巷間,「エコカー」がブームである。
プリウス・インサイトが代表例である。かつての名車EFサイバーCR-Xの後継車ともいわれるCR-ZXもそうらしい。個人的に,EFの方がはるかにカッコイイと思うが。
さて,新車として,まったく最初に購入するのであれば,おそらくは「エコ」であろう。排出ガスは少ないし,燃費もいい......はずだ。環境負荷は少ない......はずだ。
しかし,「買い替え」ならば本当に「エコ」の十分条件を満たすのであろうか
疑問点を挙げる。
① 「廃車」にする「環境負荷」をどう考慮するのか
② 「中古車」は「リサイクル」と同義で「エコ」ではないのか
③ HV(ハイブリッド)車製造に必要な「環境負荷」は,普通のレシプロエンジンより多いというデータもある。十分に検討されているか
④ プリウスに顕著な「音のしないクルマ」は「危険」ではないか 聴覚障害者にとって,また,いままで普通に感じられたクルマの気配のない,あの「何もなく,自転車より静かに動く」のは,「クルマ」としては問題もあるはず。実際,事故も多発している。
ブームと国策で買い替えが進んでいるのは,一時のミニバンブームと似ている。ミニバンは日本の道路事情にあわないため廃れてきたが。そもそも道路が狭いのにオカシナ話だった。昔の3ドアハッチバック人気とは根本が違う。ハッチバック人気は,現在5ドアハッチバックとなって根付いたではないか
同様に,「昭和53年度排出ガス規制車」は,2000年まで22年間も国策によって排気ガス基準を放置された。
本当に「エコ」だというならば,まず,この愚策を国は認めるべきであろう。クルマの一般的な寿命からみて,10年前後で排気ガス基準を改訂してもよいと思う。京都議定書うんぬんでなく,本質的な改善だ。そして,古い車でも,「排気ガス浄化装置」をつけることで自動車税の増税を免除することがあってもよいと思う。
とにかく,現在の「エコ」ブームには必要条件・十分条件,比較検討,仮説検証がなされていないものが多い。
結論を出すにはまだまだ文献を読まなければならないところだが,まずは8月中旬までお預けだ。