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中高年のうつ

2011年06月28日 09時30分19秒 | 仕事
中高年のうつ病に特徴 9割が「膝下部帯状回」萎縮
琉球新報 6月27日(月)15時0分配信

 中高年のうつ病患者の約9割が神経伝達物質セロトニンの通路となる脳の膝(しつ)下部帯状回が萎縮していることが南斗クリニック(浦添市)の仁井田りち氏、南部病院の仁井田明氏、琉球大学の本村真氏、関西外国語大学の上地明彦氏の研究で分かった。5月に発行されたニュージーランド医学誌「インターナショナル・ジャーナル・オブ・ジェネラル・メディシン」オンライン版に掲載された。これまでもうつ病と脳の関係について多くの研究があるが、臨床に基づいたうつ病と脳の膝下部帯状回に関する論文は初めて。
 研究はアルツハイマー病の補助診断で脳の局所の萎縮を見るためのMRI(磁気共鳴画像)ソフトウエア「VSRAD」の検査法をうつ病に応用した。仁井田りち氏は「膝下部帯状回の萎縮の有無を評価することで、今後うつ病の早期発見、早期介入が期待できるかもしれない」と話している。
 現在、うつ病は面接で患者の体験行動を聞き取り、うつ病診断基準に照らし診断されている。客観的データに基づいた補助診断がないため、診断、治療薬の選択など医師間の共通認識を持ちにくいのが実情だ。
 研究は仁井田りち氏が担当した症例のうち、2010年1年間にMRIのVSRAD検査が可能な54歳以上の患者で、抗うつ薬で治療をしている症例と健常者のMRI画像を比較した。抗うつ薬で治療をしている93%の患者に膝下部帯状回の萎縮が見られたが、健常者の萎縮は15%で明らかな有意差があった。萎縮のあるうつ病患者は抗うつ薬の投与で症状は改善するが、症状が良くなった後も抗うつ薬の服用が必要だった。
 日本うつ病学会の神庭重信理事長は「高齢のうつ病で多くの場合に膝下部帯状回の萎縮が認められたことは、うつ病研究に一石を投じる」と評価。国立精神・神経医療研究センターの功刀浩部長は「うつ病や自殺の予防に役立つ貴重な研究成果」と話している。
(玉城江梨子) 最終更新:6月27日(月)15時0分
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