日々

穏やかな日々を

いっしょに 食べれなかった

2008年11月02日 20時17分52秒 | 思い出
「このりんご いっしょに食べてくれない?」
あなたはいいました。
「ごめんなさいね~ 食べれないの、いっしょに食べれないのよ」

あなたは余命いくばくもない婦人科のがんの方でした。
痛みに耐えながら、痛み止めの薬にもまた耐えながら、あなたは入院していましたね。

ふくらんだおなかをちょっとさすってあげたり、脈をとるときに少し強くにぎってあげたり、ほんの少ししかあなたの近くにおれないわたし。
そんなわたしにあなたはたのみました。
「わたしといっしょに食事をしてくれない?そしたらわたしは少しは食べれるかもしれない・・・・」
訴えるようにわたしを見ながらあなたはいいました。

食べてあげればよかったのでしょうか?
6人部屋のカーテンの片隅に座って、少しでも病院食をわけてもらって、一緒に食べたがよかったでしょうか?

その方はいっていたよ
「もうすぐおむかえがくるの、この壁の中の神様がわたしをむかえにくるのよ、わたしはこの壁の中に入っていくの、わたしの神様はこの壁の中にいるの・・・・・」

あなたはすでに80を超え、色白のおだやかな方でした。明治の女(お方)そんな呼び方がぴったりの方でした。
まだ、40代のわたし、いっしょに食事ができませんでした。

65になった今もあなたを思い出すのです。
食事をしたほうがよかったのだろうか・・・と。
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友よ ありがとう

2008年11月02日 18時33分34秒 | 思い出
友 帰る
友 語る
友 笑う
友 写す
友 食す
友 飲す

友よ あなただけの
友よ あなたからの
友よ いただいた
友よ ほほえみに
友よ 風のなかの
友よ 潮のかおりの宍道湖に

友よ ふる里感じてくれたかな



イギリスに行ったあなたから
広島~上海~英国の飛行を知り
もしかして わたしも いつか
英国に行けるかしら

バッキンガム宮殿の広い広い建物や
小花あふれる庭々の
おだやかなたたずまい
古くても整然と清潔な
まちなみのふんいきを
写真で見せてくれました

宍道湖は冬の前
かなりきつめの西風が
あなたにあたって
温暖な
宮島のそよ風とはちがう厳しさを
思い出させてしまいました

冬の始まりの松江の花は
ひとえのばらの後咲きが
少し見えてはいましたが

でも、クロッカスやミニシクラメン
かわいく土のおもてを飾り

次へのさそいをうけました

また来てね
出雲のお里帰りのときに
松江までまた来てね

その時は春爛漫の
イングリッシュガーディン
なにが咲いているのでしょう
やはり ひとえのばらでしょうか

さくらも見に行きましょう
松江城のしだれさくら
千手院のしだれさくら
お堀の美術館にも行きましょう

あなたのかわいい姪御さんが
つくった漆塗りのドアを開け
あなたの妹さんのご主人が
設計されたその美術館
きっと行きましょうね
とっても気高い睡蓮が
たしか咲いていましたよ

たのしいときをありがとう

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友と 老を語る

2008年11月02日 10時43分36秒 | 


老が老を語ることは 楽しいことではありません

若が若を語ることは 楽しいことでしょう

幼が幼を語ることも 楽しそうです

老が老を語る 今日はそんな午後

友が 宮島から 里帰り 久しぶりに 会おうと 声をかけてくれました

さあ どこへ行きましょうか?

幼なる思い出を語りながら 孫の話しとなれば
エリック・カール展

老を生きてる今を語るなら イングリッシュガーディン

多分庭に行くでしょう
そこに最近できたレストランで食事をするでしょう

さあ どんな老の話しになるでしょう
90を超えた母の話し
今も頑張る妹の話し
息子や娘やその子たちの様子

自分達はコーラスの発表会の話し
カメラサークルの話し
今だ仕事する現場の話し

まあ そんな ところでしょうか?

老は老を語らず
若なる時を語り
若なる家族を語り
若で居続ける事を語る

まあ そんなところでしょうか?
それが老が老を語ることになるのでしょう
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