、全く触れようとしません。被告の主張を見てみましょう。赤字はとりわけ注目される箇所です。

**********
第3 被告の主張
 1 「本件文書」(請求の原因第1の1と同義。以下同じ。)は存在しない。
   すなわち,「本件文書」とは,群馬県環境森林部環境政策課「以下「環境政策課」という)が,「前橋バイオマス発電施設」設置工事について,群馬県環境影響評価条例に定める環境アセスメントの対象除外と判断した根拠・経緯を示す情報を記録する公文書である(甲1)。しかし,同条例に基づく環境アセスメント(以下「条例アセスメント」という)は,事業者において,その対象となるか否かを自ら判断する制度である。つまり,後述のとおり,行政機関は,条例アセスメントにつき,その対象となるか否かを判断する立場にない。したがって,その判断に関する情報を記録する必要性はなく,また,同条例上も求められていないことから,これに係る公文書は存在しないのである。
 2 環境アセスメントの手続について
   群馬県内における環境アセスメントには,環境影響評価法(以下「法」という)に基づくアセスメント(以下「法アセスメント」という)と,群馬県環境影響評価条例に基づく条例アセスメントの2種類があり,それぞれアセスメントの対象事業を別個に規定する。すなわち,法アセスメントの対象事業に該当しない類型及び規模の事業であっても,環境に影響を及ぼす程度が著しいと考えられる類型の事業について,一定の規棋要件を満たす場合に条例アセスメントの対象事業となる。
   まず,法アセスメントは,その対象事業として,第一種事業及び第二種事業を規定し,第一種事業については無条件でアセスメントが必要であるとし,第二種事業については,アセスメントが必要かどうかにつき行政機関による「判定」を行うものと規定している(同法2条3項,4条)。この「判定」手続では,事業者の届出により,主務大臣等が,都道府県知事の意見を聴いたうえ,環境影響の程度が著しいものとなるおそれがあると認めるときに,アセスメントが必要であると決定する(同法4条)。例えば,火力発電所の設置工事事業を行う場合,出力が15万キロワット以上であれば第一種事業に該当し,出力が11万2500キロワット以上15万キロワット未満であれば,第二種事業に該当する(法施行令別表第1の5号ホ)。第二極事業に該当する場合,法アセスメントが必要かどうか「判定」が行われることになる。この点,「前橋バイオマス発電施設」については,出力が6700キロワットであるため,その設置工事が法アセスメント対象事業ではないことは明白である。
 他方,群馬県環境影響評価条例に基づく条例アセスメントは,法アセスメントの適用対象とならない事業のうち環境影響の程度が著しいものとなるおそれがある事業を対象とするものである(同条例2条2項,3項)。同条例は,その規定する第一種事業及び第二種事業について,いずれも条例アセスメントの対象事業となるか否かにつき「判定」を必嬰としていない(同条例2条2項,3項,5条,25条)。この点,「前橋バイオマス発電施設」設置工事は,同条例施行規則別表第1のG号イ(工場又は事業場の新設又は増設の事業)により,排出ガス量(温度が0度で圧力が1気圧の状態に換算した1時間あたりの湿り排出ガスの最大量)が「4万立方メートル以上」である場合,条例アセスメントの対象となる
 このように,「前橋バイオマス発電施設」設置工事は,法アセスメントの対象とならないことは明白であり,条例アセスメントの対象となる可能性があるのみであるから,法アセスメントの第2種事業に適用される「判定」(スクリーニング)は不要である。この点,原告は,法アセスメントと条例アセスメントに必要とされる手続を混同し,環境政策課がアセスメント対象除外を判断したのであると誤解したものと思料する。
**********

■上記のとおり、今回の裁判に先立ち、原告は被告に対して、群馬県情報公開条例に基づき、「排ガス量の観点から、対象除外と判断した根拠と経緯等を示す一切の情報(とくに関電工から提供された排ガス量に関する情報、条例に基づく判断基準、その判断基準の根拠となった議論の経緯が分かる会議録等、当該判断基準の運用を最終決定した協議の議事録、そして当該判断基準の運用を開始した年月日と県庁関係出先等への通達内容、さらに関電工との間でこの件について交わしたすべてのやり取りを示す情報を含む)」を請求しました。

 その結果、被告は、「環境影響評価は、『群馬県環境影響評価条例』及び『群馬県環境影響評価条例施行規則』に定める事業の種類ごとに、『群馬県環境影響評価条例』及び『群馬県環境影響評価条例施行規則』で定める規模要件等を勘案し、環境影響評価を行うべき事業に該当するか否かを事業者が自ら判断する制度となっている。したがって、環境影響評価に関する手続きの要否について、県に対して書類を提供することや協議することは必要とされていないことから、当該請求に係る文書を保有していないため」という理由で不存在決定処分を行ったのです。

 しかし原告は、環境影響評価に関わる手続きにおいて、群馬県が関電工に対してバイオマス発電施設の排ガス量について、2割ゲタをはかせたことについて、関連する一切の情報を請求したのであって、関電工が県に対して書類提供や協議の必要は一切ないという答弁では、的外れの回答と言わざるを得ません。

 しかも関電工は群馬県と協議をしたと言っているのですから、群馬県は関電工との協議について、なんらかの議事録を残しているはずです。

■群馬県の不可思議な答弁書については、来る1月18日(水)午前10時30分から、前橋地裁の2階の第21号法廷で開かれる第1回口頭弁論期日で、裁判所がどのような訴訟指揮をするのか注目したいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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大同有毒スラグを斬る!・・・佐藤建設工業の石合資材置き場で起きた文化の日の怪しい動き

2017-01-10 00:38:00 | スラグ不法投棄問題
■前橋市で今年度末に完成予定の国道17号上武道路は、さながら「有毒スラグ街道」の異名をほしいままにしています。これに関連して、2016年10月20日、国土交通省高崎河川国道事務所が「工事中の盛り土から鉄鋼スラグに類似する不純物が見つかった」と発表しました。その後、この不純物はスラグと判明しましたが、なんと有毒スラグを撤去せずに工事を再開するという呆れ果てた動きを見せています。この有害スラグは、外部から佐藤建設工業に持ち込まれたフレコンパックから、ブラック佐藤建設工業が再び天然石にスラグを混ぜたに違いないと当会は睨んでいます。しかし、群馬県は、確証もないまま「このスラグは、渋川市の佐藤建設工業が自社の採石場(渋川市村上)から天然砕石を搬入する際、場内の道路に敷かれていたスラグが混入したとみられる」などとトンデモ発表をしました。

 謎が多いこの上武道路スラグ混入事件について、いろんな情報が当会に寄せられています。まずはこの事件をおさらいしましょう。
○2016年11月23日:大同有毒スラグを斬る!・・・このフレコンパックの中身は、まさかスラグじゃないだろうな?の巻
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2174.html#readmore


ブラック佐藤建設工業の本社裏に隠されていたフレコンパック。中身は大同有害スラグのようだ。群馬県の調査の結果、掘削が指示された上でここに置かれているなら話はまだ分かるが、実際には群馬県の調査結果が発表される以前からここに置いてある。このフレコンパックからスラグを取り出して盛り土に混ぜ、全部混ぜ終わらないうちに、国土交通省に盛土中のスラグを現場で発見されてしまったと考えるのが妥当だ。もし役人様が採石場にあるフレコンパックを本社裏に移動させたのなら、不法投棄の事実の隠ぺい工作を群馬県も手助けしたことになるのでは?

○2016年12月13日:大同有毒スラグを斬る!・・・連日続くスラグ報道・前橋の上武道路・不純物は鉄鋼スラグ(その4)
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2187.html#readmore

**********2016年12月8日毎日新聞群馬版 PDF ⇒ 2016n12082.pdf
砕石場でスラグ混入か
渋川の業者、県に報告せず

 前橋市日輪寺町の国道17号上武道路の工事現場で鉄鋼スラグが見つかった問題で、県は7日、このスラグは、渋川市の佐藤建設工業が自社の採石場(渋川市村上)から天然砕石を搬入する際、場内の道路に敷かれていたスラグが混入したとみられると発表した。
 また、県の調査で、採石場のほか、同社の資材置き場(渋川市小野子)や本社駐車場(同)でもスラグが新たに確認されたという。県は2014年の立ち入り検査以降、保管するスラグを適正に処分するよう要請していたが、守られていなかった。採石場内の道路では10年ごろ、敷かれたとみられるが、会社側は県に報告していなかった。
 県は、佐藤建設工業に対し、スラグを含む土砂や砕石304立方メートルを撤去させ、適正な処分と混入現場周辺での砕石採掘禁止を求めた。上武道路の工事現場での混入が意図的だったかどうかについては県は「会社側には聞いていない」という
 佐藤建設工業は大同特殊鋼渋川工場から排出されたスラグを巡る廃棄物処理法違反事件で県警に書類送検されている。【尾崎修二】
**********

■今回お伝えするのは、当会に情報提供のあったブラック佐藤建設工業の石合資材置き場の写真です。

 情報提供していただいた市民のかたによれば、2016年11月3日の文化の日に、祭日を利用して草津温泉に遊びに行こうと渋川市小野子を通りかかったら、祭日にも関わらず、ブラック佐藤建設工業のスラグ運搬車がものすごい勢いで、しかも何十台も我が物顔で走り回っていたというのです。早速見ていきましょう。

 場所はこちらです。↓↓
<script type="'text/javascript'" charset="'UTF-8'" src="'http://map.yahooapis.jp/MapsService/embedmap/V2/?zoom=16&lat=36.54418887649816&lon=138.96197108943346&cond=&pluginid=place&z=15&mode=map&active=true&layer=place&home=on&hlat=36.54152016886481&hlon=138.9618530716457&pointer=off&pan=off&ei=utf8&v=3&datum=wgs&width=480&height=360&device=pc&isleft='"></script>


まずはここに写っているのは、佐藤建設工業の石合バス停付近の資材置き場だ。通称「石合資材置場」と群馬県は呼んでいるんだとか。前方に黄色い重機と白いスラグ運搬車が見える。


↑カーブを曲がるとそこは不純物置き場だった!上の写真には11月3日文化の日、祝日にもかかわらずスラグ運搬車に茶色っぽい何かの資材を積み込んでいる様子が写っている。10月20日、国土交通省高崎河川工事事務所は建設中の上武道路から不純物が見つかったと発表したが、その調査が資材置き場まで及ぶのを察知しての隠ぺい工作なのではないか?

 高崎河川工事事務所の発表はこちら。↓↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/takasaki/takasaki00530.html

■その後、国土交通省は“不純物はスラグ”と発表しましたが、スラグそのものの有毒性には触れず、スラグ入り盛り土を撤去することなく、工事を再開してしまいました。国土交通省はスラグそのものの毒を調査せず、盛り土とスラグを混合した状態で分析調査し、基準値を下回っているとしたのです。

 3月完成予定の工期が迫っているため、担当官が出世に響かぬよう切羽詰まり、土とスラグは常温でも混ざる、などと国土交通省は故意に間違って判断してしまいました。エリートの国家公務員なのに学校で教わったことをなぜ否定するのでしょうか。逆に、“スラグ入り盛り土を使って何が悪い”などとふんぞり返っている?に違いありません。

 関東地方整備局の発表はこちらをご覧ください。↓↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/takasaki_00000290.html


別アングルからの写真もある。悪いことをしているのか?2台の建設機械で切羽詰まって忙しく積み込んでいる様子がうかがえる。“騒ぎになる前に早く終わらせよう”とする雰囲気がビシビシと伝わってくるようだ。

 相当ヤバい不純物がこの茶色い盛り土のようなものの中に含まれているのではないか?と、情報提供してくれた市民の方は、メールで訴えておられました。当会も同意見です。やむにやまれぬ事情で急いていなければ、2台もの建設機械を駆使してこのように忙しく積み込まないでしょう。運搬トラックも倍の台数が必要となってきますので、やはり急いで何かを隠したい意図が見て取れます。


情報を提供していただいた方が、資材置き場を後にし、草津方面に車を走らせると、左手の川の向こう岸に何やら、忙しく重機が動いているのが目に入ってきたのだとか。東吾妻町箱島の有毒スラグと天然石を混ぜていた元中央橋混合所だと思わる。

 元中央橋混合所の場所はこちらです。↓↓
<script type="'text/javascript'" charset="'UTF-8'" src="'http://map.yahooapis.jp/MapsService/embedmap/V2/?zoom=16&lat=36.55529792378602&lon=138.92467746857073&cond=&pluginid=place&z=14&mode=map&active=true&layer=place&home=on&hlat=36.55042479511864&hlon=138.92124422384182&pointer=off&pan=off&ei=utf8&v=3&datum=wgs&width=480&height=360&device=pc&isleft='"></script>


今は佐藤建設工業の資材置き場に戻っている元中央橋混合所だ。市民のかたによると、吾妻川に架かる中央橋の上から撮影したのだとか。石合資材置場から積み込まれた謎の資材は、この元中央橋混合所の一番奥に隠すようにスラグ運搬車から撒けられたのだそうだ。黄色い重機も写真に写っている。謎の資材を隠すため、すぐに天然石で上から蓋をして、外部者から見えないように工作している?と思われる。


もう一枚、カメラをズームアップして撮影していただいた写真が送られたメールに添付されていた。なんと、黄色い重機は2台も作業していたことがわかる。手前の方が広くなっているのに、なぜ奥の方から隠すように置いてくるのか?目撃した市民のかたは疑問に思ったという。スラグ運搬車の右の重機は、まさに謎の資材を隠そうとしている?としか思えない。


写真を提供していただいた市民の方が、11月3日夕方に草津温泉から帰ってくると、通称「石合資材置場」はすっかり平らにきれいになっていて、ビックリしたとのこと。祭日に何台もの建設重機とスラグ運搬車を動かし、忙しく資材を動かすからには、よっぽどの訳があったのだろうと、提供いただいた情報は締めくくられていた。

■昨年末に何件かの情報が当会に寄せられています、第1弾は写真をご覧いただきましたが、資材置き場から資材置き場への資材の移動は、収入に結びつかない行為であると考えられます。平時の生産・営業活動とは異なり、何か理由があると考えられるのです。

 「もしかしたら何らかの不純物が大量に隠されていて、慌てて別の場所に隠したのでは?」と思えてならないのです。石合資材置場の底の部分も不自然に天然石が据え付けられています。群馬県による土壌調査に備えて、いち早く1メートル程度掘削して天然石と入れ替えてしまった?とも考えられます。

 片づける前の写真と見比べてみてください。運び出された資材は茶色く土のようであったのに、平らになった資材置場はガラガラの石ばかりとなっています。外から天然石を運び込んで平らに整地したのでしょうか?

■2014年4月に製造中止の指示が発出された大同特殊鋼由来の有害スラグですが、2016年10月になって建設中の前橋市内・上武道路からまたしても発見されました。

 どうやら、天然石を採取する過程で作業用道路からスラグが盛り土に混入してしまったと行政側に結論付けられたようですが、製造中止から2年半余り経過しての混入ですので、信憑性が全くありません。

 なぜなら、2014年4月から2016年10月にかけて20万立方メートルを超える盛り土を佐藤建設工業は上武道路に納入してきたのです。もっと早い段階で混入が起こっていたに違いありません。

 また、群馬県廃棄物・リサイクル課は、有害スラグ混合砕石を全量適正処分するように大同特殊鋼や大同エコメット、そして佐藤建設工業に指示をしていたので、今更「採石場にスラグが落ちていた」などの言い訳は通用しません。

■今回情報提供いただいた一連の写真により、佐藤建設工業は何かを隠していることが判明しました。一旦きれいにした元・中央橋混合所にまたしても、何らかの不純物を隠した?かもしれないのです。

 また、人目を忍んで、少しずつ盛り土などに混ぜて処分することを狙っている?のかもしれません。建設重機を駆使して不純物をストック場からストック場へ移動して隠ぺいすれば、恰好ばかりの廃棄物リサイクル課の調査では何もわからない事でしょう。

 佐藤建設工業の天然石採取場や資材置場は不純物がゴロゴロしているのではないか、ということが疑われます。我々市民目線では、もはや、佐藤建設工業の建設資材は、不純物の混入が疑われる資材としか映りません。佐藤建設工業は廃棄物の許可を取り消される行政処分を受けましたが、許認可権限を持つお役人様に敢えて申し上げます。

 佐藤建設工業に対して、天然石販売に係る許可まで取り消すよう強く求めます!

 もう、不純物混入騒ぎは止めにしてもらいたいのです。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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だるま市を巡る寺と露天商と製造組合の確執と二分化したダルマ市の今後を左右する高崎市行政の役割

2017-01-09 21:01:00 | 国内外からのトピックス
■地域ブランドとして全国的に知られている「高崎だるま」ですが、上毛がるたにも「縁起だるまの少林山」として詠われているこのダルマのルーツとも言える少林山達磨寺で例年1月6、7日に開かれる恒例行事「七草大祭だるま市」は、古くから新年の行事として地元では親しまれてきました。ところが、一昨年から起きた寺と露天商との間のトラブルにより、昨年1月の少林山だるま市から様変わりをしました。この件について会員の皆さまから新年のトピックスとして話題提供があったため、さっそく検証してみました。

昨年12月下旬に高崎駅改札口前のコンコースにお目見えした特大だるま像。2016年12月27日午前7時撮影。



第1回高崎だるま市会場案内図

 筆者も子どものころから新年行事として何度も通ったことのある少林山だるま市は、例年たくさんの参拝客で賑わっており、その歴史は320年前から続くとされています。ところが、記事の末尾に示すような経緯を辿り、昨年1月のだるま市から露天商団体の群馬県神農街商協同組合が出店をしなくなったため、寺側もイベントの中身を大きく変更しました。

 つまり、露天商団体が出店を見合わせたことで、ダルマの販売を委託してきた製造者団体の群馬県達磨製造協同組合としても少林山だるま市でのダルマ販売を他の業者に委託して続けるわけにはいかなくなり、高崎市に掛け合って、今年の1月1~2日にかけて高崎駅前で「高崎だるま市」と題して、イベントを始めました。そのための理由づけとして、1829(文政12)年の文献『高崎談図抄』で田町の初市でだるまの販売が確認されたとされました。
※高崎だるま市 ⇒ http://takasaki-darumaichi.com/

 一方、露天商が使用する電気の供給方法を巡り、露天商団体に発電機の使用を要請していた寺側は、露天商側の出店取りやめにもひるむことなく、新たなイベントを工夫し演出することによって320年続いてきた歴史ある「少林山七草大祭だるま市」を続けています。
※少林山七草大祭だるま市 ⇒ http://www.daruma.or.jp/pdf/nanakusa2017.pdf

■ところで今回の騒動を受けて、当会の会員が、1月6日夜に少林山のだるま市に足を運びましたので、その時の報告を紹介します。

 1月6日夜、沢山の警備員のいる無料駐車場へ車を止め、碓氷川を渡って車両の通行止めになった多少の明りの灯った夜道を歩き門にたどり着くと複数の警察官がいました。
 運動不足が一目でバレバレになってしまう長い階段をやっとのことで登り切ると、再上段では若い警察官が「もう少しですよ。頑張ってください。」と励ましてくれて私的には高評価でした。
 ダルマを買った経験は無かったのですが、今年の目標が実現することを願って、小さなダルマさんを買いました。
 そして霊符堂で和尚さんに開眼供養をして貰い、ダルマさんの背中にありがたそうなお札を貼ってもらって拝礼してしました。
 お堂の裏手には、多くの屋台が展開していて、老若男女が入り混じりかなりの活気でした。
 知り合いに聞くと以前はもっと賑やかだったと言っていましたが、雑踏が好きではない私には程よい混雑でこの位でちょうど良いと感じました。
 気になったのは、元旦・2日に高崎駅前のだるま市でダルマさんを購入した人は開眼供養を自分でするのでしょうか? 自分で開眼しただけでは「何かちょっと違う」のではないかと思いました
 少林山だるま市の次に開かれる前橋の初市でも、自分で開眼するのでしょうか?
 今回の騒動で、実は40年ぶりに足を運んだ者として言うのも変ですが、だるま市はやっぱり「少林山だるま市」だと改めて思いました。
 高崎駅前のだるま市は、商業的なイベントとしては、それなりに人集めのネタになるのでしょうが、行政主導で果たして本当の意味でのだるま市の意義が定着するのでしょうか。行政はあくまでも援助・指導が仕事であって、業者や民衆のうごめきに反して、行政が手を出したり、口を出したりするとロクなことにはならないような気がしました。
(当会会員)

■末尾の経緯でも分かるように、2016年10月18日の地元紙の報道によれば、高崎市の観光課は、昨年、少林山達磨寺に対して、今年1月6、7両日の「七草大祭だるま市」について後援しないと通知していました。観光協会は高崎市の外郭団体ですから、当然この背景には高崎市の意向が働いていたと見ることができます。

 そこには、今年から始めて開催する高崎駅前での官製イベントとなる初の「高崎だるま市」の盛況を確たるものにするためには、320年間、連綿と続いてきた「少林山七草大祭だるま市」に少しでも客を奪われないようにするための意図があったものと思われます。

 当会のブログで報告しているように、福祉関係や建築関係で機能不全に陥っている高崎市役所ですから、こうした非常識な対応を取ることは十分あり得ます。

■ところで、寺側と露天商団体側との軋轢について、新聞報道や地元の巷間情報によれば、少林山達磨寺の住職の奥様が、露天商団体側に対して、電気のことを巡り寺が新しく提案したものの、露天商団体側が折り合わず、結局物別れになったということのようです。

 非公式筋の情報では、露天商に繋ぐ電気はこれまで寺側が手配していたようですが、寺側が、今後は露天商が自前で発電機を設置して用意するように、と提案したため、露天商団体側が反発したことが発端のようです。

 もしかしたら、寺の住職は露天商団体側に対して妥協したかったのかもしれませんが、奥様が断固として態度を軟化させなかったことから、決裂に至ったと思われます。

 県内では禅宗の三大宗派のうち、黄檗宗の寺はさほど多くはありません。この少林山達磨寺のほか、南牧村にある黒龍山不動寺や千代町の宝林寺くらいしか検索してもみつかりません。

 黄檗宗の名刹の名のもとに毎年だるま市を開催するに際して、露天商団体側との交渉に嫌気がさし、また初詣客の本来の目的である新年の祈願を重視し、だるま市における露天商の存在が、宗教的な観点から似つかわしくないと判断し、この機会に思い切って露天商団体と訣別したかったのかもしれません。勿論真相は、当事者本人に確認しないと何ともいえませんが。

■一方、露天商団体の群馬県神農街商協同組合は登記場所が群馬県前橋市西片貝町1丁目296番地の14で、群馬県中小企業団体中央会の前橋・勢多地区に加盟するれっきとした団体です。
※33番「群馬県神農街商協同組合」
http://www.chuokai-gunma.or.jp/kumiai/1-01-01.htm

 ちなみにこの中小企業団体中央会は、中小企業等協同組合法に基づき、組合の指導・連絡機関として設立されている団体で、組合等を会員として組織されており、各都道府県にそれぞれ1つあります。また中央組織として全国中小企業団体中央会があります。

 この中央会は組合の設立をはじめ、組合運営全般にわたり巡回指導や個別専門指導・集中指導などの指導を行うなど、中小企業の組織化を推進しているほか、金融、税制、労働、情報化等中小企業が抱えている多くの問題について相談に応じています。

 また、中央会の指導・相談対象は、組合に限らず中小企業の任意グル-プ、共同出資会社、公益法人など様々な中小企業の連携組織にも及んでいます。また、組合管理者等講習、組合指導者(後継者)養成研修、青年部研修などの人材養成事業も行っています。

 この他、組合や中小企業の経営に関する情報の提供を行うとともに、中小企業が直面する諸問題に関する調査・研究や中小企業施策について、国や地方公共団体に対し建議・陳情を行うなど、中小企業の地位向上のため幅広い活動を行っています。(以上、同会HPより)

■両者の板挟みになったのが、地元の60のだるま製造業者で組織する群馬県達磨製造協同組合です。

 製造に専念するには、販売を委託しなければなりません。昔から縁起物のだるまは、各地の祭事で香具師により販売されてきました。そのため、香具師を組織した露天商団体である群馬県神農街商協同組合と袂を分かつわけにはいかなかったのでしょう。長年お世話になった少林山達磨寺に不義理をしてまでも、露天商団体側に配慮せざるを得ませんでした。

 こうした露天商団体との付き合いの一方で、警備をする警察や行政との繋がりも重要です。現在製造者組合の理事長は国道18号線沿いに製造販売の店を出しており、配偶者は警察関係の親戚だと言われています。警察と香具師の双方に顏か効かないと、だるまの販売は円滑に行かないため、同理事長のような人物でないと業界を取り仕切れないからです。

 ところが、さしもの理事長も、今回の一件では寺側と露天商団体側との間に立って、相当頭を悩ませた模様です。その結果、寺に不義理をしてまでも露天商団体側の意向にそって、行政を動かし、高崎駅前での元旦・2日の高崎だるま市の開催にこぎ着けたのでした。

 そして2017年から、だるま市衰退の危惧を感じた高崎市は、少林山達磨寺のだるま市(七草大祭だるま市)とは別に、「高崎だるま市」を開催すると発表しました。少林山達磨寺のだるま市もこれまで通りに開催され、今年から高崎市ではだるま市が2度開催されるという変則的な開催になりました。

 だるま市の呼び方も、「高崎だるま市」と一般に呼ばれていた少林山達磨寺のだるま市は「七草大祭だるま市」の正式名称に戻り、新たに開催となった官製の高崎駅前のだるま市が「高崎だるま市」になるというややこしい結果になったのです。

■寺側としては、引き続き達磨寺として縁起物としての「だるま」の販売は継続しており、だるまという商品の提供についても、群馬県達磨製造協同組合に加盟していない製造者もおり、特段供給源に苦労することは有りません。初詣客の需要は依然として旺盛であり、だるまは有力ではあるもののツールのひとつとして捉えれば、むしろ騒々しかった従来のだるま市の賑わいよりも、落ち着きのある初詣の雰囲気を重視することのメリットを選択したことで、結果としてよかったと考えていることでしょう。

 一方、経済的な観点から、だるまの販売量の確保が至上命題の群馬県ダルマ製造協同組合としては、本来は、だるまのルーツである少林山達磨寺におけるだるま市をスタートとして、前橋、沼田、館林、そして県外へと毎年開催準が決められていました。今回、高崎の少林山でのだるま市に組合として背を向けたことから、元旦・2日の高崎駅前のだるま市という機会を行政側により提供されたことで、販売数の低下のリスクは回避されたとみられます。

■ポイントは高崎駅前で新たに今年から開催された官製の「高崎だるま市」で、どの程度組合直営の販売ブースを確保できたかどうか、ということです。同組合長の持論のように製販一体で販売も自らの力できりひらく努力をしていかないと、客のニーズや品質管理面で改善が進められないからです。

 組合から脱退した業者は、旧態依然とした組合組織では、自由な販売ができにくく、組合から脱退したおかげで、ネット販売や直販の売店の運営で、固定客の獲得につながり、客の意見に直に接することであたらしいデザインの発想も湧きやすい、と語っています。

 かつては香具師と警察の双方に顏の利く県議の存在もありました。もしそうした政治家が裏で取りまとめれば、こうした騒動は事前に回避できたのかもしれません。ダルマ製造協同組合の理事長の頭を悩ました今回の騒動は、そうした仲介者の存在がなくなっていることを示唆しています。

 今回の騒動をきっかけに、高崎だるまのブランドがさらに展開し拡大してゆくのか、それとも旧態依然な販売形態で行政にすがったままジリ貧になってゆくのか、一つの節目と考えたほうがよさそうです。

 その場合、高崎市役所は、出しゃばって特定の当事者だけに肩入れするのではなく、高崎市全体の発展を念頭にバランスのとれた提案をしていかなければなりません。

【市民オンブズマン群馬・文化情報取材班】

※関連情報「だるま市を巡る騒動に関する経緯」
**********毎日新聞2015年11月26日
【群馬】「七草大祭だるま市」 露天商団体出店せず 運営巡り寺と意見相違 製造者組合は対応苦慮
 少林山達磨寺(高崎市鼻高町)で1月6、7日に開かれる恒例行事「七草大祭だるま市」で、 来年は露天商団体の県神農街商協同組合が出店しないことが25日、打ち合わせ会で報告された。だるま製造業者で組織する県達磨製造協同組合は、だるまを境内で販売すると露天商側との 関係が悪化する恐れがあるとして、対応を決めかねている。
 関係者によると、街商組合の露店は境内と周辺道路に約200の店を出してきた。しかし、次回のだるま市の運営を巡って寺と露天商側との間で意見の相違があり、街商組合は「出店しない」との意向を示したという。
 広瀬正史住職によると、街商組合は25日の打ち合わせ会も欠席した。これに対し、境内でだるまを販売してきた達磨組合には「街商組合との関係が悪くなれば他のだるま市にも影響する」と心配する声がある一方、「どんなことがあっても地元の伝統行事には出店すべきだ」という声もあり、意見がまとまっていない。
 達磨組合の中田純一理事長は「寺と街商組合、達磨組合の三者でだるま市を盛り上げてきた歴史がある。これまでの関係を保ちたいが、どうすればいいか判断材料が乏しい」と苦悩をにじませる。今後、理事会か臨時総会を開いて対応を決めるという。【増田勝彦】

**********産経新聞2015.12.3 07:06
高崎だるま市出店めぐり騒動 露天商中止、製造組合は有志で
 新春を彩る少林山達磨寺(高崎市鼻高町)の「七草大祭だるま市」(1月6、7日)をめぐり、県達磨製造協同組合(中田純一理事長)は2日、来年の出店参加の判断などを伝える要望書を同寺に提出した。主に飲食物などを売る露天商団体の県神農街商協同組合(新井文弥理事長)が寺側と意見が対立して出店中止を決定、板挟みになった製造組合が一定の答えを出したもので、「有志による参加」になるという。
 街商組合の露店は約200店あり、にぎやかで活気のあるだるま市を演出してきた。しかし、市の運営などをめぐって寺と溝が生じた。新井理事長は「来年出店しないことは先月24日に他の団体にも伝えた。再来年以降は寺が考えるのではないか」と話した。
 両者の対立に製造組合は「このままだるま市に参加すれば街商組合との関係が悪化。他の市にも影響する」との声が上がった。これに富岡賢治市長が1日、「市物産振興協会が販売し、製造組合はそれを手伝うという形にすれば」と助言し、これを受けて製造組合は「有志による参加」を決めた。富岡市長は「だるま市でだるまを売れなくなることだけは避けたかった」という。
 要望書では「寺、だるま(製造)、露店が三位一体となって盛り上げてきた伝統のだるま市と認識」とした上で、「達磨組合としては大変なリスクを担う」と明記。「出店場所について優先的配置」など3項目を要望している。例年、製造組合では15、16のテントを出しているが、中田理事長は「半分程度になるのではないか」と話している。一方、露店については市が約20店舗に出店要請をしているという。

**********高崎市HP
少林山達磨寺のダルマ市について(平成28年2月分回答)
<意見・提言>
毎年1月7日、前夜からこの日にかけて行われる少林山達磨寺の最大の行事である七草大祭に県内は申すに及ばず県外からも大勢の参拝客が訪れ、この時のダルマ市の様子はテレビ等でも報じられるように、日本的に名声を馳せています。しかし、今年は電気の使用をめぐり寺側と露天商団体や県達磨製造協同組合との折り合いがつかず、同団体や同協同組合が出店を取りやめたため、ダルマの販売は高崎市物産振興協会が寺の近くに出店した5店だけ、また昨年のダルマを寺に納める、その納める場所も昨年までは本堂の廻りに自由に置くことが出来たのと違い、今年は本堂の隣に納め所を設け、しかも芳志まで要求されるという変り様でした。このような状況を知らずに参拝客の出足は例年並みでしたが、その多くの人は例年と違う様子を見て、失望する声が多く、この状態だと来年以降はどうなるのでしょうか。また高崎市の産業の一つでもあるダルマの製造にも影響するのではないかと懸念する声も多くあったと新聞で報じられていました。過去には見世物小屋まで出るほどの賑わいをみた時代もあったようですが、このダルマ市は高崎市の一風物詩として正月を飾る一つの大きな行事でもあり、毎年その時期になると市の広報等でも紹介され、また平成20年11月に発行し全世帯に配布された「たかさき暮らしのガイドブック(高崎市民のための生活情報誌)」でも高崎市の観光地の一つとしてダルマ市の写真と共に少林山達磨寺が紹介されるなど、ダルマと高崎市とは切っても切れない縁がある訳です。今年のような例年と勝手が違い、大勢の市民が心配するダルマ市を来年以降は以前と同じような賑わいのある活気に満ちた状態に取り戻せるよう、主催者が誰であれ、高崎市が一肌脱いで仲介の労をとっていただくことが、高崎市の振興発展のためにも必要ではないかと思いますので、ご一考をお願いいたします。
男:80代:市内在住
<回答>
ご指摘のとおり、少林山のだるま市は、高崎市民はもとより全国にも知られ、本市を代表する新年の風物詩のひとつです。そのだるま市が、少林山達磨寺と群馬県神農街商協同組合、併せて群馬県達磨製造協同組合の3者の調整が付かず、これまでのだるま市とは大きく異なるものになりました。達磨寺としては、本来の七草大祭に回帰したことから、今後もこのような形でお祭りを継続していく意向であるとの報道もあります。本市といたしましても、これまでのような賑わいのある活気に満ちたお祭りになることは、○○様をはじめ多くの観光客の皆様と同じ気持ちですが、お寺、各団体共にそれぞれの立場や考え方もあり、今後、解決しなければならない課題が数多くあるとお聞きしています。達磨寺の行う七草大祭につきましては、宗教行事ですのでお寺が決める事項ですが、本市の誇る物産である「だるま」を販売していただくだるま市につきましては、群馬県達磨製造協同組合関係者のご意見なども伺いながら、これまでの様な活気ある「だるま市」の開催を要望してまいりたいと考えております。
担当:観光課
<報告>
平成29年の高崎だるま市は元旦と2日に高崎駅西口駅前通りで開催します。
詳細は高崎だるま市のページをご覧ください。
高崎だるま市 ⇒ http://www.city.takasaki.gunma.jp/kankou/winter/darumaichi.html

**********産経新聞2016.10.7 20:39
新たな「だるま市」 JR高崎駅周辺で開催へ 寺と露天商団体の関係悪化か 群馬

達磨寺本堂前には店が並ばなかった=1月6日、群馬県高崎市のだるま市(谷内誠撮影)
 群馬県高崎市は7日、毎年1月に開かれている少林山達磨寺(同市)主催の「七草大祭だるま市」とは別に、JR高崎駅周辺で来年の元日と1月2日に「高崎だるま市」を初めて開催すると発表した。
 だるま製造者らでつくる「県達磨製造協同組合」に呼び掛け、同駅西口前にだるま販売店や飲食店を出店する。少林山達磨寺のだるま市は約200年の歴史があり、毎年約20万人が訪れる。近年は寺と露天商団体の関係が悪化し、出店が減少していた。
 少林山達磨寺は1月6日と7日に例年通りだるま市を開催し、組合にも出店を呼び掛けるとしている。
 富岡賢治市長は「新しい伝統をつくりたい。駅前なので、たくさんの方に来てほしい」と話している。

**********上毛新聞2016年10月18日(火) AM 06:00
「名称ふさわしくない」 少林山だるま市 観光協会後援せず

↑運営をめぐって寺と摩擦が生じた露天商団体は参加せず、メーンとなるだるま販売の場所や規模も変更・縮小した、今年の「七草大祭だるま市」=2016年1月7日、本紙第2社会面掲載↑
 少林山達磨寺(群馬県高崎市鼻高町)が来年1月6、7の両日に開く「七草大祭だるま市」について、高崎観光協会(同市八島町)が寺に後援しないと通知していたことが17日、分かった。協会はその理由を、今年1月の七草大祭だるま市が「『だるま市』という名称にふさわしくない」と説明している。寺は「長年この名称でやってきたイベントなのに…」と戸惑っている。
 関係者によると、寺は9月中旬、協会に後援を依頼し、協会は同28日付の「後援について(非承認)」と題した文書で、寺に後援しないことを伝えた。文書は今年1月の七草大祭だるま市の事業内容が「『だるま市』という名称にはふさわしくない」と指摘し、「伝統ある『少林山七草大祭』そのものを否定するものではない」と続けている。
 市と協会は長年、寺が主催する七草大祭だるま市にスタッフを派遣したり、PRするなど支援してきた。協会は2012年から後援団体になっている。協会が方針転換したことで、寺は他団体からも従来通りの支援を受けられなくなる可能性が出てきた。
 協会は上毛新聞の取材に「今年の内容ではだるま市とは言えないのではないか、という意図だった。(人的な支援については)行わない予定だ」としている。
 寺の広瀬正史住職は「(後援申請が認められなかったことについて)戸惑っている。今後も七草大祭に合わせて境内でだるま販売を続ける予定なので、引き続きこの名称でやっていきたい」と話している。
 今年1月の七草大祭だるま市を巡っては、運営に対する考え方の相違で寺と摩擦が生じた露天商団体が参加せず、県達磨製造協同組合も不参加を決めた。市の仲介で参加した組合員の有志がだるまを販売したが、規模は例年より大幅に縮小した。
 こうした経緯を踏まえ、市と組合は来年1月1、2の両日、JR高崎駅西口の駅前通りを会場に「高崎だるま市」を開くことを決定。十数張りのだるま販売のテントが並び、地元の飲食店も出店する予定だ。

**********産経新聞2016.12.22 12:05
引き裂かれる群馬の「だるま市」 対立深まり高崎駅前と少林山開催に 「発端は経費問題」 感情もつれも…

お炊きあげのため運び出されるだるま=18日、高崎市鼻高町の少林山達磨寺
 年始めの風物詩として全国に知られた少林山達磨寺(群馬県高崎市鼻高町)の「だるま市」が、運営を巡る対立からだるまの露店がほとんどいない異例の開催となって約1年。溝はますます深まり来年1月はJR高崎駅前(元日、2日)と寺での祭り(6、7日)という異例の“分離開催”が決定的となった。「だるま発祥の寺」と「だるまを製造する組合」の決裂。220年の歴史を持つ祭りは大きな曲がり角に立つ。双方の言い分を聞いた。
★発端は寺負担の経費問題
 だるま市は毎年、露天商約200店、だるま販売店約60店が並び夜通し市を開き、参拝客20万人が繰り出す年始の風物詩だった。
 対立の原因は何か。「祭りの経費負担にあった」と達磨寺の広瀬正史住職は指摘する。住職によると、警備や電気設備など多額の運営費の多くは寺が負担していたという。昨年、寺は応分の負担を出店料として求めたところ、露天商側が猛反発、出店を拒否し、組合まで追随して不参加となった。それでも今年1月のだるま市は少数のだるま商有志が寺近くで販売はした。来年1月は有志さえいない状態になりそうだ。
 「だるま商まで不参加というのは考えてもいなかった。残念だ。一緒にできるよう参加を呼びかけていきたい」と広瀬住職は言う。
★出店料…高すぎる
 高崎市が行う「高崎だるま市」への参加を決めた県達磨製造協同組合の中田純一理事長は「寺が要求してきた出店料は高すぎて、とても払えない。寺と何度か交渉を試みたが、解決の糸口も見いだせなかった。決裂は残念だが、新たな祭りを行うことを決断した」。
 金額のほか感情的な行き違いも重なり修復の可能性は見えない。伝統の祭りが途絶えることに危機感を持った高崎市は当初なんとか融和をと呼びかけたが、事態は動かず、9月に富岡賢治市長がだるま商らと協議し、寺ではなく市中心部で別のだるま市を開催することに決まった。根拠として約190年前、市内の田町で初市が行われたという資料を発見したという。
 高崎だるま市に協力する高崎観光協会も「今までは寺に人的な協力をしてきたが、今回は断った」と寺に背を向け、市側についた。
★寺は寂しくだるま販売
 恒例のすす払いがあった18日、達磨寺の参拝客からは「今年の1月、なぜ境内でだるまを売っていないのか不思議だった。毎年楽しみにしていたので大変残念だ」の声も。寺では「少林山七草大祭だるま市」の正式名のまま1月6、7日、能やコンサートも交え「星祭大祈祷(きとう)など正月七草の伝統行事は粛々と行う」という。しかし肝心のだるまは社務所でお守りなどと一緒に売る程度という。だるま市というには寂しい。
 一方、高崎だるま市は人出が見込める元日と2日開催にして「日本で一番早いだるま市」と銘打ちPRに力を入れる。二手に裂かれた伝統のだるま市、どちらに転んでも傷は浅くない。(前橋支局 橋爪一彦)

**********NHK News Web 2017年1月7日 7時28分
新春の伝統行事「だるま市」始まる 群馬 高崎
 群馬県高崎市の寺で、新春の伝統行事、だるま市が始まりました。
高崎市にある少林山達磨寺は、農民を飢饉から救おうと江戸時代中期にだるま作りを広めたとされ、新春に開かれるだるま市はおよそ200年続く伝統行事です。
 初日の6日は、家族の健康などを願う人たちが次々と訪れ、伝統的な赤いだるまなどを買い求めていました。
 店によりますと、家庭に飾りやすい高さ30センチ前後のだるまが最も売れ行きがよいということで、訪れた人たちは、大小のだるまを見比べながらお目当てのものを買い求めていました。
 群馬県藤岡市から来たという70代の女性は「ことしも家族が元気に過ごせるようにと願い、だるまを選びました」と話していました。
 境内には全国各地の食べ物を販売する店も軒を連ね、家族連れなどが食事をしていました。
 だるま市は夜通し開かれ、7日午後2時まで続きます

**********高崎前橋経済新聞2016年01月14日
どうなる?高崎だるま市 達磨寺は例年通りの人出というが販売個数は半減

山門前の市道脇でだるまを販売する高崎物産振興協会の有志、撮影は1月7日
 「縁起だるまの少林山」と上毛かるたに歌われる少林山達磨寺(高崎市鼻高町)で毎年1月6日・7日に開かれる「七草大祭だるま市」。今年は寺と群馬県達磨製造協同組合の意向が合わず、境内では寺が、高崎物産振興協会の有志が門前の市道でだるまを販売するという異例の事態となった。

寺は例年通り20万人の人出と発表したが、群馬県達磨製造協同組合などの関係者、高崎警察も「例年より少なかった」と話している。昨年までとがらりと雰囲気が変わった達磨寺の境内(1月7日撮影)
 「七草大祭だるま市」で販売されていただるまは「高崎だるま」で、群馬県達磨製造協同組合に加盟する50店が生産するもの。各店とも注文があれば世界中どこでも発送しており、年間の生産量は約90万個に上る。
 達磨寺は1700年代初頭に創立されたと考えられており、創立当初から「七草大祭」が行なわれていた。高崎でのだるまの生産は1780年代に始まったとされ、時を同じくして「七草大祭」で販売されるようになり、「七草大祭だるま市」「少林山のだるま市」と呼ばれ親しまれてきた。
 200年を超える歴史にカンマを打つことになった今年の「七草大祭」。今年は寺の意向と組合の意向が合わず、例年通りの開催が危ぶまれた。群馬県、高崎市の関係者が間に入り調整を試み組合が譲歩するも、最終段階で決裂。昨年までだるま店が軒を連ねていた境内には、飲食屋台が並んだ。
 高前経済の取材に対し同寺副住職の廣瀬一真さんは「人出も例年並の約20万人となり、無事終了した。形式が変って戸惑う人もいたが『以前より参拝しやすくなった』『厳かな雰囲気になった』『おいしい店がたくさん出店していてよかった』と好意的な意見が多かった。一方で『だるま屋さんが出ていないので寂しい』という声もあった」と話した。
 一方、だるまを販売した高崎物産振興協会の関係者は「例年15~20張りのテントを並ぶが今年は5張りに留まり販売個数が半減した」と話す。現場に立った人からは参拝客が少なかったという声が上がった。
 組合には「前橋などのように市街地でだるま市を開催してほしい」要望も寄せられているというが、「だるま店の多いエリアを『だるまの街』にしたい」という考えもあるという。
 「来年のことはまだわからないが、だるま店に出店してほしい」という寺。「であれば譲歩も必要」という組合側。今回がカンマになるのかピリオドになるのか、関係者は気をもんでいる。

**********東京新聞2017年1月7日
【群馬】高崎・少林山達磨寺 出店減で「寂しい」 分離開催のだるま市

少林山達磨寺で始まった「七草大祭だるま市」=高崎市で
 福だるま発祥の地とされる高崎市の少林山達磨寺で6日、新春恒例の「七草大祭だるま市」が始まった。出店条件を巡り折り合いがつかないなどの理由で、寺と露天商団体の関係が近年悪化し出店が減っており、今年は年明け早々に高崎市などが新たに「高崎だるま市」を別会場で開催。6日のだるま店は1店にとどまった。
 達磨寺は、境内に飲食物を扱う100近くの露店が並ぶものの、境内や参道に並んでいただるまは例年より大きく減り、物寂しい光景。
 太田市から訪れたパート大谷美代子さん(55)は「以前は通りを埋め尽くすほど人がたくさんいたので、少し寂しい。食べ物の屋台が多いので孫と一緒に楽しんでいます」と話した。
 七草大祭だるま市は約200年前、当時の和尚が飢饉(ききん)に苦しむ農民を救うため、だるま作りを教え、七草の日に売り出したのが始まりとされる。7日昼ごろまで夜通し実施される。
**********

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