明治生まれのひとは 自分で材料を調達し その材料を限られた時間で使えるようにすることが あたりまえでした。針事は 小さな時から見習うことが当たり前でした。
できあがった製品を購入するとき その物の価値を見抜くのに 自分で材料を調達したり 自分で作った経験がいかされます。
今ではミシンを使う人はすくなくなっているでしょう。 それぞれの家庭で細々引き継いでいるかたもあるのでしょうが 布も 洋服をつくるに足るサイズで 購入できるところはなくなりつつあります。
最近すこし見直しがはじまっては いるようです。
過去の女性たちがのこした被服や工芸の美意識や 物に込めた思いを 破壊しつくしてゆく今の時代を 申し訳なくおもいはじめています。
受け取る能力がないと 伝統も技術も残せません。
老齢期に入って いままで手付かずの時間がかかる手しごとが 始めたくなっています。
物でのこせないと 伝えられないと 思うのです。