Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

パンチの効いた破壊力

2015-03-08 | 文化一般
ミュンヘンに問い合わせしていたティケットが入手できた。ナチョナルオパーでの「ルル」の初日である。このオペラの未完成版はザルツブルクで体験したが、主役の歌手シェーファーのあまり見たくない顔が大写しになるような演出で興醒めして、ドホナーニ指揮のヴィーンの劇場管弦楽団の演奏もあまり感心しなかった。理由は補完版のパリでの録音がとても強い印象を与えていたからである。なるほどこの指揮者の統制する軽やかな管弦楽団はそれはそれで素晴らしいのだが、やはりこのオペラやこの作曲家の音楽にはそれなりのパンチ力と破壊力が欠かせないのである。

うかうかしていて問い合わせが遅れたのだが、64ユーロのまずまずの席が確保できた。今度は、視界が効かない席を総譜席もしくは聴席というらしいが、それはやめて貰った。折角の新演出の初日であるからこんどは演出家チェルニアコフの仕事ぶりも見極めたい。歌手陣はあまり知らないが、暮れの「影の無い女」でも平均水準は流石に高いのはミュンヘンのオペラの地位でもあるのだろう。管弦楽団は、バイロイトで成果を示したようにペトレンコ指揮のもとでは全く不安が無くなるどころか、今までは聞けなかった音楽が奏でられるのを皆が期待するのである。バイロイトにおいてもピエール・ブーレーズのそれをいとも簡単に乗り越えてしまっていたのだが、さて今回のアルバン・ベルクではどのようになるだろうか。指揮者ペトレンコは、三十歳代であるのにも拘らず病気のためにキャンセルすることの多い指揮者で、2007年にはヴィーンの国立歌劇場公演を、昨年12月5日に次期監督への面接試験のようなベルリンのフィルハーモニカ―とのマーラーの六番をキャンセルしているなど、背中の痛みをキャンセルの口実に上手に使っているようである。その証拠にミュンヘンでは再演を熱心に振っていた。

春の月を写してみた。新しく入手したサイヴァショットでの撮影である。プログラムの細やかなつくり方やそのコンセプトはまだよく分かっていない。色々と試してみるとこうしてある程度写すことが出来た。三脚がないので窓枠に乗せての撮影であるが、予想以上にズームの揺れを抑えてくれる。コムパクトカメラでこれだけ地形が分かればまずまずではないだろうか?



参照:
竹取物語の近代的な読解 2014-12-31 | 文化一般
心躍らされるお知らせ 2014-09-23 | 雑感
意味ある大喝采の意味 2014-08-06 | 文化一般
コメント
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