Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

細野補佐官のついた嘘

2011-06-08 | テクニック
吾が耳を疑った。統合記者会見風景は、福島のウラン流し打たせ風呂よろしく、BGMのように流れていただけだけども。

NHKの山崎氏の質問に答えて、細野補佐官は「水素爆発だけは想定外で対処の方法も無かった」というように聞いた。これに関して、どのように説明されているのかどうかは分からないが、東電は既に十年も前からその防止装置についてのオファーを受けておりそれの導入を拒絶し続けていたことはFAZが当初から伝えていた*1。

さらに調べると、ハリスバークのスリーマイル島事件でジルコニウムに起因する水素爆発が起きており、その時は事件発生百三十分後であった。しかし、バブコック社のPWR型の格納容器が頑丈に出来ていて最大破局は避けられたのであった。

2007年のシュピーゲル誌が伝えるように、それに比べてBWR型ジーメンス社製の格納容器は薄いので破裂して大気中に破局的な汚染を齎すことが懸念された。実際に、1987年から1999年にかけてドイツの原発で三回も同様の水素爆発事故が起きていた。

第一次冷却水の配管にそれほど遠くないところで爆発していて、場所が僅か三メートルもずれていたならば大事故が起きていたというのである。この程度の事故は、世界中で毎日のように起こっていて、なるほど大型旅客機が落ちるよりもその数ははるかに少ないのだが、確率論的に言及すれば「その確からしさは大事故がおきることが前提」となっている。実際に、スリーマイル、チェルノブイリ、福島とその災害規模は膨らんで来ており、次にはこれ以上の大破局が起こるかもしれないと見るのが数学的な見識である。

フォーカス誌によると、日本からの研究者も留学するカールスルーへ核研究所の科学主任クネーベル氏は、「日本でのそれは既に地震で格納容器が壊れていたので、水素が外へと逃げることなく一部は建屋に溜まったからだ」と、「燃料溶解とは異なり、水素爆発が一義的に津波に関係ない」ことを説明する。またドイツのPWR型には、水素爆発を避けるために水素をパラジウムなどの触媒を介して酸素とともに水化する装置が完備しているというがBWR型はどうなのだろう。

そのような事故の頻発と確率論的に確からしさが高まることで、水素爆発防止装置が開発されて、この十年間でその対応がなされるようになっていったようである。

そうした状況を踏まえると、上の細野発言の意味合いが分からなかった。水素爆発の危険性を知らない専門家など世界に一人もいない筈である*2。

そうなると、細野は嘘をついているのか、それとも阿婆擦れ女のテプコや、性悪女のホアンインに騙されているのか?

あなたのついた嘘、ああ騙された私が悪いのよ。


*1:Patent Forschungszentrum Jülich GmbH, 52428 Jülich, DE, Buch Entwicklung und Untersuchung von Katalysatorelementen für innovative Wasserstoff-Rekombinatoren,
*2:Weitere noch bestehende Risiken, vor allem Wasserstoffexplosion



参照:
Ustream channel [1] (岩上安身オフィシャルサイト)
本日の統合会見 (山崎淑行記者まとめ)
ゼオライトか?、減酸か? 2011-06-08 | テクニック
風評より遥かに恐ろしい風雲 2011-03-23 | マスメディア批評
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ゼオライトか?、減酸か?

2011-06-08 | テクニック
福島でゼオライトが使用されるといわれている。最近は、洗濯や食器洗いなどの家庭電化にも好んで使われるような物質である。特に水を使わない洗濯などには今後さらに一般的に使われそうである。それでも家庭電化部門では本格的な導入は出来ていないようでその効果はまだ十分には認知されていない。

アレヴァのシステムのフィルターや濃し水槽などと考えると、水中にあるうちは熱を抑えることが出来ても、粒子状になった熱を放つ放射線物質をどのように扱うのだろうかと感じた。これに対しては小出助教などの見解を聞くと、猛烈な放射能と被曝の困難が言及されていた。汚水処理施設といっても通常の炉内よりも激しい放射能を大量に処理することへの懐疑である。

ゼオライトを石灰の吸着として使うこともあるようだが、ワイン醸造では石灰を減酸として利用する。これは丁度石灰土壌のリースリングが丸みが出るのと裏腹に所謂角が落ちて輪郭がぼけたリースリングになることにも相当している。たとえ如何に酸が強く分解に苦労したといっても容易に石灰に浸してしまうと折角の土壌が暈けて本当の高級リースリングとはならない。

要するに石灰土壌のフランスのピノワールなどとは異なり、飲みやすいリースリングほど安物で、飲む時期を選ぶリースリングほど上質なワインとなる。商売上は安物を沢山売るほうが良いのだが、安物は世界中に満ち溢れているのでドイツのリースリングは丁度自動車のように最高級でなければ意味が無いのである。

ドイツ最高のワイン産地フォルストにあるゲオルク・モズバッハー醸造所の試みはその意味からやはり見上げたものであろう。現時点ではいまだ嘗て無いほど鋭いリースリングとなっていて、おいそれとはまだ楽しめるワインとはなっていない。すでに購入したグーツリースリングあたりが飲めるぐらいで、それ以上のものはとても辛いのである。逆に、「石灰土壌」と呼ばれるドッペルクロイツの立っているヘアゴットザッカー土壌の丸みがついたリースリングなどが今飲める商品となっている。その反対にあるのが「雑食砂岩」であり、従来から出ていた「バサルト」とともに、完全にレープホルツを追いかけるような按配である。赤ワインに関してはご多分に漏れず2003年以降すばらしいシュペートブルグンダーとメルローを排出し続けている。

その最大の秘密はぶどうの栽培に違いないが、醸造においても発酵をステンレスで行うものと木樽で行うものを双方があり、細やかな「味付け」がなされているのだ。赤ワインなどは33%の新樽バリックであり、リースリングでは反対にフランスにも引っ張りだことなっているドイツの樽が使われている。
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