ここまでメリハリのない作り方をされたなら、これが何のための、どんな映画だか、そんなことすら観客には伝わらないことだろう。もちろんそれでも面白かったのなら、それはそれでいい。だが、この映画はちょっとやりすぎてしまったようだ。
学生が作った前衛的な実験映画のような独りよがりとなっている。緩い時間の流れ方も、心地よさよりも居心地の悪さを感じさせる。ボスの愛人と関係を持ち、ボス自身から、その女を殺す . . . 本文を読む
古厩智之監督の持ち味が十二分に発揮された傑作である。感動的なドラマになるような盛り上げ方は一切しない。カメラも必要以上に寄らない。彼らとの距離の取り方がすばらしいのだ。
だから、わざとらしい青春映画にはならない。前半を見ていて、こんなにも体温が低い映画でいいのか、と心配になったくらいだ。それは、本題である、夏の合宿の場面になっても変わらない。おきまりのストーリーなのにおきまりの展開にはならな . . . 本文を読む