セコ釣りだとその昔ずいぶんバカにされたものだ。いや,いまでもそう思っている人は少なくないだろう。
ビッグベイトが「男らしい」とか「巻物こそ真髄」などと,たしかに思ったこともあるし,体験はある。クランクベイトでの釣りも好きだ。
でも,「釣れない釣り」に理屈はない。ただ釣れないだけ。ビッグベイトが釣れるのだって,セコ釣りが釣れるのだって「同じ1匹」と考えている。
僕はそもそもエサ釣りから始まっている。おそらくはキンギョ釣り堀からだろう。小学生の頃にはすでに釣りキチだったので,水曜午後・土曜午後・日曜と,週2日近くを釣りに費やしていた。幸い,東京でも自然が少しはあったからね。
その度に感じたのは「釣れないと何も楽しくない」である。これはどんな釣りも同じ。「釣りに来ただけでいい」なんて言葉は僕にはない。ただし,闇雲に数釣りをするという意味ではない。とにかく1匹釣ることが重要だということだ。
たまに雑誌を読むと「釣りがうまくなるにはどうしたら」なんて質問がある。運転免許がとれる年齢ならいざしらず,電車や自転車しか交通機関がないという場合,それは必死である。
僕の場合,やはり中学生の頃にお小遣いとの格闘があった。ほしいものは釣具。針にエサに仕掛けに,当時好きだった吸い込み釣りなんて贅沢な釣りだった。
幸い父に理解があったので金銭的には解決したが,通う場所のセレクトが重要だった。
吸い込み釣りで一番釣りやすいネリエサの配合などをマジメに考えた。考え抜いて中学生の頃には独自ブレンドをしていた。
とにかく釣ること。どんな魚でも同じ。クチボソでもハヤでも同じ。釣れる真実は「魚の居る場所に仕掛けを落とす」である。
たったこれだけのことだが,これに人的プレッシャーがかかるメトロリバーでは非常に厳しいことも多い。
写真のセコ釣りワームは1インチから2インチ程度。小さければ釣れるという単純なものではないが,試さないでいるよりはずっといい。
そういう意味ではビッグベイトも試したいが,こちらは道具から何からスペシャル仕様。とてもじゃないが巨大ルアーを投げ続ける根性はない。
とにかく暑さが一段落したらクロダイ釣りのエサ釣りにも挑戦する。そして刺し身を堪能する。
本当に釣りはやっかいな遊びだ。