新世紀エヴァンゲリオン


 何とも変わったアニメです。90年代にテレビ東京で放映されて熱狂的なファンが付いている。何系というのでしょうか、マジンガーZのように人間が人型ロボットの操縦室に乗り、操縦士の動きに合わせてロボットも動く戦闘型アニメです。ガンダムはじめ特にこの手のアニメに興味はないのですが、登場人物が自閉症、リストカット、DVといった現代的な問題を抱えている(実際は事前に読み聞きしていたほどではない面もあり、もっと強烈な面もありなのですが…)、庵野秀明監督自身がうつ病で引きこもりだったといった異質の背景を読むと一度観てみたくなりました。

 DVDで9本。テレビで放映された26話に映画版など別バージョンがいくつか収録されています。
 一気に観たのですが最後のほうはよく分からなくなってきたので、17話以降を何度か観返すことになりました。賛否両論あるということですが、私は好きか嫌いかと問われれば、大好きなほうです。嵌ります。使徒という宇宙からの謎の怪物をエヴァンゲリオンという人型ロボット零号機~四号機が迎えうって闘う。操縦の適格者は14歳くらいの中学生男女4~5人。単純な話しなのですが、エヴァンゲリオンをうまく操縦するためには操縦者の心理状況も影響してうまくシンクロ(適合)するときもあり、しないときもあり、エヴァには設計者にもよく掌握できていないロボットを超えた生き物の要素があって、時には暴走したり・・・。

 その他、セカンドインパクト、サードインパクト、アダム、人類補完計画、ゼーレ、ロンギヌスの槍などなど謎が散りばめられていて、これは何なんだろうと訳が分からなくなります。特に最後のほうは様々な伏線として提示されたこれらの謎が解き明かされないままに抽象的な哲学的な不思議な空間、映像ばかりとなり・・・想像するにこれをテレビ東京で観た人は驚いたろうと思います。

 惹きこまれるポイントはやはり登場人物の面白さです。シンジ、レイ、アスカ、ミサトさん、リツコ、碇司令などなど。変わっているけど繊細で親しみ易い各キャラクターがそれぞれ複雑な過去を抱えていて、それらが絡み合って・・・加えて過去になるとぼやける特徴的な映像(お約束)、映像に合った音楽など。

 タイトルが市川昆風の曲がった漢字で表示されること、主人公たちの「あんたバカぁ」、「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」などのお馴染みの表現。訳が分からなくても多様な表現手法は面白く思えましたが、何度か観返すうちに物足りないというか、せっかくの魅力的なストーリーを解決しないで終わらせたのは勿体ないように思えました。

 今後も新映画化などで新しい謎解き、展開もあるのでしょうか。テレビ放映版だけでは終わらない、これからも当分楽しめる要素に溢れた作品なのか、正直言ってまだよく分かっていません。謎が多く残るというか、未完成に不満は残りますが、独特の魅力のあるストーリー、映像です。


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