北野新太「最終局」(「小説 野生時代」 2019年1月号)

 
 

 中村太地七段のツイッターの告知で知ったノンフィクション短編です。KADOKAWAが発行している「小説 野生時代」という月刊誌に掲載されています。

 王座戦5番勝負、10月30日にあった中村王座対挑戦者斎藤慎太郎七段の最終局。

 新聞の将棋コーナー、将棋雑誌などで読める観戦記は、専門記者だけでなく熱心なファンによるもの、芥川賞作家のものなどいろんなタイプのものがありどれも楽しめるのですが、これは勝負に挑む両者にインタビューしてそれぞれの立場からこの勝負にかける思いが綴られるもので、ちょっと切り口の違うノンフィクションになっています。

 角換わりという最新の研究の深さが試される戦型で、「▲4五角」という勝負手を編み出した挑戦者とそのすごく嫌な手を指された王座の想い。23ページの短い読み物ですが緊張感が張り詰めていて面白いです。

 ノンフィクションとしての出来がどうかというのはよく分からないのですが、両者の熱い想いがストレートに伝わってきて読みやすくて楽しめました。



 ところで、話しは変わるのですが、将棋つながりで21日に発売になった羽海野チカの「3月のライオン」14巻をさっそく読みました。内容は桐山の将棋はお休みで三月町の3姉妹もので私には若干退屈だったのですが、なんと、前作「ハチミツとクローバー」の花本、真山、野宮が出てきます(はぐ、あゆ、りかも会話の中で現状が紹介されます)。巻末おまけ漫画によると、それは12年前のハチクロ9巻で構想されていたものとか。また、3月のライオンの準備を始めたのはハチクロ7巻で竹本が自分探しの自転車旅に出た頃とか。

 うーん。私はハチクロが大好きで、第10巻64話の最後の18ページが漫画史上最高のラストシーンだと思っているのですが、ここの伏線は第2巻14話にあって、この息の長い回収にため息をついていたのですが・・・もしかして、今後の展開と作品のボリュームが全く分からなくなっている3月ライオンに、息の長い長い伏線としてハチクロが更に絡んでくるなんてこともあるかも・・・などと考えてしまいました。



 





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「みろく庵」(千駄ヶ谷)


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 将棋会館への出前で有名な千駄ヶ谷の「みろく庵」再訪です。北参道駅を降りてから数分のところにあります。


 随分前の前回は肉豆腐定食でしたが、今回はカレー丼とみそ煮込みうどんにしました。え、二つですかとちょっと驚かれました。


 カレー丼のルーはスパイシーでうまいです。カレー好きなら毎日でもOKの味。みそ煮込みうどんは味噌味さっぱり目のオーソドックスな煮込みうどんです。写真映りは悪いのですが味はいいです。


 気持ちのいい接客と気遣いのご夫婦。いい感じの店です。食べ終えて、昼の11時50分すぎに出たのですが、私以外には客はいませんでした。場所的にもどういう客層が中心なのか、普段はもう少し違うのかもしれません。


 ここまで来たら将棋会館です。隣りにある鳩森八幡神社の長閑な境内には将棋堂があります。梅が咲いていました。


 将棋会館は、単なる建物というか普通すぎて拍子抜けするくらいです。ただ、ここにトップ棋士が入場すると別物に変身するんだと思います。1階は売店で、2階は道場になっていて、一般人もここまでは入れます。


 帰り道、北参道駅の近くには、これまた将棋会館への出前で有名な「ふじもと」と「千寿司」がありました。ふじもとの鰻も食べてみたいところです。


 前回とほぼ同じルートでしたが、事前の想像どおりほとんど変わらずという印象でした。何かイベントでもある際にまた来たいなと思いました。


(帰宅した後、夜の9時頃に知ったのですが、本日はC級1組の10回戦(最終戦)が将棋会館で行われていて、昇級を掛ける中村太地六段や斎藤慎太郎六段らが4階の対局室で対局していたようで、今も対局しています。将棋会館に立ち入ったのは昼過ぎだったのですが、閑散としていてそんな雰囲気は全くなかったのですが・・・本当にですかという感じです。)







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「第73期名人戦・順位戦 A級9回戦」

          


 「将棋界の一番長い日」と言われている順位戦の最終局です。羽生名人への挑戦者ともう一人のB級への降級者が決まります。


 いつもは平日だったと思うのですが、休日の開催は観戦ファンにはありがたいです。千駄ヶ谷の将棋会館での一斉対局、5局同時にネットで観戦し、重要な久保-渡辺戦と行方-森内戦は駒も並べます。


久保 利明九段(6勝2敗)-渡辺 明二冠(5勝3敗)
行方 尚史八段(6勝2敗)-森内 俊之九段(3勝5敗)
広瀬 章人八段(5勝3敗)-三浦 弘行九段(3勝5敗)
佐藤 康光九段(4勝4敗)-深浦 康市九段(4勝4敗)
郷田 真隆九段(4勝4敗)-阿久津 主税八段(0勝8敗)


 このクラスの棋士は全員好きなので、どっちを応援するもあまりないのですが、強いて挙げると、名人挑戦は久保九段がおもしろそう、郷田九段には残留してほしいくらいです。


〔昼食の注文〕
渡辺二冠 里芋煮定食(みろく庵)
森内九段 さば塩焼定食(みろく庵)
三浦九段 スタミナ焼定食(みろく庵)
広瀬八段 梅雑炊(みろく庵)
郷田九段 つけとろろそば・おにぎり梅(みろく庵)
※その他は注文なし
♯お馴染みの千寿司、ふじもと(うなぎ)の注文がないのですが、両店は日曜日は休みのようです。


〔夕食の注文〕
渡辺二冠 すき焼きうどん・餅入り(みろく庵)
久保九段 親子丼(みろく庵)
森内九段 すき焼き重(みろく庵)
三浦九段 親子丼・唐揚げ3個(みろく庵)
広瀬八段 天ぷらそば(みろく庵)
郷田九段 カレー丼(みろく庵)
※その他は注文なし


佐藤九段、深浦九段、行方八段、阿久津八段が昼食も夕食も注文なしでした。食べないということではなく、何か持参しているのだろうと想像します。


夕食前までの棋譜コメント・応援掲示板での評価だと、渡辺、広瀬優勢、行方互角、久保劣勢でしょうか。4人によるプレーオフもある展開です。





2時10分頃、佐藤九段が投了し、全て終了しました。


 久保九段 - ○渡辺二冠
 行方八段 - ○森内九段
○広瀬八段 -  三浦九段
 佐藤九段 - ○深浦九段
○郷田九段 -  阿久津八段


結果、行方八段、渡辺二冠、久保九段、広瀬八段の4人によるプレーオフとなりました。順位下の二人から順番に勝ち抜けていく方式、行方八段が3戦目の決定戦に登場します。残念ながら三浦九段と阿久津八段が降級となりました。また、既に決まっているとおり、来年のA級には、佐藤天彦八段と屋敷九段がB級1組から昇級します。




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「第69期将棋名人戦七番勝負全記録」

               

 もう前のことになりますが今年の将棋の名人戦は森内九段が4勝3敗で羽生名人を下し、名人位を奪還しました。

 この7戦の模様は当日、テレビとネットで観戦して、その後、「将棋世界」の解説も眺めていますが、最終的にはこの単行本を読んで完結します。

 私のような素人は、10~14分割しての詳細の解説、勝負どころの説明がないと正直よく理解できません。どの手が優勢の起点になったのか、どの手が失着だったのか。単行本でじっくり熱戦を振り返ります。

 いろいろと書かれているとおり最近は羽生名人の衰えを感じるというか、全盛期を過ぎたのではと首を傾げる将棋をたまに見るようになり、この名人戦についても正直、一局一局では若干盛り上がりに欠ける戦いになった印象もあります。秒読みが始まってもまだどちらが優勢か不明という混戦は(今回に限らず)最近少なくなっています。羽生さんの震える手はもう見れないのでしょうか。
 それでも居飛車の本格派の対戦、伝統の一戦で将棋の純文学たる矢倉を3局も観られるのは幸せ、ワクワクします。昨年が横歩取りシリーズで矢倉が一局もなかったので尚更です。

 名人戦の主催が毎日新聞と朝日新聞の共催になったので、この本を朝日新聞版で買うのは初めてです(昨年は4戦で終わったので読んでいません)。私は毎日新聞将棋欄伝統の〇好手、△作戦、?疑問、×悪手(マークは違うかも)を使った表記が分かり易く好きなので、それがないのは残念ですが(解説も若干玄人向けのような・・・)、ようやくあの震災後の4月から始まったシリーズで何が起こっていたのかを少し理解できました。


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中野英伴撮影/大崎善生文「棋神」

            

 将棋写真の第一人者による写真集。羽生、谷川、中原、大山を始めとした歴代の名棋士達の主にタイトル戦における思考中の様子を捉えたモノクロ画像が集められています。

 これまで知らなかったのですが将棋世界で名著と紹介されていて手にしたものです。大判、2800円です。

 正直、映像世代の我々は、タイトル戦の中継やNHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」といった番組でトップ棋士達の劣勢時の苦渋の表情や秒読みの中での詰む詰まざるやの鬼気迫るドキドキの攻防を映像で観ているので、この写真集に収められたカットに改めて驚くことはないのですが、白黒で捉えた静謐な一瞬一瞬に惹き付けられるものがあります。

 大山、中原、米長時代の重厚な雰囲気は今からは想像できないのですが歴史を感じます。現代でも旅館の和室、畳という空間で将棋盤に向かう姿は実に絵になります。佐藤康光九段、故村山聖九段、三浦弘行八段、山崎隆之七段などの和風の写真が特に印象的です。


 森内新名人の誕生、羽生棋聖防衛とタイトル戦が次々と開催されています。新年度の順位戦も始まりました。羽生世代、久保二冠、渡辺竜王、山崎・橋本・松尾・阿久津の中堅七段、広瀬・豊島・佐藤らの若手世代、2011年度は誰が活躍し、目立つのでしょうか。まだまだ強いですが羽生世代が若手に負けるのも普通の光景になってきました。この2~3年でタイトルホルダーが一気に交代となるかもしれず、目が離せません。

 それと真夏のファンのお楽しみ、東急東横店の将棋祭りが今年も8月1日(月)~8月3日(水)に開催されます。楽しみです。


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「将棋界の一番長い日」 ~ 第69期A級順位戦最終局

             

今日は、「将棋界の一番長い日」ことA級順位戦最終局です。

羽生名人への挑戦者は森内九段か渡辺竜王か。降級者2名は。

ネット中継もやっていますが、今日はNHK・BS2です。

  9:40~11:00
 16:00~18:00
 10:31~ 2:00

  三浦弘行 八段 VS 木村一基 八段○
 ○高橋道雄 九段 VS 藤井 猛 九段 
  森内俊之 九段 VS 久保利明 二冠○
 ○丸山忠久 九段 VS 渡辺 明 竜王
  谷川浩司 九段 VS 郷田真隆 九段○

 応援している棋士はいるのですが、ずばり予想。挑戦者は両者負けでプレーオフ。でも竜王の最近のここ一番の強さはすごいものがあります。分かりません。
 降級者は3勝5敗が4人、4勝4敗の久保二冠も可能性ありです。難しいですが、残念ながら三浦八段、藤井九段ではないでしょうか。

 さてどうなるか。いずれにしても楽しみです。

〔結果〕

 夜中の1時半過ぎ、森内九段が久保二冠を破って名人戦の挑戦権を獲得しました。丸山九段の伝家の宝刀、角換わり腰掛銀を真正面から受けとめた渡辺竜王はあっぱれでした。久保二冠の十八番、ゴキゲン中飛車を撃破した森内九段も見事でした。もう来月ですが、4月、春になればまた名人戦が始まります。
 降級は木村八段と藤井九段となりました。棋界を代表する二人が陥落とは厳しいです。でも、この1~2年好調不調の波が大きかったので仕方ないでしょうか。佐藤九段のように実力あればB級は相手じゃくて一期での復活です。期待したいと思います。

 ○三浦弘行 八段 VS 木村一基 八段
 ○高橋道雄 九段 VS 藤井 猛 九段 
 ○森内俊之 九段 VS 久保利明 二冠
 ○丸山忠久 九段 VS 渡辺 明 竜王
  谷川浩司 九段 VS 郷田真隆 九段○


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「第60期王将戦七番勝負第2局」(静岡県掛川市「二の丸茶室」)

          

 新年最初のタイトル戦、王将戦の第2局です。久保王将による先手中飛車で2日目が進んでいます。駒がぶつかり合い、せめぎ合い、まだ互角のようですが、どちらかに緩手、疑問手が一手出ればそれで決まりそうです。

 他のタイトル戦は平日が多いのですが、今年の王将戦は第1・2・4局が休日を絡めていて有難いです。休日にゆっくりネット観戦できるうれしさ、楽しさ。一般的に日程が平日である理由はおそらく会場の「旅館」都合だと思います。前日から貸切になるのでしょうか。稼ぎ時の土日祝日は避けたいし、逆に空いている平日は是非使ってもらいたい。
 今回の休日絡みの対局も会場が大塚美術館、お城の茶室、寺と宿泊施設ではないからでしょう。対局者からすると移動なくゆっくり指せる旅館の方がよいのかもしれませんが、ファンのためには是非、せめて2日目は土曜日にしてもらいたいです。

 最近は棋譜の他にブログがあり、対局の様子、会場の紹介、昼に何を食べたか、10時、15時のおやつは何かなどが映像で紹介されていて面白いです。おいしそうな餡かけチャーハン、うな重、果物の盛り合わせ、チーズケーキなどがアップされています。
 また、今回のサイトにはファンが書き込むツイッターがあり、眺めていたら、「本日午後8時~9時30分、BS2で『死闘 渡辺明対羽生善治 ~ドキュメント竜王戦~』があります。お忘れなく!」という書き込みがありました。何!さっそく録画予約です。有難い、感謝感謝! ツイッター、昨日映画で観たFaceboookなどのツールにはまだほとんど関わっていませんが、貴重な情報交換もありそうです。

 今年のタイトル戦のネット発信も進化があるのでしょうか。無料なので無理は言えませんがいろいろと工夫を凝らしてもらいたいです。

 17:00現在、昼過ぎの豊島六段が互角かちょっと指せるかの声から、久保王将十分、優勢というコメントに変わりつつあります。
 昨年のタイトル戦の多くは2~3年前のような終盤どっちがいいのか優劣不明という大混戦が減り、ちょっと差が出来るとそのまま押し切り、秒読みに入らずにその前に投了という戦いが増えたように感じていました。これは、現代将棋が高度に戦略、戦術、読みが進化しているからなのかどうか分かりませんが、検討陣がどっちがいいのか全く分かりませんと嘆くような手に汗握る対局を沢山観戦したいです。



 と最近熱戦ないよねぇーと書いた後、19時過ぎから二転三転四転の大接戦となりました。ワォーという展開。いやぁ凄い。まだ地力の差があるのかなあと思っていましたが、やります豊島六段。

 好きな棋士はいろいろいてその対局で応援する方を変えるのですが、片方が穴熊に潜ったら、その時は相手応援です。何とかこじ開けて撃破してほしい。今回は豊島六段がやってくれました。19時54分、172手まで。あどけない顔付の若武者が久保二冠を撃破しました。ワオやりました!




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梅田望夫「シリコンバレーから将棋を観る―羽生善治と現代」

             

 読みたい本がある時、散歩も兼ねて本屋の中をウロウロするのも楽しいですが、新刊でない場合は余程の巨大店舗でない限り、もう置いていないことが多いです。その場合は探した後、あるいは始めからアマゾンです。私が改めていうまでもないですが本当に便利です。追加料金で当日お届けサービスもあり、そこまで急ぐことはないので通常配送で注文しますが当日届くこともあります。

 また、本以外のものも安く、先日とあるコーヒーミルを買うことにして値段を調べていたらアマゾンが一番安くて注文しました。これからは何でもかんでもアマゾンでしょうか。

 先日、梅田望夫氏の「どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?」を読んで感激し、早速、アマゾンで前作を注文したところ、これは珍しく1週間以上要しました。他に読んでいる本があったので問題はなかったのですが、今すぐにでも読みたいのに配送に時間がかかる場合は少し困る、そういうこともあります。



 「指さない将棋ファン」宣言&いくつかのネット観戦記をまとめた本です。指さない将棋ファン宣言には共感できます。私も今後は趣味は将棋鑑賞としたいと思います。
 小中学生まで将棋に熱中していた著者よりも私はもっと将棋実戦から遠い立場ですが、子供の頃、毎日新聞で将棋の対戦記を楽しく読んでいたのを覚えています。将棋はほとんど分からないのに観戦記は面白かった。当時、中原名人や米長九段が多く登場していたと思うのですが、今でも9八の位置に玉がいる棋譜は覚えています。長い間、忘れていたのですが矢内女流が米長玉を使う記事を読んで思い出しました。子供の頃、戦術も構えも何も知らないのに変な位置に玉がいることを不思議に思っていました。
 あれから30年近く経過、何がきかっけだったかよく覚えていませんが、昨年、そうだ将棋だと思い付き、少しずつ勉強するようになりました。いつかは自分も指せたらいいなと考えていますが楽しみの中心はトッププロの対戦を観ることです。タイトル戦のネット観戦が今一番の楽しみ。

 読む順番が逆になってしまいましたが「シリコンバレーから将棋を観る」です。本書は将棋ファンを公言する著者にタイトル戦のネット観戦記の誘い、依頼があり、始めは自分のようなアマチュアにはとても無理と断りそうになるのですが、指さない観戦ファンがいてもいいじゃないかと考え直して挑戦してみるものです。
 そこらへんの経緯や羽生名人、佐藤九段、深浦九段、渡辺竜王との対戦後のインタビューや交流などを通じて、将棋の現在、魅力的な棋士の姿を紹介していきます。ネット観戦記はまだ試行錯誤の段階で将棋の内容よりも棋士の人間性に迫る内容が中心です。私は将棋雑誌を読んだり、将棋ブログを閲覧して1年近くになるので棋士の人間的な魅力などは少しですが知っていて、「どうして羽生さんだけが」ほどの驚きはありませんでしたが、本書も初めて知る内容も多く非常に興味深いです。

 羽生名人の「変わりゆく現代将棋」を取っ掛かりに話しが始まります。名著の誉れ高い「変わりゆく現代将棋」ですが、これまでは何が書かれているのか全く理解できませんでした。どうして二十数手までの定跡が確立している矢倉の導入の5手を検証する意味があるのか。それが本書での解説、矢倉の後手急戦に備えるためにどういう手順で指すべきか、矢倉5手目までの定跡の背景などが分かり、成る程と納得です。
 プロ棋士の文章、プロ観戦記者の記事は我々素人には意味不明なところがあります。このような本で玄人と素人との間を繋げてもらえると本当に助かります。本書での5手目☗6六歩や「どうして羽生さんだけ」での2手目☖8四歩の意味の解説はこれまで誰もしてくれなかったけど、一番興味を持ったものです。

 駒を並べなくても分かり易い棋譜を挿入するといった工夫は第2作の方が進化していますが、こちらもアマチュアの目にしか映らない現場の雰囲気を新鮮に伝えてくれます。素晴らしい良書、将棋観戦ファンは必読です。



 さて、竜王戦は4勝2敗、渡辺竜王の防衛で幕を閉じました。楽しみのネット観戦が1回少なくなったのは残念ですがこれは仕方ありません。渡辺竜王の強さよりも羽生名人の不調を感じました。来年の羽生名人は注目です。年内は順位戦がまだ少し残っていますが、タイトル戦は終了です。

 来年のタイトル戦は1月8日の王将戦でスタートです。会場は、昨年同様に鳴門の大塚美術館の模倣システィーナ礼拝堂です。「シリコンバレーから将棋を観る」でもタイトルホルダーの誰もが挑戦者は羽生名人であってほしいと考えているとありました。当事者含め周りは話題となる華やかな一戦を期待します。明治ラグビー部は早稲田が慶應に勝って全勝で来てほしいと願い、野球ファンは巨人対ソフトバンクが観たい、中日対千葉ロッテじゃつまらないという訳です。
 羽生ではない挑戦者の立場では、タイトルホルダー、主催新聞社、会場、地元関係者などに羽生でなくて残念という空気があり辛いです。ただこれは仕方ないので、実力と人気をつけていくしかありません。久保二冠対豊島六段。豊島六段は読みが深くて確かに強いのですが、まだ経験不足なのか簡単に負けることもあります。振り飛車対決になるのか。熱戦を期待したいです。







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梅田望夫「どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?」

              


 将棋ファン、特に自分で指すことはほとんどないけど観戦は大好きなファンには堪らない一冊です。

 著者の梅田望夫氏の本業が何なのかは分からないのですが、ネット業界に身を置く著述家でコアな将棋ファンです。著者による5つのタイトル戦のネット観戦記とその後の関係者へのフォローインタビューで構成されています。

 現在、ほとんどのタイトル戦はネット中継されるので、仕事が終わって帰宅後、駒を並べながら同時進行で対戦が楽しめます。今日は順位戦A級郷田-渡辺戦をネットで観戦しながら合間にこれを書いています。本書に出てくるまさに2手目、☖8四歩からの角交換腰掛銀です(新手☖8一飛、結果は先手郷田九段勝ち)。
 ネット中継は解説もあり、ある程度の状況は分かるのですが、私のような素人は、その後の「週刊将棋」(たまに)、月刊の「将棋世界」、新聞の連載(私は読売新聞なので竜王戦)でのレビューを読んで再び並べてみてようやく何があったのか感じることができる程度です。

 著者も指さない観戦ファンを公言しているアマチュアの立場だからでしょう、上記の専門誌での専業ライターの記事では素人に分からないポイントを平易な文章で分かり易く伝えてくれます。

 読み始めの印象では過去の単発的な記事の寄せ集めかと思いきや、とんでもない。深い洞察に基づく現代将棋の解析、提示があって刺激的です。これを読んだ後では同じ将棋が別の視点から眺められます。

 登場するのは羽生名人、木村八段、勝又六段、山崎七段、三浦八段、行方八段、深浦八段の7名。テーマは世代間の争い、コンピューターの進歩、最新研究とプロの処し方などなど多岐に亘ります。
 業界記者なら普段の付き合いがあるので遠慮して書かないようなことも含めてズバズバと書いているのが魅力です。ただ、こういうストレートな物言いは別に隠し事でもなんでもなく、いろんな解説会場やネット上でもオープンにされ、紹介されていることなので改めてこれを読んで気分を害するプロはいないと思います。そんな軟なハートだとこの厳しい世界を生きていけません。当然、嫉妬、やっかみもあると思います。いろいろと言われ、書かれていますが、それでも最後は将棋で勝った者、将棋の強い者が偉いという絶対の基準があるのだと思います。何とでも言え、それでも俺は勝ちたい、そういう強者の集まりです。

 この本を読むと、将棋世界や新聞での観戦記があまりにもステレオタイプのワンパターンであることが分かります。一緒に誰と現地入りしたとか、これまでの対戦結果はとか前段は毎回同じ、肝心の勝負の解説となると本人はセミプロで十分理解できているのでしょう、「ここは6五桂の一手」とさらっと流したり、検討陣の棋譜をダラダラ書いたりと玄人向けの記号のような内容が多いです。これまでは分からない自分が悪いと肩身の狭い思いをしてきましたが、このような良書を読むと既存のライターの突っ込み不足が明らかになります。

 著者の前著である「シリコンバレーから将棋を観る」が評判よいことは知っていたのですが、羽生名人とのコンピューターの進歩に関する対談と思っていたので関心外でした。認識改め、本書のような面白いアマチュア観戦記であればと早速にアマゾンで注文しました。

 この本は本当におもしろい。読書する最高の喜びがあります。





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羽海野チカ「3月のライオン 5」

            

 こちらも待望の「3月のライオン」最新刊です。今回は作者の前作「ハチミツとクローバー」風の若干甘ったるい内容が多めで少しどうかなあと思いながら読んでいたのですが途中から名人戦が始まり、バランスよい締まった展開になりました。最後は主人公の過去や懇意のひなちゃんへのイジメへの対応などメインテーマの片鱗、次回以降への含みも持たせて終わりました。結果としては満足の一冊です。



 さて、現実の将棋界。竜王戦は第五局まで進みました。渡辺竜王の3勝2敗。羽生名人のまさかの2連敗でスタート、今回も一気かと思いきや羽生名人の巻き返し2勝、逆王手かと思ったら今度は渡辺竜王勝利。戦前の予想とことごとく逆の展開になっています。

 横歩取り3局、矢倉1局、角交換腰掛銀1局となっています。横歩取りの急戦もハラハラ楽しいのですが、第2局の矢倉がよかったです。本格的にがっちり組み合ってのねじり合いは大一番という感じがします。個人的にはタイトル戦の中で一局は矢倉を見たいです。第五局から間隔も短くなってきます。最終的には第七局まで行くことを期待していますが、今回は予想が外れるので分かりません。


 順位戦ではB級1組に陥落した佐藤九段が8勝1敗と独走、あと1勝で復帰確定です。佐藤九段にはA級がふさわしいのでうれしいです。A級では応援していた谷川九段が5連勝とはなりませんでした。谷川九段、森内九段、渡辺竜王が並走でこの3人のうちの誰かでしょうか。応援する棋士はいるのですが、結局、その時一番強い、調子のいい棋士しか羽生名人と互角に戦えないので最後は推移を見守りたいと思います。まさに「3月のライオン」の最終戦まで目が離せません。


 NHK戦もベスト16で佳境に入ってきてこれからは実力者どおしの対戦が続きます。今日は郷田九段と豊島五段の対戦、ゴキゲン中飛車の急戦で先手郷田九段が79手で押し切りました。急戦は時間が余るので収録上感想戦が30分もありました。負けたのが若手とはいえテレビでこの長さは酷です。天国か地獄か、大変です。


 最近は第一線にいた藤井九段、深浦九段、木村八段、鈴木八段が苦戦、山崎七段、松尾七段、阿久津七段、橋本七段ら中堅が一進一退、広瀬王位誕生、豊島五段、糸谷五段などの若手が好調維持で下剋上です。


 女流では里見香奈が18歳で女流三冠となりました。男性プロも認める強さはあるのですがライバル不足が気になります。竹俣紅ちゃんという小学6年生が強くて話題になっています。女性初の奨励会からの四段(プロ)となることを期待したいです。

 スポーツであれば事実上の体格面の男優位を認めたうえで男の部と女の部とを分けています。一方でそれ以外のジャンルでは男女平等・公平ということで同じ土俵での競争があります。将棋は後者で整理していますが今は男女の実力差のかなりある競技です(女流段位は通称との整理で将棋連盟はプロと認めていません)。今後どうしていくのがいいのか。どうすればいいんでしょうか。





            



               





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「将棋世界 2010年12月号」

             

 竜王戦は予想外の羽生名人の2連敗で始まりました。特に第2戦は解説人が何手も羽生名人の疑問手を指摘するというこれまでにあまり記憶のない展開にちょっと驚きです。最近の強さが際立っていただけに意外でした。夫人との別居が報道されており、そこらへんの影響もあるのかなあと想像しています。このまま渡辺竜王の4連勝でしょうか。そうならないことを望みたいと思います。


 さて、将棋界では結構話題となっていたコンピューター対清水女流王将の対決。個人的にはそれほど関心はなかったのですが、今月号の将棋世界での特集「知を巡る物語」を読んで今回の勝負の面白さを今更ながら認識しました。

 今回のコンピューター「あから2010」は「激指」、「Bonanza」、「GPS将棋」、「YSS」という4つの将棋ソフトが次の一手をそれぞれ検討し、その結果を合議制(単純多数決+α)で決めるというものです。それぞれのソフトにはこれまでの実績に応じて激指2.9、Bona1.9、GPS1.0、YSS1.9という発言力が設定されている。
 加えて、序盤の作戦のみ力戦型(定跡を離れて駒がぶつかり合う複雑な将棋)、角交換が行われるように設定したことが開始後発表されました。そこで4手目、☖3三角(後手あから)。
 私も「激指」を持っていて、たまにソフトと対戦するのですが、私のような初心者が角交換するとまず勝てません。容赦ない打ち込みがあるのでとにかく角交換しないように指します。プロなので影響は大きくないでしょうが、あからの序盤思考プログラムを読んで成る程と思いました。

 この特集では、ポイントでの4つのソフトの選択手、その背景としてのソフトの傾向・好み、そして合議でどの手が選ばれたのかが紹介されていて興味深いです。合議中にコンピューターの読みが進んで手を変えるソフトがあり、対立していた協議がまとまるなどワクワクです。

 桂をタダ捨てしてでも、穴熊を阻止する☖4四の角というポジションの価値を高く見るなど手の良し悪しは別としてコンピューターは進化しているんだなあと感嘆しました。

 結局は時間に追われて疑問手を2~3打ってしまった清水女流王将が敗れてしまいます。コンピューターは終盤は間違えませんので明らかな差が出てしまうと一直線です。

 まだ男性プロの方が強いような印象ですが今後のコンピューターの進化も楽しみです。



          




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「天下一将棋会」

          

 渡辺竜王のブログで将棋のネットワークゲームがあることを知りました。ゲームセンターにある機械で対戦相手をみつけて一局指すというものです。「天下一将棋会」、何となく想像はできるのですが詳細はよく分かりません。とりあえずゲームセンターに行ってみることにしました。

 「設置店」を調べると横浜駅西口のタイトー直営ゲーセンに3台、ラウンドワンに4台あるとのこと。横浜西口のビブレ、東急ハンズなどに向かう細い道、その並びのビル(ゲームセンター)に用があるとは思ってもみなかったです。

 まず400円でアミューズメントカードを購入、登録ネーム、パスワード、登録県を入力します。それから棋力テストが5問出題、私は○○○××だったので5級からのスタートです。






          

 対戦相手はCPU(コンピューターのボナンザ)かどこかでゲームをしている棋士(ゲーマー)を選択します。いずれにしても自分に適した棋力の相手になるようになっています。
料金は時間制のライフと一局ごとの買い取り制。強い人はライフ制で勝ち続けるとポイントが溜まり追加料金も不要のようですが我々素人には時間が足らなくなるので、一局200円の買い取り制の方がよいです。

 実は私、1年近く前から将棋勉強を再開しましたが、以来、実戦経験は全くありません。ソフトのコンピューター相手ばかりだったのでいつか人間相手にと思ってきました。電気を通じてで顔は見えませんが一応人間です。

 その結果、今のところ1勝7敗。勝負になりません。定跡を漠然と知っているつもりでしたが、基本的な攻めの形すら分かっていません。すぐに手将棋になるので実力がはっきりと出ます。時間も5分+30秒3回で迫られるので、焦ってタダで飛車を取られたり、王手を受けたつもりが金じゃなくて銀を打って頓死したり、駒の移動する場所を間違えて、同飛のつもりが一歩手前で降ろしてしまったりと滅茶苦茶です。将棋になっていません。

 最新形の定跡どうのこうのではなく、基本的な駒の動かし方、攻め方、詰め方を覚えなければなりません。

 負け続けですが、途中までは形になっていることもあり楽しいことは楽しいです。3~4局指して1千円以内で済みますし高くはありません。
 ネット世界なので下手な指し手(私)を馬鹿にするような不愉快な指し回しもありますが、それも許容範囲です。暇つぶしとしては安いし十分楽しい。もう少し力を付けたいと思います。




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「第58期王座戦 五番勝負第1局」

          

 注目の将棋タイトル戦が始まります。王座戦は藤井九段が10年ぶりのタイトル戦登場です。藤井システム以後、長らく試行錯誤の時期が続いていましたが、居飛車も含めた新藤井流で挑みます。ただ、18連覇中の羽生王座には相性がものすごく悪いです。先日の竜王戦決勝トーナメント一回戦での穴熊に深く囲ったままでの投了はびっくりでした。さてどうなるか。

 10月からは第23期竜王戦七番勝負です。挑戦者決定三番勝負での羽生名人の強さが光りました。絶好調の久保二冠をうまく捌いて、何だこの将棋はとため息出ます。何度か棋譜を並べてみましたが一体何手先まで読んでいるんでしょうか、一手の隙もない差し回しです。昨年くらいからの羽生名人の強さは異常です。もともと異常に強いのですが、40歳を前にして更に深み、幅が増しているようです。
 6連覇中の渡辺竜王もさすがに棋界ナンバー2ポストへの集中力は強烈です。昨年はあまりにも強くて森内九段を一蹴したような印象でした。
 名人戦同様にBS2で生中継があると思うのでじっくり観戦できるのも楽しいです。NHKへのお願いは毎回2日間、断片的に生放送してくれるのは有難いのですが、一番盛り上がる2日目夕食後の時間帯のどこかでせめて1時間くらい放送時間帯を入れてほしいです(よっぽどのことがない限りまだ終わっていません)。

 さて、9月9日に王座戦第一局がありました。ネットライブで棋譜が見られるので帰宅後、同時に並べて楽しみます。細かな分析は読んでいませんが、藤井九段はあまりいいところなく寄せられました。かなり早い段階で羽生名人は勝ちを読み切っていたのかもしれません。第二局も羽生名人なら一気に決まりそうです。藤井九段、ファンの期待に応えて一矢報いることはできるか。


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「第12回京急将棋まつり」(8月14日)

          

 渡辺竜王のブログで上大岡の京急百貨店でも将棋まつりが開催されることを知りました。先日渋谷の将棋まつりに行ったばかりですが暇だったのと上大岡に一度行ってみたいのもあって出向きました。4日開催の中の3日目です。

 壇上は甲斐女流二冠と本田女流二段の対戦です。内容よりも田村康介六段の解説というか早指しの話しが面白かったです。鈴木八段との対戦で消費時間、田村2分、鈴木3分という勝負があったそうです。将棋は負けたけど、早さでは勝ったと。聞き手の鈴木環那女流初段から、どうしてもう少し考えないんですかと質問されて困っていました。






          

 書籍(佐藤著「戦いの絶対感覚」)を購入してサイン会で佐藤九段にサインしてもらいました。1.天衣無縫 2.研鑽 3.(?) 4.気概の中から選ぶことになっていました。恥ずかしながら1.の意味を知らなかったのですが、こういう場合、一番目だろうと思い、天衣無縫をお願いしました。






          

 天衣無縫(てんいむほう)とは 物事に技巧などの形跡がなく自然なさま、天人・天女の衣には縫い目がまったくないことから完璧で美しいことを表しているそうです。佐藤九段の将棋の理想なのでしょう。

 佐藤九段の指導対局も観戦しましたが、結構な腕自慢(飛車落ちか角落ち)に対して本気モード(?)で手厚く厳しく手を進めていました。駒を引いたり、手を渡されたりして、ちびっ子が終わった後の挑戦者3名も困って中考していました。じっくり指して長いのかなと思っていると一気に崩すのはさすがです。指導対局とはいえ実戦は迫力があり面白かったです。

 会場の人気はやはり羽生名人で講演、サイン会と大変な賑わいでした。17:30からメインイベントの羽生名人対佐藤九段の対戦があったのですが前回も観たので今回は早めに退散しました。


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「第44回東急東横店 将棋まつり」(8月3日)

          

 2日目も行ってきました将棋まつり。森内九段や鈴木環那女流初段の指導対局を見学して、19:00から森内九段と高橋九段の特選対局を観戦しました。

 普通の相矢倉が組まれているのかなあと思っていたところ途中から形が崩れて、あれあれと森内玉が入玉してしまいました。こういう席上イベントで入玉しますかねと解説されていましたが最後は右下辺でパズルのような混戦を暫くやり合った後、高橋九段が投了しました。
 感想戦で森内九段は展開がそうなったので本能で入玉してしまいましたと言い訳していました。なに!入玉するの?という会場のザワツキが面白かったです。田中九段、鈴木女流初段の解説も楽しく観客を盛り上げていました。

 会場には主演者としてでなく遊びに来ましたということで昨日は戸田六段、今日は阿久津七段、藤田女流初段なども来訪していて随所にファンにとっての有名人が歩いていて楽しかったです。
 明日は行けませんがまたこういうイベントに参加したいと思います。記念に森内九段書の扇子を購入しました。「随所楽(ずいしょにたのしむ)」。いつでもどこでも苦しい時でも今を楽しむ(気持ちの持ち様で楽しめる)という意味でしょうか。心したいと思います。


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