Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ブラック・バードの歌の世界

2005-06-03 | 文化一般
クロウタドリ(Turdus merula)と云う、この鳥を確認出来た。中欧でもっとも良く見かける鳥の一つである。鳴き声は別として、その姿は馴染みがある。ツグミ族の黒スラッシュである。英国などでは、広い芝生で餌を拾うこの姿が年中見られる。雄は黒く黄色い嘴と目の縁を持ち、雌は茶系である。先日ブラック・キャップと推測した声の主もこのブラック・バードだったようである。

この一般的に知られている鳥と先日の囀りの主が何故合致しなかったかと云うと、その鳴き声の多様性に理由があったようだ。つまり、彼らは学習力があり、物まねをして、だんだんとレパートリーを増やしていくという。しかし、メロディーの反復は殆んど無く、その楽節はパターン化しており、一定の形式を有しているようである。

この囀り名人の歌も作曲家オリヴィエ・メシアンによって採譜されて、オルガン曲だけでなく、二台のピアノのための「アーメンの幻想」の第5曲「天使たち、聖者たちと鳥たちの歌のアーメン」にもブラック・キャップとともに使われている。様々な専門分野で、この鳥の歌は研究対象となっている。例えばこれを、相対主義の中で「鳥の美学」として捉える研究者の書籍の引用をもってクセナキスの作曲の価値と平行させて論じる数学者のお嬢さんがいる。しかしこれらも人間の聴覚の、または音響分析の視点からの 距 離 を 置 い た 客 観 として認識すべきもので、鳥のまたはクセナキスの音響世界の現象の実態を表さない。

昨日、訪問先の向かいの家の屋根に見かけたのは30CMを優に越す巨大なものであった。その囀りは、精妙さも無く、繁殖慾丸出しの調子ぱっずれの声を張り上げるオペラ歌手のようで浅ましかった。視線を下へ移すと、病的に腹の出た親爺がゴミ出しに家から出てくるのを見かけた。当にハンス・ヴァイディッツの描いた人間皮袋そのもので、歩行も困難となっていた。図らずも生きたグロテスクを観察した。

この何処でも見かけるブラック・バードを、ドイツではアムゼルと呼ぶ。



参照:
マルティン・ルターのグロテスク [ 文学・思想 ] / 2005-03-03
プァルツのムシクイ族 [ 音 ] / 2005-05-31
囀りましょうか? [ 女 ] / 2005-06-01
切妻のドアをそっと開け [ 文化一般 ] / 2005-02-15
コメント (3)
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