Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

財政破綻などどこ吹く風

2015-06-05 | 試飲百景
水曜日は久しぶりにギメルディンゲンの石切り場に向かった。早めに向かったのでそこの開拓者で同行者のパンや親方と一緒にヨセミテを登ったヴォルフガングや地元のクライミング会の前会長に久しぶりに挨拶が出来た。肩の痛みは仕方がないがフランケン以降初めて登った。休みがあったので良くも悪くもリフレッシュが出来た。そしてフランケンの中間確保のよさのようなものをを石切り場で再確認した。また靴の摩擦は石切り場であってさえも雑食砂岩は優れていることを再確認した。五本ほど登った。身体ならしに翌朝山頂まで走ろうと思ったが起きてみると朝陽が強すぎる。夜中中窓を開けておいた気温にしては東向きの斜面を走るのは辛い。心拍系とGPSで初計測を断念する。

次の試飲会の前にザールでの試飲を纏めておかなければいけない。二件目の試飲でカンツェムという駅横のオーテグラフェン醸造所に行った。動向のザールヴァインさんのお付き合いで、超有名人ギュンター・ヤウフの醸造所ということで冷やかしのつもりだった。しかし一軒目のファンフルクセム醸造所で辛口もちゃんと出しているということを聞いて、ホーフの裏側のアルテンベルクの地所を見ているうちに本気になってしまった。アルテンブルク自体はフォルクセムの銘柄として知っているので概ね見当はついていてロートリーゲンスのような印象を持っている。しかし本格的に辛口を醸造するとなるとこれはこれで興味深いのである。

車を進めると、入り口前に駐車スペースが用意してある。まるで観光地のようなのだ。流石に有名人が当主となると俗物の冷やかし客が増えるからだろう。そして実際にホーフの中へと車を進めると立派なヴィノテークがあった。これならば観光客相手にも商売が出来る。しかしヴァッヘンハイムのビュルクリン・ヴォルフ醸造所などとは一桁も違いすぎて話にならないが、この規模の醸造所だから可也完璧に投資されている印象を受けた。先代は遠縁のケルンの病院の勤務女医さんだと聞いていたが、相手をしてくれた事務の女性はそのころからのパーソナルだとその話から直ぐに分かった。彼女らにしてみるとギュンター・ヤウフの名前で訪れる一見さんは疎ましい存在だろうが、ある程度事情の分かっているワイン街道からのお客さんならという意識はあって当然であろう。

こちらもそのワインの質が分からないばかりでなく、同行者の昨年の経験からあまりよくないということを聞いていたので、お互いにあ繰り状態の試飲となった。それで先ずはグーツリースリングに当たるMAXを試す。最初からシーファーの柔らか味があるのだが、2014年産は全く酵母臭があっていけなかったので在庫のある2013年産を試す。じっくりと味わうとなるほど雑味風のものと酵母風のものはあるのだが可也品のよい酸である。決して悪くはない。次にオルツリースリングに相当するカンツェマーを試す。これは同じ傾向ながら、その価格15,50ユーロとしてはもう一つ満足がいかなかった。そこで見切りをつけてMAXで話をつける。

リストには、ボックシュタイン、アルテンベルクなどのグランクリュが比較的購入しやすい価格で並んでいる。裾モノの二点からある程度は予想がついたので、先ずは様子見ということにした。代が変わってからまだまだ年月が経っていない。年間何十億も稼ぎ、最近はドイツでギリシャの財務大臣を独占で番組に招いたなどその活躍は頂点に達している。それでもワイン醸造所への意欲は夫婦ともどもあるようで、資産形成以上の熱意を示している様子も見られるので、今後が楽しみな醸造所の一つである。何も無理して金儲けに走らないでもよい余裕がなければワインの品質向上などは狙えないのである。

こうしたありとあらゆることを含めて、そのワインについての痴話話の種を収穫できて、初期の目的は達成された。今後とも顧客としてその発展に注目したい。



参照:
神の膝元のリースリング 2015-06-02 | 試飲百景
桃の味の正体である酵母 2015-05-31 | ワイン
コメント (2)
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