Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

否定に躍起となる米報道

2011-06-07 | マスメディア批評
とにかく、日本を含む世界のメディアはドイツの食中毒に群がっているようだ。その熱心さの動機付けは分からない。少なくとも私の読んでいるような高級紙での扱い方は通常の社会記事の域を出ない。せいぜいチロルを行き来した熊の話題度程度である。

さらにドイツ国内でも地域差もあるようだが、ベルリンなどと比較すると既にベルクシュトラーセのダルムシュタットまで被害が発生しているので、こちらは八十キロ圏内とも言える。

昨晩きゅうりを購入しに行くといつもの安物を含むそれが見つからずに、精々安物のレタスしか見つからなかった。そもそも今回問題となっている系統の化粧野菜のようなものを購入することは無いのであまり関係ない。

世界のニュースでは証拠がつかめなかったとして、もやし類の原因説が否定されているようだが、まさにそれが伝えられている映像ではっきりと州担当大臣は疑惑をかけ続けている。それが「全く否定されている」として英語圏メディアで誤報が流され続けているには何か理由がありそうだ。やはり合衆国をはじめとするの遺伝子工学種子産業などの過剰反応が、そこにはあるのか?

福島の報道はドイツで、もやしの報道は日本でとなるかといえばやはりそうではなさそうで、日本での報道は英語圏報道の投売りの誤報である。

いづれにしてもあの手のものの原因が否定されるとすれば、日本でも同様のことがあったように、全く原因が分からないとなるので、「一体私はなによ」と言うような患者もいる。

しかし、若い健康食もしくはビオに関心のある若い女性層に患者が多いことや、摘発される野菜類の生産者が全て有機農業者なので、ビオ商品には注意が必要であろう。

今日は少々腹具合が悪く、ごろごろする。十分に土のついた野菜もあり、トマト類もあるので、上の格安レタスの購入は控えた。



参照:
Erste Labortests negativ Bislang kein EHEC-Erreger auf Sprossen-Proben (ARD)
もやしと呼ばれるカイワレソウ 2011-06-06 | 生活
Ehec付有機野菜の付加価値 2011-05-28 | 歴史・時事
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六月とはこれ如何に?

2011-06-07 | 試飲百景
週末は三件の醸造所で試飲をした。通常ならば五月に開かれるマイシュピッツェンと名づけられたVDPプファルツの新酒発表プログラムである。既に二回も試飲会を開いていたバッサーマン・ヨルダン醸造所や有料の試飲会しかしないフォン・ブール醸造所、2010年産は秋に本格的発売となるビュルクリン・ヴォルフ醸造所などの試飲会はこれには含まれていない。それでも、南ワイン街道のレープホルツ醸造所、フォルストのゲオルク・モスバッハー醸造所、VDP会長のクリストマン醸造所などの見逃せない試飲会が開かれる。

その中でも、多くの雹被害を受け、さらに酸の分解を待ち続けたレープホルツ醸造所での恒例のレープホルツ氏の講話つきの古いワインなどとの飲み比べをについて特筆すべきであろう。

最初にブラインドで90年産のリースリング・シュペートレーゼが供された。10年産と比較して、酸が強い年度ながらアルコールが11%と低く抑えられているのが似ているのである。その通りである、リースリングのアルコールが抑えられていて、酸が効いているのが今年の特徴で、その将来性を予想させてくれるものだった。なるほどフィルン臭とその色は明らかだが結構新鮮味があるのだ。次に2008年産のブントザントシュタインのシュペートレーゼ。予想以上にこれがまた良くなってきている。そして2010年物である。一蔓に四つしか房がついていないというまばらな開花の影響を受けた「不作」だったのだ。三月二八日まで麹に浸かっていたと言うからアルコールが薄くとも濃くが出ている。

次に、2004年産ムスカテラーのアルコール10%と、2010年のそれが比較された。2004年の当初薄く感じられたワインが現在結構評価が高いのと、2010年との比較なのである。なるほど酸が効いていた年度らしくこうした品種でも今でも新鮮味があって食事に推薦されていた。

90年のゲヴュルツトラミナ-と96年の11%のピノブラン。特に後者の10グラムを越える酸が今でも飲めるピノブランとしていた。つまり2010年のヴァイスブルグンダーは、アルコールは少なくとも、将来があるということなのだ。最後に再び2004年のピノグリで、一般的に「むかつくようであまり量が飲めない品種」と紹介されながら、こうした「日陰の年度」のそれが枯れると食事に合わせやすくなるとのお話であった。

2010年は決して容易な年度ではなかったが、秋の酸の分解や丁寧な醸造が求められて、高級ワインとそれ以下の差が顕著に出るように思われる。VDPの中でもそれぞれに腕の見せ所を要求されていて、どのようなワインを提供するかの業務上のコンセプトまたワイン造りの哲学が示される。

レープホルツ醸造所では、ジルファーナーの様に買い付けが必要な多大な被害を受けながらも売り物を確保して且つ、昨年のナテューアシュプルングのようなすばらしいリースリングに慣れた客にもアルコールは低いながら昨年の「フォムブントザントシュタイン」よりも味の良い商品を出している。この辺りのマネージメント感覚がいつも憎いのだ。

ブルグンダー種では、香りなどは全く無くそっけないがソヴィニオンブランの塩味には唸らせられた。流石である。

秋に発売されるグランクリュウのガンツホルンを早速抑えておいたことはいうまでも無い。
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