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6人死亡ノロ集団感染

2012年12月30日 01時01分23秒 | 仕事
立件に高いハードル 解剖、検体なく証明困難 「大型サイド」6人死亡ノロ集団感染
共同通信社 12月28日(金) 配信


 高齢の入院患者6人が死亡した宮崎県日南市の医療法人春光会東病院のノロウイルス集団感染。病院側の衛生管理の不備と対応の遅れが被害を拡大した疑いがあり、県警が関係者の事情聴取を始めたが、死亡患者の司法解剖はできず、吐瀉(としゃ)物や血液などの検体も残っていない。6人のウイルス感染を直接証明するのは困難で、刑事事件としての立件には高いハードルが課されている。

 病院によると、男性(78)が12日、嘔吐(おうと)と発熱の症状を示して最初に発症し、14日に死亡。病院が初めてノロウイルスをうたぐったのは2日後の16日。発症者が4人から16人に急増したためだ。

 17日の簡易検査で患者5人の陽性を確認、県に通報したが、17日に2人、19、21日にもそれぞれ1人が死亡。死亡者が出たとの報告は22日になってからで、その日の夜には6人目の患者が死亡した。発症者は6人を含め44人に膨れ上がった。

 立ち入り検査した県によると、患者の嘔吐物や便の処理に着用する手袋とエプロンは、院内感染を防ぐため1回の使用で捨てるのが常識だが、1人の患者に同じ物を一日中使い回していた。素手で汚れたエプロンに触れるケースもあった。

 病院の常勤医師は院長1人。その院長も15日から4日間、症状を訴え、患者を直接診察できない状態だった。

 病院は23日、県庁で集団感染を公表。宮路重和(みやじ・しげかず)理事長は「患者に接触した職員を介して感染拡大した可能性が高い。報告も遅れ、申し訳ない」と謝罪。県の幹部らも「排せつ物などの処理方法の不手際が感染拡大の一因」「対策が完璧ではなかった」と指摘した。

 17日に亡くなった男性(85)の妻(78)には当日、病院から院内感染の説明はなく、報道で初めて知った。妻は「きちんと対応してくれていたら、もう少し長く生きられたかも...」と話す。

 今回の集団感染は「人災的側面」が色濃く、県警も23日、捜査員を病院に派遣し、関係者の事情聴取に乗り出したが、死亡患者の検体が残されていないことが判明した。

 6人は嘔吐物などが誤って肺に入り発症するご誤嚥性(ごえんせい)肺炎が死因と診断された。業務上過失致死容疑での立件には、ノロウイルス感染が嘔吐の原因になったことを証明する必要があるとみられるが、鑑定などで直接立証するのは困難な状況だ。

 医療事件を専門に扱う谷直樹(たに・なおき)弁護士(東京)も刑事事件には発展しにくいとみる。「病院の対応が遅く問題はある。しかし『もっと早く対応していれば感染は拡大せず、死者数も減らすことができた』と証明するのは難しい」と分析した。

 宮路理事長は会見で「高齢者を預かる中、感染力の極めて強いノロウイルスの感染を根絶するのは不可能だと思う」と本音も漏らした。

【注】特に調理者が十分に手洗いすること、そして調理器具を衛生的に保つことが重要である。ノロウイルスはエンベロープを持たないウイルスであるため、逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)、消毒用エタノールには抵抗性が強いが、手洗いによって物理的に洗い流すことが感染予防につながる。

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タバコと骨粗鬆症

2012年12月30日 00時00分03秒 | 仕事
骨粗鬆症は閉経後の女性に現れるが,元をたどると若い頃の骨の成長が鍵になる.
骨塩増加の50%以上が思春期に生じることが知られており,
この時期に骨塩を蓄えておくことは骨粗鬆症の予防に重要である.
骨の健康には運動と栄養が大切だが,喫煙や長期・多量の飲酒は良くないと言われ,
また抑うつと骨粗鬆症・骨塩量の低下が関連するとも言われている.

青年期は特に女性にとって抑うつや不安が増え始める時期であり,
またタバコや酒を覚え始める時期でもある.
今回世界で初めて,思春期の女性を対象に喫煙・飲酒と抑うつが,
骨の健康に及ぼす影響を経時的に調査した.

11・13・15・17歳の健康な女性を計262人集め,
3ヶ月ごとに電話インタビューを,1年ごとに面接と計測を2年間行った.
計測は全身骨塩量と,腰椎・大腿骨近位部の骨密度をDXAで測定した.
青年期の喫煙量は成人と異なり,本数x年数での計測は不向きであり,
過去1ヶ月に何日喫煙したか,喫煙頻度を聴取する方法を用いた.

全身骨塩量は年齢とともに直線的に増加し,青年期の後半でプラトーになった.
骨密度は11歳から19歳まで直線的に増加し続けた.
喫煙量が増えるほど,骨密度の増加速度は遅くなった.
喫煙者は青年期の初期には同じ骨密度でも,後期には増加量に差がついた.
この差は,人種,性徴,身長,体重,避妊薬の使用,初潮年齢,運動量,
カルシウム摂取量,血清ビタミンD濃度,とは関係がなかった.

抑うつ症状が強いと,腰椎の骨密度がどの年齢でも低かった.
抑うつと全身骨塩量や大腿骨近位部の骨密度には関連がなかった.
飲酒や不安症状は,骨塩量や骨密度に影響していなかった.
これは飲酒者が少なかったからかもしれない.

将来の骨粗鬆症や骨折の予防のため,防煙教育が重要である.

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