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アクセス:緊急避妊、処方箋の「壁」 「市販を」学生ら署名活動 海外では無料も

2019年01月12日 11時13分07秒 | 事故事件訴訟
アクセス:緊急避妊、処方箋の「壁」 「市販を」学生ら署名活動 海外では無料も
その他 2019年1月11日 (金)配信毎日新聞社
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 望まぬ妊娠を避けるために緊急避妊薬(アフターピル)を医師の処方箋なしで買えないのはおかしい――と女性たちが訴えている。どんな薬で、現状はどうなっているのか。【中川聡子】
 緊急避妊薬は、女性が性交後72時間以内に1錠服用すると排卵が抑制される。日本では2011年に承認(販売名「ノルレボ」)。日本家族計画協会理事長の北村邦夫医師によると服用で1回の性交による妊娠率は0・7%だ(健康な男女の妊娠率は通常、20代で20~25%)。副作用はまれで身体に影響がなく、服用後に妊娠が判明しても胎児に影響がない。服用後の性交には妊娠のリスクがある。
 性交から服用まで時間が空くほど有効性が落ちるため極力早く服用する必要がある。多くの国では薬局で簡単に手に入るが、日本では医師の処方箋がないと買えない。望まぬ性交渉があれば直ちに服用しなければならないが、婦人科が休診だったり病院が遠かったりして入手が困難な場合も想定される。1錠約1万円と値段も高い。
 厚生労働省は2年前に処方箋不要の一般市販薬に転用することを検討したが、日本産科婦人科学会などの反対で見送られた。
 この転用を求める署名活動がオンライン署名サイト「チェンジドットオルグ」で広がっている。国際基督教大4年の福田和子さん(23)と性教育に取り組むNPO法人「ピルコン」(染矢明日香理事長)が呼びかけ、署名数は1万6000近くに達している。
 福田さんはスウェーデンに留学し、性教育や避妊手段の充実ぶりに衝撃を受けた。「ないものだらけの日本の避妊を変えたい」と考え、帰国後の昨年春ごろ、避妊や性情報の普及啓発を行う「#なんでないの」プロジェクトを始めた。
 スウェーデンは、若者を対象に体や心の相談に無料で乗る「ユースクリニック」を地域ごとに設置し、具体的な避妊法も教える。緊急避妊薬は無料か数百円で提供され、腹部などに貼る避妊シールや女性用コンドームなど選択肢も豊富だ。福田さんは言う。「向こうではクリニックで正しい知識を身につけることが若者の当然の権利ですが、日本は性教育が不十分で、性への関心が『不道徳』『問題行動』と見られかねない。若者が守られていないと痛感しました」
 北村医師も「あくまで緊急避難的な手段だが、望まぬ妊娠や中絶のリスクを考えれば入手しやすい環境整備は急務だ」と市販薬転用に賛成する。北村医師は緊急避妊薬処方時に、毎日服用する低用量ピルへの移行を必ず勧めるという。低用量ピルも処方箋が必要で1カ月分で3000円前後。ほぼ確実に避妊できるが情報不足などで利用者は伸び悩む。北村医師は「低用量ピルへの移行の環境整備も含め、緊急避妊薬へのアクセス向上を議論すべきだ」と話す。

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