市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

アカハラと寮生死亡事件に揺れる群馬高専…前校長の現在籍部署に係る問合せにダンマリ続ける文科省人事課

2017-08-28 23:15:00 | 群馬高専アカハラ問題
■苛烈なアカハラ事件のあった群馬高専の前校長だった西尾典眞氏が突然2017年3月末で校長職を辞し、古巣の文部科学省に戻ってから約5カ月が経過しようとしています。現在当会では、なぜ官僚が群馬高専という国の教育機関のトップにいとも簡単に就任できたのか、その経緯と背景を把握すべく、校長職への選考過程に関する情報開示請求を文科省と国立高等専門学校機構の双方に提出中です。

群馬高専の2017年(平成29年度)学校要覧P8より抜粋。

 上記のとおり、群馬高専の校長就任者の前職は公表されています。それによれば、官僚出身の校長は、第3代の林博男氏(前 人事院公務員研修所長)、第4代の桑形昭正氏(前 衆議院渉外部長)、第5代の吉澤晴行氏(前 文部省文教施設部長)、第6代の本間清氏(前 岐阜県知事公室参与県科学技術振興センター所長)、および第8代の西尾典眞氏(前 国立特別支援教育総合研究所理事)となっており、半分以上を占めています。したがって、校長経験者の現職についても、とくに文科省に在籍している場合には、その情報は同じように公表されてしかるべきです。

 そう考えた当会では、8月16日(水)に文部科学省の人事を担当している大臣官房人事課任用班任用第一係あてに、西尾前校長の現在の所属と職位を次のとおりメールで問い合わせました。

*****発信メッセージ*****
From: masaru ogawa <ogawakenpg@gmail.com>
日付: 2017年8月16日 16:26
件名: (お問い合わせ)貴職員の西尾典眞様の現在の所属先と職位について
To: mext-s@mext.go.jp

文部科学省
大臣官房人事課
任用班任用第一係 御中

毎々お世話になります。
ご多用中のところを恐縮です。

貴省職員の西尾典眞(にしお・よしちか)様の現在の所属・職位について教えていただければ幸いです。

西尾様は本年2017年3月末まで、群馬工業高等専門学校の学校長をされておられましたが、同4月1日付で出向元である文部科学省に戻られたということを、先日6月6日に同校の山崎誠・新校長、猿田智男・事務部長、櫻井孝幸・総務課長らと面談した際にお聞きしました。

その際、文部科学省のどの部署に戻られたのかについてご質問させていただいたのですが、「残念ながらわからない」とのことでしたので、おたずねする次第です。
できれば西尾様の公用メールアドレスも教えていただければ幸いです。

西尾様が同校校長就任時に発生したハラスメント事件について、その後、判明した事項について、西尾様にご報告させていただきたく存じます。

群馬県安中市野殿980
小川 賢
電話:090-5302-8312
Email: ogawakenpg@gmail.com
**********

■その後、回答が返ってこないため、1週間後の8月23日にも同様に問合せメールを発信しました。

*****再送メッセージ*****
From: masaru ogawa <ogawakenpg@gmail.com>
日付: 2017年8月23日 3:53
件名: Re: (お問い合わせ)貴職員の西尾典眞様の現在の所属先と職位について
To: mext-s@mext.go.jp

文部科学省
大臣官房人事課
任用班任用第一係 御中

毎々お世話になります。

8月16日に下記メールを送信させていただきましたが、現時点でご返事を頂けておりません。
ご多用中のところ大変恐縮ですが、Reminderとして再度お送りさせていただきます。

貴省職員の西尾典眞(にしお・よしちか)様の現在の所属・職位について教えていただければ幸いです。

西尾様は本年2017年3月末まで、群馬工業高等専門学校の学校長をされておられましたが、同4月1日付で出向元である文部科学省に戻られたということを、先日6月6日に同校の山崎誠・新校長、猿田智男・事務部長、櫻井孝幸・総務課長らと面談した際にお聞きしました。

その際、文部科学省のどの部署に戻られたのかについてご質問させていただいたのですが、「残念ながらわからない」とのことでしたので、おたずねする次第です。
できれば西尾様の公用メールアドレスも教えていただければ幸いです。

西尾様が同校校長就任時に発生したハラスメント事件について、その後、判明した事項について、ぜひ西尾様にご報告させていただきたく存じます。

群馬県安中市野殿980
小川 賢
電話:090-5302-8312
Email: ogawakenpg@gmail.com
**********

 そして遺憾ながら、その後も依然として文科省からの回答連絡がありません。引き続き定期的に問合せに対する回答の督促をしてまいりたいと思います。

■さて、なぜ教育者でない人物が、国の教育機関のトップにいとも簡単に就任できるのか、不思議に思っていたところ、2017年8月22日の新聞報道で興味ある記事を見つけました。

**********朝日新聞デジタル2017年8月22日20時41分
「天下り」がダメなら…国家公務員の「現役出向」増加中

「現役出向」する国家公務員が増え、「天下り」の減少分を補っている。
 政府系法人の常勤役員ポストに現役の官僚が出向する「現役出向」が増えている。退職した公務員による政府系法人への再就職(天下り)は、規制が本格化した2010年度からの6年間で53%減ったが、現役出向は逆に44%増えた。常勤役員の4人に1人が国家公務員経験者という構図は変わらず、現役出向が天下り規制の「抜け道」になっている。
★もたれあい構図変わらず 「現役出向」待遇は天下り並み
 国家公務員が監督先の法人を再就職先にする天下りは省庁と法人の癒着を生み、税金の無駄遣いにつながるとして08年に規制された。現職の公務員が法人への再就職のあっせんや求職活動をすることは禁止されたが、現役出向はこうした規制の対象外とされた。
 内閣人事局などの公表資料を分析すると、天下りで政府系法人の常勤役員に就任した国家公務員OBは、規制後の10年度(270法人)が196人だったのに対し、16年度(259法人)は93人へと半減した。これに対し、現役出向で常勤役員に就いた国家公務員は10年度の193人から16年度は277人へと増えた。役員ポストに占める国家公務員経験者の比率は、10年度27%、16年度26%とほぼ横ばいだ。
 主な独立行政法人や特殊法人計90法人について朝日新聞が聞き取りなどで調べたところ、役員に就いた出向者約170人はほとんどが所管する省庁の幹部で、大半は50代だった。給与は多くが非公開だが、給与基準などによると年収1300万~1500万円程度が中心とみられる。通勤手当などと合わせ、全て出向先の団体が支払う。天下りの時とほぼ同じ待遇だった。
 現役出向は天下り規制強化の直後、幹部を処遇するために広く認められるようになった。官庁と法人での退職金の二重取りがなくなるなどと説明されたが、当時から「抜け道」の懸念はあり、現実になった形だ。
 天下りや現役出向が続く背景には、各省庁で次官などの幹部候補を絞り込む過程で同期の官僚が50歳代で退職を求められる実態がある。天下りに詳しい神戸学院大学の中野雅至教授(行政学)は「天下りは人事を回すための手段であり、現役出向は窮余の策だが、役所と法人の癒着を招きかねない点で本質的な問題解決になっていない。働く意欲が維持できるよう気を配りつつ、定年まで働くことができる仕組みが必要だ」と指摘する。(野口陽、平林大輔)
     ◇
■役員ポストが天下りから現役出向に置き換わった主な法人
○日本政策金融公庫
2010年 常勤役員22人中、天下り10人、現役出向0人
  16年 常勤役員18人中、天下り1人、現役出向8人
○造幣局
 10年 常勤役員6人中、天下り3人、現役出向0人
 16年 常勤役員6人中、天下り0人、現役出向2人
○住宅金融支援機構
 10年 常勤役員11人中、天下り4人、現役出向1人
 16年 常勤役員11人中、天下り1人、現役出向3人
○成田国際空港会社
 10年 常勤役員13人中、天下り5人、現役出向0人
 16年 常勤役員12人中、天下り3人、現役出向2人
○日本原子力研究開発機構
 10年 常勤役員11人中、天下り3人、現役出向1人
 16年 常勤役員10人中、天下り0人、現役出向3人
(いずれも10月時点)
     ◇
 〈天下りと現役出向〉 天下りは、中央省庁の幹部職員が退職後、関係の深い政府系法人や企業に再就職する慣習。省庁と再就職先の癒着につながり、必要性の薄い予算や事業の温床になりやすいとの批判を受け、自公政権時代の2008年、改正国家公務員法で一定の規制がもうけられた。ただ、省内に滞留する中高年の職員が定年まで働けるようにするため、民主党政権下で10年に閣議決定された退職管理基本方針で現役出向が広く認められた。
**********

■これに関連して、2017年6月6日に当会が群馬高専を訪問し、山崎新校長ら同校幹部との面談の際に、西尾前校長の動静について質問したところ、同校の猿田事務部長は、次のとおり発言をしました。

**********
部長:はい。それから、あと、前校長に関して、でございます。えーと、まずあのう、異動の理由というところでございますけれども、こちらはですね、あのう人事交流、という形で、群馬高専の校長に着任されておりまして、えー、交流元のほうでですね、えー、まあいろいろ調整がございまして、交流元への復帰をされたという・・・されました。
注:出典:〇2017年6月15日:【詳報】群馬高専のアカハラ等問題について4月に着任の新校長ら幹部とオンブズマンの会合の一部始終
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2344.html#readmore
**********

 このように「人事交流」という言葉を、群馬高専の事務部長は用いましたが、これはつまり「現役出向」と同義語と思われます。

■では、天下りは無くなったかと思いきや、2017年2月7日の新聞では、国会であの有名な発言が飛び出し、議場内が騒然とした、という記事が報じられました。

**********朝日新聞デジタル2017年2月7日21時25分
天下り先「月2回勤務、年収1千万円」 国会どよめく

文部科学省の天下りの構図に関わる元事務次官ら。
 文部科学省による「天下り」のあっせんについて、7日に開かれた衆院予算委の集中審議。前事務次官や仲介役OBへの追及から浮かんだのは、OBに厚遇ポストを与え、再就職の支援活動を組織ぐるみで下支えする違法な構図だ。
 「天下り」あっせんの仲介役だったのは、本省の人事課に通算15年以上の勤務経験がある嶋貫(しまぬき)和男氏(67)。職員の異動を担う任用班の事実上の責任者を務め、人事課企画官などを経て2009年に退職した。
 問題の一つとなったのは、顧問だった明治安田生命保険での嶋貫氏の待遇だ。嶋貫氏の処遇について、省内で「保険会社顧問に就任し、再就職支援業務をボランティアベースで行う」とする案がつくられた翌年の14年に就任した。
 民進党の小川淳也議員は、顧問報酬について「月2日勤務で1千万円か」と質問。嶋貫氏が「社に出向く回数は基本的にそう」「金額はその通り」などと答えると、委員や傍聴人からは「おお」「1カ月2回か」とどよめきが起きた。

**********朝日新聞デジタル2017年2月7日09時37分
組織的あっせん「そのまま事実」 文科省前次官が謝罪

衆院予算委で答弁する前川喜平・文科省前事務次官。右端は安倍晋三首相=7日午前9時20分、岩下毅撮影
 文部科学省の組織的な「天下り」あっせん問題で、前川喜平・前事務次官は7日の衆院予算委員会に参考人として出席し、「責任を痛感している。国民のみなさまの信頼を損ね、深くおわび申し上げる」と謝罪した。
 組織的あっせんという再就職等監視委員会の認定については、「そのまま事実として受け止める必要がある」と述べた。

**********朝日新聞デジタル2017年2月7日05時01分
天下りあっせん体制、文科省主導か 仲介役の支援を要請

↑「天下り」あっせんについての文部科学省の調査報告の骨子
 文部科学省が人事課OBを仲介役にして組織的に「天下り」をあっせんしていた問題で、同省がこのOBによるあっせんの仕組みを維持するため、同省系の複数の団体にOBの事務所家賃や秘書給与の負担を持ちかけていた可能性が高いことがわかった。OBが仲介しやすい環境作りを同省が主導していた構図が強まった。
 文科省が6日に公表した調査報告などによると、同省人事課OBの嶋貫(しまぬき)和男氏(67)は、2009年7月の文科省退職後に仲介を本格化させた。14年1月には「文教フォーラム」(東京)という団体を設立。元文化庁長官が代表の公益財団法人「文教協会」(同)が14~16年の3年間、フォーラムの部屋の家賃計約900万円を払った。また、同省元事務次官が代表の一般財団法人「教職員生涯福祉財団」も協会に職員を出向させ、実際には嶋貫氏の秘書業務を担わせて給与を負担していた。
 報告と同時に公表された13年9月の文書「再就職支援業務について」には、同省が嶋貫氏による再就職支援に「一定の資金が必要になる」として、嶋貫氏が当時、審議役に就いていた生涯福祉財団に「秘書給与や執務室賃料を負担していただけないか」と要請したと記載。文科省が2団体による嶋貫氏の支援を主導したことがうかがえる。
**********

■この文科省の組織的な天下り斡旋問題では、仲介役の人事課OBが新設大学の学長に就任する案について、同省審議会が不適切だと判断しているとの内部情報を担当幹部が人事課職員に漏らしていたことが2017年2月22日に報じられました。
http://www.asahi.com/articles/ASK2P4TH0K2PUTIL037.html

 報道によれば、この幹部は次善の策として副学長などへの就任を模索したとされ、天下りの中心だったOBを何とか処遇しようとする文科省ぐるみの構図が改めて鮮明になったと結論付けています。

 文科省が2017年2月21日に公表した調査の中間報告によると、人事課職員が直接の担当ではないのに、この大学の設置審査に関する情報を入手していたことになるため、文科省はこうした点を「設置審査の信頼性を大きく損なう」などと指摘して、国家公務員法違反と判断しました。

 しかし今回の群馬高専の前校長の文部科学省内での所属部署・職位に関する当会の問合せに対して、情報の有無についてさえ何ら回答しようとしない文科省人事課の対応ぶりを見るにつけ、あれだけ世論の反発を買ったにも拘らず、とっくに反省心を捨て去っているとしか思えません。

 当会は引き続き、西尾前校長のその後の動静について調査をしてゆく所存です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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若宮苑を巡る高崎市の不正給付隠蔽…当会の公開質問状を黙殺する高崎市が当会会員の開示請求に非公開決定

2017-08-27 23:24:00 | 高崎市の行政問題
■若宮苑の偽造ケアプランに対する不正給付を未だに認めるどころか、逆に隠蔽し続けている高崎市の福祉行政については、これまでも当会会員からの報告をお伝えしてきています。このほど当会会員が、隠蔽に係る行政文書の開示を高崎市長に請求したところ、高崎市から行政文書非開示決定通知が送られて来たとの連絡が当会事務局にありました。当会会員は「高崎市はさらに隠蔽体質を強めている」として、近日中に、「高崎市の適正な事務事業の遂行が分かる情報」について、高崎市長に対して開示請求を行い、同市の隠蔽体質を問いたいと話しています。

2017年1月30日付の当会幹部連名による高崎市長あて公開質問状。まもなく7か月が経過するが未だに回答がない。
PDF ⇒
20170130j.jpg

 高崎市の隠蔽体質に関する証拠については、当会会員から今年1月に提供された情報をもとに、平成29年1月30日付で市民オンブズマン群馬から高崎市長あてに、冒頭に示すとおり公開質問状を提出しました。この公開質問状で当会は、不正給付について高崎市が隠蔽せずにこの事件に対応しているかどうかを質すために、関連する証拠を添付し、回答要請をしていました。


冒頭の公開質問状の添付資料1:第311-7号「苦情等に係る介護保険施設等の実地調査の結果について(通知)」
PDF ⇒ 201603103117n.jpg


同じく添付資料2:高崎市ホームページ「平成27年度指導結果」
PDF ⇒ 2017082827nxw.jpg

 証拠として添付した2016年3月10日付第311-7号の高崎市長から若宮苑を経営する医療法人十薬会の矢島理事長宛の通知文書によれば、ケアプラン作成が適切に行われていない事例について、高崎市が若宮苑の経営者に指摘を行っていることが分かります。

 一方で高崎市は、平成27年度・指導結果において「文書による指摘事項はありません。」などと、同市のホームページに事実に反する情報を載せて、市民に公開しています。これでは、どちらが本当の情報なのか、混乱させられてしまいます。ところが、高崎市からは当会に対して、未だに何の回答も来ておりません。

 当会は、これまでさまざまな場面で公開質問状により当事者の見解を質すために発出してきましたが、かなり高い確率で回答をいただいています。しかし残念ながら、中には完全に黙殺されてしまう場合もあります。

 高崎市はそうした部類の当事者であると言えるでしょう。

■そこで当会会員は、自ら直接、高崎市長あてに行政文書公開請求を行ったところ、隠蔽を、さらに隠蔽するために行政文書非公開決定通知が送り付けられたのです。


高崎市から届いた2017年8月17日付第138-2号「行政文書非開示決定通知書」。
PDF ⇒ 201708171382sjm.jpg

 高崎市は、露呈した若宮苑を巡る不正給付隠蔽事件を、さらに隠蔽するための理由として、「市民等に不要な混乱を生じさせるおそれがある」ことを非公開の理由の一つとしています。しかし、驚くべきことは「市の適正な事務事業の遂行を妨げるおそれがあること」を非公開の理由としていることです。

 事実に反する情報を市民に提供している高崎市が、「市の適正な事務事業の遂行を妨げるおそれがある」などと、よく言えたものだと当会会員は呆れていました。

当会会員は、さっそく近日中にでも「市の適正な事務事業の遂行が分かる情報」の開示請求を行う考えを倒壊事務局に報告しています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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【詳報】大同有毒スラグを斬る!…大同スラグ処分場の地下水汚染報道から見えてくるポイントを整理

2017-08-25 17:35:00 | スラグ不法投棄問題
■長年にわたり大同特殊鋼から排出された鉄鋼スラグや汚泥など製鋼副産物が埋め立てられていた処分場の下方の地下水から、環境基準を大幅に上回る猛毒物質が検出されたことが2017年8月24日の朝日新聞で報じられました。まずはこの記事の内容を検証して見ましょう。


**********2017年8月24日朝日新聞デジタル群馬版
処分場地下水に六価クロム 渋川、環境基準の8倍超 /群馬県
 渋川市金井にある民間の最終処分場下の地下水から、環境基準の8倍を超える有害物質六価クロムが検出されたことが、県の調査で23日までに分かった。業者が計画を逸脱して埋め立てたことも地下水汚染につながった一因とみて、県は原因を調査している。
 この処分場は、県の許可を得て1981年ごろから大同特殊鋼渋川工場から出た鉄鋼スラグや汚泥などを埋め立てている。汚染を防ぐため、水を通さない「不透水層」より上に廃棄物を埋め立てる計画だったのに層より下に埋められていることが分かり、県は2005年、産廃処理会社「小林製工運送」(渋川市)に改善命令を出した。不透水層の一部も失われていた。命令に基づく工事後、県が調べたところ今年4月、地下水から環境基準の8倍超にあたる1リットル当たり0・42ミリグラムの六価クロムが検出された。
 同処分場の問題にからみ、共産党県議団などは23日、大沢正明知事に対し、詳細な調査実施などを求める文書を提出した。
**********


当会に提供された、実質的に大同の有害スラグ埋立最終処分場の写真。奥の繁みの向こうが川となっている。提供された情報によると「川よりも低く穴を掘っていて、下の水から有毒物質が検出されている」とのこと。地下水といっても相当深く、一体どこまで汚染されているのだろう。近隣及び下流住民の生活環境保全はどのように担保すればよいのか。
※拡大して見よう JPEG ⇒ 2017n08.jpg

■上武国道などに投棄されたスラグ問題で、「地下水をモニタリングしていく」などと、地下水が汚染されていなければ、撤去などの対策は行わない、としてきた群馬県ですが、今回の報道で、地下水汚染が現実に発覚したわけです。この、とんでもない事象について、報道内容をもとに、いつものように問題点をポイント別に整理してみましょう。

ポイント①
 県の調査で、「最終処分場の地下水汚染が分かった」と報道されていること。
ポイント②
 大同が計画を逸脱して埋め立てたことについて、県から改善命令が発出されていること。
ポイント③
 改善命令の後、12年も経って、「県の調べで汚染が発覚した」などと、とても違和感を覚える報道であること。

■新聞報道は、「同処分場の問題にからみ、共産党県議団などは23日、大沢正明知事に対し、詳細な調査実施などを求める文書を提出した。」と締めくくられていますが、今回当該団体から情報提供がありました。その資料を交えて、今回の重大事件の問題点をポイント別に見ていきます。

ポイント①「県の調査で、『最終処分場の地下水汚染が分かった』と報道されていること」

 報道では“県の調査で、実質大同の最終処分場直下の地下水が汚染されていることが分かった”と報道されています。ところが、当会に寄せられた情報によれば、当該団体が8月23日、群馬県環境部局に「詳細な調査実施などを求める」旨の申し入れを行い、記者クラブで会見を行ったところ、その後、どういう風の吹き回しか分かりませんが、冒頭の記事にあるとおり「環境基準の8倍を超える有害物質六価クロムが検出されたことが、県の調査で23日までに分かった。」という状況に変化したとことが時系列的に伝わってきました。県環境部局の本音としては、「触れてもらいたくなかった事件だ」と言えそうです。

ポイント②「大同が計画を逸脱して埋め立てたことについて、県から改善命令が発出されていること」

 この処分場は「小林製工運送」(渋川市)の管理型最終処分場ですが、専ら「大同特殊鋼渋川工場から出た鉄鋼スラグや汚泥などを埋め立てている」ことが報道の中で説明されています。後に大同特殊鋼がこの処分場の経営権を取得しており、実質的には「大同の処分場」ということです。

 さて大同が「計画を逸脱して埋め立てた」ことが分かり「群馬県は2005年、改善命令を出した。」となっています。これを分かりやすくまとめると、次の構図となります。

***********
○水を通さない「不透水層」が標高410m付近にあることになっており、
その上に廃棄物を埋設する計画のところ
○地下水脈標高395m付近を超えて、深く廃棄物が埋め立てられていた

**********

 この最終処分場の計画と実際が異なることが発覚したことから、「群馬県は2005年、改善命令を出した。」と報道されているのです。この改善命令について、当会は強い違和感を禁じ得ません。


PDF ⇒ 20101207_haikibutu_shorisisetsu_henkoukyoka_kyokasinseisho.pdf
情報提供された「産業廃棄物処理施設変更許可申請書」。改善命令が2005年であるのに、5年後の平成22年(2010年)にこの最終処分場の変更が申請されている、5年も経てからの申請で時系列がおかしくなっている。また変更の理由も「平成10年6月に公布された新構造基準にあわせて人工の遮水層による安全性を高めるため」となっていて、改善命令を受けたことを微塵も感じることができない変更理由となっている。

ポイント③「改善命令の後、12年も経って、県の調べで今度は汚染が発覚したと、報道されていること」

 さて、改善命令の内容、つまり「計画を逸脱して」水を通さない不透水層を超えて産業廃棄物を埋め立てた場合でも、無毒の廃棄物を埋め立てている限りは、改善命令後、廃棄物を掘り出して、ゴム製遮水シートなどの人工的な不透水層を設ければ、問題解決となったはずです。

 今回の新聞報道は、それだけに留まりません。“計画を逸脱した事”に加えて「命令に基づく工事後、県が調べたところ今年4月、地下水から環境基準の8倍超にあたる1リットル当たり0・42ミリグラムの六価クロムが検出された。」と報じられたからです。

 当会が独自に手に入れた情報によれば、大同特殊鋼は2008年(平成20年)7月の時点で、当該処分場の地下水汚染が深刻な値を示していたことを認識しています。


PDF ⇒ 20080719_daido_slugs_keiryo_shoumeisho.pdf
2008年7月9日に高崎市にある㈱環境技研が、大同の依頼で当該処分場の地下水を採取し、同7月18日までに分析試験を終えて、同7月19日に大同に提出した計量証明書。六価クロムは0.44mg/L(土染法の地下水基準上限値0.05mg/Lの8.8倍、ふっ素は9.3mg/L (地下水基準上限値0.8mg/Lの11.6倍)となっている。

 群馬県が2005年に改善命令を出そうが、大同は馬耳東風の構えで、何の対策も取るつもりのなかった様子が分かります。そして群馬県も、その後何のフォローアップ調査もせずに、「大同様がきちんと対応しているはずだ」とばかりに何のチェックもしていなかった状況が目に浮かぶようです。今更、2005年に改善命令を出してから12年も経って、「県の調べで汚染が発覚した」などと、恥ずかしげもなくよく言えたものです。県環境部局としては、「古傷に触られてもらいたくなかった」などと内輪同士で感想を述べ合っているかもしれませんが、大同に対して最近また、強くものが言えない体質に戻っていることが懸念されます。


PDF ⇒ 20170502_naibu_kokuhatsu_mizu_noudo_keiryou_shoumeisho.pdf
当会に寄せられた情報によれば、渋川市の政党団体宛てに内部告発があり、汚染水が持ち込まれ、その水を分析調査したところ、2017年5月2日付で提出された濃度計量証明書が示す当該処分場の浸出地下水(同4月6日採取)の分析結果として、焦点となっている六価クロム濃度が0.43mg/L(地下水基準上限値0.05mg/Lの8.6倍)、ふっ素の濃度は2.4mg/L (地下水基準上限値0.8mg/Lの3倍)となっている。六価クロムの濃度は9年間で少しも減っておらず、ふっ素も依然として高濃度で地下浸透し続けていることが分かる。

■これで大同スラグの毒性が周辺部や下層の土壌汚染の連鎖を引き起こすのみならず、水を介して表流水のみならず地下水にも汚染が浸透している実態がはっきりしました。群馬県はこれでもまだ、当会との間で係争中の東吾妻町萩生地区の農道に不法投棄された大同スラグの撤去を巡る住民訴訟で、直ちに人体に影響はない、などと主張続けるつもりなのでしょうか。

 きたる9月8日(金)午前10時から前橋地裁2階21号法廷で開かれる第11回口頭弁論で、被告群馬県が最終の主張をしたためた準備書面を陳述する予定です。既に被告の準備書面は先週末に原告当会にも届いていますが、今回の大同スラグ最終処分場における地下水汚染については、全く触れられていません。9月8日の口頭弁論の1週間前にあたる9月1日(金)までに、当会では今回の衝撃的な事実を踏まえて、最終反論を試みたいと考えております。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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【速報】大同有毒スラグを斬る!…処分場地下水汚染!やはり廃棄物で捨てたじゃないか?他の所はどうなる?

2017-08-24 00:41:00 | スラグ不法投棄問題
■2015年9月群馬県が廃棄物に認定した大同有害スラグについては、産業廃棄物に認定されたものの、撤去などの廃棄物処理法に基づいた対策はほとんど実施されていません。その大同有害スラグが埋め立てられた最終処分場が渋川市にあり、この処分場の地下水が猛毒物質で汚染されているというニュースが今朝報じられました。速報でお届けします。


**********2017年8月24日朝日新聞群馬版
処分場地下水に六価クロム
渋川、環境基準の8倍超

 渋川市金井にある民間の最終処分場下の地下水から、環境基準の8倍を超える有害物質六価クロムが検出されたことが、県の調査で23日までに分かった。業者が計画を逸脱して埋め立てたことも地下水汚染につながった一因とみて、県は原因を調査している。
 この処分場は、県の許可を得て1981年ごろから大同特殊鋼渋川工場から出た鉄鋼スラグや汚泥などを埋め立てている。汚染を防ぐため、水を通さない「不透水層」より上に廃棄物を埋め立てる計画だったのに層より下に埋められていることが分かり、県は2005年、産廃処理会社「小林製工運送」(渋川市)に改善命令を出した。不透水層の一部も失われていた。命令に基づく工事後、県が調べたところ今年4月、地下水から環境基準の8倍超にあたるリットル当たり0.42ミリグラムの六価クロムが検出された。
 同処分場の問題に絡み、共産党県議団などは23日、大沢正明知事に対し、詳細な調査実施などを求める文章を提出した。
**********

■当会は引き続きこの重大事実について追及してまいります。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項つづく】

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東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…貯木場に関する当会の公開質問状に対して回答拒否をした群馬県知事

2017-08-24 00:31:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■東電グループの筆頭企業である関電工による放射能汚染間伐材等を燃料源とした前橋バイオマス発電計画では、木質チップ製造工場を発電施設に併設しますが、当初計画になかった貯木場が、発電施設の近くに突然造成されるなど、集材ステーションとなるべき貯木場設置は不透明な事柄だらけです。そのため当会では、群馬県知事に対して次の内容の公開質問状を2017年8月4日付で提出しました。

貯木場の現況。2017年8月6日撮影。以下同様。





未舗装の箇所には早くも浸食による亀裂が。

バックグラウンド条件把握のため、空間放射線量を予め測定。

*****県知事あて公開質問状*****PDF ⇒ 20170804jij825x.pdf
                           2017年8月4日
〒371-8570 群馬県前橋市大手町1丁目1-1
群馬県知事 大澤正明 様
 (環境森林部)
                         市民オンブズマン群馬
                          代表 小川 賢

             公 開 質 問 状

 拝啓、貴殿ますますご清栄のこととお慶び申しあげます。
 当会は、群馬県において、行政及びその関連機関を外部から監視し、当該機関による税金の無駄遣いや行政及び関連する権限を不当に行使することによる住民・関係者の権利・利益の侵害に対する調査及び救済の勧告を図る活動をしているボランティア団体です。
 さて、当会に最近よせられた情報によると、貴殿が司る群馬県環境森林部が監督している前橋バイオマス燃料㈱の事業計画に関連して、とりわけ貯木場について、これまで貴殿に提出されてきた事業計画の経緯で不明な事項があります。
 つきましては、貴殿に対して質問形式で確認をさせていただきます。そこで、次の質問があります。

質問1
 平成27年6月末に県に提出された事業計画【総事業費864,000,000円(税込)】によれば、次の機材の調達や施設の工事が含まれています。
① トラックハッカー
② ホイールローダー
③ フォークリスト
④ グラップル
⑤ 計量装置
⑥ 貯木場舗装工事(8,300㎡)等
⑦ 作業用建物兼燃料貯蔵庫
⑧ 燃料乾燥施設
⑨ 事務所
○質問1-1:このうち⑥の貯木場舗装工事(8.300㎡)とありますが、グーグルマップで見る限り、最大でも、5,000㎡程度しか土地が確認できません。残りの3,300㎡はどこに存在するのでしょうか?
○質問1-2:この事業計画に対する補助金の金額や原資の出所、支給条件について教えてください。
○質問1-3:このうち貯木場舗装工事にかかる補助金の金額や原資の出所を教えてください。


質問2
 平成28年6月28日に県に提出された補助金申請書【総事業費864,000,000円(税込)】によれば、次の機材や施設が含まれています。
① 貯木場(一か所)11,000㎡
② 作業用建物兼燃料貯蔵庫
③ 管理棟
④ 移動用チッパー
⑤ グラップル
⑥ 燃料乾燥施設
⑦ 計量装置
⑧ フォークリフト
○質問2-1:これを見ると、①貯木場(一か所)11,000㎡に変更されています。そのほかの項目も変更されているものがあります。この理由について貴殿は事業者からどのような報告を受けていたのでしょうか。
○質問1-2:このうち貯木場にかかる補助金の金額や原資の出所を教えてください。


質問3
 平成28年7月11日に県に提出された着手届整理表【総事業費864,000,000円(税込)】によれば、次の機材や施設が含まれています。
① 移動用チッパー 101,520,000円(税込)
② グラップル 29,160,000円(税込)
③ フォークリフト 7,020,000円(税込)
④ 計量装置 13,500,000円(税込)
⑤ 貯木場一カ所(11,000㎡)
⑥ 作業用建物兼燃料貯蔵庫 
⑦ 管理棟        ⑤⑥⑦で334,800,000円(税込)
⑧ 燃料乾燥施設 378,000,000円(税込)
○質問3-1:⑤貯木場一か所(11.000㎡)とありますが、これに関連して県が二カ所の貯木場に対する補助金を用意しました。ところが、前橋バイオマス燃料らはそれを拒否しました。そして、突然、住民に一切の説明もなく、前橋バイオマス燃料㈱のチップ工場の西側に7,500㎡前後の貯木場を建設しました。この場所について、同社は「ここには、貯木場を作らない」と、はっきりと明言してきた経緯があります。にもかかわらず、なぜここに貯木場が作られたのか、行政としての見解を教示ください。
○質問3-2:さらに、補助金は、11,000㎡の貯木場に支給されています。しかも上記の通り「一カ所」とはっきりと書かれています。この貯木場の場所は、いったいどこなのでしょうか?
○質問3-3:追加された西側の7,500㎡の貯木場と工場内の貯木場を合わせるとちょうど11,000㎡になります。しかし、それでは貯木場は二カ所でなければなりません。この疑問について行政の見解を教えてください。
○質問3-4:あるいはまた、この事業計画の変更届は、県に対して提出されているのでしょうか?


質問4
 平成28年7月11日に県に提出された着手届整理表【総事業費864,000,000円(税込)】によれば、次の機材や施設が含まれています。
① 移動用チッパー 101,520,000円(税込)
② グラップル 29,160,000円(税込)
③ フォークリフト 7,020,000円(税込)
④ 計量装置 13,500,000円(税込)
⑤ 貯木場一カ所(11,000㎡)
⑥ 作業用建物兼燃料貯蔵庫 
⑦ 管理棟        ⑤⑥⑦で334,800,000円(税込)
⑧ 燃料乾燥施設 378,000,000円(税込)
○質問4-1:燃料乾燥施設として3億7800円とありますが、この燃料乾燥施設の仕様や価格の妥当性について貴殿は精査したのでしょうか?
○質問4-2:おそらく相見積もりが提出されていないと思いますが、いかがでしょうか?
○質問4-3:その場合、値段があってないようなもので、自分の会社が所有しているので、当初予算と総額は変えずに、この自社開発の燃料乾燥施設という贅沢品が補助金額を調整できるバッファーとなった可能性が想定されます。このことについて、貴殿の見解をご説明ください。



なお、面談時に貴殿のご回答を直接得たいと存じますが、時間の関係で貴ご回答を得られなかったときには8月14日(月)までに書面で下記の連絡先にFAXしていただければ幸いです。なお、この公開質問状は、当市民オンブズマン群馬のウェブサイト上で、貴ご回答の経緯や結果を明らかにしてまいりたいと考えております。

          記
市民オンブズマン群馬  事務局長 鈴木 庸
〒371-0801 群馬県前橋市文京町1-15-10
電話027-224-8567  FAX027-224-6624
**********

■その回答が8月17日付で群馬県環境森林部の林業振興課長名で届きました。ご覧の通り、「係争中なので回答を拒否する」という趣旨の内容です。

20170817ocixjijuiu.jpg
20170817ocixjiju.jpg

*****県林業振興課からの回答*****JPEG ⇒ 20170817ocixjiju.jpg
                      (公印省略)
                    林振第30260-15号
                    平成29年8月17日
市民オンブズマン群馬
   代表 小川 賢  様

                   群馬県環境森林部
                     林業振興課長 桑原 雅美

          公開質問状について(回答)

 平素、群馬県の発展のために、ご活動いただき、誠にありがとうございます。
 平成29年8月4日付けで提出いただきました「公開質問状」は、前橋バイオマス燃料製造施設への補助金支出に関して住民訴訟を提起され、前橋地方裁判所で審理中の案件となりますので、回答は差し控えさせていただきます。
 今後とも、県政の推進に対し、ご理解、ご協力いただきますよう、お願い申し上げます。
                 担当:群馬県観光森林部林業振興課
                    TEL:027-226-3241
                    FAX:027-223-0154
**********

■係争中だからこそ、県民納税者の疑問点に対して、真摯に回答するという当然のマナーが行政には完全に欠如していることがわかります。

 なお、8月23日に前橋地裁で開催された前橋バイオマス発電施設にかんする環境アセスメント条例の運用に係る情報不開示処分取消訴訟において、裁判長の塩田直也裁判官は、原告オンブズマンが提出した甲10号証の内部起案書類を奇貨として、当会が提出した群馬県知事への文書送付嘱託申立について、「既にオンブズマンが不存在であるべき書類を保有しているから、群馬県知事に文書送付嘱託をする意味がない」として採用せず、当会が提出した関電工に関する調査嘱託申立について、「これは情報不存在処分取消訴訟と直接の関係がない」として、これまた却下しました。

 そのうえで、塩田裁判長は「これで審理を打ち切り、判決は2017年11月8日五語1時10分に告げる」と言明しました。なお、この口頭弁論の模様については追って詳しくご報告いたします。

 現在もなお係争中の前橋バイオマス発電施設用の燃料を供給する木質チップ工場への補助金に関する返還請求訴訟についても、同じく塩田直也裁判長が指揮をしているため、先行き不透明感が濃厚になりつつあります。

 こうした中で、群馬県環境森林部が打ち出してきた回答拒否の姿勢は、「なんとしても、来年1月から運転開始が予定されている前橋バイオマス発電施設計画をこれ以上、住民訴訟により邪魔をされないよう、今年中にカタをつける」とする東電グループの思惑に、行政と司法が同調して対処している有様を強く感じさせます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】


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