雪の結晶撮影・試料台

2013-03-15 09:09:41 | タナカ君的日常
宝石の煌めきを持つ雪の結晶、 でも・・・


 「オラは雪の結晶なんて興味持ったこと無いよ、 タナカさんは本当に変わった物に目を付けるね」そんな風にショージ君からはからかわれたけれど、 冬の寒い時期、何回か手や脚を骨折したり、スキーツアーの途中で転倒して、運悪く雪の下の石に前歯をぶつけて折ってしまったり、そんな怪我をして来た僕にとって、 歳とって残り少ない人生となった今では、 「怪我からの復帰で半年近くの期間を不自由な状態で過ごすのは割が合わない」そんな考えになりつつあるのです。 でも美しい雪山の景色は眺めたい。 だから友達とスキー場に行くのはやぶさかでは無い、そのついでに雪の結晶を撮影する目的を持つのも良いじゃないですか。

 さて昨日の記事で予告した、雪の結晶を載せる試料台の工夫についての本題に戻りましょうか、 六角形した雪の結晶、 言ってみれば極めて薄い氷ですから、 温度を0°Cより高くすれば溶けて水になってしまいます。

 それなりの整った形をした雪片を選んで試料台の上に載せてカメラのフォーカスを合わせてシャッターボタンを押すまでには1分近い時間が欲しいのですが、 周囲の気温がマイナス2°C程度ではフォーカス合わせしている間に手作りの試料台と呼ぶ物の上に載せた雪片は形が崩れ最終的には水滴になってしまうのです。 3月初めの津南雪祭りの時はそんな気温だったので上手く撮影出来ませんでした。


 これは雪片釣りに使った毛糸に付着した雪を試料台の上に載せて撮影した物です。 バックライトの光の中には雪片が溶けて水滴となった状態が写っています。


 これは降り積もった雪面にカシミヤ素材のショール軽く置いて雪片を付着させた状態を示す写真です。 雪が降り止んだ後では、こんな風に得られる雪片の中から六角形の結晶を極細の筆先で雪片を掬い取り、 試料台に載せるのです。

 今回、簗場の山荘でも六角形した雪片は得られるのに、試料台に載せると溶けてしまう、そんな気温条件でした。 その時のフッと気が付いたのです。 雪片を拾い取るために使用した毛糸やカシミヤ地のショール上の雪は形が崩れないままでいてくれている事を。 そのためには試料台を素手で触れない様にするか、 雪片を載せるのをガラスフィルターの上に直に置くのを止めて、断熱性の高い物の上に置けば六角形の結晶が撮影の間、保ってくれるだろうと。

 そこで山荘の台所にあるサランラップの様なフィルムを試しに使ってみました。 結果はピンポーンでした。 雪片は溶けずに形を長く保ってくれるのです。

 しかし、 そんな食品保存フィルムの代名詞にもなっているサランラップは雪片の周辺に影を生じる現象が生じて不向きでした。

これがその影を伴う写真です。
影の正体ですが、 雪片を除き、指先で影の部分に触れると消えて行きましたから、空気中?の水分の凍結によるものと思います。

 台所にはCOOPブランドや宇部フィルム(株)製品の使いかけの同じ様な物が有ったので試してみました。 ポリエチレン系の素材を使ったそれらはサランラップを使用した場合の不都合は発生せず、 充分使用可能でした。

これがポリエチレン系のフィルムに雪を載せて撮影した写真です。

 フィルム素材によって違いが生じるようですから、使用時には要注意です。

ちなみに、 使った物や、我が家の台所にある製品をリストアップしてみました。

商品名     : 製造元     :  原材料
ポリラップ     宇部フィルム    ポリエチレン
クレラップ     クレハ       ポリ塩化ビニデリン
ヒタチラップ    日立化成      塩化ビニル樹脂
グリーンラップ  クリーンラップ(株) ポリエチレン

世の中にはポリエチレン系と塩化ビニル系があるのですね。 とにかくポリエチレン系に丸印を付けておきます。 今回はゴムバンドを使って円筒上面に張りましたが、今後の課題はいかにすればフィルムを波打たせず、綺麗な平面状態に確実に張る方法を探すことです。 
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