トヨタ車のリコール問題

2010-02-04 17:04:03 | タナカ君的偏見
 僕の散歩コースの木陰の多い神社の境内には一昨日からの雪が未だ残り、日当たりの良い公園の紅梅の樹は花びらを散らし、全般的には春に向かいつつも、周囲に見える景色は「まだら模様の春景色」ですね。 ところが株式市場の風景はトヨダが橋の上から氷の張った川面にダイビング、反対に本田は春を一気に通り越して夏に向かいそうな勢いを示し、株式市場の季節は何がなんだかまったく分からない。 

 今のトヨタは何年か前の三菱自動車を思わせます。 リコール問題に端を発して何処に行き着くのか? もちろん何か努力をしているのは分かります。 しかし、不具合やそれが原因で発生したかも知れない事故の様子を伏せたまま解決しようと足掻いている感じがしなくもない。 アメリカの自動車メーカーにとっては「願っても無いタイミングで競争相手が躓いてくれた」と見ているでしょうよ。

 トヨタ車のクレーム問題、去年の秋頃には「アクセルペダルがフロアマットに引っ掛かる」と極めて単純な機械的な不具合を匂わせていましたが、今では「車全体の電子制御システムに問題があるのではないか?」 と、取り沙汰されだしている。 その可能性は多分に有るでしょうね。 何か走行上の問題が有って、ブレーキ踏む、従来であればオートクルーズ機能の解除、ブレーキ操作のための油圧制御と一つの流れにそった制御で済んでいたはずですが、 ハイブリッド車としてのブレーキ操作では、最初にエネルギー回生のため、モータを発電機モードにしてバッテリーに充電し、電気的な負荷として制動を掛ける。 そして最終的にはディスクブレーキ等で速度エネルギーを摩擦による熱エネルギーに変換して制動をかけて停止する。

 常識的な考えではアクセルペダルとブレーキペダルが同時に操作されたとした場合、 アクセル無視のブレーキ優先の動きとなるように作るのではなかろうかと思うけれど、実態はどうなのだろうか? トヨタ自動車の制御システムは今迄ボロを出さずに好評を博して売上を伸ばしてきたけれど… ”電子制御システムに問題があるのではないか”との疑問が呈されている。 そんな話しを聞いても「プログラムを組んで制御するシステムはバグが内在する」との思考を常識とする世界観の職場に身を置いてきた者としては「トヨダさんもやっちゃいましたか」と思うだけです。まさかとは思うのですが、お得意の標準化のために、ハイブリッド車と通常の車の制御ソフトを共用して、通常の車に載せる制御系のソフトもハイブリッド車用の一部を殺しているだけだなんて事があったりすれば、どの車種でも同じようなアクセルペダル問題と言われている不具合が発生したとしてもおかしくない。 それに思考的なバグが完全に取れていたとしても、ハード的な故障は発生するでしょう。 いづれ自動車の制御システムも、最終的には航空機の制御系と同じように複数のコントロールユニットによる多数決制御なんて方式が主流となる時代がくるかもしれません。 それでも純粋機械式の車に較べて基本的な走行・停止操作に関わる信頼性は劣ったままに違いないと思っちゃいます。 まあスリップしやすい路面でのブレーキ操作を補助するABS機能なんかは電子制御のメリットはそれなりにあったとしてもです。

追記 :  これをUpして夕食食べながら見たBS1のニュースの中でトヨタの人が 「車の欠陥では無い、ブレーキが効き始めるのを一瞬遅く感じるだけだ・・・」と述べた様子を放映していた。 これってマイクロソフトが、指摘された問題点に対して「Softのバグではありません、設計仕様です」と見解を出す傲慢さと同じ臭みを感じてしまいました。
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