「うどん一福」(高松市)


 地元テレビで紹介されていて美味しそうだったので行ってみました。先週食べたばかりの丸亀の「中村」で修行された大将の店だそうです。「なかむら」系が続くのでどうしようか迷ったのですがもう勢いです。

 冷たいぶっかけとなかむら系としては新しい試みという温玉肉ぶっかけ(写真)を注文しました。気持ちよい応対の大将がテキパキと捌き、目の前で洗っている麺はとても美味そうです。
 他のなかむら系と比較してより細麺でしょうか、例のチュルチュル麺かなあと口にすると・・・むむむむむ・・・弾力がすごくてうまく噛み切れません。なんというか口の中で伸びる麺です。実際に指で麺を引っ張ってみたところビヨーンと倍くらいの長さに伸びてようやく切れます。てっきり擬似なかむら麺とばかり想像して来たのですがなかむら系のツルツルしなやかな優しい麺の要素を継承しつつ大将の好む麺へと更に進化させています。へー変わってるなあと思い食べ進めるうちに、もしかしてこれまでで一番好きな麺かもしれないという思いが強くなってきました。そして、誰かを連れてくるときに今後この店を入れようと確信しました。これは美味い。

 大好きな讃岐うどん店は沢山あるのですが、そのトップクラスの店はどこかというと、それは自分や妻の親や親戚を連れてくるときに行く店、それが要するに最推奨店ということになります。
 味、ロケーションの面白さ、次店までの適度な時間間隔などを勘案することになりますが、以前であれば「彦江」→「谷川米穀店」→「山田家本店」の黄金コース、もう1杯食べられそうであれば好みによって、「山下(善通寺)」、「おか泉」、「なかむら」、「小縣家」、「長田(釜揚げ)」あたりから加える。また、カウンター席だけなので多人数、子供連れだとパスですが、1人か2人旅なら「山田家本店」を「はりや」に替えるといった感じだったでしょうか。

 これが今だとどうなるか。行列はパスで考えると「谷川米穀店」、「おか泉」、「なかむら」は残念ですが外れます。昔ほどの味の感激は薄れているのですがロケーションの驚き(インパクト)から「彦江」からのスタートは不動、2店目は今回の「一福」、3店目は「長田in香の香」か「山田家本店」でしょうか。このコースを考えるのも讃岐うどん巡りの楽しみの一つです。

 「一福」の話しに戻って、温玉肉ぶっかけも十分美味しいのですが、温かい肉と注文した冷たい麺(温かい麺もあり)とが中途半端に混じる嫌いもあり、ここは普通の冷たいぶっかけやざるが良いのだと思います。
 大将は厨房脇で麺を打っている女性スタッフと「少し軟くないかなあ」とか言葉を交わしていました。確立された製法ではなくまだ進化途上にあるのかもしれません。
 開店時間は11:00と記載されている情報もありますが10:00です。


 この「一福」の前に善通寺にある「白川」に初めて行ったのですが、こちらも美味かったです。畑の中の細い道を通っていく久しぶりの自然の中のロケーションでこういうの懐かしいなあと思いながら到着。味を表現するのは難しいのですが、エッジは立っていますが優しく素朴な味。特徴が際立っているのでなくてバランスのいい毎日でも食べたくなるような麺です。「かけ」と「ぶっかけ」を食べましたが、ここは冷たい麺が絶対にいいです。本日のブログ紹介店は「白川」だと思っていたところ次店が強力でした。
 ここも10:30開店と書いてありますが、到着した10時ちょっと前にはもうやっていました。

 ところで、讃岐うどんブームの中心店の一つである「宮武」が6月4日に突然閉店したそうです。大将は以前からもうじき止めると周囲に漏らしていたそうですがほとんどの人が当日の貼り紙で知ったんだそうです。
 私は所謂宮武ファミリーの剛麺はそんなに好きではないので宮武への思い入れはないのですが、この10年以上、全ての特集雑誌、記事に掲載され続けてきた店の一つが消えるのは不思議な感じがします。凄まじいほどの行列、客をさばくのに疲れたのでしょうか。


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