カールツルーヘの核研究所で働いていた人の話である。そのガイガーカウンターの初期化に大分に時間と人手を掛けていてと言うことだった。そこからもわかるように、相対的に放射線量を比較することは素人にも出来ても、絶対的な数値を測ることはなかなか難しそうである。
その意味からは、日本国が福島で計測した資料を元に、今中哲二助教のチェルノブイリでの研究結果を参考にして、内部被曝の専門家である矢ヶ崎克馬教授が福島市と郡山市の現状を語るその内容は途轍もなく重い。
現在その前者の三割以上、後者ではその半分ほどの地域で避難が推奨される。そうした地域で今後起こる健康被害を、チェルノブイリ事故における同程度の汚染を受けた町を参考にして大胆予想している。その内容を聞いて、平静で居られる人などいるのだろうか?
その健康被害の状況は、統計上の数よりも遥かに実感を放つものに違いない。一割ほどの子供たちが甲状腺障害で疾病して、更に一割が甲状腺癌となる。このように高い子供の甲状腺癌の発症率は我々が通常経験する現実ではない。一体、同じ小学校の何人の子供が、五年から十年の間に甲状癌の手術でメスを入れているだろう。そのような話は聞いたことがない。それも環境には行政区画などはないので、ホットポイントを含めて同じような健康被害は東北から関東へと広域に広がるのである。
なるほど、チェルノブイリの場合は牛乳を通してヨウ素被曝が更に広がった。福島の人も同じように初期には汚染物以外は殆ど口にしていない筈である。それは首都圏においても同じであった。口に入ればそもそも半減期の短いヨウ素は証拠も残らない。それを官僚は計算していた。セシウムがあるところは同じようにヨウ素汚染が甚だしかったのである。
殆どは最初の数日間にヨウ素剤を投与しておけば防げたのである。それをさせなかった官僚や政治家の責任は必ず追及されるべきなのである。専門家はファックスを役所に送り、SPEEDIの結果も官邸に送られていたと言う。そこにはサボタージュがあったことは殆ど確実であり、彼らは重大な罪を背負うべきものである。
しかし、そうした大惨事を今からでも僅か少しでも減らすことが出来るかもしれないとして、最大限の努力をするのは当然なのである。もはや福島の少なくない人は、移住すべきである。それを公的な支援で可能にすることがサボタージュの罪へのせめてもの償いであろう。
専門家の今中助教でさえ、福島の爆発を観て涙して、福島の人たちを見てチェルノブイリのそれでも故郷に残る人たちの「環境」が初めて分ったと言う、専門家と言われる人でさえそうなのである。預言者ではないので、幾ら専門的に研究をしていても、先が読めないのである。
今後も一つ一つ現実が明らかになっていく、それに対応するようにして事後対処としてしか行政は動かない。しかし、全ては不可逆な事象であり、事後に対策を練ってももはや機能しないのである。癌に倒れていく子供たちは戻らないのである。
参照:
矢ヶ崎克馬教授の記者会見とインタビュー in 福島 (IWJ)
何がために不愉快な存在 2011-06-22 | 歴史・時事
遅過ぎた自主避難などない 2011-10-04 | 雑感
自らの権利を自ら掴み取れ 2011-10-24 | BLOG研究
その意味からは、日本国が福島で計測した資料を元に、今中哲二助教のチェルノブイリでの研究結果を参考にして、内部被曝の専門家である矢ヶ崎克馬教授が福島市と郡山市の現状を語るその内容は途轍もなく重い。
現在その前者の三割以上、後者ではその半分ほどの地域で避難が推奨される。そうした地域で今後起こる健康被害を、チェルノブイリ事故における同程度の汚染を受けた町を参考にして大胆予想している。その内容を聞いて、平静で居られる人などいるのだろうか?
その健康被害の状況は、統計上の数よりも遥かに実感を放つものに違いない。一割ほどの子供たちが甲状腺障害で疾病して、更に一割が甲状腺癌となる。このように高い子供の甲状腺癌の発症率は我々が通常経験する現実ではない。一体、同じ小学校の何人の子供が、五年から十年の間に甲状癌の手術でメスを入れているだろう。そのような話は聞いたことがない。それも環境には行政区画などはないので、ホットポイントを含めて同じような健康被害は東北から関東へと広域に広がるのである。
なるほど、チェルノブイリの場合は牛乳を通してヨウ素被曝が更に広がった。福島の人も同じように初期には汚染物以外は殆ど口にしていない筈である。それは首都圏においても同じであった。口に入ればそもそも半減期の短いヨウ素は証拠も残らない。それを官僚は計算していた。セシウムがあるところは同じようにヨウ素汚染が甚だしかったのである。
殆どは最初の数日間にヨウ素剤を投与しておけば防げたのである。それをさせなかった官僚や政治家の責任は必ず追及されるべきなのである。専門家はファックスを役所に送り、SPEEDIの結果も官邸に送られていたと言う。そこにはサボタージュがあったことは殆ど確実であり、彼らは重大な罪を背負うべきものである。
しかし、そうした大惨事を今からでも僅か少しでも減らすことが出来るかもしれないとして、最大限の努力をするのは当然なのである。もはや福島の少なくない人は、移住すべきである。それを公的な支援で可能にすることがサボタージュの罪へのせめてもの償いであろう。
専門家の今中助教でさえ、福島の爆発を観て涙して、福島の人たちを見てチェルノブイリのそれでも故郷に残る人たちの「環境」が初めて分ったと言う、専門家と言われる人でさえそうなのである。預言者ではないので、幾ら専門的に研究をしていても、先が読めないのである。
今後も一つ一つ現実が明らかになっていく、それに対応するようにして事後対処としてしか行政は動かない。しかし、全ては不可逆な事象であり、事後に対策を練ってももはや機能しないのである。癌に倒れていく子供たちは戻らないのである。
参照:
矢ヶ崎克馬教授の記者会見とインタビュー in 福島 (IWJ)
何がために不愉快な存在 2011-06-22 | 歴史・時事
遅過ぎた自主避難などない 2011-10-04 | 雑感
自らの権利を自ら掴み取れ 2011-10-24 | BLOG研究