Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

モンサント買収の意味

2016-05-26 | アウトドーア・環境

バイエル社モンサント買収へのオファーは55ミリヤーデンオイロ(66ビリオンダラー)だったが、それは拒否された。この額は過去二月間のモンサント社の株式総額の三割増しとなっている。その拒絶を受けて、再度財政状況を精査してオファーがなされるとするのが朝のラディオのトップニュースだった。

バイエルの目論見は、合衆国でも特に農業が外国人の手に握られるとの危惧があるようだが、そのバイオ種子技術の売り上げはここに来て初めて縮小していて転機にあることは間違いなく、モンサントの買収は避けられなく、そして農業の産業化も一方においては1960年代からの発展が終焉して同様に転機に立っているとされることが背景にある。

欧州においては、その影響での環境のモノトーン化から多様化へとエコ農業へと方向は変わって行ったが、まだまだ世界の人口増加を補うための農業の産業化は必要とされている。アジアやアフリカの貧しい地域を中心に飢える人は後を絶たないが、その多くは生産量の問題であるよりも均等に国内に食料が行き渡らないことにあるとも言われている。

要するに農業の産業化はまだまだ避けられないだけでなく、それだけでは土地辺り僅か4%の収穫上昇しか計算されないが、実際には46%以上の穀物量の増加が必要とされている。バイエル社のこの分野における世界戦略はこのように明快である。

昨日書いた納豆の話はそのように実は奥が深い。EUの原産地認証など、例えばチーズを例にとると分かるように、細かな相違を明確に定義することでその地方性を守るということになる。地方性とは地方文化であり、グローバル化と対抗する概念である。実際は国単位や民族単位などではなく地方単位であることからこのローカリズムの話が始まる。要するにグローバル化に対抗するのは地方でしかないということだ。その地方のものがスタンダード化するときにその地方特有の文化はグローバル化して消滅すると考えてもよいだろう。

今回日本から入手したかったものは、「鮒ずし」であり「くさや」だった。残念ながら前者はあまりにも高価なので断念した。後者は八丈島からの直送品を入手した。そもそもくさやの想い出は十代の時にしかなく、八丈島も知らない。実際に焼いてみるとやはり臭かったが、記憶にあったものよりも上品なもので、納豆と同様にそれほど疑われるようなものではなかった。

くさやにミュラーカトワール醸造所のグラウブルグンダーを合わせてみる。ブルグンダー種は殆ど買わないが、この醸造所のピノグリは以前にも買ったことがある。その時は酸が効いていたからだが、2014年産が一年経っての味わいはバランスに尽きる。酸が効いていない分苦味がアーモンドのようでありヘーレンレッテンの石灰質の土壌を反映していて、リスリングでは好みの分かれるところとなるが、これにはフランス人も全く文句が無いだろう。そしてグースベリーの趣は秀逸である。高級ピノグリである。それでも試飲会であったようにマグロと海藻の和え物にあったように。くさや飯にも納豆にもそれほど問題はなかった。但しそこらじゅうが匂うような状況ではやはり繊細な香りや味は分からなくなった。herrenletten



参照:
MACアドレスの安全策 2016-05-25 | テクニック
モンサントがバイエルになる 2016-05-22 | アウトドーア・環境
芳醇なバラの香りの白ワイン 2012-03-24 | 試飲百景

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