Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

キャリア志向の俗物記事

2011-11-16 | マスメディア批評
無料でお試しでFAZ新聞日曜版が一月ほど配達される。このようなお試しは日曜版が出来てから数年ぐらいになるだろうが、五回目ぐらいだろうか。お試しの感想などを聞かれて、あれが無いこれが無いと答えて、購買する気は無いと断っている。無料であるから無為に断る必要もなく、こうしてネタがあればそれだけで良いのだ。

普通版にはあまり無い社会面でイザールの原子力発電所が取材されていて、所長から見習いまでが取材されている。内容は、二号機が世界で最も安全な炉としてシナや日本から見学に訪れるのとは裏腹に、福島を受けて、古い一号機ではその直前までは操業延長であったのが即時停止になった状況と驚きが語られている。

福島は只単にテプコが横着な津波対応をした故の人災であるとの見解に続いて、原発はそうした一億分一の確率にも備えていなければいけないと、イザールの原発の安全性が強調される。それどころか、世界で最も被曝量が少ない社会人は原発の従業員だと説明する。

なるほどそれを証明するかのように、使用済みの核燃料冷却プールの横で写真撮影とインタヴューが行われていて、プール水面の放射線量は自然の放射線量よりも少ないと豪語する。

福島を受けてモラトリウム処置で緊急停止をしたために通常ならば二年程が燃料棒を取り出すのに五年程掛かり、福島の爆発は十五分おきにTVで見せられたらたまらないとテプコを怨む。

記事の内容は、ありのままの反応とそこで働く人々の営みを伝えているのだが、所詮我々読者にはどうでも良いことなのである。

さらに社会欄を見ると更に酷い。スチュワート・ピゴというワイン評論家らしきが記事を受け持っているのだが、どうでも良いことを毎週「混ぜもの無しのワイン」と称して繰り返しているようだ。2011年産の出来をいろいろと語っているようだが、一体そうした内容を読んで興味を持つのは、ハムブルクとかベルリンとかミュンヘンに住む俗物人だけだろう。少なくともフランクフルトに居ればそのような情報は直接得られるもので、態々纏めて貰う必要などないのである。2010年産の出荷量が少なく売り切れたので急いで醸造出荷するまさしくヌーヴォーワインが2011年産ワインの価値を下げるだろうとか言うのは評論家が書くことだろうか?まるで、生産者に近ければ誰でもわかることを態々新聞に書いてみせるまるでなにか業界に近いような優越感を示したい芸能記者や政治記者のどうでも良い情報である。

日曜日にパン屋などでこの日曜日版を手に取る者の顔を見ることはあるのだが、一体どうした社会層が購読者なのかもう一つ分らない。メルケル首相が国賓としてワシントンを訪れた節に合衆国の新聞コンテストで優勝した日曜日版であるが、どうも平日に情報を入発信しているような人が読む新聞ではないらしい。日曜日までそのような読み物は必要ない。読み物はあり過ぎて困るのだ。そもそも日曜日に働こうとする心がけが間違っている。明らかに教養の低いシナ人のようなキャリア志向の向上心旺盛な購買層向けの俗物新聞である。もし次の機会に感想を求められたら、「私ども向きの新聞ではありません」と簡潔に答えてやろう。



参照:
襲い掛かる教養の欠落 2007-07-27 | 雑感
旧大陸での人権の保障 2007-02-13 | マスメディア批評
暁に燃えて、荒れ狂う 2005-08-30 | 歴史・時事
呵責・容赦無い保守主義 2007-11-19 | 文学・思想
啓蒙されたユダヤ人と大俗物 2009-11-01 | 文化一般
旨味へと関心が移る展開 2009-11-07 | 文学・思想
誉れ高いモンツィンガー 2009-10-06 | マスメディア批評
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地盤に立ち上げれ、農民!

2011-11-15 | アウトドーア・環境
金曜日の夕方のラジオが伝えていた。核廃棄物の最終処理場に関しての議論である。北ドイツのハムブルクとベルリンの間に位置するゴーアレーベンが有名だが、そこの問題とともに南ドイツの廃棄物は南で片付けろという意見もあり、現在フィリップスブルクなどに積み上げてある高濃度放射性廃棄物をバーデン・ヴュルデンベルクへ持っていこうという話である。

バイエルン州やヘッセン州は、その処理場に関しては硬派であり、様々な地質学的な安全性がそこで議論されていたのである。つまり、北ドイツのそこでは岩塩の屈であり、バイエルンならば花崗岩となり、バーテン・ヴュルテンベルクでは粘土質の土壌が議論される。

粘土層が百メートルほど分厚ければ、水漏りすることが無く、その点では安定性があるが、変質や過熱されるため通熱性では、砂岩などとも比較されるようだが、少なくとも割れ目が行く花崗岩よりはましということらしい。

それでも最終的には深く地下に埋められても、地域住民の賛意が必要であり、実際にはボーデン湖の北側からウルムなどのバイエルンのシュヴァーベンへと掛かる地区で選定されるとなる。

いづれにしても原子力発電所の安全性などよりもトイレが無いと言われる死の灰の処理の方がどうしようもない。来年には、ラ・アーグから一ダースほどの廃棄物が、セラフィールドから21個の廃棄物が処理されてドイツへと戻ってくる。

日曜日に報道された、トラクターでの国境を越えてのフェッセンハイムへのデモ行進は、農民の力を見せてくれる。福島ではっきりとした制御できない原発は、人や食物だけでなく、土地を故郷を駄目にしてしまうのだ。農民が立ち上がるのは当然である。

玄海発電所の再開問題は大変な批判を浴びているようだが、農民が立ち上がらない限り駄目である。TPPの善後策にあるように農業への補助金などはもってのほかである。農民は集りではない、土地とともに自立すべきなのである。



参照:
Gibt es etwas Besseres als Gorleben?,
Proteste gegen Weiterbetrieb des AKW Fessenheim (SWR)
イデオロギーよりアイデア 2009-10-18 | マスメディア批評
核融合へと舵を切るエネルギー政策 2010-02-02 | 女
解体する原子炉が旨いのか 2011-06-23 | テクニック
核廃棄物の無毒化の錬金術 2011-06-24 | 数学・自然科学
ベルリン、原子力の創世と終焉 2011-07-07 | 歴史・時事
田中さんの出入り禁止事件 2011-11-06 | マスメディア批評
一体どこまでインフレーション 2011-11-14 | 生活
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一体どこまでインフレーション

2011-11-14 | 生活
土曜日のスーパーで気がついた。インフレである。ユーロ安とその危機から公定歩合が下がり続けていて、インフレ警戒値を既に越えている。マルクからユーロへの切り替え時を除いてこれほどの価格変動を感じたことはなかった。

一例だけを挙げれば、ザウワークラウトの袋詰めが60セント台から70セント台へと上げっている。牛乳も同じで、変動の大きいきゅうりも一ユーロに迫っていた。スパゲティ500Gが39セントが49セントと上げっているようで、物によっては三割近い上昇率である。

こうなれば、連邦共和国は輸出産業国なので、輸出量が伸びなければいけないのだが、再生エネルギー関連で何処まで急上昇するかが鍵であろうか。既に従来型の原子力を動かすような電力会社は大きな赤字を出しているようで、産業構造の変換がダイナミックに進んでいるのだろう。

さて土曜日午後に第一報として、福島第一原子力発電所にはARD西部ドイツ放送の何時ものアプレッシュ氏が細野大臣に同行して、三十人の取材陣がバスから一歩も出られない500マイクロSvtの高空間線量を確認して、吉田所長も福島県人として最低三十年間掛かる逸早い安定化を望んでいるとするインタヴューを伝える。

日曜日早朝のラジオは一週間前に再稼動されたアルザスのフェセンハイム第一号機に向けて、ドイツなどから抗議の耕運機などがデモンストレーションに出発したことが伝えられる。危険な原子炉を稼動させる責任は近隣の市民にも責任がある。金をばら撒かれて被害を被ってから文句を言ってもはじまらないのである。先ずは全てをかけて抗議活動をすることしかないのである。

土曜日には連邦共和国のフランクフルトの金融街やベルリンの官庁街でオキュパイ運動に連動して、アタックなどの反グロバリズム団体が大規模な抗議運動を展開したとニュースは伝える。

木曜日の赤い紅葉の写真を撮ろうと思ったら、既に落ちてしまっていた。八キロコース、高度差約300Mを、11分の平地、山登り23分、水平道6分、下り13分で〆て53分。走りはピッチを上げてストロークよりも運動量を上げてスピードを上げる可能性を広げた。特に下りで、重い靴を吐き出してからなかなか14分を切れないところを13分で走れたことから、腕の振りを生かしたピッチ奏法が現在唯一のスピードアップの方法と確信した。お陰で山登りの部分で、落ち葉が落ち積もり濡れて滑りやすい足元の悪さもあって、足が攣りそうになった。腰に張りを感じるが大丈夫であろう。



参照:
Tagesschau (ARD) - 12分30秒から
Kamikaze-PR der Woche (NDR/ARD) - おまけ・園田政務次官の一気飲み
距離の伸びそうな冬模様 2011-10-25 | 料理
適当に行程表などを作成して 2011-05-15 | マスメディア批評
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放射性塵で胸一杯!

2011-11-13 | マスメディア批評
ベルリンにある元RIAS放送交響楽団であるドイツ交響楽団が福島で慰安演奏会を催したようだ。ライプチッヒの四重奏団のときも連邦共和国国民の健康への影響が危惧されたが、今回はFAZのチーフ音楽評論家のコッホ氏が同行している。ヴルフ大統領と同じく若い人ではないので問題は無いが、管弦楽団の弦楽奏者は如何であったろうか?少なくとも食事も考慮すれば危険地帯であることは間違いないので、先ずはその勇気を賞賛したい。

管弦楽団本体と同じように指揮は日本人佐渡が受け持ったようで、この企画特に仙台の南にある名取でのコンサートに深く関与していることが語られる。三十七万人の町の九百人が死亡したまさしくアポカリプス・ナウ三位一体の町である。

そこで演奏されたのは指揮者がどうしても演奏したかったチャイコフスキーのセレナードであり、バッハのアリアやアイネクライネナハトムジークが二百人ほどの聴衆を前にして披露された。

そして日本人の礼節の形式的な裏側を見るようにして、指揮者ともざっくばらんな話が出来たとして、バーンスタインのチャイコフスキー論に始まって、反利己主義を表明する日本で、なぜあれほど主体の権化であるベートーヴェンが演奏されるのかに対して、ピューリタンのアングロサクソンに主観的な音楽が好まれるのと同じだろうという結論に達したという。

そうした事情を反映してか、武満や黛や細川をレパートリーとする佐渡からは結局ドイツの若い作曲家の音楽が紹介されるわけでもなく、興行主の意向でベートーヴェンやモーツァルトやチャイコフスキーやドンファンやラフマニノフを、指だけ回りまるで富士駅で通過する新幹線のような恐ろしいテンポで弾き回る若いピアニストが加わるプログラムを聞かされたようだ。

新幹線の福島の駅を車窓から見て閑散としていたとあり、長年の日本通の者に言わせると東京のそれも往時とは異なると聞かされる。立派なホールがそこかしこと立ち並ぶ日本の環境を体験しての赤裸々な感想を「ベートーヴェンと日常化を求めて」と題して書き連ねる。

福島では本日若い女性による駅伝が開催されたようだ。折から福島の事故後初の見学を終えた世界の報道陣は何を伝えるのだろうか?避難推奨地域で胸一杯にアルファー線やベーター線を放出する放射性塵を吸い込ませて、それをして復興とかを語るのは変態的なサディズム以外の何ものでもなかろう。そのような破廉恥な蛮行を許すのは誰だ。



参照:
Mit Beethoven auf der Suche nach Normalität, Gerhard R. Koch, FAZ vom 11.11.2011
情報の隠蔽も未必の故意 2011-07-01 | マスメディア批評
彼らの勇気と行動を讃えよう 2011-06-27 | BLOG研究
現実認識でのプロとアマチュア 2011-11-10 | 歴史・時事
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初めての十一回回数券

2011-11-12 | 
冬のシーズンを始めた。先週は中途半端な天候で室内で汗を流すという雰囲気ではなかったから一週間遅れた。それでもクライミングホールは、同時に48ルート登れるメインホールに七組ぐらいしか居なかった。延べでも夜の三四時間で二ダースほどの人数だったろうか。まだ外が本格的に冷え込んでいないので少ないのだという。

この時期は急に日が短くなるので、陰鬱となるので、余計に汗を流したらよいのだが、なかなかそれも儘ならないのが人の性である。

先の天気の日曜日も外で登ってきたと言うスポーツ医師と、4-から始めて6-までを三時間みっちりと登った。先シーズンの終わりの時点と比べると明らかに丁寧に完璧に登れるようになっており、更に変更後初めて登るルートでも殆どものに出来た。

足腰と上半身の筋力の瞬発力と持久力が強化されていて、三時間でもまだまだ余力があったので、今シーズンの先が楽しみである。

最近は仕事でマインツへと往復していると語る我々のセクションのスポーツクライミングの指導者に出会った。安全ベルトの足紐の吊りの長さを直してくれたのだが、既に室内で何度か登っているようであった。

次は、ザイルを使ってスポーツ医師にリードする練習をして貰う予定で、自ずと今回は僅か二本だけであったオヴァーハング領域での割合が増えていくだろう。腕力に偏重した登りであったが、最近は意識してクライミングダウンなどを合わせて練習しているので大分技術力が増してきている。

対照的に私自身は、ダイナミックな身のこなしが徐々に強化されてきているので、全身のばねと体幹を強化することで、空中姿勢を安定させたいのである。

板の間の床をクライミングシューズで歩きトップロープにぶら下がったので、どうしても腰に張りと違和感を覚える。腰痛とまではいかないが、そのようにならないように鍛えなければいけないのである。

それにしても冬場に室内で体を温めて、柔軟に運動できることの素晴らしさを今年ほど感じたことはない。十一回回数券を買ったシーズンの進展がとても楽しみである。



参照:
炎がむらむらと燃える思愁期 2010-11-06 | 暦
腕力勝負の壮絶な戦い 2010-11-23 | 生活
足に合うイタリアの靴型 2011-03-03 | 生活
肯定に満ち溢れる朝食の悦び 2011-02-07 | 料理
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腰の快調でいざ再起動

2011-11-11 | 生活
一週間以上ぶりに体を動かした。腰の調子も完璧であったので、走りたくなったのである。パンを取ってから、霧雨の中を短い時間ながら二キロ少々を走った。

思いがけず、森の紅葉は赤みを帯びてきていて、今まで見た中欧の紅葉としては最も赤い。残念ながらカメラを忘れたので、二三日すれば終わっているだろう。

今年は暖かさがぶり返したので、紅葉しだしてからの寒暖の差が例年よりも大きかったのかもしれない。

どうかすると頭痛もして、決して体調は良くないのだが、走ると代謝が良くなって快調である。何よりも節々の傷みがなく、快調に感じるのは素晴らしい。

距離は一向に延びそうにないが、川沿いの道を最後の直線へ出るカーヴを過ぎたところで折り返して十二分であった。もう一息距離を伸ばしたい。

長袖でも発汗する量は減少して、それでも手が冷たくならないのでもう少し乾いていれば走るのに丁度良い気候である。

兎に角、就寝時に腰に違和感を抱かないで熟睡できるのがとてもうれしい。

飲み代が尽きてきたので、2005年産ゲリュンペルを開けた。先日来比較的旨く熟成しているものに当たっているからだ。結論からすると開けて間違いなかった。酸の関係でこれ以上置いておくと所謂熟成香が出てくる趣があった。流石に残糖感は二日目も出ないで、醸造の技を見せ付けた。その反面、先日のビュルガーガルテンのグローセスゲヴェックスと比べるとやはり弱い。価格も安いプルミェクリュとしては十二分に元が取れた。酸の強い2011年産などは十年は間違いなく新鮮に熟成し続けるだろう。さて、2007年産はどのようになっているのだろうか。



参照:
次に緑が来るまでになすこと 2010-11-05 | マスメディア批評
将来への都合の良い感覚 2009-11-16 | アウトドーア・環境
気象温暖化の具体的な影響 2009-11-15 | アウトドーア・環境
ザウワークラウトナイトライフ 2009-10-26 | 暦
初冬の力強い気持ち 2008-11-07 | 暦
我楽多のリースリング 2004-12-13 | ワイン
旅の終わりの2005年産 2006-05-22 | ワイン
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現実認識でのプロとアマチュア

2011-11-10 | 歴史・時事
カールツルーヘの核研究所で働いていた人の話である。そのガイガーカウンターの初期化に大分に時間と人手を掛けていてと言うことだった。そこからもわかるように、相対的に放射線量を比較することは素人にも出来ても、絶対的な数値を測ることはなかなか難しそうである。

その意味からは、日本国が福島で計測した資料を元に、今中哲二助教のチェルノブイリでの研究結果を参考にして、内部被曝の専門家である矢ヶ崎克馬教授が福島市と郡山市の現状を語るその内容は途轍もなく重い。

現在その前者の三割以上、後者ではその半分ほどの地域で避難が推奨される。そうした地域で今後起こる健康被害を、チェルノブイリ事故における同程度の汚染を受けた町を参考にして大胆予想している。その内容を聞いて、平静で居られる人などいるのだろうか?

その健康被害の状況は、統計上の数よりも遥かに実感を放つものに違いない。一割ほどの子供たちが甲状腺障害で疾病して、更に一割が甲状腺癌となる。このように高い子供の甲状腺癌の発症率は我々が通常経験する現実ではない。一体、同じ小学校の何人の子供が、五年から十年の間に甲状癌の手術でメスを入れているだろう。そのような話は聞いたことがない。それも環境には行政区画などはないので、ホットポイントを含めて同じような健康被害は東北から関東へと広域に広がるのである。

なるほど、チェルノブイリの場合は牛乳を通してヨウ素被曝が更に広がった。福島の人も同じように初期には汚染物以外は殆ど口にしていない筈である。それは首都圏においても同じであった。口に入ればそもそも半減期の短いヨウ素は証拠も残らない。それを官僚は計算していた。セシウムがあるところは同じようにヨウ素汚染が甚だしかったのである。

殆どは最初の数日間にヨウ素剤を投与しておけば防げたのである。それをさせなかった官僚や政治家の責任は必ず追及されるべきなのである。専門家はファックスを役所に送り、SPEEDIの結果も官邸に送られていたと言う。そこにはサボタージュがあったことは殆ど確実であり、彼らは重大な罪を背負うべきものである。

しかし、そうした大惨事を今からでも僅か少しでも減らすことが出来るかもしれないとして、最大限の努力をするのは当然なのである。もはや福島の少なくない人は、移住すべきである。それを公的な支援で可能にすることがサボタージュの罪へのせめてもの償いであろう。

専門家の今中助教でさえ、福島の爆発を観て涙して、福島の人たちを見てチェルノブイリのそれでも故郷に残る人たちの「環境」が初めて分ったと言う、専門家と言われる人でさえそうなのである。預言者ではないので、幾ら専門的に研究をしていても、先が読めないのである。

今後も一つ一つ現実が明らかになっていく、それに対応するようにして事後対処としてしか行政は動かない。しかし、全ては不可逆な事象であり、事後に対策を練ってももはや機能しないのである。癌に倒れていく子供たちは戻らないのである。



参照:
矢ヶ崎克馬教授の記者会見とインタビュー in 福島 (IWJ)
何がために不愉快な存在 2011-06-22 | 歴史・時事
遅過ぎた自主避難などない 2011-10-04 | 雑感
自らの権利を自ら掴み取れ 2011-10-24 | BLOG研究
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ファンデルスワールス感

2011-11-09 | 試飲百景
秋に逆戻ったような日曜日だった。二年ぶりに訪ねるのはノイシュタットの山沿いの城の下に立ち並ぶ瀟洒なヴィラである。ミュラーカトワール醸造所は1990年代にステンレスを使った清潔なリースリングで名を成したシュヴァルツ親方の力もあり、ドイツで最も急成長した中堅の醸造所として有名であった。

そして親方の2001年の引退後、その品質で断層を埋めることが出来ずにきた。そして、最後に訪ねた2009年の試飲会ではその大きな変換点として木樽の必要性を話したものであった。

試飲会前に開けた2005年産のビュルガーガルテンのブロイメルと呼ばれるグランクリュがその残糖感に拘らずなんとかバラの香りも漂ってものになっていたので、期待して出かけたのであった。

結論からすると、今度は木樽の使い方は議論しなかったが、一定の割合を増やす方で使っていることは確かで、それなりの効果は表れており、グローセスゲヴェックスとして割安のそれは買いであった。

価格的に、フォルストのゲオルク・モスバッハーのウンゲホイヤーなどは殆ど同じ価格帯となっている。その価格として、全体にアルコールを上げているこの醸造所の中でも13.5%と最も高く、糖を十分に落としながら、ミネラル感を強く出している。問題は、減酸した酸が今後どこまで効いてくるかであって、少なくとも批判と対象となっていた重さはどのワインからも消えているのである。

その中でも興味を持ったのは、三種類あるラーゲンヴァインで、ビュルガーガルテン、マンデルガルテン、ヘーレンレッテンとその土壌の個性を巧く出していた。最初のものは若干酸が弱い感じを受け、最後のものはその特性からあまりにスマート過ぎで弱さを感じる。丁度ビュルクリン・ヴォルフの2010年産ヴァッヘンハイマーが、ベーリックよりも一般受けがするように分りやすいワインである。そのベーリックと比較できるのが、まさしく真ん中のマンデルガルテンであり、まだまだ酸・糖・果実風味等がばらばらに混在しているのである。いずれ瓶熟成の過程を経て明確な輪郭を現すだろうがこうした混沌は必ずしも否定的ではなく、2010年産の一つの特徴として明記しておきたい。

どちらかと言えばそうしたふっくらとした環を描いたようなファンデルスワールス力を想起させるような結合と浮遊は、女性に好まれるようで、男性でこの魅力を評価する者は可也のワイン通と思われる。よく言われる角の立ったワインの方が分り易いのである。

2009年産のムスバッハのワインも売れ残っていたが、これは逆に酸が丸くなってしまっていて苦味だけが目立ち全く良くなかった。若干葡萄のプレスや扱いなどに問題があるのではないかと思わせた。

その他の2010年産オルツヴァインである、ハールト産やギメルデリンゲン産も同じ傾向があり、更に最後のものは石灰による助酸が効き過ぎで、これならば三ユーロほど高くとも酸が効いたクリストマン醸造所のものを取るだろう。

ブルグンダー種では、ヴァイスブルグンダーは三種類で高価なものにバリックが掛けてあるがこれはあまりどうでも良い印象で、寧ろグラウブルグンダーはバリックを掛けていないものが10ユーロで酸が効いていて気に入った。バリックの掛け方はまあまあであり嫌味はなかった。

もう一本購入できたのは、2009年産ハールトから造ったゼクトで、価格12ユーロならば買いの綺麗なリースリングゼクトとなっていた。

今回寧ろ注目したのは、甘口のリズラーナー種のワインである。甘口と言えば強烈な酸とその個性でリースリングのトロッケンべーレンアウスレーゼやアイスヴァインが有名であるが、それよりも粒が小さく早く貴腐によって干し葡萄となりやすい、このリースリングとジルファーナーの交配種が試されている。その結果は比較的量感のある酸と糖のバランスに表れているようで、瓶での熟成は分らないが、試みとしては成功している。



参照:
オープンに対応出来るとは 2009-11-09 | 試飲百景
厳寒の忘年会での散財 2010-12-04 | 暦
待降節ストレスを試して流す 2009-12-23 | 試飲百景
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関節などが疼く今日この頃

2011-11-08 | 生活
バイオウェザーが今一つである。日曜日は暖かかったのだが、一汗流してという感じにはならなかった。試飲会もあったが、それ以上に肘関節などが疼き気味であった。

先週は風邪気味の感じで、週末の暖かさが終わって、再び冬らしくなってきた。体調を崩しやすい気候で、まだ暖房を強く入れるわけでもなく厚着しているわけでもないので、中途半端に寒かったり暖かったりして難しい。

そのような生活であるから、食欲ももう一つ盛んではなく、新陳代謝が留まっていると言うような感じである。関節などが疼くと無理して運動をする気持ちにもなれない。
コメント (2)
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責任を果たせ!然もなくば、

2011-11-08 | マスメディア批評
田中さん出入り禁止事件で、意識の強い有権者は気が付いたに違いない。何に気が付いたかは、月曜日の統合記者会見にも顕著なヒントが散見されたのだが、先ずはユルゲン・ハーバーマスがギリシャ金融危機を巡ってエッセイを書いているので、それを掻い摘んでみる。

ギリシャのデフォルト危機に対して、ご存知のようにEUの盟主である独仏の首相がパパンデオウ首相を恫喝したことを非難して、それはポストデモクラシーへの警告であるとする。

国民投票への道を掲げたことで、金融市場の金の亡者を代表とする資本主義者と広く国民の公共の富を追い求める政治組織との「秘密謀議」をEUの次元へと押しやった手腕のみならず、前者を代弁するファイナンシャルタイムをして「本来は、事案が憲法改変ではないので、寧ろ議会が決定するもの」と書かせたように、民主主義の尊厳を救ったと評価する。

つまり、統合会見でも確か週刊誌のジャーナリストが園田政務次官の「大本営発表への統制意志」表明に対して、「政治家に、有権者は、官僚のスポークスマンであってもらうのではなくて、我々の代弁者であって欲しい」というような明白な願望を訴えたが、それをしてハーバーマスの言葉を借りると、「政治家は、平時における一般市民の興味と専門家の指針を結びつけるのみならず、権力が全てを解決出来ない逸脱した状況でリスクを犯して、市民を納得させるだけの憲法規定内での新たな道を開くことが要求されている」となるのである。

それは、G20が制定した世界機軸二十銀行機関の制定と協調を盛り込む必要のあった、80年台以降のインフレ対策などをはじめとする国の予算執行では状況が変えられない構造の中でも、欧州内において決して餓死者などは出してはならない社会の安定と、EUは決して一連邦ではなく共同体であるとする環境と前提の中での民主主義の再確認なのである。

当然のことながら、ハーバーマスは、そこに議論の重要さを説くのであり、その前提となる情報の開示と共有が重要なことは断るまでもないことであろう。そしてオキュパイ運動をして、なにもオバマ政権のホワイトハウスの無策のみならず、議会制民主主義への大きな疑念をそこに見出すのは、六十年代から一線で活躍したこの社会学者ならではの見解ではないだろうか。

繰り返しになるが、福島のような非常時において初めてその大きな構造の裏側が、丁度爆破された建屋の崩壊跡のように見えてくるのである。瓦礫の処理やTPP問題と日常に忙殺されている日本国民自身が銘々判断しなければいけないことは難題ばかりである。しかし、そうした非常事態であるからこそ、通常の政治政略によっては解決不可能で、それどころかそこから得られた集中した強力な権力においてさえも解決できないことが明白となるのである。それならば解決策が何処にあるかは明白である。各々の判断と解決策の中にしかないのである。

余談ながら未だに海外への情報の提供とかを強調する日本の政治家は英語で大本営発表を纏めないといけないと勘違いしているようだ。除染処理された産業廃液を飲み干して、「これには何の意味もない、データを見てもらう以外には」と全く非合理な啖呵を切る政治家の大きな写真とその背景はロイターなどを通じて世界に紹介されていないとでも思っているのだろうか?少なくともドイツ語圏の各界エリートや識者に向かって更に何を付け加えてお知らせしたいとでも言うのだろう。日本の有権者に対して義務を果たせと言うのが市民の総意としてのドイツ連邦共和国からの再三再四の日本政府への要請である。



参照:
Rettet die Würde der Demokratie, Jürgen Habermas, FAZ vom 5.11.2011
田中さんの出入り禁止事件 2011-11-06 | マスメディア批評
ベルリン、原子力の創世と終焉 2011-07-07 | 歴史・時事
西欧の視座を外から再確認 2011-02-19 | 文化一般
外交官なんて不要か? 2010-12-21 | 文化一般
情報の集約を阻止する運動 2011-10-30 | 文学・思想
各自治体に何ぼお願いできますの」と割り振ってゆく方針 (風信子(ひやしんす)の☆本の紹介&エッセー)
中間貯蔵施設を首都圏に誘致しよう (郷秋<Gauche>の独り言)
東京都の放射性ゴミを東電下請けが受注した問題 (平等党カタルシス中継)
(追記) 瓦礫について、私が適切と思う手続き (武田邦彦)
2011/11/7 統合対策室・東電・保安院 会見アーカイブ (IWJ)
逆ギレ会見の東電・寺澤徹哉が重大な事実誤認! 瓦礫焼却を東電グループ企業に要請したのは東京都ではなかった! (ざまあみやがれい!)
女性一人の東電前抗議行動(東京都の瓦礫問題を追及していたフリー記者が出入り禁止になったことに対する抗議) (IWJ)
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酸の量感と質が決め手

2011-11-07 | 料理
ダルマーヤのコーヒーが安売りになっていたので買った。何時ものプロド-モであるが、今回はアラビカ種百パーセントと書いてあるのに気が付いた。大体想像していたが、ネットで調べた。

そもそもブルーマウンテンの配合がどれぐらいで、あとはエチオピア辺りのアフリカンコーヒーを混ぜてあるのだろうと感じていたのである、そして、そのアラビカ種とは、特別な栽培地域のブルーマウンテンを含む品種だと分った。つまり、プロド-モにブルーマウンテンに共通する特徴があるのは間違いではなかったのである。

謂わばそれが百パーセントだとこういう味になると言うことで、決して安くはないのだが、ミックスによりをかけているというものではないということも分った。要するに比較的原料を厳選して、上手に煎って商品化しているということであろう。

安売りで五百グラム四ユーロを切る中では、ヤコブスのクロェ-ヌンク、カリタのモンタナ、先日はハムブルクのタルホフェンのアイレスというのを試した。やはりプロド-モが一番飽きが来ないコーヒーで香りも高く牛乳にも相性が良い。モンタナも酸が効いているので夏のブラックカフェーには良いのだが、冬には濃くが足りない。

結局、最終的には酸の質感と量感であると、これまた香り成分と合わせて、リースリングの鑑定と非常に似通っていることになった。



参照:
文化には感じない先端恐怖 2010-08-03 | 雑感
スーパーで新鮮な出会い 2008-07-29 | 料理
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田中さんの出入り禁止事件

2011-11-06 | マスメディア批評
承前)田中さんが、東電会見に「出入り禁止」となった。東京都が処理する「産業廃棄物」を東電の子会社が請け負ったとする質問をしようとしたからだ。それを司会者に発言を阻止されて、出入り停止となったのである。

田中さんは最後まで追及する。ガンマー線だけでなくアルファーやベーター線の問題はどうなんだと質問するのだ。

これは、先日の質問同様に大変重要な点を追求している。要するに細野大臣が昨日宣言した、「核廃棄物ではなくて災害に伴う瓦礫である」と言う立場である。これは実は疑わしいが、それによって東電は賠償責任を大きく逃れることが出来る ― それどころかそれで企業活動と称して税金を更に懐に入れようというのだ。そこを田中昭は追及しようとした。

東電は午前中に既に説明したと言うが、それは通らない。日曜日の午前の会見は中止しようとしていて、なにを説明責任を果たしていると言うのだろう。

田中さんの、カメラマンを兼ねた「カタルシス中継」を初めて観たが、それが最初で最後ともなるかもしれない。しかし、先日の中性子問題に続き今回の質問はもっとも市民が関心を持っていることを、改めて問うていて、何度も繰り返して東電の犯罪行為を追及しているのである。

ただし残念ながら、田中さんが暴こうとしているのは、最終的には政府や行政、そして東電などその手下どもの犯罪であって、今まで首相官邸府や産業経済省その他に強制権力が入れないのと同じく、東電にすら強制捜査が入らない摩訶不思議さを追求しているのである。そのように思う極普通の有権者は平等党の支持者にならなければいけないのか?そうした問題をもう少し考えていこう。

作務衣の様なものを羽織った田中さん、もはや追及する相手は巨大な権力構造となってしまっている。如何に冷静な御仁でも満員電車などには乗らない方が良い。



参照:
「東京都瓦礫受注が東電関係会社」について平等党田中氏が質問。そして東電の記者会見に出入り禁止となった (みんな楽しくHappy♡がいい♪)
中間貯蔵施設を首都圏に誘致しよう (郷秋<Gauche>の独り言)
人の振り見て我が振り直せ 2011-11-04 | マスメディア批評
重要な歴史的証言となる事件 2011-05-01 | 雑感
歴史に残る宰相 菅直人 2011-05-20 | 雑感
真実に与しない東京の官僚 2011-08-15 | マスメディア批評
細野補佐官のついた嘘 2011-06-08 | テクニック
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六十禁が必要な場合とは?

2011-11-05 | 文化一般
今年話題になったのは京大の小出助教の使った六十禁という言葉である。成人映画指定などに引っ掛けて、六十歳以上しか食してはいけない高濃度の放射線汚染物質などを段階的に別ける考え方である。

映画や映像の面で、最近はポルノだけでなくグロなどでの指定が有名であり、特に合衆国をはじめとする西欧社会での既成はより以上に厳しくなっている傾向がある。要するに68年の自由化とはまた別の面での既成であり、先日挙げた海賊党などの主張もそうした規制と関連していることは間違いない。

最近ドイツ最大手のメディア通信販売会社jpcの冊子を見ていて、FSKつまりフライヴィリゲ・ゼルプストコントローレつまり自主規制基準の表示が大変目に付いた。それもゲームソフトや書籍や映画以外に音楽メディアについているのである。

なるほど、ポップスにおいては、性的な表現だけでなく宗教社会政治的なメッセージの強いものがあるので、そうした直接の影響から青少年などを護るのは当然であって、漫画やアニメにおけるエログロ表現なども規制するのは当然なのである。

詳しく見ていくと音楽に関しては、ハイブリッドやDVDが付いているものに0歳の数字が入っている。つまり実際には年齢規制している音楽CDは少ないが、マウリツィオ・ポリーニ全集がFSK 6となっていて、六歳以下の子供には勧められないことになっている。

十二枚組みCDで付いているボーナスCDもライヴ中継録音なので映像はないようだ。中身を観ると、ルイージ・ノーノ作曲の指揮者アバドと組んだライヴエレクトロニックスが引っかかっているのだろうか。政治的なメッセージの問題なのか、音響の問題なのか?

そのように考えると、ショスタコーヴィッチ作曲のマクベス夫人や歌詞の付いたプロレタリアート独裁賞賛の作品は自主規制しなければいけない。シェーンベルクのある種の曲も完全に規制ものである。ロマン派の一部も危ないが、ルネッサンス期の音楽や歌詞にはさらに危ないものが多い。演奏実践で言えばフルトヴェングラー指揮の多くのライヴ録音は規制すべきもので、ひょっとするとバーンスタインやトスカニーニのものも大変危険と看做される。

要するに、こうした芸術は映像とは異なり抽象的な表現と看做されるために分る者には分るで、多くは分らない子供への悪影響は少ないと考えられるのであろう。反対に、映像の場合は具象性が強いために、ある種の映像表現はある年齢になってもその影響を消化できない人は少ないに違いない。その最も顕著な例はやはりポルノ表現であって、ここ暫く厳しい規制となったロリータポルノなどは、その被写体の少年少女を保護すると言う大儀名分よりもそれを超えた性表現自体の難しさが原因となっているように感じる。その意味から、世界の著名人が性衝動によって破廉恥罪を犯すのも、影響の消化という意味で非常に個人差があることを示している。

要するに、そうしたエログロ表現においても実際には成人規定だけでなくて、放射能に対するそれのように六十禁というのが本当は必要だと言うことである。それは実際には何処の社会でも行われていることなのである。



参照:
情報の集約を阻止する運動 2011-10-30 | 文学・思想
ブレーキの効く両輪に身を任せよう 2010-03-16 | 雑感
誉れ高いモンツィンガー 2009-10-06 | マスメディア批評
上げよ、怒りの雄叫びを! 2009-03-29 | 歴史・時事
十分に性的な疑似体験 2008-08-06 | 音
勲章撫で回す自慰行為 2008-07-26 | BLOG研究
降臨の気配に天国作戦 2007-12-29 | 雑感
エロスがめらめらと燃える 2007-11-02 | 暦
顔のある人命と匿名 2007-02-01 | 歴史・時事
ネット世界における検閲 2006-09-25 | 雑感
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人の振り見て我が振り直せ

2011-11-04 | マスメディア批評
先日ステーキを食した。ワインはスイスでお土産に買ってきた2009年産テッシンのメルローであった。流石に本場ものだけに満足したが、よい年のドイツのそれも濃くといい深さといい負けないのを確認した。価格もスイスフランが高騰していることから、ドイツのそれは決して高くはない。

その前には鳥のむな肉の残りがあったので、ラインガウのマンベルクに合わせて、ザウワークラウトの上に乗せた。鳥といえばブルゴーニュ風が有名であるが、リースリングとも上手に合わせられる。

東電の記者会見を観た。興味深いのは先日来話題となっていたもう一人の田中さんこと、田中昭の質問と東電の謝罪であった。中性子の観測に関しての見解で、当日も再臨界ならば中性子が一万倍も観測できると言う根拠付けをして、再臨界の可能性を否定したその舌も乾かぬうちに、中性子の観測体制が出来ていないことを語らさせた功績は大きい。

東電の謝罪は、3.11当初からの中途半端な説明に対してのものであるが、実は今回の「自発核分裂」説へのその根拠自体が如何にデマカシでしかないかを語らせた。

件の田中氏は、統合会見への参加基準を満たしていないとしてつまはじきになっていて、最近は園田政務次官に排水を飲ませた張本人ともされているようだが、その質問の主旨や東電への「嘘つきの犯罪者」呼ばわりの主張には一点の曇りもなく、とんでもない理不尽な東電の説明を垂れ流しているNHKをはじめとするマスメディアの記者よりも明らかに論拠に筋が通っている。如何にあの連中がまともに思考していないかが分るのである。

それどころか、おかしな農村ヤクザ社会主義の一派である小沢何某の手下が集まる自由報道協会を批判しているのが良い。田中氏の平等党とかの政治主張を読んで不都合を感じる者は寧ろ小沢何某らの幼稚で大正デモクラシーの受け売りのような古臭い政治思想の相似をそこに見出すに違いない。

如何に日本の政治が稚拙であるかは、所謂アカデミズムの問題であり、それは松下政経塾の連中の主張や政治姿勢の幼稚さにも表れているのである。人の振り見て我が振り直せである。

さらに本質に迫ると、田中昭ら疎まれている一派の言葉使いが、彼らの主張から演繹されるのだろうが、ぶっきらぼうであり、「日本語」になっていないために一般社会には受け入れられないのである ― それ以上に無駄に敬語を使おうとしてまともにも使えない連中の顔を見るが良い。もし、彼らの言い分が英語をはじめとする西洋言語を使って自らの言葉として世界に向けて発言されるとするならば、NHKの山崎氏などの発言よりも、その見識や教養は別としても、遥かに論理性に満ちた質問として捉えられるに違いないのであり、如何に東電などの慇懃無礼な言葉使いが曲者であるかが分るだろう。

もはや、志賀直哉ではないが日本語などを使っている限り、まともなジャーナリズムは愚かアカデミズムも成立しないことが分るであろう。要するに合理的に思考するためには、日本語が変わらなければいけないのである。その意味からも、中途半端な不明瞭な言葉使いで人民を誑かしている小沢何某のような一派が農民を祖先とする八割の選挙民に支持され続けて存在する限り、日本の文化や民意などに一切の向上は今後とも期待できないのである。



参照:
平等党報道部 (平等党)
2011/11/03 18:00~ 東京電力による「原発」に関する記者会見(午後) (IWJ)
情報の集約を阻止する運動 2011-10-30 | 文学・思想
自由報道協会のやらせ会見 2011-10-21 | マスメディア批評
没落への日本近代史を読む 2011-09-13 | 歴史・時事
同じ穴の狢を炙り出せ 2011-10-14 | 雑感
議論を喚び起す試算の公表 2011-08-26 | 文化一般
割れ窯に慰めなどあるのか? 2011-03-31 | アウトドーア・環境
アポカリプス・ナウ 2011-11-01 | 暦
ラインの穏やかな中庭 2006-09-11 | 試飲百景
小馬鹿にした弁明の悲惨さ 2009-12-26 | マスメディア批評
権謀術数議会制民主主義の自覚 2010-01-09 | 歴史・時事
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アダージョ・イム・アウト

2011-11-03 | 雑感
連邦共和国の政治家で誰が一番のピアノの名手か?少なくとも現在の連邦議会ではCSUのペーター・ラムザウワー交通相が上位に入りそうである。場合によっては首相となることもあるとすれば、ピアノでEMI録音を果たしたSPDのシュミット元首相との比較となる。

今回は、「アダージョインカー」と題したCDで、これまたエシェンバッハなどと共に連弾に加えて、ドイツェオパー・ベルリンの管弦楽団とモーツァルトの21番の協奏曲からアダージョを弾いている。

インタヴューに答えて、早い楽章であったなら一日に五時間以上は練習しないといけないが、遅い楽章ならば睡眠を削って、ジョギングの時間を割いて練習できたと言う。この曲に関しては三十年ぶりの練習だったようだ。

アダージョ曲が選ばれたのは、タイトルが示すように、車の中でのBGMとして安全運転となるリラックス効果が考えられたようで、宣伝にある発泡ワインとの相性は、またそれとは異なるらしい。

大臣に意見では、ベートーヴェンやブラームス、チャイコフスキーの交響曲はエキサイティング効果があるので安全運転のBGMには向かないようだが、アマチュアーのピアニストとしての夢は、サイモン・ラトルとベルリンのフィルハーモニカーとの競演での皇帝協奏曲やチャイコフスキーの第一協奏曲の演奏というから、可也腕に自信があるようだ。

実際にYouTubeで録音風景を見ると、立派な粒の揃った打鍵であり、記憶にあるヘルムート・シュミットのそれを完全に超えている。



参照:
Minister Ramsauer, Deutsche Oper Berlin und Stephan Frucht spielen Mozart (YouTube)
„Langsamer Klaviermusik hemmt Aggressionen“, Kerstin Schwenn, FAZ vom 2.11.2011
アウトバーン利用者負担の議論 2009-11-12 | アウトドーア・環境
寿限無 食う寝る処に住む処 2010-12-13 | 文化一般
異端への法的社会正義 2007-02-20 | 女
更に振り返って見ると 2005-10-09 | 歴史・時事
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