つかこうへいの戯曲を解体して、楽屋落ちを平気でやらかし、つたない演技こそ、自分たちのねらい、とばかり、堂々と押し通していく。スケールの大きい芝居だが、それを重厚なものにしたりする気もない。それに、そんな力量もない。(演出の高松さん、ごめんなさい!わざと意図的に、こんな書き方してます!)では、軽薄に見せていくのか、というとそうではないのだ。作り手の本気がしっかり伝わってくる、そんな作品である。
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スタイリッシュで、落ち着いた雰囲気。とてもいい。商業演劇のよう高級感すら漂わせる。美術、衣装、役者たちの余裕のある演技。そういったことのひとつひとつに対して、丁寧な目配せがなされている。それだけに、ラストの詰めの甘さが残念で仕方ない。
2部構成2時間10分の大作だ。こういうミステリーものは仕掛けのおもしろさよりも、どれだけ魅力的な人間像を作り上げることが出来るのか、そこに尽きる、ということに . . . 本文を読む
とてもあたたかいお話。作、演出は岡部尚子さん。前作『きのうのつづき』の姉妹編。同じような設定での少人数での会話劇。ワンシチュエーションのとても単純な話を小さいままでまとめていく。セットとかも特別何も作らない。ありのままのウイングの空間を使う。拘るのは岡部さんの見せたい世界観だけだ。もちろんそれが何よりも大事で、それさえしっかりしていたなら、芝居は成立する。
前作はすこし設定に無理があり、見て . . . 本文を読む