「保昌」(中華街)

          

 Hanakoの中華街カレーページからもう一店。一番大きな写真で紹介されてましたし、改めて「中華街 カレー」でネット検索するとこの「保昌」が真っ先に出てきます。中華街カレーを代表する店・一皿のようです。

 今日も昼の1時半過ぎに到着。昨日以上の人出、いろんな店に行列が出来ています。聞いたこともないような汚い店だったりしたので、知る人ぞ知る店がまだまだあるのでしょう。
 「保昌」も結構な賑わいでしたが、テーブル一つ空いていました。

 見た目、ハヤシライスのようです。独特の辛味、風味があるようなことが書いてあったのですが、意外と普通の洋風カレーです。何日も煮込んで継ぎ足しているようなコクがあります。洋食風、甘みがあり、やはり中華食材特有の香辛料も後味として残ります。「同發」カレーもそうでしたが、特別な驚きはないのですがしみじみと普通の美味しさを感じます。タマネギのシャキシャキ感も最近のカレーではもう味わえなくなった(?)ものです。

 どちらかと訊かれれば「同發本館」のカレーの方が好みですが、常連風のグループが多く飲食している雰囲気からは中華料理屋としてはこちらの方が人気なのかもしれません。




 
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サンタナ「ギター・ヘブン」

          

 昨日の日経夕刊にサンタナの新譜の一面広告(特集)が載っていました。へぇー新作はカバー集か、オリジナルだろうとカバーだろうとサンタナの唸るギターなら買いだな・・・と収録曲に目を巡らせていると、ツエッペリン「ホール・ロッタ・ラブ」いいね、ビートルズ「ホワイル・マイ・ギター」いいね、デフ・レパード「フォトグラフ」センスいいね、AC/DC「バック・イン・ブラック」なに!早く聴きたい。

 横浜のHMVに買いに行きました。家に帰ればゆっくり楽しめるのですが、どうしてもバック・イン・ブラックを聴きておきたくて視聴コーナーへ。冒頭は別の曲かと思ったくらいアレンジが変えてあるヒップホップ調。これは楽しみと家路を急ぎます。

 改めてじっくり聴くと、バックインブラックは例外で全般的にはオーソドックスなカバー、アレンジです。耳に心地よいけど、もう少し刺激が欲しかったかなぁくらいの印象です。ただ、基がポルシェ、フェラーリ(乗ったことありませんが)級のサウンドなので、満足度は高いです。

 選曲は有名曲の他、けっこう通好みの渋い楽曲もあるようです。それでもサンタナの手にかかると副題の「The Greatest Guitar Classics of All Time」がどれもキラキラと輝きます。歌手も曲ごとに異なり、ごちゃ混ぜのようでアルバムとして不思議とまとまるのがサンタナです。今年を代表する1枚が出ました。


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「同發本館」(中華街)

          

 「Hanako」の横浜特集号で知った店です。中華料理店のカレー、「50年来愛されるクラシカルなカレー」と紹介されていました。

 これまで中華街というと根岸線に乗り換えて、石川町駅、ちょっと歩いて…というイメージでしたが、地図をよく見るとみなとみらい線の元町・中華街駅を降りてすぐ中華街中心部です。なんだ近いじゃないか、ということで出向きました。

 久しぶりの中華街、こんなに混雑しているとは予想外です。夜の懇親会では1~2年に一度くらい来ていたかもしれませんが、昼となると・・・20年近く来ていないと思います。

 「同發」は大通りに本館、別館、新館とありますが、今日は本館です。昼の1時半過ぎに着きました。入口はお土産のチャーシューを買う人で混雑していましたが中で食べている人は少なめです。分厚いメニューをめくっても目当てのパイコーカレーは見つかりませんでしたが隣席のご老人も食べていたので大丈夫でしょう、注文しました。カレー2品は壁に貼って紹介されていました。

 黄色いルーが懐かしい感じです。うん、おいしい。普通のカレーなのですがパクパク食べたくなる自然な味わいがいいです。昔ながらのカレーといえばいいのでしょうか。どこでも食べられそうで最近はお目にかかれないタイプです。元はまかないだったというのも納得です。
 六本木にある鶏煮込みそばで有名な「香妃園」のカレーもこのタイプのルーだったと思います。中華料理屋で出す普通のカレー、いいです。





          

 私も真似てチャーシューを1本お土産に持ち帰りました。大きさによりますが一本1500円~1700円くらいのようです。味が沁みていて美味しかったです。


 
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「アンドリューのエッグタルト」(なにわ うまいもん市/東急東横店)

          

 チラシが入っていた渋谷東急東横店の「なにわ うまいもん市」に行ってきました。

 まずは人気という「511蓬莱」の豚まんを目指します。10時10分に会場に着いたのですがもう50人以上の行列で階段の先の後尾に並びます。20分近く並んで豚まんを購入。とりあえず1個、あつあつのを頂きます。皮がもっちりしていて豚と玉ねぎだけという具がうまい。人気が納得です。






          

 そしてお目当てのエッグタルト。10年以上前、自由が丘に進出した際に初めて、マカオのエッグタルトなるものを食べましたがまあ美味しいこと。暇があれば買いに行っていたように記憶していますが暫くすると閉店してしまいました。
 その後、権利者が変わったのか、関西地区で営業していることを知りましたがなかなか行けませんでした。エッグタルトは最近ではビアードパパなどが提供しているので目新しくないかもしれませんが、本当に久しぶりの一口です・・・うまい。生地のサクサク感が堪りません。そして甘く優しいクリーム。これです、思い出しました。どうしてこれだけの味なのに首都圏にないのか。再進出をお願いしたいです。






          

 もう一品。懐かしい「ねぎ焼き やまもと」か「会津屋」くらいのイメージでしたが、味が想像できたので、初めての「ガンジー倶楽部」のカレーパンを試してみました。
 パン生地に特徴があって、ムニューと柔らかいです。カレーもスパイシーでなかなかの美味しさでした。




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河口湖旅行(2010.9.17~18)

          

 横浜に帰ってきてから始めての遠出になります。以前、西北東南と有名観光ポイントへはそれなりに出向いていて、さてどこに行くかなあと検討していたところ、近場というか富士五湖へはまだ行っていないことに気付きました。

 まずはよく耳にする山中湖を検索したのですが、立ち寄りスポットが貧弱あるいは他と変わりなしなのはどこも同じ、ただ、有名観光地には必ずある有名・高評価ホテル・宿が見つかりません。ネットの口コミの評価は割り引く必要があると思うのですが、高評価がほとんどないのも不安になります。

 よく分からず河口湖を調査し始めたところ、こちらははっきりしています。富士を一望できるサービスのよいホテル・宿がズラッと出てきます。これで今回の旅行は河口湖中心にすることを決めました。
 ホテル・宿はいろいろあるようですが、「風のテラスKUKUNA」が高いけど大人気ホテルのようです。今回計画した前後の日程に空きはありませんでした。
 次候補で検討したのは、「湖山亭うぶや」と「秀峰閣 湖月」です。高級感では「うぶや」が上の印象でしたが、肝心の富士山の眺め(見られればの話ですが)が「湖月」の方がよかったのと大人一人1.7万円というのがリーズナブルで決めました。

 我が家の少し上(通勤経路)からも富士山が眺められるのですが、7月に引っ越してきて以来、まだ一度もそのなだらかな雄姿を目にしていません。猛暑、晴れの日が多いとはいえずっと雲が多い日続きです。目当ては富士山ですが、富士山を眺められないことを覚悟での出発となりました。






          

 中央道を進み、河口湖ICで降ります。最初の目的地は吉田うどんの「白須うどん」です。吉田うどんについてはこれまで知らなかったのですが、太麺で腰の強いうどんらしいです。安い、民家の座敷で食べさせるということで讃岐うどんに通じるものを感じました。
 「白須うどん」は情報雑誌の吉田うどん特集の冒頭にデカデカと載せられる店。通常であればこの手の観光客集中店は避けるのですが、調べると店名表示なし、座敷、350円と安いといった吉田うどんらしさを凝縮した店のようでまずは白須かなあと結論です。

 看板も何もない民家ですが他の民家も少ないので場所は分かります。玄関から入ると正面にお座敷、左に厨房です。お座敷の奥には仏壇があり、脇におじいちゃんの写真が飾ってあったりと自宅以外の何物でもありません。我々はチビが動き回って心配なので、縁側(廊下)にある席にしました。
 厨房で温かいのか冷たいのかを選びます。厨房はオープンスペースで麺を打っているお父さんと麺を茹でて給仕しているお母さん、お姉さんが忙しそうに動き回っています。
 讃岐うどんの彦江などで見慣れた風景です。お孫さんでしょうか、1歳に満たない赤ちゃんが一緒に寝ています。

 うどんは、太麺に醤油スープ、キャベツを茹でたものが載っているシンプルなものです。麺はゴワッとした腰が強いというより茹で時間が非常に短いうどんです。以前、名古屋で食べた味噌煮込みうどんと同じ系統。違和感は感じますがこういうものなんだろうと食べ進めます。
 スープもキャベツもいい感じで全体としてはおいしくいただけます。食べ慣れていない麺なので2店目も…という気持ちにはなりませんが、ゆったりした雰囲気で(混んでますが)食べる日常うどんとしては楽しいです。お好みで入れる辛味噌もいいアクセントになります。


 



          

 宿に入る前に富士急ハイランドで遊びました。絶叫系のイメージですが、子供向けのトーマスランドなどもあります。料金的にも子供向けの施設だけフリーとなるキッズパスだと2500円と手頃で十分どころか満喫できました。ここはジョットコースター目当ての若者ばかりで家族連れは少なく穴場かもしれません(平日なのにジェットコースターは2時間待ちでした)。トーマスランドの乗り物7~8、ティーカップ、メリーゴーランド、観覧車に雪山での橇遊び、普通の滑り台など子供には最高の遊び場です。

 17:00過ぎに宿に着きました。今日は珍しく1日中、富士山が見られますとのこと。河口湖IC近くからずっと眺められる景色ですが、河口湖の向こうに聳えるショットは最高です。写真だと遠く小さく見えますが、実際は目の前にドンと構えています。

 




          

 温泉も気持ちよく最高です。夕食は部屋食、私は出向く方が好きなのですが、今はチビが動き回って大変なので部屋の方が有難いです。
 豚のしゃぶしゃぶなど美味しいです。写真のセッティングが全てかと思っていたらこれは前菜で順番に給仕してもらえます。十分、食べ切れないくらいです。豚のしゃぶしゃぶとご飯だけでも満足できます。この値段なら文句はありません。翌朝のバイキングは、山梨名産の河童めしやほうとうなどもありレベルが高いです。サービスのスタッフも丁寧で気持ち良く滞在できました。






          

 朝5:30過ぎの日の出時には雲がかかり見えなかったのですが7:00過ぎには雲が切れて雄姿を拝めました。






          

 2日目は西湖、精進湖、本栖湖とドライブして巡り、白糸の滝に寄りました。広大で絶景です。






          

 こちらはすぐ脇の音止の滝です。ド迫力、虹も2本出ていて感激です。

 最後は「まかいの牧場」で遊んでから帰路につきました。せっかくなので本場の「富士宮やきそば」を体験したかったのですが、時間がうまく合わなかったのでまた次回です。

 富士山を眺める旅でしたが、この時期には珍しく2日とも富士の曲線を拝むことができてラッキーです。快晴の初冬、冠雪の富士山だと感激倍増でしょうが、今回はこれで十分です。本当に楽しめました。





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「天下一将棋会」

          

 渡辺竜王のブログで将棋のネットワークゲームがあることを知りました。ゲームセンターにある機械で対戦相手をみつけて一局指すというものです。「天下一将棋会」、何となく想像はできるのですが詳細はよく分かりません。とりあえずゲームセンターに行ってみることにしました。

 「設置店」を調べると横浜駅西口のタイトー直営ゲーセンに3台、ラウンドワンに4台あるとのこと。横浜西口のビブレ、東急ハンズなどに向かう細い道、その並びのビル(ゲームセンター)に用があるとは思ってもみなかったです。

 まず400円でアミューズメントカードを購入、登録ネーム、パスワード、登録県を入力します。それから棋力テストが5問出題、私は○○○××だったので5級からのスタートです。






          

 対戦相手はCPU(コンピューターのボナンザ)かどこかでゲームをしている棋士(ゲーマー)を選択します。いずれにしても自分に適した棋力の相手になるようになっています。
料金は時間制のライフと一局ごとの買い取り制。強い人はライフ制で勝ち続けるとポイントが溜まり追加料金も不要のようですが我々素人には時間が足らなくなるので、一局200円の買い取り制の方がよいです。

 実は私、1年近く前から将棋勉強を再開しましたが、以来、実戦経験は全くありません。ソフトのコンピューター相手ばかりだったのでいつか人間相手にと思ってきました。電気を通じてで顔は見えませんが一応人間です。

 その結果、今のところ1勝7敗。勝負になりません。定跡を漠然と知っているつもりでしたが、基本的な攻めの形すら分かっていません。すぐに手将棋になるので実力がはっきりと出ます。時間も5分+30秒3回で迫られるので、焦ってタダで飛車を取られたり、王手を受けたつもりが金じゃなくて銀を打って頓死したり、駒の移動する場所を間違えて、同飛のつもりが一歩手前で降ろしてしまったりと滅茶苦茶です。将棋になっていません。

 最新形の定跡どうのこうのではなく、基本的な駒の動かし方、攻め方、詰め方を覚えなければなりません。

 負け続けですが、途中までは形になっていることもあり楽しいことは楽しいです。3~4局指して1千円以内で済みますし高くはありません。
 ネット世界なので下手な指し手(私)を馬鹿にするような不愉快な指し回しもありますが、それも許容範囲です。暇つぶしとしては安いし十分楽しい。もう少し力を付けたいと思います。




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加藤陽子「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」

               

 日本の歴史、特に近現代史に関する教科書問題が起こるたびに、どうせ現場の授業は大政奉還して明治が始まったところで時間切れで終わり、昭和に入ることはないんだから(最近のことは不知ですが)どう記述したって関係ないよと皮肉な見方をしてしまいます。

 だからといって国の教育のせいにするのは責任転嫁なのですが、我々の世代は昭和のことをほとんど知りません。勿論よく勉強されている方は別でしょうが、普通の人々はそうではないでしょうか。昭和のことを全く知らなかったことを知った、気付いたのは半藤一利さんの「昭和史」を読んでからです。昭和ってこういう時代だったんだ。戦争ってこういうことで起きたんだと目から鱗です。

 東大文学部教授の加藤陽子さんの「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」です。新聞の読書欄で推薦してあり手に取りました。
 加藤教授が行った神奈川県の栄光学園での5回に亘る講義をまとめた本です。日清戦争から第2次世界大戦までの近現代史が生徒とのやり取りも含めて分かり易く解説されています。

 書名から、昭和の戦争は軍部の暴走ではなく結局は日本人、国民が選択した結果なんだということが明かされるのかとワクワクしながら読み進めますが、そういう内容ではありません。また、冒頭に歴史を学ぶ意義として、同じような過ちが繰り返されること、歴史から誤った教訓を導き出すことの危険が示されますが、本編(戦争勃発の経緯)でそれが検証される訳でもありません。

 あれっと頭の片隅にクエッションマークは残りますが(書名は営業担当者が販売用に名付けたキャッチフレーズでしょう)、最新の研究や資料で明らかにしていく近現代史の読み物としてはとても面白いです。特に朝鮮半島や満州の位置づけとアメリカ、ソ連、中国、イギリス、ドイツとのやり取り、展開がすっきりと提示されます。
 半藤一利さんの「昭和史」はもっともっと情報量が多くて、話しがいろんなところに飛ぶので複雑、混沌とした歴史ですが、この本の内容は学生向け、時間の制約があったからか枝葉を落として外交という幹を説明していきます。その分理解しやすい。

 結局は自説を裏付ける日記なり、資料なりを引用するので、これが真実かと単純に信じることは出来ないのですがある程度の説得力はあります。
 悪者として描かれることの多い山縣有朋や松岡洋右にもいい面があるという紹介、解釈や中国の胡適という外交官の「日本切腹、中国介錯論」などは興味深かったです。

 いろんな見方があるので日本の近現代史の本はいくつか読んでみればよいのだと思います。「昭和史」と並んでこの本も読む価値ありです。以前、読売新聞が戦争責任を検証した本を読みましたが、前提としての歴史の事実をまだまだ知らな過ぎることを改めて感じました。堅苦しいことは抜きで歴史は面白いです。


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「ぱん工房 うらら」(日吉/下田町)

          

 日吉駅前商店街の中央通りをまっすぐ進み、ずっと先にあるサンヴァリエ日吉という集合住宅の近くにあるパン屋さんです。ネットで紹介されていて良さそうだったので行ってみました。自転車だと5~10分でしょうか。途中からゆるやかな登り坂になるのでちょっと疲れました。次回は電動自転車にします。

 ビル1階の角にある小さな店です。2~3畳くらいのスペースにびっしり色んな種類のパンが並べられています。しばらく眺めても取りたいものがないパン屋もありますが、ここのパンはどれも食べてみたいです。見た目の上品さよりも実際に食べたいパンを作っているようです。家族のために甘いのと甘くないのと半々バランスよく買わなければならなくてよく迷いますが、ここはバラエティに富んでいて簡単に選ぶことができました。
 女性オーナーが一人で作って売っているようです。HPにはこの7月1日に産休明けで再オープンしましたと載っていました。
 





          

 こちらが甘いパン。






          

 こちらが甘くないパン。

 どれも美味しいです。200円台が多く値段は少し高めですが満足できます。地元の馴染みらしいお客さんがどんどん入ってきていました。日吉商店街側には街のいいパン屋がなくて皆さん登場を待ち望んでいます。徒歩圏内ではありませんがいいなあと思えるパン屋です。


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「第58期王座戦 五番勝負第1局」

          

 注目の将棋タイトル戦が始まります。王座戦は藤井九段が10年ぶりのタイトル戦登場です。藤井システム以後、長らく試行錯誤の時期が続いていましたが、居飛車も含めた新藤井流で挑みます。ただ、18連覇中の羽生王座には相性がものすごく悪いです。先日の竜王戦決勝トーナメント一回戦での穴熊に深く囲ったままでの投了はびっくりでした。さてどうなるか。

 10月からは第23期竜王戦七番勝負です。挑戦者決定三番勝負での羽生名人の強さが光りました。絶好調の久保二冠をうまく捌いて、何だこの将棋はとため息出ます。何度か棋譜を並べてみましたが一体何手先まで読んでいるんでしょうか、一手の隙もない差し回しです。昨年くらいからの羽生名人の強さは異常です。もともと異常に強いのですが、40歳を前にして更に深み、幅が増しているようです。
 6連覇中の渡辺竜王もさすがに棋界ナンバー2ポストへの集中力は強烈です。昨年はあまりにも強くて森内九段を一蹴したような印象でした。
 名人戦同様にBS2で生中継があると思うのでじっくり観戦できるのも楽しいです。NHKへのお願いは毎回2日間、断片的に生放送してくれるのは有難いのですが、一番盛り上がる2日目夕食後の時間帯のどこかでせめて1時間くらい放送時間帯を入れてほしいです(よっぽどのことがない限りまだ終わっていません)。

 さて、9月9日に王座戦第一局がありました。ネットライブで棋譜が見られるので帰宅後、同時に並べて楽しみます。細かな分析は読んでいませんが、藤井九段はあまりいいところなく寄せられました。かなり早い段階で羽生名人は勝ちを読み切っていたのかもしれません。第二局も羽生名人なら一気に決まりそうです。藤井九段、ファンの期待に応えて一矢報いることはできるか。


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上野顕太郎「さよならもいわずに」

             

 書店の漫画コーナーに積まれていた作品です。「突然の悲劇。最愛の妻との最後の日々。心張り裂ける、真実の物語。」と帯にあります。小説であれば読むのに時間がかかるのでパスですが漫画です。作者を不知でしたがギャグ漫画家という紹介にも惹かれて手に取りました。

 長年連れ添った夫人の突然の死。数年間苦しんでいたうつ病が再発、気を配るも内心、この忙しい時に面倒だなあと思った矢先の出来事。バッタリと倒れたまま帰らぬ人となります。過去と現在がオーバーラップしながらバタバタと葬式をこなし、そして彼女がいない生活が始まる・・・。 

 愛する家族の死は誰もが経験する避けられない通過点であり、特別のまとめがある訳ではなく、淡々と事実が伝えられます。漫画家として描かずにはいられない思いがあり、書くことで心の整理をつける、心の均衡を保っているようです。正直、甘ったるいと感じるところもあり、愛していた絶望したと言いながら再婚してるじゃないかと醒めて見るところもあり、複雑な読後感があります。後半の喪失感の描写も若干弱い気がしますが、リアルな悲しみは伝わってきます。

 この漫画を読んでいて、そうだったと思い出したのが、自分の葬式、墓問題です。本作で夫人は旦那の死後の骨と混ぜて散骨してほしいと生前希望を伝えていましたが、諸般の事情(何でしょうか?)で上野家の墓を建立してそこに入ることになります。「キホはそこの最初の住人となった/散骨はかなえられなかったが/先祖の墓には入りたくない・・・という望みはかなえられた/それで許して欲しい」とあります。

 我が家は幸運にも家をどこに持つかという問題はクリアしました。次の問題として、私達が死んだらどうすればいいのということを最近妻が聞いてきます、葬式は墓は。
 私も妻も長男長女ではなく、終の棲家を福岡、広島ではない神奈川としました。死に方も自由です。私の実家は神道、妻の実家は仏教ですが、どちらにも思い入れはありません。

 妻に問われてそうだなあと誤魔化していましたが、何かヒントがあればと考えて話題の島田裕巳「葬式は、要らない」を読みました。

 一読、自分の葬儀は直葬にしてもらいたいと思いました。(おそらく病院で)死んだ後、自宅に安置してから、そのまま火葬場に持ち込むというものです。仏教信者でもないので寺の坊主の読経は不要です。花を飾って、好きな音楽を流してもらえれば十分です。
 と考えたのですが、おそらく棺桶を狭い自宅に入れるのは難しいと思います。本当であれば一度この自宅に帰ってきたいのですが仕方ありません。そうであれば葬儀屋の直葬パックか家族葬パックです。日本平均230万円の大規模葬式が30万~50万で済むようです。
 特に好きな花はありませんがヒマワリを飾ってもらうとか。音楽は棚のディスクであればロックでもジャズでも何でも構いません。それらしい雰囲気のものがよければ、コルボによるフォーレ・レクイエム(1972年)でも流してほしいです。ただ、無理はいいません。

 難しいのは墓です。最近は自然葬(海や山に遺灰をまく)や永代供養(一定期間供養した後、現物は処分する)も増えていると新聞に書いてありました。
 閉所恐怖症でもないのですが個人の狭い墓の中に閉じ込められるのは嫌だなあと思っています。正直、どこにいたいかというと家族の近くにいたいので、遺骨を自宅の屋根裏部屋に置いておいてもらいたいと思うのですが、将来、子供が迷惑かもしれません。
 当分、屋根裏部屋に置いてもらって、子供達が独立する時に自然葬にすることでどうかと思います。自然葬は海に撒くことが多いようですが私は深い海に沈むのは怖いので、結果は同じなのですが、子供の頃遊んだ福岡市の室見川に流してもらえないかと思います。すぐに海に流れ込みますが直接海よりはいいような気がします。千の風にではないですが墓の中にいるよりはマシです。

 ただ、死んだんだし地下でゆっくり眠ればいいような気もします。死後の魂なんかありませんと普段考えていながら死後の居場所、住みごこちに思いを馳せるのも馬鹿げています。まだどうすればいいのか、考えがまとまっていません。

 いつ死ぬのかも不明なので想定しにくい問題です。じゃあ妻はどうするのかもあります。こんど妻と相談しようと思います。家族と相談してしっくりいくイメージがあれば結論となるのでしょうか。


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桐野夏生「東京島」

          

 先日、いつものようにパブでギネスを飲みながら夕刊を眺めていると、公開直前の映画「東京島」の紹介が載っていました。興味を持ったのは、朝日、日経ともに「原作の持つ毒気・面白さを篠崎誠監督がスポイルしてしまい明らかに失敗作」だということが控えめながらストレートに書いてあったことです。新聞でまともな評論・批評が日本映画にされるのは珍しいことです(読売は優等生的に「ユーモラスなファンタジー」とまとめていた)。
 そもそも46歳の主人公を29歳の木村多江が演じるところからふざけていて、(観ていませんが)こんなの劇場に行く方が悪いです。

 アメリカでは映画「シャイニング」を原作者スティーブン・キングが「キューブリック監督は恐怖が何たるか全く分かっていない」とこき下ろしたと以前読みました。桐野夏生がこの映画のことをメッタ切りにしてくれれば映画界に適度の緊張感を与えることができると思うのですが、日本では映画は関係者総動員の興行なのでそういうことにはならないでしょう。

 この映画評で興味が湧いて、原作「東京島」を手に取りました。もともとは大好きな桐野夏生ですが最近も「IN」、「メタボラ」と読み始めたものの早々に関心が持続しなくなることが続いていて、「東京島」のことは知ってはいましたがパスしていました。無人島に漂着した女1人と男30人なんて展開が読めるようで・・・。

 それが面白いです。著者得意の多様な人物のエグイ描写。女一人46才。むき出しの感情、むき出しの欲望、微妙な倦怠、現代風の気味の悪い奴らも沢山いて面白いです。グイグイ読ませます。
 「OUT」のような複数視点からの描写、展開もメリハリがあって読み手を惹きつけます。特に日記の食べ物の描写は秀逸。ラストのまとめ方はどうかなあと不満は残りますが、360ページ中の300ページまで一気に読ませれば個人的には満足です。

 桐野作品の登場人物の激しさは滅茶苦茶面白いと感じるか、ついていけないと引いてしまうか諸刃の剣です。アマゾンの書評を眺めると「東京島」はかなり酷評されているようですが・・・私は「OUT」、「柔らかな頬」、「ダーク」、「魂萌え!」などからは落ちるかもしれませんが、最近ではとても楽しめた一冊でした。


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「魚よし」(日吉)

          

 これまでのサラリーマン生活の中で最も美味かったビジネス(仕事中)ランチ店は・・・。お偉方のご同伴でご馳走になった高級店を含めてもあれは美味かったなあと忘れられないのは、広島の紙屋町交差点(街一番の繁華交差点)近くの少し古いビルの一角にあった食堂です。今となっては店名も覚えていないのですが、確かその近辺に長年勤務されていた老年の関係者に教えてもらったのだと思います。
 さばの塩焼きの専門店・・・だったと思います。もし他のメニューがあったとしても注文したことはありません。厨房を囲むようにカウンター席が15席ほど。元気のいい女将さんがいて、さばは腹と尻尾とどっちの方がいいか聞いてきます。後はご飯と味噌汁なのですが、味噌汁に卵を落とすのか、その卵はどのくらい火を通すかなど細かな注文ができました。美味かった。焼き魚の美味さに目覚めました。ご飯と半熟の卵入りの味噌汁との三者が完璧にきまっていました。最高。
 「沙華菜」(中華料理)、「一楽章」(カレー喫茶)、「サン・カレー」なども好きでしたが、さばの塩焼き屋に週3~4日は通ったと思います、週5日もありました。料金は覚えていませんが高くはない普通の値段だった筈です。忘れられない(肝心の店名などいくつも忘れていますが・・・)定食屋です。

 前置きが長くなりましたが、以前、不動産屋の担当者から日吉の商店街で美味しい店として教えてもらっていた「魚よし」です。少し高いけど魚がおいしいと彼は言っていました。

 このことを何年振りかに思い出して行ってみました。中央通りのずっと先、大手塾の手前です。店構えがこじんまりとして分かりにくく何度か周回してようやく見つけました。

 店内は奥にまっすぐのカウンターだけです。10席くらい。間接照明で落ち着きがあり、バーの雰囲気です。もしかしたら本当に元バーを居抜きしたのかもしれません。
 温厚な雰囲気の男性が接客、給仕で、見えませんが奥にいる女性2人が調理担当です。手書きのランチメニューがあり、魚料理が6~7種類に揚げ物1種類くらいです。まずはさばの塩焼きです。

 ビールを飲んで暫く待つと、ジュージューと焼き上がったさばが出てきます。口にすると・・・うまい、脂がのっていて堪りません。落ち着いた店内雰囲気とは違和感がある(?)大盛のご飯です。このご飯に辛子明太子のように少しずつさばを絡めながらいただきます。さばも美味いけど、ご飯も美味い。うまい焼き魚にはご飯が必要ですね。しみじみと旨みを噛み締めます。

 定食1050円と少し高いのですが、満足感も十分です。昼に焼き魚なら「魚よし」です。


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