市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

若宮苑不正給付事件…「施設サービス計画未作成でも介護報酬を支給する」との画期的見解?を示唆した高崎市

2017-08-23 23:38:00 | 高崎市の行政問題
■高崎市のデタラメ介護保険の運営実態については、当会会員の母親が若宮苑に入所した際にケアプランを偽造された事件の背景や経過を主体に、当ブログで従前よりご報告しているとおりです。この度、当会会員から新たに寄せられた情報は、当会会員が高崎市情報公開条例に基づき「施設サービス計画未作成」に関する不正給付事件について、情報開示を求めたところ、驚愕の情報が得られたというものです。すなわち、高崎市長は、「ケアプラン未作成でも介護報酬を支給する」という驚くべき情報だというのです。これが事実とすれば、看過できない事態です。さっそく寄せられた情報を見て見ましょう。

高崎市が若宮苑に対して2016年3月10日付で通知した第311-7号「苦情等に係る介護保険施設等の実地調査の結果について(通知)」。この1(3)に「平成27年9月18日から10月15日までの施設サービス計画が未作成であった」と記されている。
PDF ⇒ 3117.pdf

 当会会員は平成29年8月7日、高崎市の条例45号「高崎市介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準を定める条例」に基づいて、「施設サービス計画が未作成の場合は、介護報酬を支給することが条例違反に当たるのではないか?」と考えて、高崎市長に対し公文書の開示請求を求めました。その結果、次のとおり、不存在通知書が送られてきたのです。


高崎市から当会会員あてに届けられた8月21日付け第138-6号「行政文書不存在通知書」。
PDF ⇒ dp1386s.pdf

 ところが、上記の行政文書不存在通知書に書かれている通り、高崎市長は、「高崎市の条例には、介護給付費の受け取りにかかる記載がなく、不存在であるため。」とする見解を示しています。このことについて当会会員は、「介護給付の支給を正当化するかのような、開き直った通知であり、到底容認できない」との見解を当会に寄せています。

 すなわち、この高崎市長からの条例にかかる文書不存在通知の内容について当会会員は、「高崎市では、施設サービス計画が未作成」という類の条例が存在しないため、「施設サービス計画が未作成であっても介護給付を支給します。」とする、保険者である高崎市による重大な運営基準違反ではないか、と考えているわけです。

■当会会員は、「ものは言いようで、『高崎市では、施設サービス計画が未作成の場合でも、介護給付を支給してはならない。』という条例は存在しない一方で、『施設サービス計画が未作成の場合でも、介護給付を支給してもよい。』という条例も存在しないはずだから、明らかに、高崎市の介護保険法違反ではないか?」と判断し、高崎市に不正給付を認めさせるために、「第2弾として8月22日付で次の情報開示を請求する」旨、当会に報告がありました。


8月22日付行政文書公開請求書。

 高崎市の公文書開示決定通知の期限は、条例で15日以内と規定されているので、この開示請求の通知期限は9月6日(水)となります。

■おそらく、高崎市は当会会員の最初の情報開示請求に対する8月21日付け行政文書不存在通知書で「高崎市の条例には、介護給付費の受け取りにかかる記載がなく、不存在である」とする不存在理由について、単に、「当該条例の中には、介護給付費の受け取りにかかる記載がないので、物理的に不存在となる」ということを言いたかっただと思われます。

 しかしこれでは、偽造ケアプラン事件への対応を無視し続けている高崎市に対して、当会会員ならずとも、「高崎市では、施設サービス計画が未作成であっても、介護給付費を受け取ることができる」と判断せざるを得ません。

 このように十分な説明責任を果たさないまま、行政が不存在通知を出してくるケースは枚挙に暇がありません。

■今回の不存在通知では、条例第2条に基本方針として「介護老人保健施設は、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことにより、入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすることとともに、その者の居宅における生活への復帰を目指すものでなければならない。」と明記されているのですから、「施設サービス計画が未作成の場合は、そもそも介護給付費を受け取る資格はありません。これは条例の第2条に明記されています」というふうにきちんと説明すれば、当会会員の疑念も払しょくできたはずです。

 当会会員の第2弾目の行政文書公開請求書に対して、高崎市は、今度はどのような通知を送り付けてくるのか、当会会員ならずとも注目されます。開示にかかる決定通知が当会会員に送り付けられたら、その内容について当会会員から報告があり次第、当ブログでも掲載いたします。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※関連情報「高崎市介護老人保健施設関連基準を定める条例」
**********
http://ted.city.takasaki.gunma.jp/reiki/reiki_honbun/e203RG00001484.html
○高崎市介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準を定める条例
平成24年12月21日 条例第45号
目次
 第1章 総則(第1条)
 第2章 基本方針(第2条)
 第3章 人員に関する基準(第3条)
 第4章 施設及び設備に関する基準(第4条・第5条)
 第5章 運営に関する基準(第6条~第41条)
 第6章 ユニット型介護老人保健施設の基本方針並びに施設、設備及び運営に関する基準

第1節 この章の趣旨及び基本方針(第42条・第43条)
第2節 施設及び設備に関する基準(第44条)
第3節 運営に関する基準(第45条~第53条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この条例は、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第97条第1項から第3項までの規定に基づき、介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準を定めるものとする。
第2章 基本方針
第2条 介護老人保健施設は、
施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことにより、入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすることとともに、その者の居宅における生活への復帰を目指すものでなければならない。
2 介護老人保健施設は、入所者の意思及び人格を尊重し、常に入所者の立場に立って介護保健施設サービスの提供に努めなければならない。

3 介護老人保健施設は、明るく家庭的な雰囲気を有し、地域や家庭との結び付きを重視した運営を行い、市町村(特別区を含む。以下同じ。)、居宅介護支援事業者(居宅介護支援事業を行う者をいう。以下同じ。)、居宅サービス事業者(居宅サービス事業を行う者をいう。)、他の介護保険施設その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。
第3章 人員に関する基準
(従業者の員数)
第3条 法第97条第2項の規定による介護老人保健施設に置くべき医師、看護師、介護支援専門員及び介護その他の業務に従事する従業者の職種及び員数は、次のとおりとする。
(1) 医師 常勤換算方法で、入所者の数を100で除して得た数以上
(2) 薬剤師 介護老人保健施設の実情に応じた適当数
(3) 看護師若しくは准看護師(以下「看護職員」という。)又は介護職員(以下「看護・介護職員」という。) 常勤換算方法で、入所者の数が3又はその端数を増すごとに1以上(看護職員の員数は看護・介護職員の総数の7分の2程度を、介護職員の員数は看護・介護職員の総数の7分の5程度をそれぞれ標準とする。)
(4) 支援相談員 1以上(入所者の数が100を超える場合にあっては、常勤の支援相談員1人に加え、常勤換算方法で、100を超える部分を100で除して得た数以上)
(5) 理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士 常勤換算方法で、入所者の数を100で除して得た数以上
(6) 栄養士 入所定員が100人以上の介護老人保健施設は、1以上
(7) 介護支援専門員 1以上(入所者の数が100又はその端数を増すごとに1を標準とする。)
(8) 調理員、事務員その他の従業者 介護老人保健施設の実情に応じた適当数
2 前項の入所者の数は、前年度の平均値とする。ただし、新規に許可を受ける場合は、推定数による。
3 第1項の常勤換算方法とは、当該従業者のそれぞれの勤務延時間数の総数を当該介護老人保健施設において常勤の従業者が勤務すべき時間数で除することにより常勤の従業者の員数に換算する方法をいう。
4 介護老人保健施設の従業者は、専ら当該介護老人保健施設の職務に従事する者でなければならない。ただし、介護老人保健施設(ユニット型介護老人保健施設(第42条に規定するユニット型介護老人保健施設をいう。以下この項において同じ。)を除く。)及びユニット型介護老人保健施設を併設する場合の介護職員を除き、入所者の処遇に支障がない場合には、この限りでない。
5 第1項第7号の介護支援専門員は、専らその職務に従事する常勤の者でなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合には、当該介護老人保健施設の他の職務に従事することができるものとし、介護支援専門員が次項に規定する本体施設に従事する場合であって、当該本体施設の入所者の処遇に支障がない場合には、次項に規定するサテライト型小規模介護老人保健施設の職務に従事することができるものとする。
6 第1項第1号及び第4号から第7号までの規定にかかわらず、サテライト型小規模介護老人保健施設(当該施設を設置しようとする者により設置される当該施設以外の介護老人保健施設又は病院若しくは診療所(以下「本体施設」という。)との密接な連携を確保しつつ、本体施設とは別の場所で運営され、入所者の在宅への復帰の支援を目的とする定員29人以下の介護老人保健施設をいう。以下同じ。)の医師、支援相談員、理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士、栄養士又は介護支援専門員については、次の各号に掲げる本体施設の区分に応じ、当該各号に定める職員により当該サテライト型小規模介護老人保健施設の入所者の処遇が適切に行われると認められるときは、これを置かないことができる。
(1) 介護老人保健施設 医師、支援相談員、理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士、栄養士又は介護支援専門員
(2) 病院 医師、栄養士(病床数100以上の病院の場合に限る。)又は介護支援専門員(健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)附則第130条の2第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた同法第26条の規定による改正前の法第48条第1項第3号に規定する指定介護療養型医療施設の場合に限る。)
(3) 診療所 医師
7 第1項第1号及び第4号から第7号までの規定にかかわらず、医療機関併設型小規模介護老人保健施設(病院又は診療所に併設され、入所者の在宅への復帰の支援を目的とする定員29人以下の介護老人保健施設であって、前項に規定するサテライト型小規模介護老人保健施設以外のものをいう。以下同じ。)の医師、支援相談員、理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士、栄養士又は介護支援専門員の員数の基準は、次のとおりとする。
(1) 医師、理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士又は栄養士 併設される病院又は診療所の医師、理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士又は栄養士により当該医療機関併設型小規模介護老人保健施設の入所者の処遇が適切に行われると認められるときは、置かないことができること。
(2) 支援相談員又は介護支援専門員 当該医療機関併設型小規模介護老人保健施設の実情に応じた適当数
(平27条例18・一部改正)
第4章 施設及び設備に関する基準
(施設)
第4条 介護老人保健施設は、次に掲げる施設を有しなければならない。ただし、サテライト型小規模介護老人保健施設の場合にあっては、本体施設の施設を利用することにより当該サテライト型小規模介護老人保健施設及び当該本体施設の入所者の処遇が適切に行われると認められるときは、調理室、洗濯室又は洗濯場及び汚物処理室を、医療機関併設型小規模介護老人保健施設の場合にあっては、併設される病院又は診療所の施設を利用することにより、当該医療機関併設型小規模介護老人保健施設及び当該病院又は診療所の入所者及び入院患者の処遇が適切に行われると認められるときは、療養室及び診察室を除き、これらの施設を有しないことができる。
(1) 療養室
(2) 診察室
(3) 機能訓練室
(4) 談話室
(5) 食堂
(6) 浴室
(7) レクリエーション・ルーム
(8) 洗面所
(9) 便所
(10) サービス・ステーション
(11) 調理室
(12) 洗濯室又は洗濯場
(13) 汚物処理室
2 前項に掲げる施設の基準は、次のとおりとする。
(1) 療養室
ア 一の療養室の定員は、4人以下とすること。
イ 入所者1人当たりの床面積は、8平方メートル以上とすること。
ウ 地階に設けてはならないこと。
エ 1以上の出入口は、避難上有効な空地、廊下又は広間に直接面して設けること。
オ 寝台又はこれに代わる設備を備えること。
カ 入所者の身の回り品を保管することができる設備を備えること。
キ ナース・コールを設けること。
(2) 機能訓練室
1平方メートルに入所定員数を乗じて得た面積以上の面積を有し、必要な器械・器具を備えること。ただし、サテライト型小規模介護老人保健施設又は医療機関併設型小規模介護老人保健施設の場合は、機能訓練室は40平方メートル以上の面積を有し、必要な器械・器具を備えること。
(3) 談話室
入所者同士や入所者とその家族が談話を楽しめる広さを有すること。
(4) 食堂
2平方メートルに入所定員数を乗じて得た面積以上の面積を有すること。
(5) 浴室
ア 身体の不自由な者が入浴するのに適したものとすること。
イ 一般浴槽のほか、入浴に介助を必要とする者の入浴に適した特別浴槽を設けること。
(6) レクリエーション・ルーム
レクリエーションを行うために十分な広さを有し、必要な設備を備えること。
(7) 洗面所
療養室のある階ごとに設けること。
(8) 便所
ア 療養室のある階ごとに設けること。
イ ブザー又はこれに代わる設備を設けるとともに、身体の不自由な者が使用するのに適したものとすること。
ウ 常夜灯を設けること。
3 第1項に掲げる施設は、専ら当該介護老人保健施設の用に供するものでなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合には、この限りでない。
(構造設備の基準)
第5条 介護老人保健施設の構造設備の基準は、次のとおりとする。
(1) 介護老人保健施設の建物(入所者の療養生活のために使用しない附属の建物を除く。)は、耐火建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第9号の2に規定する耐火建築物をいう。以下同じ。)とすること。ただし、次のいずれかの要件を満たす2階建て又は平屋建ての介護老人保健施設の建物は、準耐火建築物(同条第9号の3に規定する準耐火建築物をいう。以下同じ。)とすることができる。
ア 療養室その他の入所者の療養生活に充てられる施設(以下「療養室等」という。)を2階及び地階のいずれにも設けていないこと。
イ 療養室等を2階又は地階に設けている場合であって、次に掲げる要件の全てを満たすこと。
(ア) 当該介護老人保健施設の所在地を管轄する消防長又は消防署長と相談の上、第31条に規定する計画に入所者の円滑かつ迅速な避難を確保するために必要な事項を定めること。
(イ) 第31条に規定する訓練については、同条に規定する計画に従い、昼間及び夜間において行うこと。
(ウ) 火災時における避難、消火等の協力を得ることができるよう、地域住民等との連携体制を整備すること。
(2) 療養室等が2階以上の階にある場合は、屋内の直通階段及びエレベーターをそれぞれ1以上設けること。
(3) 療養室等が3階以上の階にある場合は、避難に支障がないように避難階段を2以上設けること。ただし、前号に規定する直通階段を建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第123条第1項に規定する避難階段としての構造とする場合は、その直通階段の数を避難階段の数に算入することができる。
(4) 階段には、手すりを設けること。
(5) 廊下の構造は、次のとおりとすること。
ア 幅は、1.8メートル以上(中廊下にあっては、2.7メートル以上)とすること。ただし、廊下の一部の幅を拡張することにより、入所者、従業者等の円滑な往来に支障が生じないと認められる場合には、1.5メートル以上(中廊下にあっては、1.8メートル以上)とすることができる。
イ 手すりを設けること。
ウ 常夜灯を設けること。
(6) 入所者に対する介護保健施設サービスの提供を適切に行うために必要な設備を備えること。
(7) 消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けること。
2 前項第1号の規定にかかわらず、市長が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、次の各号のいずれかの要件を満たす木造かつ平屋建ての介護老人保健施設の建物であって、火災に係る入所者の安全性が確保されていると認めたときは、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。
(1) スプリンクラー設備の設置、天井等の内装材等への難燃性の材料の使用、調理室等火災が発生するおそれがある箇所における防火区画の設置等により、初期消火及び延焼の抑制に配慮した構造であること。
(2) 非常警報設備の設置等による火災の早期発見及び通報の体制が整備されており、円滑な消火活動が可能なものであること。
(3) 避難口の増設、搬送を容易に行うために十分な幅員を有する避難路の確保等により、円滑な避難が可能な構造であり、かつ、避難訓練を頻繁に実施すること、配置人員を増員すること等により、火災の際の円滑な避難が可能なものであること。
第5章 運営に関する基準
(内容及び手続の説明及び同意)
第6条 介護老人保健施設は、介護保健施設サービスの提供の開始に際し、あらかじめ、入所申込者又はその家族に対し、第28条に規定する運営規程の概要、従業者の勤務の体制その他の入所申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明を行い、当該提供の開始について入所申込者の同意を得なければならない。
2 介護老人保健施設は、入所申込者又はその家族からの申出があった場合には、前項の規定による文書の交付に代えて、第5項で定めるところにより、当該入所申込者又はその家族の承諾を得て、当該文書に記すべき重要事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって、次に掲げるもの(以下この条において「電磁的方法」という。)により提供することができる。この場合において、当該介護老人保健施設は、当該文書を交付したものとみなす。
(1) 電子情報処理組織を使用する方法のうちア又はイに掲げるもの
ア 介護老人保健施設の使用に係る電子計算機と入所申込者又はその家族の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法
イ 介護老人保健施設の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された前項に規定する重要事項を電気通信回線を通じて入所申込者又はその家族の閲覧に供し、当該入所申込者又はその家族の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該重要事項を記録する方法(電磁的方法による提供を受ける旨の承諾又は受けない旨の申出をする場合にあっては、介護老人保健施設の使用に係る電子計算機に備えられたファイルにその旨を記録する方法)
(2) 磁気ディスク、シー・ディー・ロムその他これらに準じる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物をもって調製するファイルに前項に規定する重要事項を記録したものを交付する方法
3 前項に掲げる方法は、入所申込者又はその家族がファイルへの記録を出力することによる文書を作成することができるものでなければならない。
4 第2項第1号の電子情報処理組織とは、介護老人保健施設の使用に係る電子計算機と、入所申込者又はその家族の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。
5 介護老人保健施設は、第2項の規定により第1項に規定する重要事項を提供しようとするときは、あらかじめ、当該入所申込者又はその家族に対し、その用いる次に掲げる電磁的方法の種類及び内容を示し、文書又は電磁的方法による承諾を得なければならない。
(1) 第2項各号に規定する方法のうち介護老人保健施設が使用するもの
(2) ファイルへの記録の方式
6 前項の規定による承諾を得た介護老人保健施設は、当該入所申込者又はその家族から文書又は電磁的方法により電磁的方法による提供を受けない旨の申出があったときは、当該入所申込者又はその家族に対し、第1項に規定する重要事項の提供を電磁的方法によってしてはならない。ただし、当該入所申込者又はその家族が再び前項の規定による承諾をした場合は、この限りでない。
(提供拒否の禁止)
第7条 介護老人保健施設は、正当な理由なく介護保健施設サービスの提供を拒んではならない。
(サービス提供困難時の対応)
第8条 介護老人保健施設は、入所申込者の病状等を勘案し、入所申込者に対し自ら必要なサービスを提供することが困難であると認めた場合は、適切な病院又は診療所を紹介する等の適切な措置を速やかに講じなければならない。
(受給資格等の確認)
第9条 介護老人保健施設は、介護保健施設サービスの提供を求められた場合には、その者の提示する被保険者証によって、被保険者資格、要介護認定の有無及び要介護認定の有効期間を確かめるものとする。
2 介護老人保健施設は、前項の被保険者証に法第73条第2項に規定する認定審査会意見が記載されているときは、当該認定審査会意見に配慮して、介護保健施設サービスを提供するように努めなければならない。
(要介護認定の申請に係る援助)
第10条 介護老人保健施設は、入所の際に要介護認定を受けていない入所申込者については、要介護認定の申請が既に行われているかどうかを確認し、申請が行われていない場合は、入所申込者の意思を踏まえて速やかに当該申請が行われるよう必要な援助を行わなければならない。
2 介護老人保健施設は、要介護認定の更新の申請が遅くとも当該入所者が受けている要介護認定の有効期間の満了日の30日前には行われるよう必要な援助を行わなければならない。
(入退所)
第11条 介護老人保健施設は、その心身の状況及び病状並びにその置かれている環境に照らし看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療等が必要であると認められる者を対象に、介護保健施設サービスを提供するものとする。
2 介護老人保健施設は、入所申込者の数が入所定員から入所者の数を差し引いた数を超えている場合には、医学的管理の下における介護及び機能訓練の必要性を勘案し、介護保健施設サービスを受ける必要性が高いと認められる入所申込者を優先的に入所させるよう努めなければならない。
3 介護老人保健施設は、入所申込者の入所に際しては、その者に係る居宅介護支援事業者に対する照会等により、その者の心身の状況、生活歴、病歴、指定居宅サービス等(法第8条第24項に規定する指定居宅サービス等をいう。以下同じ。)の利用状況等の把握に努めなければならない。
4 介護老人保健施設は、入所者の心身の状況、病状、その置かれている環境等に照らし、その者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかについて定期的に検討し、その内容等を記録しなければならない。
5 前項の検討に当たっては、医師、薬剤師、看護・介護職員、支援相談員、介護支援専門員等の従業者の間で協議しなければならない。
6 介護老人保健施設は、入所者の退所に際しては、その者又はその家族に対し、適切な指導を行うとともに、居宅サービス計画の作成等の援助に資するため、居宅介護支援事業者に対する情報の提供に努めるほか、退所後の主治の医師に対する情報の提供その他保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。
(平28条例5・一部改正)
(サービスの提供の記録)
第12条 介護老人保健施設は、入所に際しては入所の年月日並びに入所している介護保険施設の種類及び名称を、退所に際しては退所の年月日を、当該者の被保険者証に記載しなければならない。
2 介護老人保健施設は、介護保健施設サービスを提供した際には、提供した具体的なサービスの内容等を記録しなければならない。
(利用料等の受領)
第13条 介護老人保健施設は、法定代理受領サービス(法第48条第4項の規定により施設介護サービス費(同条第1項に規定する施設介護サービス費をいう。以下同じ。)が入所者に代わり当該介護老人保健施設に支払われる場合の当該施設介護サービス費に係る介護保健施設サービスをいう。以下同じ。)に該当する介護保健施設サービスを提供した際には、入所者から利用料(施設介護サービス費の支給の対象となる費用に係る対価をいう。以下同じ。)の一部として、当該介護保健施設サービスについて同条第2項に規定する厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該介護保健施設サービスに要した費用の額を超えるときは、当該現に介護保健施設サービスに要した費用の額とする。以下「施設サービス費用基準額」という。)から当該施設に支払われる施設介護サービス費の額を控除して得られた額の支払を受けるものとする。
2 介護老人保健施設は、法定代理受領サービスに該当しない介護保健施設サービスを提供した際に入所者から支払を受ける利用料の額と、施設サービス費用基準額との間に、不合理な差額が生じないようにしなければならない。
3 介護老人保健施設は、前2項の支払を受ける額のほか、次に掲げる費用の額の支払を受けることができる。
(1) 食事の提供に要する費用(法第51条の3第1項の規定により特定入所者介護サービス費が入所者に支給された場合は、同条第2項第1号に規定する食費の基準費用額(同条第4項の規定により当該特定入所者介護サービス費が入所者に代わり当該介護老人保健施設に支払われた場合は、同条第2項第1号に規定する食費の負担限度額)を限度とする。)
(2) 居住に要する費用(法第51条の3第1項の規定により特定入所者介護サービス費が入所者に支給された場合は、同条第2項第2号に規定する居住費の基準費用額(同条第4項の規定により当該特定入所者介護サービス費が入所者に代わり当該介護老人保健施設に支払われた場合は、同条第2項第2号に規定する居住費の負担限度額)を限度とする。)
(3) 厚生労働大臣の定める基準に基づき入所者が選定する特別な療養室の提供を行ったことに伴い必要となる費用
(4) 厚生労働大臣の定める基準に基づき入所者が選定する特別な食事の提供を行ったことに伴い必要となる費用
(5) 理美容代
(6) 前各号に掲げるもののほか、介護保健施設サービスにおいて提供される便宜のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、その入所者に負担させることが適当と認められるもの
4 前項第1号から第4号までに掲げる費用については、厚生労働大臣が定めるところによるものとする。
5 介護老人保健施設は、第3項に掲げる費用の額に係るサービスの提供に当たっては、あらかじめ、入所者又は家族に対し、当該サービスの内容及び費用を記した文書を交付して説明を行い、入所者の同意を得なければならない。ただし、同項第1号から第4号までに掲げる費用に係る同意については、文書によるものとする。
(保険給付の請求のための証明書の交付)
第14条 介護老人保健施設は、法定代理受領サービスに該当しない介護保健施設サービスに係る費用の支払を受けた場合は、提供した介護保健施設サービスの内容、費用の額その他必要と認められる事項を記載したサービス提供証明書を入所者に対して交付しなければならない。
(介護保健施設サービスの取扱方針)
第15条 介護老人保健施設は、施設サービス計画に基づき、入所者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、その者の心身の状況等を踏まえて、その者の療養を妥当適切に行わなければならない。
2 介護保健施設サービスは、施設サービス計画に基づき、漫然かつ画一的なものとならないよう配慮して行われなければならない。
3 介護老人保健施設の従業者は、介護保健施設サービスの提供に当たっては、懇切丁寧を旨とし、入所者又はその家族に対し、療養上必要な事項について、理解しやすいように指導又は説明を行わなければならない。
4 介護老人保健施設は、介護保健施設サービスの提供に当たっては、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者の行動を制限する行為(以下「身体的拘束等」という。)を行ってはならない。
5 介護老人保健施設は、前項の身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならない。
6 介護老人保健施設は、自らその提供する介護保健施設サービスの質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。
(施設サービス計画の作成)
第16条 介護老人保健施設の管理者は、介護支援専門員に施設サービス計画の作成に関する業務を担当させるものとする。
2 施設サービス計画に関する業務を担当する介護支援専門員(以下「計画担当介護支援専門員」という。)は、施設サービス計画の作成に当たっては、入所者の日常生活全般を支援する観点から、当該地域の住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて施設サービス計画上に位置付けるよう努めなければならない。
3 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画の作成に当たっては、適切な方法により、入所者について、その有する能力、その置かれている環境等の評価を通じて入所者が現に抱える問題点を明らかにし、入所者が自立した日常生活を営むことができるように支援する上で解決すべき課題を把握しなければならない。
4 計画担当介護支援専門員は、前項に規定する解決すべき課題の把握(以下「アセスメント」という。)に当たっては、入所者及びその家族に面接して行わなければならない。この場合において、計画担当介護支援専門員は、面接の趣旨を入所者及びその家族に対して十分に説明し、理解を得なければならない。
5 計画担当介護支援専門員は、入所者の希望、入所者についてのアセスメントの結果及び医師の治療の方針に基づき、入所者の家族の希望を勘案して、入所者及びその家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針、生活全般の解決すべき課題、介護保健施設サービスの目標及びその達成時期、介護保健施設サービスの内容、介護保健施設サービスを提供する上での留意事項等を記載した施設サービス計画の原案を作成しなければならない。
6 計画担当介護支援専門員は、サービス担当者会議(入所者に対する介護保健施設サービスの提供に当たる他の担当者(以下この条において「担当者」という。)を招集して行う会議をいう。以下同じ。)の開催、担当者に対する照会等により、当該施設サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。
7 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画の原案の内容について入所者又はその家族に対して説明し、文書により入所者の同意を得なければならない。
8 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画を作成した際には、当該施設サービス計画を入所者に交付しなければならない。
9 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画の作成後、施設サービス計画の実施状況の把握(入所者についての継続的なアセスメントを含む。)を行い、必要に応じて施設サービス計画の変更を行うものとする。
10 計画担当介護支援専門員は、前項に規定する実施状況の把握(以下「モニタリング」という。)に当たっては、入所者及びその家族並びに担当者との連絡を継続的に行うこととし、特段の事情のない限り、次に定めるところにより行わなければならない。
(1) 定期的に入所者に面接すること。
(2) 定期的にモニタリングの結果を記録すること。
11 計画担当介護支援専門員は、次に掲げる場合においては、サービス担当者会議の開催、担当者に対する照会等により、施設サービス計画の変更の必要性について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。
(1) 入所者が法第28条第2項に規定する要介護更新認定を受けた場合
(2) 入所者が法第29条第1項に規定する要介護状態区分の変更の認定を受けた場合
12 第2項から第8項までの規定は、第9項に規定する施設サービス計画の変更について準用する。
(診療の方針)
第17条 医師の診療の方針は、次に掲げるところによるものとする。
(1) 診療は、一般に医師として必要性があると認められる疾病又は負傷に対して、的確な診断を基とし、療養上妥当適切に行う。
(2) 診療に当たっては、常に医学の立場を堅持して、入所者の心身の状況を観察し、要介護者の心理が健康に及ぼす影響を十分配慮して、心理的な効果をもあげることができるよう適切な指導を行う。
(3) 常に入所者の病状、心身の状況及びその置かれている環境等の的確な把握に努め、入所者又はその家族に対し、適切な指導を行う。
(4) 検査、投薬、注射、処置等は、入所者の病状に照らして妥当適切に行う。
(5) 特殊な療法又は新しい療法等については、厚生労働大臣が定めるもののほか行ってはならない。
(6) 厚生労働大臣が定める医薬品以外の医薬品を入所者に施用し、又は処方してはならない。
(必要な医療の提供が困難な場合等の措置等)
第18条 介護老人保健施設の医師は、入所者の病状からみて当該介護老人保健施設において自ら必要な医療を提供することが困難であると認めたときは、協力病院その他適当な病院若しくは診療所への入院のための措置を講じ、又は他の医師の対診を求める等診療について適切な措置を講じなければならない。
2 介護老人保健施設の医師は、不必要に入所者のために往診を求め、又は入所者を病院若しくは診療所に通院させてはならない。
3 介護老人保健施設の医師は、入所者のために往診を求め、又は入所者を病院若しくは診療所に通院させる場合には、当該病院又は診療所の医師又は歯科医師に対し、当該入所者の診療状況に関する情報の提供を行わなければならない。
4 介護老人保健施設の医師は、入所者が往診を受けた医師若しくは歯科医師又は入所者が通院した病院若しくは診療所の医師若しくは歯科医師から当該入所者の療養上必要な情報の提供を受けるものとし、その情報により適切な診療を行わなければならない。
(機能訓練)
第19条 介護老人保健施設は、入所者の心身の諸機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるため、理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションを計画的に行わなければならない。
(看護及び医学的管理の下における介護)
第20条 看護及び医学的管理の下における介護は、入所者の自立の支援と日常生活の充実に資するよう、入所者の病状及び心身の状況に応じ、適切な技術をもって行われなければならない。
2 介護老人保健施設は、1週間に2回以上、適切な方法により、入所者を入浴させ、又は清拭しなければならない。
3 介護老人保健施設は、入所者の病状及び心身の状況に応じ、適切な方法により、排せつの自立について必要な援助を行わなければならない。
4 介護老人保健施設は、おむつを使用せざるを得ない入所者のおむつを適切に取り替えなければならない。
5 介護老人保健施設は、じょくそうが発生しないよう適切な介護を行うとともに、その発生を予防するための体制を整備しなければならない。
6 介護老人保健施設は、前各項に定めるほか、入所者に対し、離床、着替え、整容その他日常生活上の世話を適切に行わなければならない。
7 介護老人保健施設は、その入所者に対して、入所者の負担により、当該介護老人保健施設の従業者以外の者による看護及び介護を受けさせてはならない。
(食事の提供)
第21条 入所者の食事は、栄養並びに入所者の身体の状況、病状及び嗜好を考慮したものとするとともに、適切な時間に行われなければならない。
2 入所者の食事は、その者の自立の支援に配慮し、できるだけ離床して食堂で行われるよう努めなければならない。
(相談及び援助)
第22条 介護老人保健施設は、常に入所者の心身の状況、病状、その置かれている環境等の的確な把握に努め、入所者又はその家族に対し、その相談に適切に応じるとともに、必要な助言その他の援助を行わなければならない。
(その他のサービスの提供)
第23条 介護老人保健施設は、適宜入所者のためのレクリエーション行事を行うよう努めるものとする。
2 介護老人保健施設は、常に、入所者の家族との連携を図るとともに、入所者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めなければならない。
(入所者に関する市町村への通知)
第24条 介護老人保健施設は、介護保健施設サービスを受けている入所者が次の各号のいずれかに該当する場合は、遅滞なく、意見を付してその旨を市町村に通知しなければならない。
(1) 正当な理由なしに介護保健施設サービスの利用に関する指示に従わないことにより、要介護状態の程度を増進させたと認められるとき。
(2) 偽りその他不正の行為によって保険給付を受け、又は受けようとしたとき。
(管理者による管理)
第25条 介護老人保健施設の管理者は、専ら当該介護老人保健施設の職務に従事する常勤の者でなければならない。ただし、当該介護老人保健施設の管理上支障のない場合は、同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務に従事することができるものとし、管理者が本体施設(介護老人保健施設に限る。以下この条において同じ。)に従事する場合であって、当該本体施設の管理上支障のない場合は、サテライト型小規模介護老人保健施設、サテライト型特定施設(高崎市指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例(平成24年高崎市条例第46号。以下この条において「指定地域密着型サービス基準条例」という。)第130条第4項に規定するサテライト型特定施設をいう。)又はサテライト型居住施設(指定地域密着型サービス基準条例第151条第4項に規定するサテライト型居住施設をいう。)の職務に従事することができるものとする。
(管理者の責務)
第26条 介護老人保健施設の管理者は、当該介護老人保健施設の従業者の管理、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行わなければならない。
2 介護老人保健施設の管理者は、従業者にこの章の規定を遵守させるために必要な指揮命令を行うものとする。
(計画担当介護支援専門員の責務)
第27条 計画担当介護支援専門員は、第16条に規定する業務のほか、次に掲げる業務を行うものとする。
(1) 入所申込者の入所に際し、その者に係る居宅介護支援事業者に対する照会等により、その者の心身の状況、生活歴、病歴、指定居宅サービス等の利用状況等を把握すること。
(2) 入所者の心身の状況、その置かれている環境等に照らし、その者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかについて定期的に検討し、その内容等を記録すること。
(3) 入所者の退所に際し、居宅サービス計画の作成等の援助に資するため、居宅介護支援事業者に対して情報を提供するほか、保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者と密接に連携すること。
(4) 第37条第2項に規定する苦情の内容等を記録すること。
(5) 第39条第3項に規定する事故の状況及び事故に際して採った処置について記録すること。
(運営規程)
第28条 介護老人保健施設は、次に掲げる施設の運営についての重要事項に関する規程(以下「運営規程」という。)を定めておかなければならない。
(1) 施設の目的及び運営の方針
(2) 従業者の職種、員数及び職務の内容
(3) 入所定員
(4) 入所者に対する介護保健施設サービスの内容及び利用料その他の費用の額
(5) 施設の利用に当たっての留意事項
(6) 非常災害対策
(7) その他施設の運営に関する重要事項
(勤務体制の確保等)
第29条 介護老人保健施設は、入所者に対し、適切な介護保健施設サービスを提供できるよう、従業者の勤務の体制を定めておかなければならない。
2 介護老人保健施設は、当該施設の従業者によって介護保健施設サービスを提供しなければならない。ただし、入所者の処遇に直接影響を及ぼさない業務については、この限りでない。
3 介護老人保健施設は、従業者の資質の向上のために、その研修の機会を確保しなければならない。
(定員の遵守)
第30条 介護老人保健施設は、入所定員及び療養室の定員を超えて入所させてはならない。ただし、災害、虐待その他のやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。
(非常災害対策)
第31条 介護老人保健施設は、非常災害に関する具体的計画を立て、非常災害時の関係機関への通報及び連携体制を整備し、それらを定期的に従業者に周知するとともに、定期的に避難、救出その他必要な訓練を行わなければならない。
(衛生管理等)
第32条 介護老人保健施設は、入所者の使用する施設、食器その他の設備又は飲用に供する水について、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講じるとともに、医薬品及び医療機器の管理を適正に行わなければならない。
2 介護老人保健施設は、当該介護老人保健施設において感染症又は食中毒が発生し、又はまん延しないように、次に掲げる措置を講じなければならない。
(1) 当該介護老人保健施設における感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会をおおむね3月に1回以上開催するとともに、その結果について、介護職員その他の従業者に周知徹底を図ること。
(2) 当該介護老人保健施設における感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針を整備すること。
(3) 当該介護老人保健施設において、介護職員その他の従業者に対し、感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修を定期的に実施すること。
(4) 前3号に掲げるもののほか、厚生労働大臣が定める感染症又は食中毒の発生が疑われる際の対処等に関する手順に沿った対応を行うこと。
(協力病院等)
第33条 介護老人保健施設は、入所者の病状の急変等に備えるため、あらかじめ、協力病院を定めておかなければならない。
2 介護老人保健施設は、あらかじめ、協力歯科医療機関を定めておくよう努めなければならない。
(掲示)
第34条 介護老人保健施設は、当該介護老人保健施設の見やすい場所に、運営規程の概要、従業者の勤務の体制、協力病院、利用料その他のサービスの選択に資すると認められる重要事項を掲示しなければならない。
(秘密保持等)
第35条 介護老人保健施設の従業者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。
2 介護老人保健施設は、従業者であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。
3 介護老人保健施設は、居宅介護支援事業者等に対して、入所者に関する情報を提供する際には、あらかじめ文書により入所者の同意を得ておかなければならない。
(居宅介護支援事業者に対する利益供与等の禁止)
第36条 介護老人保健施設は、居宅介護支援事業者又はその従業者に対し、要介護被保険者に当該施設を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならない。
2 介護老人保健施設は、居宅介護支援事業者又はその従業者から、当該施設からの退所者を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を収受してはならない。
(苦情処理)
第37条 介護老人保健施設は、提供した介護保健施設サービスに関する入所者及びその家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない。
2 介護老人保健施設は、前項の苦情を受け付けた場合には、当該苦情の内容等を記録しなければならない。
3 介護老人保健施設は、提供した介護保健施設サービスに関し、法第23条の規定による市町村が行う文書その他の物件の提出若しくは提示の求め又は当該市町村の職員からの質問若しくは照会に応じ、入所者からの苦情に関して市町村が行う調査に協力するとともに、市町村から指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。
4 介護老人保健施設は、市町村からの求めがあった場合には、前項の改善の内容を市町村に報告しなければならない。
5 介護老人保健施設は、提供した介護保健施設サービスに関する入所者からの苦情に関して国民健康保険団体連合会(国民健康保険法(昭和33年法律第192号)第45条第5項に規定する国民健康保険団体連合会をいう。以下同じ。)が行う法第176条第1項第3号の規定による調査に協力するとともに、国民健康保険団体連合会から同号の規定による指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。
6 介護老人保健施設は、国民健康保険団体連合会からの求めがあった場合には、前項の改善の内容を国民健康保険団体連合会に報告しなければならない。
(地域との連携等)
第38条 介護老人保健施設は、その運営に当たっては、地域住民又はその自発的な活動等との連携及び協力を行う等の地域との交流に努めなければならない。
2 介護老人保健施設は、その運営に当たっては、提供した介護保健施設サービスに関する入所者からの苦情に関して、市町村等が派遣する者が相談及び援助を行う事業その他の市町村が実施する事業に協力するよう努めなければならない。
(事故発生の防止及び発生時の対応)
第39条 介護老人保健施設は、事故の発生又はその再発を防止するため、次に掲げる措置を講じなければならない。
(1) 事故が発生した場合の対応、次号に規定する報告の方法等が記載された事故発生の防止のための指針を整備すること。
(2) 事故が発生した場合又はそれに至る危険性がある事態が生じた場合に、当該事実が報告され、その分析を通した改善策を従業者に周知徹底する体制を整備すること。
(3) 事故発生の防止のための委員会及び従業者に対する研修を定期的に行うこと。
2 介護老人保健施設は、入所者に対する介護保健施設サービスの提供により事故が発生した場合は、速やかに市町村、入所者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。
3 介護老人保健施設は、前項の事故の状況及び事故に際して採った処置について記録しなければならない。
4 介護老人保健施設は、入所者に対する介護保健施設サービスの提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならない。
(会計の区分)
第40条 介護老人保健施設は、介護保健施設サービスの事業の会計とその他の事業の会計を区分しなければならない。
(記録の整備)
第41条 介護老人保健施設は、従業者、施設及び構造設備並びに会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。
2 介護老人保健施設は、入所者に対する介護保健施設サービスの提供に関する次に掲げる記録を整備し、その完結の日から5年間保存しなければならない。
(1) 施設サービス計画
(2) 第11条第4項に規定する居宅において日常生活を営むことができるかどうかについての検討の内容等の記録
(3) 第12条第2項に規定する提供した具体的なサービスの内容等の記録
(4) 第15条第5項に規定する身体的拘束等の態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由の記録
(5) 第24条に規定する市町村への通知に係る記録
(6) 第37条第2項に規定する苦情の内容等の記録
(7) 第39条第3項に規定する事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録
第6章 ユニット型介護老人保健施設の基本方針並びに施設、設備及び運営に関する基準
第1節 この章の趣旨及び基本方針
(この章の趣旨)
第42条 第2章、第4章及び前章の規定にかかわらず、ユニット型介護老人保健施設(施設の全部において少数の療養室及び当該療養室に近接して設けられる共同生活室(当該療養室の入居者が交流し、共同で日常生活を営むための場所をいう。以下同じ。)により一体的に構成される場所(以下「ユニット」という。)ごとに入居者の日常生活が営まれ、これに対する支援が行われる介護老人保健施設をいう。以下同じ。)の基本方針並びに施設、設備及び運営に関する基準については、この章に定めるところによる。
(基本方針)
第43条 ユニット型介護老人保健施設は、入居者一人一人の意思及び人格を尊重し、施設サービス計画に基づき、その居宅における生活への復帰を念頭に置いて、入居前の居宅における生活と入居後の生活が連続したものとなるよう配慮しながら、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことにより、各ユニットにおいて入居者が相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活を営むことを支援しなければならない。
2 ユニット型介護老人保健施設は、地域や家庭との結び付きを重視した運営を行い、市町村、居宅介護支援事業者、居宅サービス事業者、他の介護保険施設その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。
第2節 施設及び設備に関する基準
(施設)
第44条 ユニット型介護老人保健施設は、次に掲げる施設を有しなければならない。ただし、ユニット型サテライト型小規模介護老人保健施設(ユニットごとに入居者の日常生活が営まれ、これに対する支援が行われるサテライト型小規模介護老人保健施設をいう。以下同じ。)の場合にあっては、本体施設の施設を利用することにより、当該ユニット型サテライト型小規模介護老人保健施設及び当該本体施設の入居者の処遇が適切に行われると認められるときは、調理室、洗濯室又は洗濯場及び汚物処理室を、ユニット型医療機関併設型小規模介護老人保健施設(ユニットごとに入居者の日常生活が営まれ、これに対する支援が行われる医療機関併設型小規模介護老人保健施設をいう。以下同じ。)の場合にあっては、併設される病院又は診療所の施設を利用することにより、当該ユニット型医療機関併設型小規模介護老人保健施設及び当該病院又は診療所の入居者又は入院患者の処遇が適切に行われると認められるときは、療養室及び診察室を除き、これらの施設を有しないことができる。
(1) ユニット
(2) 診察室
(3) 機能訓練室
(4) 浴室
(5) サービス・ステーション
(6) 調理室
(7) 洗濯室又は洗濯場
(8) 汚物処理室
2 前項に掲げる施設の基準は、次のとおりとする。
(1) ユニット
ア 療養室
(ア) 一の療養室の定員は、1人とすること。ただし、入居者への介護保健施設サービスの提供上必要と認められる場合は、2人とすることができる。
(イ) 療養室は、いずれかのユニットに属するものとし、当該ユニットの共同生活室に近接して一体的に設けること。ただし、一のユニットの入居定員は、おおむね10人以下としなければならない。
(ウ) 一の療養室の床面積等は、次のいずれかを満たすこと。
a 10.65平方メートル以上とすること。ただし、(ア)ただし書の場合は、21.3平方メートル以上とすること。
b ユニットに属さない療養室を改修したものについては、入居者同士の視線の遮断の確保を前提にした上で、療養室を隔てる壁について、天井との間に一定の隙間が生じていても差し支えない。
(エ) 地階に設けてはならないこと。
(オ) 1以上の出入口は、避難上有効な空地、廊下又は広間に直接面して設けること。
(カ) 寝台又はこれに代わる設備を備えること。
(キ) 入居者の身の回り品を保管することができる設備を備えること。
(ク) ナース・コールを設けること。
イ 共同生活室
(ア) 共同生活室は、いずれかのユニットに属するものとし、当該ユニットの入居者が交流し、共同で日常生活を営むための場所としてふさわしい形状を有すること。
(イ) 一の共同生活室の床面積は、2平方メートルに当該共同生活室が属するユニットの入居定員を乗じて得た面積以上を標準とすること。
(ウ) 必要な設備及び備品を備えること。
ウ 洗面所
(ア) 療養室ごとに設けるか、又は共同生活室ごとに適当数設けること。
(イ) 身体の不自由な者が使用するのに適したものとすること。
エ 便所
(ア) 療養室ごとに設けるか、又は共同生活室ごとに適当数設けること。
(イ) ブザー又はこれに代わる設備を設けるとともに、身体の不自由な者が使用するのに適したものとすること。
(ウ) 常夜灯を設けること。
(2) 機能訓練室
1平方メートルに入居定員数を乗じて得た面積以上の面積を有し、必要な器械・器具を備えること。ただし、ユニット型サテライト型小規模介護老人保健施設又はユニット型医療機関併設型小規模介護老人保健施設の場合は、機能訓練室は40平方メートル以上の面積を有し、必要な器械・器具を備えること。
(3) 浴室
ア 身体の不自由な者が入浴するのに適したものとすること。
イ 一般浴槽のほか、入浴に介助を必要とする者の入浴に適した特別浴槽を設けること。
3 前項第2号及び第3号に掲げる設備は、専ら当該ユニット型介護老人保健施設の用に供するものでなければならない。ただし、入居者に対する介護保健施設サービスの提供に支障がない場合は、この限りでない。
4 前3項に規定するもののほか、ユニット型介護老人保健施設の設備構造の基準は、次に定めるところによる。
(1) ユニット型介護老人保健施設の建物(入居者の療養生活のために使用しない附属の建物を除く。)は、耐火建築物とすること。ただし、次のいずれかの要件を満たす2階建て又は平屋建てのユニット型介護老人保健施設の建物は、準耐火建築物とすることができる。
ア 療養室等を2階及び地階のいずれにも設けていないこと。
イ 療養室等を2階又は地階に設けている場合であって、次に掲げる要件の全てを満たすこと。
(ア) 当該ユニット型介護老人保健施設の所在地を管轄する消防長又は消防署長と相談の上、第53条において準用する第31条に規定する計画に入居者の円滑かつ迅速な避難を確保するために必要な事項を定めること。
(イ) 第53条において準用する第31条に規定する訓練については、同条に規定する計画に従い、昼間及び夜間において行うこと。
(ウ) 火災時における避難、消火等の協力を得ることができるよう、地域住民等との連携体制を整備すること。
(2) 療養室等が2階以上の階にある場合は、屋内の直通階段及びエレベーターをそれぞれ1以上設けること。
(3) 療養室等が3階以上の階にある場合は、避難に支障がないように避難階段を2以上設けること。ただし、前号に規定する直通階段を建築基準法施行令第123条第1項に規定する避難階段としての構造とする場合は、その直通階段の数を避難階段の数に算入することができる。
(4) 階段には、手すりを設けること。
(5) 廊下の構造は、次のとおりとすること。
ア 幅は、1.8メートル以上(中廊下にあっては、2.7メートル以上)とすること。ただし、廊下の一部の幅を拡張することにより、入居者、従業者等の円滑な往来に支障が生じないと認められる場合には、1.5メートル以上(中廊下にあっては、1.8メートル以上)とすることができる。
イ 手すりを設けること。
ウ 常夜灯を設けること。
(6) 入居者に対する介護保健施設サービスの提供を適切に行うために必要な設備を備えること。
(7) 消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けること。
5 前項第1号の規定にかかわらず、市長が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、次の各号のいずれかの要件を満たす木造かつ平屋建てのユニット型介護老人保健施設の建物であって、火災に係る入居者の安全性が確保されていると認めたときは、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。
(1) スプリンクラー設備の設置、天井等の内装材等への難燃性の材料の使用、調理室等火災が発生するおそれがある箇所における防火区画の設置等により、初期消火及び延焼の抑制に配慮した構造であること。
(2) 非常警報設備の設置等による火災の早期発見及び通報の体制が整備されており、円滑な消火活動が可能なものであること。
(3) 避難口の増設、搬送を容易に行うために十分な幅員を有する避難路の確保等により、円滑な避難が可能な構造であり、かつ、避難訓練を頻繁に実施すること、配置人員を増員すること等により、火災の際の円滑な避難が可能なものであること。
第3節 運営に関する基準
(利用料等の受領)
第45条 ユニット型介護老人保健施設は、法定代理受領サービスに該当する介護保健施設サービスを提供した際には、入居者から利用料の一部として、施設サービス費用基準額から当該ユニット型介護老人保健施設に支払われる施設介護サービス費の額を控除して得た額の支払を受けるものとする。
2 ユニット型介護老人保健施設は、法定代理受領サービスに該当しない介護保健施設サービスを提供した際に入居者から支払を受ける利用料の額と、施設サービス費用基準額との間に、不合理な差額が生じないようにしなければならない。
3 ユニット型介護老人保健施設は、前2項の支払を受ける額のほか、次に掲げる費用の額の支払を受けることができる。
(1) 食事の提供に要する費用(法第51条の3第1項の規定により特定入所者介護サービス費が入居者に支給された場合は、同条第2項第1号に規定する食費の基準費用額(同条第4項の規定により当該特定入所者介護サービス費が入居者に代わり当該ユニット型介護老人保健施設に支払われた場合は、同条第2項第1号に規定する食費の負担限度額)を限度とする。)
(2) 居住に要する費用(法第51条の3第1項の規定により特定入所者介護サービス費が入居者に支給された場合は、同条第2項第2号に規定する居住費の基準費用額(同条第4項の規定により当該特定入所者介護サービス費が入居者に代わり当該ユニット型介護老人保健施設に支払われた場合は、同条第2項第2号に規定する居住費の負担限度額)を限度とする。)
(3) 厚生労働大臣の定める基準に基づき入居者が選定する特別な療養室の提供を行ったことに伴い必要となる費用
(4) 厚生労働大臣の定める基準に基づき入居者が選定する特別な食事の提供を行ったことに伴い必要となる費用
(5) 理美容代
(6) 前各号に掲げるもののほか、介護保健施設サービスにおいて提供される便宜のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、その入居者に負担させることが適当と認められるもの
4 前項第1号から第4号までに掲げる費用については、厚生労働大臣が定めるところによるものとする。
5 ユニット型介護老人保健施設は、第3項に掲げる費用の額に係るサービスの提供に当たっては、あらかじめ、入居者又はその家族に対し、当該サービスの内容及び費用を記した文書を交付して説明を行い、入居者の同意を得なければならない。ただし、同項第1号から第4号までに掲げる費用に係る同意については、文書によるものとする。
(介護保健施設サービスの取扱方針)
第46条 介護保健施設サービスは、入居者が、その有する能力に応じて、自らの生活様式及び生活習慣に沿って自律的な日常生活を営むことができるようにするため、施設サービス計画に基づき、入居者の日常生活上の活動について必要な援助を行うことにより、入居者の日常生活を支援するものとして行われなければならない。
2 介護保健施設サービスは、各ユニットにおいて入居者がそれぞれの役割を持って生活を営むことができるよう配慮して行われなければならない。
3 介護保健施設サービスは、入居者のプライバシーの確保に配慮して行われなければならない。
4 介護保健施設サービスは、入居者の自立した生活を支援することを基本として、入居者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、その者の心身の状況等を常に把握しながら、適切に行われなければならない。
5 ユニット型介護老人保健施設の従業者は、介護保健施設サービスの提供に当たって、入居者又はその家族に対し、サービスの提供方法等について、理解しやすいように説明を行わなければならない。
6 ユニット型介護老人保健施設は、介護保健施設サービスの提供に当たっては、当該入居者又は他の入居者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならない。
7 ユニット型介護老人保健施設は、前項の身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入居者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならない。
8 ユニット型介護老人保健施設は、自らその提供する介護保健施設サービスの質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。
(看護及び医学的管理の下における介護)
第47条 看護及び医学的管理の下における介護は、各ユニットにおいて入居者が相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活を営むことを支援するよう、入居者の病状及び心身の状況等に応じ、適切な技術をもって行われなければならない。
2 ユニット型介護老人保健施設は、入居者の日常生活における家事を、入居者が、その病状及び心身の状況等に応じて、それぞれの役割を持って行うよう適切に支援しなければならない。
3 ユニット型介護老人保健施設は、入居者が身体の清潔を維持し、精神的に快適な生活を営むことができるよう、適切な方法により、入居者に入浴の機会を提供しなければならない。ただし、やむを得ない場合には、清拭を行うことをもって入浴の機会の提供に代えることができる。
4 ユニット型介護老人保健施設は、入居者の病状及び心身の状況に応じて、適切な方法により、排せつの自立について必要な支援を行わなければならない。
5 ユニット型介護老人保健施設は、おむつを使用せざるを得ない入居者については、排せつの自立を図りつつ、そのおむつを適切に取り替えなければならない。
6 ユニット型介護老人保健施設は、じょくそうが発生しないよう適切な介護を行うとともに、その発生を予防するための体制を整備しなければならない。
7 ユニット型介護老人保健施設は、前各項に規定するもののほか、入居者が行う離床、着替え、整容等の日常生活上の行為を適切に支援しなければならない。
8 ユニット型介護老人保健施設は、入居者に対し、その負担により、当該ユニット型介護老人保健施設の従業者以外の者による看護及び介護を受けさせてはならない。
(食事)
第48条 ユニット型介護老人保健施設は、栄養並びに入居者の心身の状況及び嗜好を考慮した食事を提供しなければならない。
2 ユニット型介護老人保健施設は、入居者の心身の状況に応じて、適切な方法により、食事の自立について必要な支援を行わなければならない。
3 ユニット型介護老人保健施設は、入居者の生活習慣を尊重した適切な時間に食事を提供するとともに、入居者がその心身の状況に応じてできる限り自立して食事を摂ることができるよう必要な時間を確保しなければならない。
4 ユニット型介護老人保健施設は、入居者が相互に社会的関係を築くことができるよう、その意思を尊重しつつ、入居者が共同生活室で食事を摂ることを支援しなければならない。
(その他のサービスの提供)
第49条 ユニット型介護老人保健施設は、入居者の嗜好に応じた趣味、教養又は娯楽に係る活動の機会を提供するとともに、入居者が自律的に行うこれらの活動を支援しなければならない。
2 ユニット型介護老人保健施設は、常に入居者の家族との連携を図るとともに、入居者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めなければならない。
(運営規程)
第50条 ユニット型介護老人保健施設は、次に掲げる施設の運営についての重要事項に関する規程を定めておかなければならない。
(1) 施設の目的及び運営の方針
(2) 従業者の職種、員数及び職務の内容
(3) 入居定員
(4) ユニットの数及びユニットごとの入居定員
(5) 入居者に対する介護保健施設サービスの内容及び利用料その他の費用の額
(6) 施設の利用に当たっての留意事項
(7) 非常災害対策
(8) その他施設の運営に関する重要事項
(勤務体制の確保等)
第51条 ユニット型介護老人保健施設は、入居者に対し、適切な介護保健施設サービスを提供することができるよう、従業者の勤務の体制を定めておかなければならない。
2 前項の従業者の勤務の体制を定めるに当たっては、入居者が安心して日常生活を送ることができるよう、継続性を重視したサービスの提供に配慮する観点から、次に掲げる職員配置を行わなければならない。
(1) 昼間については、ユニットごとに常時1人以上の介護職員又は看護職員を配置すること。
(2) 夜間及び深夜については、2ユニットごとに1人以上の介護職員又は看護職員を夜間及び深夜の勤務に従事する職員として配置すること。
(3) ユニットごとに、常勤のユニットリーダーを配置すること。
3 ユニット型介護老人保健施設は、当該ユニット型介護老人保健施設の従業者によって介護保健施設サービスを提供しなければならない。ただし、入居者に対する介護保健施設サービスの提供に直接影響を及ぼさない業務については、この限りでない。
4 ユニット型介護老人保健施設は、従業者に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保しなければならない。
(定員の遵守)
第52条 ユニット型介護老人保健施設は、ユニットごとの入居定員及び療養室の定員を超えて入居させてはならない。ただし、災害、虐待その他のやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。
(準用)
第53条 第6条から第12条まで、第14条、第16条から第19条まで、第22条、第24条から第27条まで及び第31条から第41条までの規定は、ユニット型介護老人保健施設について準用する。この場合において、第6条第1項中「第28条に規定する運営規程」とあるのは「第50条に規定する重要事項に関する規程」と、第26条第2項中「この章」とあるのは「第6章第3節」と、第41条第2項第2号中「第11条第4項」とあるのは「第53条において準用する第11条第4項」と、第41条第2項第3号中「第12条第2項」とあるのは「第53条において準用する第12条第2項」と、第27条中「第16条」とあるのは「第53条において準用する第16条」と、第41条第2項第5号中「第24条」とあるのは「第53条において準用する第24条」と、第27条第4号及び第41条第2項第6号中「第37条第2項」とあるのは「第53条において準用する第37条第2項」と、第27条第5号及び第41条第2項第7号中「第39条第3項」とあるのは「第53条において準用する第39条第3項」と、第41条第2項第4号中「第15条第5項」とあるのは「第46条第7項」と読み替えるものとする。
附 則
(以下省略)
**********

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

若宮苑不正給付事件…介護保険法の情報請求に対し1.5月の開示延長を通知した県介護高齢課のプロ意識度

2017-08-23 01:15:00 | 高崎市の行政問題
■当会会員からの報告によると、2017年8月8日付で群馬県知事あてに「介護保健法の規程において次の条文があります。『都道府県は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をしなければならない。』上記の条文は、介護保健法の第何条の何項に規定されている条文なのか分かる情報。」についての公文書開示請求をしていたところ、同8月21日付けで開示決定等の期間延長通知書が届いたそうです。

8月21日午前9-12時消印の群馬県介護高齢課からの開示決定等の期間延長通知が同封された速達郵便封筒。

*****決定期間延長通知書*****PDF ⇒ wdqqqnjm.pdf

別記様式第7号(企画A4)(第5条関係)
           決定期間延長通知書
                         介第30159-10号
                          平成29年8月21日
要介護者の尊厳を守る会
 副会長  岩崎 優  様
                    群馬県知事  大澤 正明  印
 平成29年8月8日付けで請求のあった公文書の開示については、群馬県情報公開条例第19条第2項の規定により、次のとおり開示決定等の期間を延長したので通知します。
<開示を請求された公文書の内容又は件名>
介護保健(ママ)法の規定において次の条文があります。
「都道府県は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をしなければならない。」
上記の条文は、介護保険法の第何条の何項に規定されている条文なのか分かる情報。
<群馬県情報公開条例第19条第1項の規定による決定期間>
平成29年8月8日から平成29年8月22日まで
<延長後の決定期間>
平成29年8月8日から平成29年10月6日まで
<延長の理由>
 対象公文書の特定や、開示・非開示の判断等に時間を要するため
<事務担当課等>
 健康福祉部介護高齢課保健・居住施設係
      電話番号027-226-2566
<備考>

**********

■当会会員によれば、この情報開示請求は、介護保健法の基本ルールを述べた条文について、群馬県知事に対して、その裏付けとなる条項に関する情報開示を求めたそうです。

 ところが、介護保険制度のプロフェッショナルである群馬県介護高齢課から、開示延長通知に記されている理由が、「公文書の特定」と「開示非開示の判断」としていることについて、唖然としたとのことです。

 もし、これらの理由が本当であれば、素人が群馬県の介護保険制度を運用責任部署に巣食っていることを意味しています。そうであるとするならば、偽造ケアプランによる給付金不正請求についても、事の重大性が分からず、どのように対処してよいか、分からない、という実態を呈していることになります。

 当会が得た情報では、介護高齢課では、前橋市内の法律事務所に所属する関夕三郎弁護士が、群馬県介護高齢課の代理人を引き受けていることから、この代理人の介護保険制度の理解度にも疑問符が付くことを必然的に意味します。

 早急に、県介護高齢課の職員の再教育及び幹部職員の刷新が必要なのではないでしょうか。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

若宮苑不正給付事件…関弁護士を代理人とした理由に係るオンブズマンの情報開示再請求に群馬県が部分開示決定

2017-08-22 23:03:00 | 高崎市の行政問題
■高崎市の若宮苑を巡る補助金の不正給付を巡り、市民オンブズマン群馬では、群馬県の介護高齢課が石原・関・猿谷法律事務所の関夕三郎弁護士を代理人として、この事件の対応を委託したことを知らされました。この事件は、当会会員が高崎市を相手取って係争中ですが、群馬県は直接当事者ではありません。ただし、介護保険の補助金の一部を管理していることから、当会会員は、この不正給付事件について、監督官庁の立場から、群馬県にもアクションを起こすように促しています。

 そもそも、群馬県は若宮苑を巡る事件では直接当事者である原告とか被告ではありません。なのになぜ弁護士を代理人として起用し、業務委託をしなければならないのでしょうか?

 弁護士とは法律の専門家であり、司法試験に合格して弁護士資格(国家資格)を得て、弁護士として登録された人のことです。仕事内容は裁判時の代理人業務だけではなく、交渉や法律相談なども行うようですが、行政の専門家ではありません。行政のことは役人がもっともよく知ってるはずであり、知っていなければなりません。

■そこで、当会では次の内容で、群馬県知事に対して公文書開示請求を行いました。

**********
<開示を請求する公文書の内容又は件名>
 群馬県にも監督権限ある介護保険制度に関して、現在高崎市市営介護サービス施設である若宮苑を巡る不正請求事件に関して、最近、群馬県が弁護士を起用したという話を耳にしました。つきましては、この件に関する次の情報。
(1) 業務委託を行った法律事務所名
(2) 業務委託契約を締結した日にち。
(3) 着手金の金額。
(4) 業務委託の具体的な内容。とくに、委託業務内容が、行政対象暴力にかかわるものなのか、それとも若宮苑の不正請求事件にかかわるものなのか、あるいは、両方を包含したものなのか、または、そのほかの委託内容なのかが分かる情報を含みます。
※業務委託契約書に上記が全て記載されていればその写しでも可です。

**********

■ところが、8月4日になると群馬県の介護高齢課から「この件に係る請求情報は全て開示対象とするが、この開示請求書の頭書きのところで『若宮苑を巡る不正請求事件に関して・・・』との表現があるので、このままでは開示手続きが進められない。そこで、『本年6月中に介護高齢課が関弁護士に委託した内容がわかる情報』と言うふうに請求内容を書き直してもらいたい。そうすれば、開示手続きを進める」という提案が当会に寄せられました。

 実際に所要の情報が開示されるのであれば、それはそれで問題はないはずです。そこで当会は、介護高齢課からのこの提案を受け入れ、2017年8月4日にあらためて県知事あてに次に示す公文書開示請求書を提出しました。あわせて、修正前の開示請求書は「取り下げ」としました。


当会が群馬県介護高齢課の提案を受け入れて取り下げに応じた元の開示請求書。


当会が群馬県介護高齢課の提案を受け入れてあらためて出し直した情報開示請求書。

■そして2017年8月16日付けで介高第30159-6号の公文書部分開示決定通知書が届きました。


当会に届いた公文書部分開示決定通知書。

 これをみると、平成29年8月21日(月)10時00分に群馬県庁2階県民センターで、1枚の書類が開示されることが記載されています。 そこで、開示の日時を2017年8月23日(水)14時から16時に変更してもらうよう申し入れたところ、了承されました。

 おそらく開示対象の1枚の書類とは、関弁護士の委任状のことだと予想されますが、当然のことながら、その中に次の情報が含まれていなければなりません。さもなければ、あらためて情報開示請求を出し直した意味がないからです。
(1) 業務委託を行った法律事務所名
(2) 業務委託契約を締結した日にち。
(3) 着手金の金額。
(4) 業務委託の具体的な内容。とくに、委託業務内容が、行政対象暴力にかかわるものなのか、それとも若宮苑の不正請求事件にかかわるものなのか、あるいは、両方を包含したものなのか、または、そのほかの委託内容なのかが分かる情報を含みます。

■部分開示情報の内容については追ってご報告いたします。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

県立県民健康科学大学でまたもアカハラ事件?・・・学生2名減の事情等に係る情報開示でオンブズマンが学校訪問

2017-08-22 22:01:00 | オンブズマン活動
■2年5カ月前、セクハラ事件が明るみにでた群馬県立健康科学大学の診療放射線学科ですが、このときは2015年3月27日付で原因者の准教授が停職3カ月の懲戒処分を受けました。その後、成りをひそめていたと思われていた同校診療放射線学科におけるアカハラ問題ですが、昨年4年生1名を含む2名の学生がいなくなったことや、同学科幹部による教職員や学生に対するアカハラ行為の疑惑が浮上したため、当会は2017年6月8日に同校の高田邦昭・学長宛に情報開示請求をしました。その結果8月17日(木)午後2時20分に開示(ただし一部不開示ないし非開示を含む)を受けました。開示された資料は次のとおりです。
○2017年6月8日:県立県民健康科学大学でまたもアカハラ事件?・・・学生2名減の事情等を確認すべく学校に情報公開請求
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2338.html
○2017年7月1日:県立県民健康科学大学でまたもアカハラ事件?・・・学生2名減の事情等確認の公開請求に学校が開示を先送り
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2351.html
○2017年8月10日:県立県民健康科学大学でまたもアカハラ事件?…学生2名減の事情等に係る開示請求に学校側がやっと決定通知
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2381.html

<開示された公文書>
(1) 貴学において定めているハラスメントの防止のための指針。⇒部分開示決定((1)+(2)+(9)=45枚)
(2) 上記(1)の指針を学生、教職員に周知したことがわかる文書。⇒部分開示決定((1)+(2)+(9)=45枚)
(3) ハラスメントによる問題が発生した場合の手続等について定めた規程。⇒開示決定((3)+(10)=17枚)
(4) 平成28年度における学生及び教職員からハラスメント対策室にハラスメントに関する申し入れがあった事案に関する学長あて報告書もしくはその類の文書等の情報。⇒不存在決定
(5) 上記(4)にかかる学長からの対応指示に関する文書等の情報。⇒不存在決定
(6) 平成28年度における診療放射線学部1~4年生の各学年の年度当初と年度末における学生数の推移がわかる情報。⇒不存在決定※補足資料で開示
(7) 平成28年度において作成し群馬県等に提出した学生の事故あるいは死亡に係る調査報告にかかる文書等の情報。⇒非開示決定
(8) 平成28年度に行われた診療放射線学部教職員4名の退職に関して、各人の退職の時期(月日)と退職の理由がわかる情報。⇒非開示決定
(9) 平成28年度に行われた診療放射線学部教職員5名の採用に関して、各人の採用の時期(月日)と採用の理由(上記(8)の退職者の補充との関連を含む)がわかる情報。⇒部分開示決定((1)+(2)+(9)=45枚)
(10) 現職を含め、過去7年間(平成22~29年度)における歴代の診療放射線学部の学部長の氏名と在職期間 ⇒開示決定((3)+(10)=17枚)

 開示が45日間延びた理由は「開示請求の対象が多いことから、対象公文書の特定や、開示・非開示の審査など、開示決定等に係る事務に時間を要するため」とされましたが、それにしては、開示された資料は少ないように感じました。では、開示資料を細かく見ていきましょう。

**********
(1) 貴学において定めているハラスメントの防止のための指針。⇒部分開示決定((1)+(2)+(9)=45枚) PDF ⇒ 201708171harrassment_bousi_shuuchi.pdf
 学校側から開示されたのは次の文書です。
・(16) 群馬県立県民健康科学大学 ハラスメントの防止等に関する規定(P158—161)
・セクシャル・ハラスメントの防止等のために本学の学生及び教職員が認識すべき事項についての指針(平成17年7月27日制定、平成21年4月1日改正、平成23年4月1日改正)(P162-165)
・アカデミック・ハラスメントの防止等のために教員が認識すべき事項についての指針(P166-168)
・(付録)アカデミック・ハラスメントの事例(P169-172)
・ハラスメントに関する苦情相談に対応するに当たり留意すべき事項についての指針(平成17年7月27日制定、平成21年4月1日改正、平成23年4月1日改正)(P173-175)
・学生便覧からの引用として「(11)ハラスメントについて」(P58-59)


**********
(2) 上記(1)の指針を学生、教職員に周知したことがわかる文書。⇒部分開示決定((1)+(2)+(9)=45枚) PDF ⇒ 201708172harrasment_bousi_saku_nituitekyojukai.pdf
 開示資料を見ると、2017年4月19日(木)午後1時に「平成29年度第1回群馬県立県民健康科学大学診療放射線学部教授会」が北棟2階大会議室で開催されたことが分かります。この中で、報告事項として、診療放射線学の柏倉学部長から、「ハラスメントの防止等について」と題する次の報告事項が、資料1として参加者に配布され、説明がされたものと見られます。
・妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント防止等のための指針(平成29年3月29日制定、総務部人事課)(P1-20)


**********
(3) ハラスメントによる問題が発生した場合の手続等について定めた規程。⇒開示決定((3)+(10)=17枚) PDF ⇒ 201708173harrassment_bousitou_nikansuru_kitei.pdf
 学校側から開示されたのは上記(1)と同様の次の文書です。
・群馬県立県民健康科学大学 ハラスメントの防止等に関する規定(P229-232)
・セクシャル・ハラスメントの防止等のために本学の学生及び教職員が認識すべき事項についての指針(平成17年7月27日制定、平成21年4月1日改正、平成23年4月1日改正)(P233-236)
・アカデミック・ハラスメントの防止等のために教員が認識すべき事項についての指針(P166-168)
・(付録)アカデミック・ハラスメントの事例(P237-243)
・ハラスメントに関する苦情相談に対応するに当たり留意すべき事項についての指針(平成17年7月27日制定、平成21年4月1日改正、平成23年4月1日改正)(P244-246)


**********
(6) 平成28年度における診療放射線学部1~4年生の各学年の年度当初と年度末における学生数の推移がわかる情報。⇒不存在決定※補足資料で開示 PDF ⇒ 201708176transition_ofstudentfs_number.pdf
 補足資料として学校側から提供された資料によれば、平成28年度の期初と期末で、4年年が1名、3学年が1名、学生数が減少しています。このことは、自己都合や事故等で学籍を離脱せざるを得なかった学生が存在したことを示しており、自死で学籍が抹消された可能性も否定できず、当会が把握している情報との整合性が確認できます。
 ただし、学校側では、ハラスメントが原因ではないとの見解を当会に示しています。


**********
(9) 平成28年度に行われた診療放射線学部教職員5名の採用に関して、各人の採用の時期(月日)と採用の理由(上記(8)の退職者の補充との関連を含む)がわかる情報。⇒部分開示決定((1)+(2)+(9)=45枚) PDF ⇒ 201708179freshmens_jirei__senkou_katei.pdf
 開示資料によれば、平成28年度に新たに任命された教員は次の方々です。(敬称略)
・平成28年10月1日任命 瀬川篤記・教授(博士)
   現職:群馬大学医学部 講師
   科目:専門科目
   分野/専門領域:診療放射線画像学教育研究分野
   教員選考委員会による審査:-
   教授会の審議:H28.6.15診療放射線学部教授会にて、承認
   選挙、新任投票:-
   選考理由:平成28年4月1日に開設した大学院博士後期課程を担当する教員として、文部科学省の教員審査において「資格あり」と判定されたため。
・平成28年10月1日任命 佐藤哲大・准教授
   現職:奈良先端科学技術大学院大学情報化科学研究科助教
   科目:教養教育科目
   分野/専門領域:情報システム学分野
   教員選考委員会による審査:-
   教授会の審議:H28.6.15診療放射線学部教授会にて、承認
   選挙、新任投票:-
   選考理由:平成28年4月1日に開設した大学院博士後期課程を担当する教員として、文部科学省の教員審査において「資格あり」と判定されたため。
・平成28年10月1日任命 寺下貴美・講師
   現職:北海道大学大学院保健科学研究院助教
   科目:専門科目
   分野/専門領域:診療放射線画像学教育研究分野
   教員選考委員会による審査:-
   教授会の審議:H28.6.15診療放射線学部教授会にて、承認
   選挙、新任投票:-
   選考理由:平成28年4月1日に開設した大学院博士後期課程を担当する教員として、文部科学省の教員審査において「資格あり」と判定されたため。
・平成28年11月1日任命 原 孝光・教授
   現職:福島県立医科大学先端臨床研究センター准教授
   科目:専門科目
   分野/専門領域:診療放射線治療学教育研究分野
   教員選考委員会による審査:-
   教授会の審議:H28.6.15診療放射線学部教授会にて、承認
   選挙、新任投票:-
   選考理由:平成28年4月1日に開設した大学院博士後期課程を担当する教員として、文部科学省の教員審査において「資格あり」と判定されたため。
・平成29年4月1 日任命 大崎洋充・准教授
   現職:日本メジフィジック㈱■■■■■■■■■■■■■
   科目:専門科目
   分野/専門領域:診療放射線画像学教育研究分野
   教員選考委員会による審査:-
   教授会の審議:H28.12.21診療放射線学部教授会にて、承認
   選挙、新任投票:-
   選考理由:平成28年4月1日に開設した大学院博士後期課程を担当する教員として、文部科学省の教員審査において「資格あり」と判定されたため。
(注:■■■がなぜ黒塗りされているのか不明ですが、日本メジフィジックス株式会社は、住友化学とGEヘルスケア折半出資による製薬会社。東京都江東区に本社を置き、診断薬や治療薬などの放射性医薬品の研究・開発や製造、販売を行う。民間企業としては初めてサイクロトロンを自社所有し、核医学画像診断やポジトロン断層法(PET診断)、放射線療法に用いられる放射性医薬品の研究・開発や製造、販売を行う。2010年11月には、ドイツのHeyl社が製造する放射性セシウム体内除去剤「ラディオガルダーゼ」の日本における販売承認を取得。2011年の東日本大震災による福島第一原子力発電所事故を受け、Heyl社より緊急輸入した同剤を被災地に無償で提供する。 また同薬は2012年にタリウム中毒への使用の適応が追加された。設立:1973年3月20日。業種:医薬品。事業内容:放射性医薬品、診断薬等の開発・製造・販売。代表者:下田 尚志(代表取締役社長)。資本金:31億4578万円。売上高:323億円。従業員数:845名)


**********
(10) 現職を含め、過去7年間(平成22~29年度)における歴代の診療放射線学部の学部長の氏名と在職期間 ⇒開示決定((3)+(10)=17枚) PDF ⇒ 2017081710shokuinroku_5yrs_h1829.pdf
 開示資料によれば、診療放射線学部の歴代の学部長は次のとおりです。(敬称略)
・五十嵐 均 (平成17~22年度)
・河原田泰尋 (平成23~24年度)
・柏倉 健一 (平成25年度~現在)


■開示資料は以上のとおりです。これらから分かることは、どうやら平成28年度の4学年と3学年でそれぞれ1名の学生が何らかの理由で亡くなっている可能性は否定できない、ということです。

 このことについて学校側では、減員の理由は個人のプライバシーにより話せないが、少なくともハラスメントが直接の要因とは考えられないとするスタンスでした。

■一方、非開示とされた情報としては、少なくとも次の2件;
(7) 平成28年度において作成し群馬県等に提出した学生の事故あるいは死亡に係る調査報告にかかる文書等の情報。
(8) 平成28年度に行われた診療放射線学部教職員4名の退職に関して、各人の退職の時期(月日)と退職の理由がわかる情報。

が存在することを学校側として認めていることから、群馬高専の事例から類推しても、なんらかの事故調査報告書が群馬県など上級機関に提出されていることをうかがわせます。また、退職した教官4名についても、非開示とされたことは、これもなにか事件や事故が退職の背景にあったことをうかがわせます。

 このように、現時点では同校内におけるハラスメント行為の具体的な事実確認はできておらず、学生の減員についてもハラスメントが原因かどうかは確証を把握するには至っていません。

 したがって当会としては、非開示情報について、6カ月以内に審査請求をおこなうかどうか、しばらく検討期間を置くことにします。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アカハラと寮生死亡事件に揺れる群馬高専…西尾前校長選任過程に係るオンブズマンの情報開示請求を機構が受理

2017-08-22 00:19:00 | 群馬高専アカハラ問題
■群馬高専の電子情報工学科を舞台に発生した陰湿極まるアカデミックハラスメント(アカハラ)事件では、当会として、群馬高専及び上級機関である国立高等専門学校機構の情報隠蔽体質を改善すべく情報非開示処分取消訴訟を提起しており、次回第6回口頭弁論は2017年9月1日(金)15:00から東京地裁5階522号法廷で開催予定です。一方、アカハラ事件が放置され、被害が深刻化した要因として、西尾典眞・前校長の消極的な対応が指摘されていますが、教育者でもない文科省の官僚がなぜ高専のトップに就けるのか、その選考過程をチェックすべく、当会では8月14日(月)に機構の本部と文科省の本省を訪れ、文書開示請求書を提出しました。
○2017年8月14日:アカハラと寮生死亡事件に揺れる群馬高専・・・西尾前校長の選任過程等を機構と文科大臣宛に情報開示請求
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2383.html#readmore

 このうち、機構については生憎休業中だったため、手数料額の確認ができず、収入印紙を貼らないまま郵便受けに投函しておきました。そこで、8月18日(金)に機構の総務課に電話を入れてみたところ、休業期間が終わったらしく、当会の請求書についても総務課の担当者の手元にあることが判明しました。ちなみに機構宛の法人文書開示請求書は次の内容です。

*****機構宛法人文書開示請求書*****
          法人文書開示請求書
                          平成29年8月14日
独立行政法人国立高等専門学校機構 殿

氏名又は名称: (法人その他の団体にあってはその名称及び代表者の氏名)
 市民オンブズマン群馬   代表 小川 賢
住所又は居所: (法人その他の団体にあっては主たる事務所の所在地)
 〒379-0114群馬県安中市野殿980
  TEL:090-5302-8312
連 絡 先:(連絡先が上記の本人以外の場合は、連絡担当者の住所・氏名・電話番号)
 〒371-0801群馬県前橋市文京町一丁目15-10
  市民オンブズマン群馬事務局長 鈴木 庸
  TEL:027-224-8567
 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第4条第1項の規定に基づき、下記のとおり法人文書の開示を請求します。
              記
<1.請求する法人文書の名称等>
(請求する法人文書が特定できるよう、法人文書の名称、請求する文書の内容等をできるだけ具体的に記載してください。)
1、群馬工業高等専門学校「校報」第127号、129号及び131号のうち、教職員の異動者・退職者の氏名・事由等を記した人事関係欄。特に、公的性質の強い常勤教員に関する情報。
2、群馬工業高等専門学校の西尾典眞元校長に関し、平成25年に貴法人が彼を当該校に配置したことに関わる辞令等の一切の文書。特に、赴任当時に設定されていた任期に関わる情報。なお、この情報に関しては学校長の公的任務に関するものであり、公共性・公的性質が非常に高いものであることを付記する。
3、平成27年6月に弊団体が貴法人に提出した群馬高専におけるアカデミックハラスメント事件に関する文書への開示請求、およびそれを貴法人が不開示としたことに対し平成28年3月に総理府の情報公開・個人情報保護審査会が行った答申を受けて、貴法人が平成28年3月、群馬高専に最初に送付した、当該開示請求に対する十数枚に及ぶとされる処分決定書の原案。

<2.求める開示の実施の方法(本欄の記載は任意です。)>
ア又はイに○印を付してください。アを選択された場合は、その具体的な方法等は記載してください。
 ア 機構における開示の実施を希望する。
   (実施の方法)  ①閲覧   ②写しの交付  3その他(   )
   (実施の希望日) 平成29年8月31日
 イ 写しの送付を希望する。
<開示請求手数料>300円 ×  件
         円(振込の場合は振り込みを確認できる書類を添付願います。)
<決 定 期 限>平成  年  月  日
<※担当者職・氏名>(※印は記入しないでください。)
**********

■機構によると、開示請求手数料は1件当たり300円で、当会の請求書には計3件の文書が特定されているとして、合計900円かかるということです。また、機構は独立行政法人なので、収入印紙しか受け付けない文科省と異なり、銀行振り込みでも可ということです。

 そこで、8月18日に指定口座に振り込みを行いました。※振込明細表:PDF ⇒ 20170818ju.pdf

 そのうえで、8月21日の夕方、機構の総務課に電話をしたところ「入金が確認され、上記の法人文書開示請求書が正式に受理された」旨、回答がありました。したがって、開示決定通知は、請求のあった8月21日から数えて30日以内に為されることになります。ただし、補正や期間延長(30日を限度)の通知がくる場合があります。

 ということで、何事もなければ9月20日までに開示通知が届くはずです。この件については、なにか動きがあれば逐次ご報告いたします。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする