
この映画の毒気に当てられる。吉田恵輔は、前作『机のなかみ』で衝撃のデビューを果たした逸材だ。方法論の突飛さが驚きなのではない。意外なんてものを百万光年通り過ぎた唖然の世界を平気で展開して見せるその感性の異常さがおもしろかったのだ。
女子高生と家庭教師の歪なすれ違いが描かれた前作に続き、今度もまたありえないことを現実化させてしまう。
今時ここまで趣味の悪い喫茶店なんか犯罪的である。そんな店を今回も平気で作ってしまう。そして、オープンさせる。しかも、そんなあきれた喫茶店に、なぜか麻生久美子のような女性がバイトでやってきて、しかも、あの超ミニで胸元も開いたピンクの制服(こんなもの、風俗ではないのだからありえない!)を当たり前のように着てウエイトレスをする。
吉田恵輔の世界においては変態オヤジの陳腐な妄想世界が、なぜか現実化して、そんな中でのありきたりな日常生活が綴られていくことになる。宮迫博之演じるメタボおやじは、あたりまえとしてこんな日々を生きる。普通の人である娘(仲里依紗)はそんなオヤジと周囲の状況をありえないこととしてちゃんと見ているが、それが日常なのでしかたなく受け入れていく。
この喫茶店に客が来て、そこそこ賑わいをみせる。宮迫マスターと麻生久美子がいい仲になりそうになったり、とか(しかも、彼女は自分から「わたしヤリマンなんです。誘われたら誰にでもついていいってしまうんです」なんて言ったりするのだ!)この世界は完全に狂っている。なのに、吉田ワールドでは、こんな狂気がなぜかまかり通っていく。
見終えたとき、なんともいえないイヤな気分になっているのに、ほんの少しほっとして心が安らいだりしてる。自己嫌悪に陥るくらいに異常なハートフルコメディーである。「大切な人に出会える店」なんていうしらじらしいコピーがさりげなくポスターにあしらわれている。おぞましいくらいに魅力的な作品だ。普通の人にはお勧めしない。
女子高生と家庭教師の歪なすれ違いが描かれた前作に続き、今度もまたありえないことを現実化させてしまう。
今時ここまで趣味の悪い喫茶店なんか犯罪的である。そんな店を今回も平気で作ってしまう。そして、オープンさせる。しかも、そんなあきれた喫茶店に、なぜか麻生久美子のような女性がバイトでやってきて、しかも、あの超ミニで胸元も開いたピンクの制服(こんなもの、風俗ではないのだからありえない!)を当たり前のように着てウエイトレスをする。
吉田恵輔の世界においては変態オヤジの陳腐な妄想世界が、なぜか現実化して、そんな中でのありきたりな日常生活が綴られていくことになる。宮迫博之演じるメタボおやじは、あたりまえとしてこんな日々を生きる。普通の人である娘(仲里依紗)はそんなオヤジと周囲の状況をありえないこととしてちゃんと見ているが、それが日常なのでしかたなく受け入れていく。
この喫茶店に客が来て、そこそこ賑わいをみせる。宮迫マスターと麻生久美子がいい仲になりそうになったり、とか(しかも、彼女は自分から「わたしヤリマンなんです。誘われたら誰にでもついていいってしまうんです」なんて言ったりするのだ!)この世界は完全に狂っている。なのに、吉田ワールドでは、こんな狂気がなぜかまかり通っていく。
見終えたとき、なんともいえないイヤな気分になっているのに、ほんの少しほっとして心が安らいだりしてる。自己嫌悪に陥るくらいに異常なハートフルコメディーである。「大切な人に出会える店」なんていうしらじらしいコピーがさりげなくポスターにあしらわれている。おぞましいくらいに魅力的な作品だ。普通の人にはお勧めしない。