二年ぶりにファン・フォルクセム醸造所を再訪した。前回は2013年8月だったから、中途半端な時期であった。今回は秋のグランクリュを予約するためにそれなりの傾向を判断することが重要であった。結論からすると、2013年以降質が向上していることが確認できた。その原因は公式には語られていない、それでもある程度の予想はついた。これが最大の成果だった。
2013年産以降なにがよくなったかといえば、現代のドイツのリースリングの基本である清潔なクリアーな味筋にある。これはVDPの高級ワイン醸造所には最低限求められるもので、この清潔さが増せば増すほど上位の醸造所となり、その価格も頂点を極める。ビュルクリン・ヴォルフ、レープホルツ、ロベルト・ヴァイルなど皆共通している特質である。しかしその中で天然酵母の自然発酵をなしている醸造所はビュルクリン・ヴォルフなど希少である。そのなかで、自然発酵の多いモーゼル地域の醸造所として、ファン・フォルクセムはある程度の質を維持して上を目指してきたが、ここのところその清潔度が俄然向上したのだ。新たな醸造蔵への投資とは直接この変化は関係ないようだった。
さて、先ずは「シーファーリースリング」を試す。清潔度はあるが雑味がある。数件の農家から買い付けた葡萄を使ったリースリングである。その価格9.90ユーロはロベルト・ヴァイル以上かもしれない。天然酵母とフーダーなら価格は仕方がないかもしれないが、ミネラルの質感が足りない。
次は、ザールリースリングで、以前に訪問したときは買い付け葡萄だったが、現在は自己の葡萄のグーツリースリングとなった。これを試すのは2012年以来であるが、価格も11ユーロと自信あふれる価格だ。全くロベルト・ヴァイル並みの高価格帯となっている。しかし、ヴァイルは2012年産を除いては全く木樽を使っておらず、天然発酵の技術力がない。どちらが品質が高いか?
次は、「フォルツ」のある「ブラウンフェルツ」のリースリングである。シュルツホーフベルクの川に落ちる村側の裾に広がる地所である。これは、以前からどうしてもラインガウのグレーフェンベルクと比較してしまう構成感が嬉しいが、まだそこまでは至っていないというのが所感であり、もう少し時間が掛かりそうだ。
7月にリリースされる「アルテ・レーベン」の樽試飲をして、2013年の質を引き継いでいることを実感した。明らかに2012年産までとは違うのである。理由は簡単だ。天然酵母の扱い方に尽きる。
「ゴッテスフス」の横にある「ロートシーファー」のファインヘルプもヴァイスブルグンダーもお付き合いで試すが、リースリングの酸に弱い人以外は価格からして態々購入するまでも無いワインだろう。そこで引き続き、樽試飲をさせてもらう。フォルツとゴールトベルクである。流石に現時点では酵母臭が強いが清潔度は再確認できた。2013年ほどよくはないかもしれないが2014年産も以前の濁酒とは全く違っていた。
最高品質を求める醸造所、いよいよ頂点を目指す体制が整ってきている。もはや毎年目を離せなくなってきている。ザールの品のよい酸の出方と品質、時間の問題であろう。
参照:
ザールリースリングの旨み 2012-08-20 | 試飲百景
スレンダーながら多層的な23歳 2014-10-16 | ワイン
2013年産以降なにがよくなったかといえば、現代のドイツのリースリングの基本である清潔なクリアーな味筋にある。これはVDPの高級ワイン醸造所には最低限求められるもので、この清潔さが増せば増すほど上位の醸造所となり、その価格も頂点を極める。ビュルクリン・ヴォルフ、レープホルツ、ロベルト・ヴァイルなど皆共通している特質である。しかしその中で天然酵母の自然発酵をなしている醸造所はビュルクリン・ヴォルフなど希少である。そのなかで、自然発酵の多いモーゼル地域の醸造所として、ファン・フォルクセムはある程度の質を維持して上を目指してきたが、ここのところその清潔度が俄然向上したのだ。新たな醸造蔵への投資とは直接この変化は関係ないようだった。
さて、先ずは「シーファーリースリング」を試す。清潔度はあるが雑味がある。数件の農家から買い付けた葡萄を使ったリースリングである。その価格9.90ユーロはロベルト・ヴァイル以上かもしれない。天然酵母とフーダーなら価格は仕方がないかもしれないが、ミネラルの質感が足りない。
次は、ザールリースリングで、以前に訪問したときは買い付け葡萄だったが、現在は自己の葡萄のグーツリースリングとなった。これを試すのは2012年以来であるが、価格も11ユーロと自信あふれる価格だ。全くロベルト・ヴァイル並みの高価格帯となっている。しかし、ヴァイルは2012年産を除いては全く木樽を使っておらず、天然発酵の技術力がない。どちらが品質が高いか?
次は、「フォルツ」のある「ブラウンフェルツ」のリースリングである。シュルツホーフベルクの川に落ちる村側の裾に広がる地所である。これは、以前からどうしてもラインガウのグレーフェンベルクと比較してしまう構成感が嬉しいが、まだそこまでは至っていないというのが所感であり、もう少し時間が掛かりそうだ。
7月にリリースされる「アルテ・レーベン」の樽試飲をして、2013年の質を引き継いでいることを実感した。明らかに2012年産までとは違うのである。理由は簡単だ。天然酵母の扱い方に尽きる。
「ゴッテスフス」の横にある「ロートシーファー」のファインヘルプもヴァイスブルグンダーもお付き合いで試すが、リースリングの酸に弱い人以外は価格からして態々購入するまでも無いワインだろう。そこで引き続き、樽試飲をさせてもらう。フォルツとゴールトベルクである。流石に現時点では酵母臭が強いが清潔度は再確認できた。2013年ほどよくはないかもしれないが2014年産も以前の濁酒とは全く違っていた。
最高品質を求める醸造所、いよいよ頂点を目指す体制が整ってきている。もはや毎年目を離せなくなってきている。ザールの品のよい酸の出方と品質、時間の問題であろう。
参照:
ザールリースリングの旨み 2012-08-20 | 試飲百景
スレンダーながら多層的な23歳 2014-10-16 | ワイン