長崎県生月 ( いきつき ) 島へ渡ると、
集落の上から舘浦漁港を見下ろすように高台に建つ観音像は、
ブロンズ像としては日本屈指の大きさを誇っている。
その大きさは、 「 像高 : 18m、 基壇 : 3m、 重量 : 150t 」と、
かなりな大きさである。
世界の平和と海難者および魚介類の霊を追悼し、
漁船の航海の安全を祈念して昭和55年4月29日に建立されたものである。
間近に見るととても大きく、額に光る真珠は直径2.5cmと立派である。
台座内部にも無料で入館することができ、
10分の1の大きさの生月大魚籃観音をはじめ、
木彫りの観音像など70体が祀られている。
魚籃観音は中国の伝説に由来する観音様で、こんな伝説があります。
唐の時代、魚を売り歩く美しい女がおりました。
彼女の美貌に惹かれた男たちが求婚すると、
観音経の全巻を覚えられた人に嫁ぎますと答えました。
美女の出す難題とは?
かなりの脱落者がいたものの暗誦できた幾人かの若者が残っていました。
次に美女は般若経を全部覚えられる男を求めました。
これにも何人かがパスしました。
そこで女は法華経を全て頭に入れたらその者と結ばれると約束しました。
難しい法華経を全部暗誦できたのはただ1人の男。
美女はその男の妻になりました。
しかし結婚して間もなく美女は死んでしまいます。
数日して旅の僧が言いました
「 その女は法華経を広めるためにこの世に現れた観音菩薩であろう 」 と。
その美女の墓を掘り返してみると、そこには黄金の骨が残っていたのでした。
魚籃観音は漁業や海を司る仏様で、特に漁師さんの信仰を集めています。
生月観音の手を見てみるとよく分かります。
普通は印を結んでいるのですが、手に魚の入った籠を持っています。
ちょっと分かりにくいのですが、腰の部分は座禅を組んでいるように見えますが、
実は足ではなくて海の波になっています。
だからこの生月大魚籃観音は腰から下が無い仏像です。