福島ウォッチャーとしては、日本の政治破局感などよりも、二人の物理の決して分からなくは無い大物政治家の「福島感」のほうが遥かに気になっている。
鳩山氏がいつものようにおかしな動きと発言をしているのはご本人の素性であるから、これは否定しようもどうしようも無い。しかし、卑しくも科学の学徒として、今回の福島の現状をどのように見ているかは大変重要であり、見逃せない。
「大震災からの復興」という場合、津波や地震の天災からの復興はその地理的な広がりや、菅首相が力説しているように阪神震災のような再生では駄目だという前提を鑑みても、通常の行政機構の中で遅かれ早かれ前進する。しかし、福島の原発渦に関しては、人類は未だ嘗て無い規模の放射能被害であり、その進行中の汚染を食い止める工程どころか有効な手立てすらないのが現状である。鳩山氏がこれと大いに異なる現状認識を持っているとは考えにくい。
そうした前提の中で、復興への道筋に目途がつくとは何を指すのか?それは隣接した避難区域圏外で緊急事態で再び避難するようなことが無い安定化と汚染源の隔離、東北関東圏での農業林業漁業の本格的な再開と、居住と食の安全が確保されることでしかない。
最初の安定化の安定冷却工程自体が既に形骸化してしまっており、今後どのような形で安定されるかは未定であり、その汚染源を隔離断絶することは先二十年以上掛けてもなかなか達成しないと考えられている。要するに、その他の点に関してもそれ以前の程度に戻ることは有り得なく、如何に指針を定めて市民生活と折り合いをつけていくかに係っている。
十分に情報を吟味している菅首相の思惑は不明であるが、その状況認識にこそに関心が集まる。不信任案否決後の首相記者会見で改めて、「計画避難地域にあたる地域の避難が遅れた責任」をぬけぬけと否定したが、これは事故当初から一貫している「過小評価」政策であり、その意味からは菅首相の政治行政手腕が世界的に評価される所以である。
こうした過小評価と将来的な放射性被害の米国主導の人体実験は、広島・長崎原爆投下から一貫した日米協力であり、これは本日の統合記者会見でもオバマ大統領の支持を受けたその日米協力として傍証されたといっても良いだろう。
また菅首相は、政治家として万が一上手く安定化が果たせたならば政治状況は好転して、さもなければ思惑通りなんら将来への道筋をつけることも出来ずに、今までのように対症療法的に事故対策を後手後手に粛々と推し進めていくということに他ならない。菅直人はまれに見る大物政治家である。
参照:
次世代にとって途轍もないこと 2011-06-01 | 歴史・時事
誰が、福島の核物質を拾おう? 2011-06-02 | マスメディア批評
政治課題としての環境認識 2011-01-07 | マスメディア批評
鳩山氏がいつものようにおかしな動きと発言をしているのはご本人の素性であるから、これは否定しようもどうしようも無い。しかし、卑しくも科学の学徒として、今回の福島の現状をどのように見ているかは大変重要であり、見逃せない。
「大震災からの復興」という場合、津波や地震の天災からの復興はその地理的な広がりや、菅首相が力説しているように阪神震災のような再生では駄目だという前提を鑑みても、通常の行政機構の中で遅かれ早かれ前進する。しかし、福島の原発渦に関しては、人類は未だ嘗て無い規模の放射能被害であり、その進行中の汚染を食い止める工程どころか有効な手立てすらないのが現状である。鳩山氏がこれと大いに異なる現状認識を持っているとは考えにくい。
そうした前提の中で、復興への道筋に目途がつくとは何を指すのか?それは隣接した避難区域圏外で緊急事態で再び避難するようなことが無い安定化と汚染源の隔離、東北関東圏での農業林業漁業の本格的な再開と、居住と食の安全が確保されることでしかない。
最初の安定化の安定冷却工程自体が既に形骸化してしまっており、今後どのような形で安定されるかは未定であり、その汚染源を隔離断絶することは先二十年以上掛けてもなかなか達成しないと考えられている。要するに、その他の点に関してもそれ以前の程度に戻ることは有り得なく、如何に指針を定めて市民生活と折り合いをつけていくかに係っている。
十分に情報を吟味している菅首相の思惑は不明であるが、その状況認識にこそに関心が集まる。不信任案否決後の首相記者会見で改めて、「計画避難地域にあたる地域の避難が遅れた責任」をぬけぬけと否定したが、これは事故当初から一貫している「過小評価」政策であり、その意味からは菅首相の政治行政手腕が世界的に評価される所以である。
こうした過小評価と将来的な放射性被害の米国主導の人体実験は、広島・長崎原爆投下から一貫した日米協力であり、これは本日の統合記者会見でもオバマ大統領の支持を受けたその日米協力として傍証されたといっても良いだろう。
また菅首相は、政治家として万が一上手く安定化が果たせたならば政治状況は好転して、さもなければ思惑通りなんら将来への道筋をつけることも出来ずに、今までのように対症療法的に事故対策を後手後手に粛々と推し進めていくということに他ならない。菅直人はまれに見る大物政治家である。
参照:
次世代にとって途轍もないこと 2011-06-01 | 歴史・時事
誰が、福島の核物質を拾おう? 2011-06-02 | マスメディア批評
政治課題としての環境認識 2011-01-07 | マスメディア批評