子どもがマスクどうしても苦手…学校に事情伝えるには?
2020年7月6日 (月)配信朝日新聞
■コロナQ&A(withコロナの暮らし編)回答:柳優香弁護士
Q 小学校に通ううちの子どもはマスクが苦手です。感染防止のためマスク着用の必要性は理解できますが、個別の事情を学校にどう伝えればいいですか。
A 学校は児童生徒の生命・身体の安全を確保する安全配慮義務を負い、感染防止対策が求められます。その一つとしてマスクの着用をルールとしている学校は多いと思います。一方、発達障害や感覚過敏などでマスク着用が耐えられない子どももいるでしょう。
マスクの着用ができないために学校に行けないのは教育を受ける機会を失うことになります。学校には個別の配慮が求められます。マスクはあくまでも感染防止対策の一つ。着用できない理由を学校に説明したうえで、飛沫(ひまつ)を防止する工夫をお子さんと一緒に話し合ってはいかがでしょうか。
マスクだけでなく、学校の新しいルールになじめない子どもも多いと思います。特に発達障害のある子どもなどは混乱しているかもしれません。ルールには合理的な理由が必要。ルールをつくったり、変えたりするときには、理由を子どもや保護者に丁寧に説明することが求められます。
日本も批准する「子どもの権利条約」で子どもには「意見表明権」があります。学習参観や行事が中止になり、子どもが学校でどのような生活を送っているのか分からず不安な保護者の方も多いと思います。先生方だけではなく児童生徒、保護者も当事者としてこの機会に皆さんで学校のルールのあり方を考えていただければと思います。
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やなぎ・ゆか 2007年弁護士登録。日弁連子どもの権利委員会人権救済小委員会座長、福岡県弁護士会刑事弁護等委員会依存症PT委員。
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