Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

足踏み状態の今日この頃

2016-02-28 | 文化一般
体調が思わしくない。なによりも足が不自由なので、身体のバランスを取るだけで大変だ。かなり全身に来ている。スキーツアーで二日目にあれだけ疲れたのにはそれだけの原因があったということだろう。実際に降りてきてから山小屋でも心臓への負担などを感じていて今までにはなかったことであった。それでも何とか動けたのは基礎体力があるということなのだろう。帰宅後も色々な負担があって独特な疲労の仕方が気になる。足の調子さえよければ一っ走りして体の調子を整えるところなのだが無理は出来ない。

スーパーに行くと、このところの野菜の値上がりに驚く。キュウリなどは、ドイツ製であろうがスペイン製であろうが、同じようなものが倍近くの価格になっている。その他の安い物を探そうにも概ね二割り増しか、物がとても悪いものになっている。仕方なくブロッコーリーとザワークラウトとチェリートマトを買っておいた。野菜は最終的には八百屋に行くからである。

チーズ類は、折からの四旬節で安売りも出ているが、もう一つである。コーヒーやヌードルは安売りを逃さずにしっかりと買い置く。肉類は、スベアリブがグリルしてあったのでこれも買う。トイレに洗剤などを加えて、直ぐに30ユーロになってしまう。日本などはなかなかデフレを抜けきれないというが、こちらは直ぐにインフレムードとなる。但し燃料や、シナからの輸入ポメロなどは価格が落ち着いているので、そうしたチャイナイムポート品に頼ることになる。そうしたことで、もはやドイツからシナへのエクスポートは減少して、世界最大の輸出国の交代の事情が顕著に表れている。

兎に角、体が弱っているので、今晩辺りは滋養強壮のために肉でも食して、サンテミリオンでも開けなければいけないと感じている。陽射しは強くなって、春らしくなってきたが、気温は朝晩の冷えで氷点下前後を上下している。運動が出来ないことで体調管理がとても難しい。まさに足踏み状態なのである。

来週からは新酒の樽試飲が始まる。2015年産のワインである。2014年産もまだまだこれからなので、いろいろなワインが楽しめる反面若干煩雑になってきている。数年経たないとこうした供給の仕方に消費者として慣れないだろう。

この十日間ほどでの最も話題となったのはウムベルト・エコ逝去のニュースだった。エコと聞くと、その記号論とRAIでの音楽プロデューサーとしての仕事をどうしても思い出す。その前にはベルリンで、ブーレーズ逝去を記念してのクルターク作品の初演などもあったようだ。いづれにしても、先日のバッハ組曲の演奏実践にしても記号論とは切り離しては全く議論が出来ない。

再三にわたって2009年の感想を読み返してみると、バッハの現代における価値がまさしくこうした記号論的な次元において輝くのであって、それもバッハ以後の読み替えではなくて、バッハ自身が伝統として受け継いだそれの読み取りであるとするここでの議論が漸く一つの結論に達しているのを感じる。勿論天才少年キット・アームストロングの教育程度からそのようなことが前提となってリゲティ―との組み合わせが行われたのであって、それはバッハ以前を強く意識していることと同義であったのだ。今、これを書きながら、アンティカ・ケルンのアルバムからバッハのそれらの組曲を流しているが、こうして比較するとサヴァールの知的な感覚はやはり隅に置けないと思う。



参照:
バッハ最前線から現状報告 2016-02-26 | 音
ピエール・ブレーズ追悼記事 2016-01-08 | 文化一般
バラの名前の閉じられた世界 2011-06-21 | 女
外交官なんて不要か? 2010-12-21 | 文化一般
引き出しに閉じる構造 2007-01-11 | 文学・思想
コメント (2)
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