感染症危機管理庁を創設 病床迅速確保へ協定活用 政府の対策強化全容判明 首相15日に発表
2022年6月15日 (水)配信共同通信社
政府は、新型コロナウイルスを含む感染症の世界的な大流行に備え、首相直轄の「内閣感染症危機管理庁」を新たに設ける。岸田文雄首相が15日に記者会見し発表する方針。複数の政府関係者が14日明らかにした。病床確保を指示できる行政権限の強化を含む対策の全容も判明。感染症法を改正し、自治体が病院と事前に結ぶ協定を法的な仕組みとして効果を高め、医療提供体制の迅速な整備を可能にする。近く発表される。
コロナ施策が複数の省庁にまたがり、医療体制強化やワクチン接種が遅れたとの批判を浴びた。これを踏まえ、首相の下で一元的に対策に取り組む狙い。実効的に機能するかどうかが課題となる。参院選へのアピールもありそうだ。秋に見込まれる臨時国会以降に関連法案を提出する予定。
感染症危機管理庁は司令塔として内閣官房に設ける。感染急拡大などの有事にスムーズに対処するため、関係省庁職員の招集リストを作成。名称は当初「健康危機管理庁」だったが「感染症」を掲げ、政策目標をはっきりさせる。
国立感染症研究所など2機関を統合。米疾病対策センター(CDC)をモデルとして、疫学調査や臨床医療に一体的に対応する新たな専門家組織「日本版CDC」を創設する。感染状況の分析や治療法開発を担う。
病床数や患者の受け入れ条件などについて、自治体と医療機関が事前に結ぶ協定を感染症法に記す。流行時に協定の履行を指示できる措置も設ける。現在は書面を交わしているものの、法的な仕組みではない。
保健所業務を巡り、都道府県知事が政令指定都市などの首長に対し、緊急時に患者の入院を指示できる権限の創設を検討。自宅療養者対応拡充や医療人材の広域調整、検査体制の抜本的強化なども進める。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます