Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

緩和をそのまま示す難しさ

2013-01-07 | 雑感
クリスマスから本日六日の「三人の博士」までいったい何度同じCDを回したことだろう。特にクリスマスオラトリオの第二部は二桁の回数を回したに違いない。実演では十二月のフランクフルトの例会でバルターザーアンセムブルの演奏で聞いたのだが、到底比較できない演奏実践が廉価版のCD二枚に詰まっている。

ヘルヴェーッヘのバッハ解釈は基本的に変わらないのだが、初期のヴァージンレコードでの制作録音では現在のそれよりも粗削りながらとてもメリハリもある。同じ現象は同じシリーズのミサ曲集でも明白であったが、このクリスマスオラトリオの出来は更に良い。録音日時を見ると、ロ短調ミサと比べると翌年の89年、地元もゲントの教会での録音となっているが、録音技術的にも成功している。現在の同じアンサムブルの演奏や新録音ならば、更に批判的に彫塑されている細部はいくつかあるに違いないが、そのイントネーションなどは見事なものだ。

何よりもバッハの受難曲オラトリオとの比較が可能な曲の形式や創作の動機付けなどが見通せる演奏実践となっていて、鳴らし続けても局面局面にその創作全体での位置づけなどに思いを寄せると到底飽きないのだ。意外にこうした喜びの表現の音楽表現などは、深淵なそれ以上に困難なのは、悲劇よりも喜劇の方が演じにくいというのにも似ているのだろう。

まさしくそうした難しさがこの同じような受難曲に比較して馴染みを薄くしているのであって、バロックの楽曲としてあまり演奏されない名曲にして仕舞っているのかもしれない。しかし、その多くは演奏実践に問題があったことをこの制作録音が証明している。

シーズン24日目の日曜日の新人講習は、もはやクライミングの新人ではなくて、スポーツクライミングのそれになってきた。実際に登って見せたルートの平均難度は五級マイナスになった。分かりやすく体重移動も極端気味に全部で六本登ったが、その日の体調としてはかなり限界に近かった。クライミングダウンも一度しかしていないのだが疲れた。降参である。次回からは同じ程度のものをもう少しリードで登ってもらって、こちらが休まないとだんだん厳しくなってくる。

顔見知りの爺さんと相棒の医者のことを話したが、同じような年代でも既に技術的に身に着けている爺さんとは違うから、これからが勝負だと話した。爺さんは、「上背のある人はどうしても技術を身に着けるのが遅くなる」と言うのだ。新人との技術難度の差はまだスカラーで一以上はあるが、どちらとも上のレヴェルを登っていくことになるので、こちらも徐々に体の使い方が厳しくなってくるかもしれない。技術的にはまだ余裕があるのだが、完璧にこなす為にはそれだけの体力的余裕もほしい。



参照:
クリスマスの第一祝日 2012-12-25 | 暦
陶酔の中で和声学を学ぶ 2010-06-13 | BLOG研究
多義的ではない多様性の焦燥 2009-11-22 | 女
音の鳴らし方、緊張と緩和 2012-05-03 | 音
心も腰も和むように 2012-11-17 | 雑感 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする