底パイルの「家族の風景」を見た直前の日曜には新撰組の「家出商人」を見ている。8月WFで芝居に描かれる家族をテーマにしたシンポジウムをしたのだが、その後偶然にも2本続けて家族の危機をテーマにした作品が続いたことになる。
二度の「秘密屋の花園」の公演、そしてその前後にアトリエで唐十郎、寺山修司の名作の上演をして、この2年間ネオアングラへとシフトチェンジしようとしている当麻英始による新作である。
20年以上芝居を続けて来て、もう一度原点に戻り、芝居と向き合っていこうとする真摯な姿勢が気持ちのいい作品で、ただ単なるノスタルジアではない。今の息吹を感じさせる秀作だ。
とてもささやかな物語である。しかし、今、家族というスタイルが壊れていこうとしている時代の中で、もう一度、自分自身が帰るべき場所としての家のありかたを問いかけてくるそんな作品である。
昨今の昭和30年代ブームを受けて、貧しいながらも明るい我が家という失われてしまった風景を、この2006年バージョンとして見せようとすればいったいどうなってしまうのか、ということが、いつもの笑いあり、ドタバタありの空間の中で語られている。そして、かってのテント芝居の定番である屋台崩しもちゃっかり見せ、楽しませてくれる。
もちろん、それは観客へのサービスだけではなく、あの家を壊してしまった後から何が生まれてくるのかという当麻さんからのメッセージである。僕たちが帰っていける家は、はたしてどこにあるのか。
この作品から新たな新撰組の旅立ちが始まる。
二度の「秘密屋の花園」の公演、そしてその前後にアトリエで唐十郎、寺山修司の名作の上演をして、この2年間ネオアングラへとシフトチェンジしようとしている当麻英始による新作である。
20年以上芝居を続けて来て、もう一度原点に戻り、芝居と向き合っていこうとする真摯な姿勢が気持ちのいい作品で、ただ単なるノスタルジアではない。今の息吹を感じさせる秀作だ。
とてもささやかな物語である。しかし、今、家族というスタイルが壊れていこうとしている時代の中で、もう一度、自分自身が帰るべき場所としての家のありかたを問いかけてくるそんな作品である。
昨今の昭和30年代ブームを受けて、貧しいながらも明るい我が家という失われてしまった風景を、この2006年バージョンとして見せようとすればいったいどうなってしまうのか、ということが、いつもの笑いあり、ドタバタありの空間の中で語られている。そして、かってのテント芝居の定番である屋台崩しもちゃっかり見せ、楽しませてくれる。
もちろん、それは観客へのサービスだけではなく、あの家を壊してしまった後から何が生まれてくるのかという当麻さんからのメッセージである。僕たちが帰っていける家は、はたしてどこにあるのか。
この作品から新たな新撰組の旅立ちが始まる。