2時間37分の大作である。リドリー・スコットはいつもの通り細部まで全く手を抜かない。完璧に作られた工芸品のような映画である。68年から75年のベトナム戦争終結の年まで。ハーレムで麻薬を低価格で良心的に(!)販売していた男(デンゼル・ワシントン)の物語である。同時に、正義のために麻薬組織を撲滅するという執念に取り付かれた捜査官(ラッセル・クロウ)の話でもある。マイケル・マンの『ヒート』を思い出させ . . . 本文を読む
北野武監督第13作。このタイトルとあのポスターを見た時から、全く見る気を失くしてしまったのだが、それでも「世界のキタノ」映画なので、一応DVDで見ることにした。(おまけでカンヌ用の短編『素晴らしき休日』も付いていて、なんだかお徳な気もしたので)
それにしてもここまで自分を揶揄するような映画をよくも平気で作れるものだ、と思う。自虐的というのとは、ちょっと違う。そんな卑屈さなんて微塵も感じられな . . . 本文を読む
正直いってちょっと飽きてきた。豊島ミホの小説のワンパターンにである。どれも同じ。それぞれはとても切ない話で、胸に沁みてくるのだが、いくらよく出来ていても、またか、と思ってしまうのも正直なところだ。
大学生活を描いたことは、今までと少し違うけど、男の子を描いた部分はどうしても弱いし、女の子を描いた部分は、今までの高校生を描いた作品とあまり変わらない。6話からなるオムニバスというスタイルもいつも . . . 本文を読む