Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

氷雨が予想されていた日曜日

2013-01-28 | アウトドーア・環境
日曜日はアイスレーゲンつまり氷の雨が予想されていたが、ほとんど降らず温度が上がりだしたので警報が解放された。外出禁止のお奨めが出ていたのは当然で、これが降ると道がスケートリンクになるだけでなく、走っている車もみんな氷に包まれる。いつかスイスから帰宅するとヘッドライトが氷の膜の中で光を失っていたのを思い出す。どうしても大規模な交通事故の続出は避けられない。

土曜日は、昼過ぎにアイスクライミングを終えて、仲間が持ってきていたアイスヴァインで祝杯を挙げて、友人のところに電話して、14時を過ぎるが温かい食事が欲しいと伝えておいた。着の身着のままで急行して、食堂に走りこむ。キッチンシェフのフランクのお奨めは黒板に載っていた小鹿のバンビの煮込みであった。18ユーロほどであったが、親父のフリッツに言わせると秘密だというのだ。禁漁時期だろうか、その訳は分からなかったが、食事後にいつもの私の散歩道を歩いてベンチで皆で記念撮影をして、森の小道に入ると猟師のスタンドが目に入る前に、缶からエサがこぼしてあるのが分かった。これは完全に違法猟だろう。あの地域の人を知っている私からすれば少し意外な気もしたが、中々の強かさが感じられて、改めて田舎の人の暮らしぶりを偲んだ。

散歩に行ったのも、運転手が飲めないといけないので、赤ワインを一本注文してから酔い覚ましの心算だった。その赤ワインはデュルバッハのピノノワールで「ヴィルト」とまさしく食事に合わせて名称されているように、大変満足のいくバーデンの赤ワインであった。農協のものであるからそれほどはっきりしたミネラルは感じられなかったが、可成り香辛料的な味が、恐らく培養酵母からきれいに出ていた。売値が18ユーロほどであるから、蔵出しは7ユーロまでのものだろう。良い心地も軽くとても良い質であった。なるほど今飲んでいる、ゼーガー醸造所の2009年産のブラウワーシュペートブルグンダーの方は、ミネラル感が強く、流石にドイツで有数のピノノワールだと思うが、上の2010年産のスパイシーさも飲みやすく仕上げてあるだけに美味い不味いの一般的な評価は何とも言えない。ブラインドで試飲してみて、培養酵母の使い方などが吟味できない程度の評価眼では評価が入れ替わることもあるだろうか?

シーズン三十二日目、三十三日目は、前者は早起きする前夜なので一時間も登らずに切り上げ、後者はアイスクライミングの疲れから、技術指導に精を出した。もっとも価値があったのは、小さな足場を十分使い切れていない新人に対してアイスクライミングの先端の爪で立つ方法との比較をした。つまり、室内でなく外壁となると更に小さな足場に摩擦で立たなければいけなくなるので、上から更に手を伸ばして壁へと足を押し付ける考え方と、蛙のように足を広げて這いつく方法との差異を示した。その対極にあるのが、まさにシュタイクアイゼンの爪で上からひっかける足場の使い方で、その時こそ足の親指の方向へと、まさしくスキーの内側のエッジングのように膝が内側に入ってこないといけないのである、その姿勢が取れてこそ初めてA姿勢としてバランスがとれでしっかりと立てるのだ。

そのことを若い八級を登る男に教えてやろうと思って誘ったにだが、ヴィーン帰りで約束があっていけないと前々日に断ってきた。そして、来週からシベリア並の寒気に包まれるから更に良いコンディションに期待すると夢のようなことが書いてあった。そして土曜日のメールが入っていて、惚けたことを言って間違っていたと笑わせる内容だった。こうなれば我々が撮った写真で思いっきり悔しがらせてやろうと思う。それにしてもカールツルーヘのエリート大学で学んだ割には、とんでもない天気予報で騙されるぐらいだから、エリートである理科系の学部ではなく文科系の卒業者に違いないと確信したのだった。



参照:
想定以上のアイスに遊ぶ 2013-01-27 | アウトドーア・環境
黒い森の新旧エコシステム 2012-02-15 | 料理
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