血糖「高め」も筋力に注意 男性高齢者で低下リスク 「医療新世紀」
その他 2022年10月4日 (火)配信共同通信社
生活習慣病である2型糖尿病に至らなくても、血糖値が高めの男性は、筋肉量や筋力の低下など「サルコペニア」の状態に陥るリスクが高いとする研究結果を順天堂大の研究チームが国際医学誌に発表した。
糖尿病になってしまった高齢者はそうでない人に比べてサルコペニアであるリスクが2倍を超えることも分かった。研究チームは、運動や食事などの生活習慣の改善に早期から取り組むことが、糖尿病に加えてサルコペニアの予防の面でも重要であることが示されたとしている。
東京都文京区在住の高齢者を対象とした疫学調査「文京ヘルススタディー」から、65~84歳の高齢者1629人(男性687人、女性942人)の参加を得て、身長や体重、握力、筋力などの測定、歩行速度や片脚立ち検査などの身体機能を検査した上で、一定量のブドウ糖を摂取したときの血糖値の上昇を見る「耐糖能評価」を受けてもらった。
その結果、男性では耐糖能が悪化するにしたがって段階的にサルコペニアの有病率が上昇。耐糖能以外の要因の影響を除いて分析すると、男性の糖尿病予備軍のサルコペニアのリスクは2・1倍になることが分かった。
一方で女性では予備軍の段階ではリスクは高くならず、糖尿病と診断された場合にだけサルコペニアの有病率が高くなっていた。糖尿病まで進んだ場合のサルコペニアのリスクは、男性で約2・6倍、女性で約2・1倍だった。
そのほかのサルコペニアと関連する要因を調べた結果では、男女とも「加齢」「(やせ体形であることを示す)低い体格指数(BMI)」「高い体脂肪率」がそれぞれ単独でリスクとなることも明らかとなったという。
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