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産婦人科医の労災認める 広島地裁、過労自殺で

2019年06月06日 10時34分09秒 | 自殺・過重労働
産婦人科医の労災認める 広島地裁、過労自殺で
2019年5月30日 (木)配信共同通信社

 中国地方のへき地にある病院の産婦人科で勤務していた50代の男性医師が2009年に自殺したのは、過重労働でうつ病を発症したことが原因だとして、医師の妻が労災認定を求めた訴訟の判決で、広島地裁は29日、労災と認め、遺族補償年金を給付しないとした国の決定を取り消した。
 判決理由で高島義行(たかしま・よしゆき)裁判長は「常勤医が2人だけで、分娩(ぶんべん)や手術などに忙殺され、うつ病発症前の半年間は2週間以上の連続勤務が5回以上あった」と指摘。「部下とのトラブルも抱え、心理的負荷は強かった」と述べた。
 国は「業務の密度は低かった」などと主張していたが、高島裁判長は「業務以外の発症要因は認められない」とした。
 判決によると、男性医師は1999年から産婦人科の部長として勤務。09年1月ごろからうつ病を発症し、同年3月に病院に隣接した自宅ガレージで自殺した。
 妻は国の決定を不服として、12年に労災保険審査官に審査請求したが棄却され、再審査請求中の13年に提訴。判決後、妻は記者会見で「判決が産婦人科医の労働環境改善の一助となることを願っている」と語った。
 この病院を管轄する労働局は「判決の内容を精査し今後の対応を決めたい」とコメントした。
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