『青』でPFFにデビューした李相日が、こんなにもすごい大人の映画を作ってくれるとは夢にも思わなかった。
昨年の『スクラップ・ヘブン』で長谷川和彦の『太陽を盗んだ男』へのオマージュを見せ、ただの青春映画の旗手から映画作家へと成長を見せた彼が若き巨匠の仲間入りをアピールするこの『フラガール』という大作を作り上げたことに、心から
拍手を送りたい。
凡百のくだらない映画を一蹴する作品だと思って欲 . . . 本文を読む
8月に見た映画の白眉は『青春漫画』。2年前の『永遠の片想い』でお決まりのパターンの恋愛映画の可能性の限界を超えてしまったイ・ハン監督が、更にもう一歩大きく踏み出した大傑作である。
幼馴染の二人が13年間の友情の末、大人となり、自分の人生に大きく一歩を踏み出したとき、とんでもない試練に出会い、それをお互いに乗り越えてゆく。
韓国映画定番の交通事故なんていうあまりのパターンをしっかり踏まえて . . . 本文を読む
底パイルの「家族の風景」を見た直前の日曜には新撰組の「家出商人」を見ている。8月WFで芝居に描かれる家族をテーマにしたシンポジウムをしたのだが、その後偶然にも2本続けて家族の危機をテーマにした作品が続いたことになる。
二度の「秘密屋の花園」の公演、そしてその前後にアトリエで唐十郎、寺山修司の名作の上演をして、この2年間ネオアングラへとシフトチェンジしようとしている当麻英始による新作である。
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