白を基調にしたセット(病院だから当然なのだが)がいい。清潔さとそれが何色にも簡単に染まっていくという事実を暗示する。そこに小劇場の主宰者である主人公の青年が入院している。同室のおかっぱの中年男はとてもおしゃべりで調子のいい男だ。彼は画家の藤田嗣治である。時空を越えた二人が当然のように同じ病室にいる。そこに驚きはないという状況でストーリーは展開していく。芝居はこの二人の男をめぐる物語。
反戦と . . . 本文を読む
医師と患者をリバーシブルな存在として設定するというアイデアが秀逸である。白衣を脱ぐと、医師は黒装束の患者となる。誰が病気で、誰がそうでないかなどという境界線はどこにもなく、真実と嘘との境目も実に曖昧だ。 . . . 本文を読む