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糖尿病の進行抑制 三重大 タンパク質を発見

2016年05月18日 22時00分27秒 | 医療情報
糖尿病の進行抑制 三重大 タンパク質を発見
2016年5月18日 (水)配信伊勢新聞

 【津】三重大学は十七日、プロテインSというタンパク質に、糖尿病の進行を抑制する働きがあることが分かったと発表した。合併症の進行を遅らせ、インスリンの効果を高めることから、従来の治療法を組み合わせた新しい糖尿病の治療法につながる可能性があるという。

 プロテインSは、血液の凝固を防ぐ物質であることから、血栓症や脳梗塞などの病気で注目されていたが、糖尿病との関係が証明されたのは初めて。膵臓(すいぞう)内でインスリンを産生する細胞が破壊されるのを防ぐため、糖尿病の進行を抑えることができる。

 同大大学院医学系研究科免疫学のガバザ・エステバン教授(57)と安間太郎助教(33)らは、マウスに人のプロテインSを過剰摂取させ、血糖値を測定。プロテインSを摂取したマウスは野生のマウスに比べ、血糖値が上昇しなかった。副作用も認められなかったという。

 記者会見した三重大医学部の矢野裕准教授(56)は「インスリンのコントロールがしやすくなり、糖尿病患者全般に有効な治療法になる」と期待を寄せる。

 製剤化したプロテインSを投薬する方法や体内のプロテインSの産生量を増やす方法などを検討中で、臨床試験などを経て、実用化を目指す。

 三重大によると、糖尿病患者は世界に約四億人。網膜症や腎症などの合併症が発症しやすい。完治する治療法は見つかっていない。

 同日、三重大は糖尿病やがんなどの病気の治療法を研究する三重大学難病研究センターを設置すると発表した。

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