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親から子へ伝わる不思議 「似」 養老孟司 「養老先生のさかさま人間学 生きるっておもしろい」

2015年11月04日 01時11分28秒 | 
親から子へ伝わる不思議 「似」 養老孟司 「養老先生のさかさま人間学 生きるっておもしろい」

その他 2015年11月2日 (月)配信共同通信社

 子どもは、親に似(に)るのがふつうです。でもなぜ似るんでしょうか。不思議ですね。

 オーストリアの生物学者メンデル(1822~84年)は、エンドウマメの遺伝(いでん)について調べました。例えば、黄色いマメと緑色のマメを区別して、それぞれAとaに分けました。こうしたマメの色のような性質(せいしつ)を、生物学では「形質(けいしつ)」といいます。

 遺伝学は、親から子に形質がどのように伝わるかを調べますが、今では、形質を伝えているのは、遺伝子だと分かっています。お父さんやお母さんと、顔や体質(たいしつ)が似たりするのは、そのせいですね。それは、みなさんもよく知ってるでしょ。

 血液(けつえき)型も同じです。A型、B型、AB型、O型がありますが、これを「遺伝子型」で見ると、AA、AO、BB、BO、OO、ABという6種類に分かれます。

 血液型のうち、A型とB型は、O型に対して優性(ゆうせい)です。だから遺伝子型AAとAOは血液型ではA型に、BBとBOは、B型に区分けされます。遺伝子で血液型を考える場合には、いつも組み合わせを考えなくてはなりません。ややこしいですね。

 遺伝子は「DNA」とよばれる物質(ぶっしつ)でできていると分かっていて、DNAの構造(こうぞう)のことを「ゲノム」といいます。科学はヒトのDNAの構造(ヒトゲノム)をほぼ解読しましたが、ほかの分からないことがたくさん出てきました。それはそうですよね。構造が分かったからといって、ヒトの性質がすべて分かるわけではありませんから。

 一つのことが分かっても、分からないことは、かえってふえるのかもしれません。(解剖(かいぼう)学者)

 ※DNA(ディーエヌエー)

 遺伝子(いでんし)の本体となる化学物質(ぶっしつ)の一つ。生き物の性別(せいべつ)や特徴(とくちょう)などを決める情報(じょうほう)が記録されている。親から子への遺伝において、大切な働きをする。デオキシリボ核酸(かくさん)ともいう。DNAの型は人によって特徴がことなるため、犯罪捜査(はんざいそうさ)にも利用されている。

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