「このりんご いっしょに食べてくれない?」
あなたはいいました。
「ごめんなさいね~ 食べれないの、いっしょに食べれないのよ」
あなたは余命いくばくもない婦人科のがんの方でした。
痛みに耐えながら、痛み止めの薬にもまた耐えながら、あなたは入院していましたね。
ふくらんだおなかをちょっとさすってあげたり、脈をとるときに少し強くにぎってあげたり、ほんの少ししかあなたの近くにおれないわたし。
そんなわたしにあなたはたのみました。
「わたしといっしょに食事をしてくれない?そしたらわたしは少しは食べれるかもしれない・・・・」
訴えるようにわたしを見ながらあなたはいいました。
食べてあげればよかったのでしょうか?
6人部屋のカーテンの片隅に座って、少しでも病院食をわけてもらって、一緒に食べたがよかったでしょうか?
その方はいっていたよ
「もうすぐおむかえがくるの、この壁の中の神様がわたしをむかえにくるのよ、わたしはこの壁の中に入っていくの、わたしの神様はこの壁の中にいるの・・・・・」
あなたはすでに80を超え、色白のおだやかな方でした。明治の女(お方)そんな呼び方がぴったりの方でした。
まだ、40代のわたし、いっしょに食事ができませんでした。
65になった今もあなたを思い出すのです。
食事をしたほうがよかったのだろうか・・・と。
あなたはいいました。
「ごめんなさいね~ 食べれないの、いっしょに食べれないのよ」
あなたは余命いくばくもない婦人科のがんの方でした。
痛みに耐えながら、痛み止めの薬にもまた耐えながら、あなたは入院していましたね。
ふくらんだおなかをちょっとさすってあげたり、脈をとるときに少し強くにぎってあげたり、ほんの少ししかあなたの近くにおれないわたし。
そんなわたしにあなたはたのみました。
「わたしといっしょに食事をしてくれない?そしたらわたしは少しは食べれるかもしれない・・・・」
訴えるようにわたしを見ながらあなたはいいました。
食べてあげればよかったのでしょうか?
6人部屋のカーテンの片隅に座って、少しでも病院食をわけてもらって、一緒に食べたがよかったでしょうか?
その方はいっていたよ
「もうすぐおむかえがくるの、この壁の中の神様がわたしをむかえにくるのよ、わたしはこの壁の中に入っていくの、わたしの神様はこの壁の中にいるの・・・・・」
あなたはすでに80を超え、色白のおだやかな方でした。明治の女(お方)そんな呼び方がぴったりの方でした。
まだ、40代のわたし、いっしょに食事ができませんでした。
65になった今もあなたを思い出すのです。
食事をしたほうがよかったのだろうか・・・と。