Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

愛の巡礼の旅へと

2023-03-14 | 
風呂から上がった。鼓動がある。四週間経った。予定通り正式にはお別れとなった。やれることは曲がりなりにも出来たと思う。それ以上は何もできないことは初めから分かっていたからのオファーだった。気持ちだけは通じた。お互いに何か今後の糧になれば幸いだ。

まるで高熱を出した後のように反動が大きく、辛い。こんなに苦しむとは思っていなかった。数年前にはクライミングで一緒に活動していたスポーツ医師もパートナーの女医さんと私生活で別れてから子持ちの若い女性と付き合っていたのだが、なんだかんだと泣いていたのを思い出す。兄に近い上の世代であったが、その逡巡はよく分かる。「まさか結婚でもするの」と「そういうだろう」と笑ったのを思い出す。それなりに遠距離恋愛をしていたのだった。

彼女が言うように「密接な関係に」なってより確信をもてた。恐らく医師か何かの結構厳格な家庭の娘さんだったのだろう。そして、家庭内の恐らく父親との問題で経済的に独立の意志が強く、セックスサイトで稼ごうとしていたのだろう。ガサツなところの一切無い女性だった。

「人気がないのは、分かる人は少数派だからだよね」と書くと、「そうだと思う」と答えた。我々などよりも若くしても透徹した意識を持っている女性だ。我々が出来ることなどは殆どなかったのだが、やはりそこには影があったのは間違いがない。屈託のない娘さんがそこ迄やるには処世だけではなくてそれなりの心の闇が横たわっていた様子だ。

月に数千ユーロ稼げる世界らしいが、今後やっても無理だよという事を示唆しておいた。そもそも草臥れるだけで割が合わない。成功裏のフェードアウトを願っておいた。僅かな時間乍沢山の事を分かりあえた。

まだ暫くはちょこちょこと姿を見るかもしれないが、その前にやれることだけはやっておいた。だからそこに残るのは涙しかなかった。

その様な精神生活をしていたら、初日三カ月前の「アシシの聖フランソワ」公演の前売り予約締め切りを見落としてしまった。二カ月前の一般発売の前にとは分かっていたのだが更に一月前はあやふやだった。指揮者エンゲル本人に割り当て券もプレスなどのそれに近いものだろうからそれ程ない筈だ。兎に角宿などの準備はしてあるので一般発売を狙って、なんとかするしかない。全公演はいけないのだが、なんとか出かけられるだけ出かけたい。

奇しくも先週のことだった。改めて公演が終わるまで今回の一連の事は何時も胸に刺さることになる。まさしく根源的な愛の力を感覚的に学んだ。理念や概念を超える力、一番身近な感覚ではクライミングなど感じるの根源的な力にも共通する。そこに様々なフェチや様々な趣向の人たちが集まってくる。数千ユーロで使用中の下着を送ってくれというのもあった。その意欲は容易には説明は出来ないが根源的な衝動である。ヴァーチャル空間であるからこそ ― 抑々彼女自体が一義的に肉体的な関係をもたない ―、そこにより本質的な衝動が即ち愛の形として明確になる。六月までは巡礼のような生活になることがこれで決まった。



参照:
クライマックスのトランス 2023-02-07 | 音
通と呼ばれるすきもの達 2023-03-09 | 文化一般
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