ジャ・ジャンクーの『長江哀歌』がようやくDVDになった。昨年僕が劇場で見た映画のベスト・ワン作品である。さっそくレンタルしてきて再見した。やはり、すごい作品だった。英語タイトルである『スティル・ライフ』が本当にぴったりの作品だ。ひとつの現実をしっかり受け止めた上で心静かに生きていく。生活していく。
ダムに沈む町。失われていく中国の昔ながらの生活。新しい生活が今までの暮らしを大きく変えて行く。 . . . 本文を読む
和泉聖治がほんとうに久々にスクリーンに戻ってきた。もう10年近く彼は映画から離れていたのではないか。ピンク映画からキャリアをスタートさせて、忘れもしない。1982年、『オン・ザ・ロード』で一般映画に進出。この映画は、当時、大林宣彦監督の記念碑的作品『転校生』と2本立で松竹系で公開された。今は亡き香里ミリオンまで、見に行ったことをはっきり覚えている。
あんなにも感動したことはなかった。2本が2 . . . 本文を読む
『木浦は港だ!』のキム・ジフン監督最新作。昨年韓国で大ヒットとなった作品。前半はとてもおもしろい。ドキドキさせられた。しかし、後半に入ったら、急に緊張感がなくなってしまい、甘いメロドラマと化してしまうのは、どうしたものか。
光州事件を本格的に扱った初めての作品らしい。『ペパーミント・キャンディー』という凄い映画が既にあるが、あの作品は、事件そのものを描いたわけではない。韓国の歴史に於いてタブ . . . 本文を読む
2つの中篇からなる作品集。村上春樹を思わせる。こういう胸の奥に秘められた痛みを静かに描き出していく作品を書く若手は登場したことをうれしく思う。
『湖水地方』の方は少し単純すぎて、つまらなかったが、『シャルル・ド・ゴールの雨女』は単純なのにおもしろい。その差って何だろう?かなり微妙な部分が、とても大きな影響を及ぼしていることは確かだろう。
姉の香夏と妹の夏実。妹の恋人の煉が、香夏を好きにな . . . 本文を読む