4月5日 結願の日、 曇り時々太陽。
きょうは3つの札所が直線状に配置された、86番から88番のお寺を巡りました。 問題は歩きではおよそ一日フルコースルートなので、どの様に車と自転車と歩きのコンビネーションをとるか悩みました。 車を86番に置いて歩いて行ったとしたら戻りをどうしたらよいか? 88番は香川と徳島の県境付近の山の中で、公共の交通機関がとても不便な所なのです。結局考えた方法は以下の如し。
1. 車で中間位置の寺(87番)に行って、その駐車場にて自転車を下ろす。
2. 自転車で86番を往復する。
3. 車で88番に接近、手前の適当な場所の宿に車を置かせてもらう。
4. 宿から88番を徒歩で往復。
そして実行結果ですが、1と2は予定通りに進みました。 しかし3番の適当な位置の宿を探しながら車を走らせた結果は88番の門前にまで来てしまったのです。
仕方なく車での結願の寺、88番への参拝となってしまいました。 完全自転車でもない、歩きと車も併用した僕の四国遍路、今回の旅はこれで一段落です。 でも最後にケチが付いた気分で落ち着かないので、参拝後山越えルートの女体山・山頂(標高差300m程度)を往復してから、宿に入りました。
今回の旅で始めての遍路宿泊まりです。 洗濯機を使わせてもらって、一週間分の汚れ物を洗って乾燥させました。今夜は久しぶりに畳の上に敷いた布団に包まれて眠れます。
同宿の客は尼さん一名、フロリダからやって来た59歳の大学教授一名、僕より上の年代のおじさん3名、僕と尼さんを除く他の方々は真面目な歩き遍路さんでした。
フロリダおじさんはフランスからスペインへ続くヨーロッパ版遍路道で出会った日本人に聞いて四国遍路に出かけてきたそうです。 佐賀県在住の一人の方は遍路2回目で83歳だそうですが、今朝86番をフロリダさんと出発して来たそうで、お互いの健闘をたたえあってました(日本語、英語ごちゃまぜ一方向会話と思って聞いてましたが、意思が通じてるんでしょうね、不思議なことに)。 他のおじさん二人は「言葉が分からんから外国の旅なんかしたく無い、フロリダさんは良く大丈夫だな?!」と言ってます。 フロリダさんは「俺だって日本語なんかぜんぜん分からないよ! でもこうやって四国を歩いてるだろ、旅なんてそんなもんだよ(意訳)」「それに、こうやって日本風の食事をしたり、皆がワイワイやってる雰囲気が好きなんだよ」と、まあ旅慣れた方なんですね。
宿のおばさんが「皆さん明日の朝食は何時にしますか?一番早いのは6時からです」と聞くと、僕を除く全員が「じゃあ6時でお願いします!」だってさ。 俺は何時に目が覚めるかな?
全員で記念撮影して、メールアドレス持っている人には、それを教えてもらって後で送ることにしました。中の一名は住所を書いて「ここに郵送してください」 だってさ、 俺は「メールアドレス持ってる人には送りますよ」と言ったんだけどな、 しょーがねーか... 「それではお休みなさい」 そして「Good night!」
4月6日 四国観光モードの旅、 良い天気
朝食を食べている時に昨夜「写真を郵送してくれ」と言ってた人が宛名を書いた封筒に切手代金を添えて手渡してくれた。 昨夜はあんなこと考えてゴメン。
昨日めでたく88番目の大窪寺の参拝を済ませました。 これから明日の午後に四国にやってくる妻と落ち合うまでは何の予定も無い自由時間です。 そこで四国観光モードに切り替えて動き回りました。 回った先は、山を下って、徳島県の”土柱”ここはUSAで言えばBrice canyonのミニ・ミニ・ミニ・ミニ版、見るほどの物ではなかった。 ついで吉野川を少し上流に行った脇町のウダツの町並み。 ここはお勧めな場所です、藍染めが盛んだった昔に吉野川の水運と共に栄えたそうで成功者の家:うだつの付いた家が立ち並び、電柱も撤去され、ウダツの挙がっている家も、そうで無い家にも、通りに面した部分に竹を加工して作った花入れを設けて季節の植物が飾られています、とても好感のもてる所でした。
再度、山越えして香川県に戻り満濃池に立ち寄りました。 ここは昔から溜池の多い香川県を代表する池(実際は池を通り越したサイズ)で北側の丘陵地には国営の公園が設置されていました。 立川の昭和記念公園が平地のそれとすれば、ここは丘陵地の公園です。 桜をはじめ各種の花が真っ盛り、家族ずれもそこそこ来ていました。
善通寺付近の前に来たネットカフェでメールチェック。 アルバイトを申し込んであった先から「戻り次第連絡されたし」と入っていました。
そして最後は多度津の町で少林寺拳法の総本山の訪問です。 ここは昨年NHK「鶴瓶の家族に乾杯」の番組で紹介されていた場所で四国に行ったら、是非見学してみたいと思っていた所です。 月水金の18:30から道場で訓練があるのを調べておいたので、16時過ぎに事務所を訪ねました。 Well came状態で館内を案内して下さいました。案内して下さった方は、それなりの地位の方であった様ですれ違う関係者が軽く会釈をして通り過ぎます。 練習の見学もOKして下さいました。 練習開始の時刻まで間があるので夕食をとりに駅まで戻りました。しかし食堂の少ない町です。駅近くで見つけるのに苦労しました。
練習開始時刻までに少林寺の道場に戻って見学、 少年部のこの時間帯は20人強の子供たちが来ていました。 ラジオ体操の動きや相撲の四股の形などの柔軟体操から始まり、途中5分の休憩を挟んで型の訓練、最後は心の修養に近い教えの唱和、座禅など、なかなかやるなと思う1時間半の訓練でした。 休憩時間には道場狭しと鬼ごっこで駆け回っていた子供たち(小学生低学年から)がシーンと静かに座禅している姿は感動的でもあります。 また本当の最後には正座した師範が子供たち一人一人と握手し、合掌のような姿勢を取り合ってお別れするのです。 遠くてわかりませんでしたが、その時になにか言葉をかけているかもしれません。
周辺には子供を送ってきたお母さん方が数人いました。子供を入門させようと見学に訪れた家族もいました。 訓練費用は一ヶ月4000円程であるようです。「街中の個人道場では年間9000円程度で済むので、状況に応じて決めていただければ宜しいでしょう」と話していました。 子供たちを指導されていた方の面立ち、物腰、すべて好感を持ちました。 NHKの番組でもそれを感じたから見学してみたかった訳ですけれど。