「とんかつ三田」(日吉)

          

 日吉で定食屋なら「キッチンくりの木」、「とらひげ」、「小満津」など沢山あります。個人の好みですが、私は有名店でもある「とんかつ三田」が好きです。店名が示す主役のとんかつも腹ペコの時にいただきますが、普段は名物の「鳥からあげ定食」や厚いハムを揚げる「ハムかつ定食」の方を好みます。





          

 しかも安い。ヒレカツ定食1250円などもありますが、各種定食がランチタイムであれば休日も含めて(!)750円均一です。原価からは、とんかつ、鳥から、チキンかつなどの方がコストパフォーマンスは良さそうなのですが、このハムかつのシンプルな旨さが忘れられません。



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「ハンジロー」(綱島)

          

 この2~3年にオープンしたのでしょうか、綱島に人気のスープカレーの店があるというので出掛けました。札幌風に拘りませんがスープ状のルーにご飯をジャブジャブ浸して食べるカレーが好きです。

 実は一度訪問して定番の「チキンスープカレー」を食べたのですが、具、ご飯、付け合せ、店の雰囲気など全て良かったのですが、肝心のルーが若干煮詰まったような味がして(個人的に好まない風味)、首を傾げました。もういいかとも考えましたが、気になって再訪です。

 今回は「いろいろ野菜のスープカレー」(1050円)、スープ大盛り(+200円)、辛さ4番(「辛党の人にオススメ、辛口~大辛」)を注文しました。
 スープをじっくりいただきます。やっぱり美味しいです。肝心のスープが美味ければ脇役が万全なので問題ありません。野菜の処理が見事。特に主役のじゃがいもは表面が揚げてあって中がホクホクと二段構造で手が込んでいます。どの野菜も新鮮でスープに絡む。ご飯に添えられた野沢菜もシャキシャキしていて瑞々しく最高。全体的に丁寧に作られているのが分かります。客層の大半が20代~30代のカップル、若い家族、加えて一人客と妙齢のカップルです。カレーといえばどちらかといえば男性好みの食べ物ですが、女性に支持されている雰囲気です。

 スープ状のルーだけなら私はCoCo壱番屋で十分なのですが、具の処理、旨さがこの店のスープカレーを盛り上げます。日吉には満足できるカレー屋が今のところ見当たらないのでココイチも含めて綱島に通おうと思います。


〔2010.9.20〕

 再訪。11:40に到着しましたがテーブル席は既に満席で(私は一人なのでカウンター)お出しするまでに30~40分かかりますとスタッフに申し訳なさそうに言われました。地元の若いカップル、若い家族の支持を完全に取り付けているようです。カレー屋ですが丁寧に作るので相応の待ち時間覚悟が必要です。
 前回同様に野菜カレー+スープ大盛(辛さ3)にしました。野菜の処理がよくて本当に美味しいです。今回は少し辛く感じたので個人的には2辛くらいで良さそうです。札幌スープカレーの特徴でしょうか独特のコクがあり少し後味が残るのですが許容範囲です。



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カテゴリー

          

 過去にどういう内容をアップしたのか自分でも分からなくなってきたので、今更ながらカテゴリーに分類しました。その結果、多い順番に次のとおりでした。

    クラシック         71
    旅行            62
    ロック・ポップ・ジャズ  41
    さぬきうどん        41
    食べ歩き           39
    その他            31
    本                29
    東横線           17
    漫画            14
    ラスベガス        14
    映画            12
    将棋            10
    お酒             8


 ただ、最近まで写真を複数アップする方法を知らなかったので、旅行などアップ数だけ多い分類もあります。


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東京ディズニーランド

          

 久しぶりの東京ディズニーランドです。調べたら2007年11月以来なので3年弱間が空いています。娘も前回のことは覚えていないと言います。
 猛暑続きなので秋まで待つことも検討したのですが午前中はくもり予報、平日に行くのも捨て難く実行です。ディーズニーを改めてご紹介するまでもないのでほとんどは個人的な備忘録です。

・8:30 到着
・8:50頃 入場
・ワンマンズ・ドリームⅡの抽選(2回目公演OK)
・バズ・ライトイヤーのアストロブラスターのFP取得
・9:15 プーさんのハニーハントに並ぶも2時間待ちで断念
・9:30 ナミナミナ
・ジャングルクルーズ(25分待ち)
・ウエスタンリバー鉄道(15分待ち)
・11:20 クール・ザ・ヒート
・キャプテンEOのFP取得
・12:20 バズ・ライトイヤーのアストロブラスター
・13:15 ワンマンズ・ドリームⅡ(写真)
・昼食
・ミニーの家(15分待ち)
・ミッキーの家は60分待ちで断念
・イッツ・ア・スモール・ワールド(15分待ち)
・16:00 ジュビレーション!
・16:50 キャプテンEO
・18:00すぎ 退場

〔備考〕
・一番人気は新アトラクションのモンスターズ・インクでしょうか。朝一で脇を通り抜けた際、FPの列で30分待ち、今なら15:30~の表示がありました。
・プーさんを断念した際、人気アトラクションはもうダメかと思いましたが、全般的に予想以上にスムーズでした。途中、プーさんの待ち時間が60分だったのを見て、女の子の集団が信じられない、平日は違うと叫んでいました。
・イッツ・ア・スモール・ワールド以外初めて体験しましたがどれも楽しい!強いて挙げれば、ジャングルクルーズ、クール・ザ・ヒート(後ろの方も最後は水を浴びますがこれは前の方でずぶ濡れになりたかった!)、ワンマンズ・ドリームⅡ、キャプテンEO。
・テーマパークはポップコーン。塩はビッグサンダーの前で売っています。ただ、塩味が薄くて不満。トゥモローランド内のしょうゆバターの方がよかったです。
・3年前からの変化。中国からの観光客が多くてびっくりです。アトラクション内の説明が日本語、中国語だけで、どうして韓国語、英語の説明がないのか始め不思議でしたが納得しました。また、失礼ながら中年(初老の方も)のスタッフが目に付きました。これは世の中のエージレスか何かの動きに対応しているのでしょうか。


 20:00のエレクトリックパレードまで残るか迷ったのですが、疲れていたのでまた次回です。シーにも行かなければなりません。

 ディズニーやっぱり楽しいです。


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「二代目ぐるめ亭」(日吉店)

          

 日吉で鮨なら回転系「二代目ぐるめ亭」です。テレビで放送されたこともある人気店です。綱島街道沿い、綱島寄り、以前は近くに「縁(ゆかり)」という鮨居酒屋があり、どちらもお気に入りだったのですが縁は取り壊されていました。
 お好みで電話注文しておいて持ち帰ることも増えましたが、混雑時を避けられれば店で食べます。

 何を食べても美味しいのですが、まずはイカです。アオリイカ、サキイカ、ゲソなんでも最高、しかも130円、180円と安い。イカの美味さはぐるめ亭に限りませんが回転寿司でのコストパフォーマンスの高さは感激ものです。






          

 若い頃は、マグロ、ウニ、イクラなどのカロリー高めネタを好みましたが、30代後半から貝類がとにかく食べたくなりました。
 ぐるめ亭を好きなのは貝類の質が高いこともあります。活赤貝です。コリコリした歯ごたえが堪りません。






          

 400円以上するのですが、サザエやアワビを置いているのでいつも注文します。美味くて幸せです。






          

 一番高いネタはやはり大トロでしょうか。1貫で400円超えますが妻と贅沢します。見た目も味も最高です。

 家族で飲んで、満腹いただいて5000円でした。安いです。
 マグロや貝類は季節によってメニューが変化します。今日のおすすめメニューから選ぶのも楽しいです。全般的に旬ではない真夏でもこれだけの味、質です。秋冬が楽しみです。


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「京伝」(日吉)

          

 カウンターに座って、お酒をいただきながら出来たての美味しい料理をつまむ。鮨と天ぷらでそういう馴染みの店を見つけるのが理想です。鮨にはコストパフォーマンスのよい回転寿司屋が最近は増えているので探すのは天ぷらになります。

 日吉の飲食店の開拓をボチボチしていますが、今日は天ぷらの「京伝」の暖簾を潜りました。外観からはそれ程高そうでもなく、中を覗いたところ、カウンターで揚げたてを食べている様子が伺えました。まずは昼に入店して試してみます。

 決して新しくはありませんが、清潔なカウンター席とテーブルでお好きな席にどうぞと勧められます。
 リーズナブルなランチメニューもありますが、コースの中から一番安い1900円の「月」をお願いしました。エビ2、魚2(キス2)、野菜2(ナス、ピーマン)、かき揚げに食事です。

 ビールを飲みながら待ちますが、ご主人に軟らかい物腰ながら凛とした佇まいがあり、安心して任せられます。美味しそうなオーラが漂っています。

 エビから順番に出されます。カラッと揚がっていて旨いです。好みで塩、ツユと味わいますが、天ぷらっていいよなあと感激です。ついさっきまで暑いのに天ぷらじゃなくてもと思っていましたが、クーラーの効いた店内でビールを飲みながらの夏天ぷら最高です。

 値段からしてピチピチの高級食材ではありませんが、美味しくいただくのに十分な水準です。独身時代や妻と二人で食べ歩いていた頃に「近藤」、「楽亭」、「よこ田」など有名店で8千円や1万円の天ぷらを予約していただいたこともありますが、この歳になると気楽に寄れる店の方がありがたい。
 とても気に入りました。黒板に記載の「旬」のメニューから、白エビとトウモロコシを追加で揚げてもらいました。どれもホクホクで美味しかったです。

 生ビール2杯、日本酒一合(600円)に、「月」コース、追加の2品で4060円でした。追加の白エビ、トウモロコシは300円くらいでしょうか、安いです。
 一番高いコースでも5千円台でした。適当なコースに追加でお好みがこの店では良さそうです。


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アラン・ムーア/デイブ・ギボンズ「WATCHMENウォッチメン」

             

 荻原魚雷著「活字と自活」で紹介されていたアメリカンコミックです。「SF文学の最高峰ヒューゴー賞をコミックとして唯一受賞し、タイム誌の長編小説ベスト100にも選ばれた、グラフィック・ノベルの最高傑作!」という宣伝文句が使われています。3570円と高額ですがそこまで言われたら読みたくなります。アマゾンで注文すると1週間で届きました。

 A4版サイズで400ページ超です。A4サイズ規格で文学を超えた(?)漫画に以前ご紹介した「マウス」と「風の谷のナウシカ」がありました。同じような豪華装丁作品に期待は膨らみます。

 アメリカンコミックといってもどういうものか私も承知していませんでしたが、次のような劇画です。

          

 1930年代から1970年代にかけてアメリカで活躍したコスチューム(仮装)・ヒーロー。その後、自警行為の禁止により、ほとんどのヒーローは引退して新しい人生を歩んでいます。時は1985年。ソ連がアフガニスタンに侵攻して東西の緊張感が高まる世相の中、コスチューム・ヒーローの一人が殺されます。続いてまた一人、罠に掛けられ…。不審に思ったアウトローで今だにヒーローを続けるシミコスチューム男が捜査を開始する。元ヒーロー達の昔の光と影も明かされながら事件は展開して、シミコスチューム男にも悪の手が迫る…。

 全12章立てなのですが、章と章の合間に元コスチューム・ヒーローの自伝的手記や当時の新聞記事などが挿入されて、ストーリーの補足をします。
 なかなか面白いのですが、噴出しのコメントも長くて文学的です。体形の崩れた昔のヒーローが登場して、若干コメディータッチなのかと思いきやそうでもなく、壮大なSFの構想もあって、どう捉えてよいのか難しい作品です。魚雷氏も「難解かつ壮大な怪作」と書いています。一読、楽しかったとシンプルに言える作品ではなく、いろんな解釈が可能な現代漫画です。これまでに読んだことのないジャンルの難作、読み返さないと十分な理解は容易でなさそうです。


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「元祖ニュータンタンメン本舗」(仲の谷店)

          

 どこで住むにしても近所にあって欲しい店舗…人それぞれだと思いますが、私は大型書店(結構広い書店ならどこでも)、ファストフード(モスなら最高、次点ドトール、なければマック)、「CoCo壱番屋」(カレー)、「吉野家」(牛丼)、「QBハウス」(1000円散髪)、「オリジン弁当」(惣菜)がすぐに浮かびます。類似の店でもよいのですがワザワザ出向くのではなくフッと立ち寄りたいジャンルです。

 日吉には大型書店、ドトール、吉野家、QBハウスはあります。ココイチはお隣りの元住吉、綱島にはあるのですが残念ながら無し、オリジンは日吉と元住吉の中間にあり徒歩では遠い、自転車ならの距離です。

 オリジン弁当は休日など家族の食事を手軽に済ますときには強い見方です。味付けがノーブルで誰の口にも合う、量も自由に選べる。オリジン弁当日吉店へに惣菜買い物ついでにすぐ側の「元祖ニュータンタンメン本舗」に寄りました。
 川崎、横浜を中心に30店舗近くある、タンタン麺と焼肉をメインとしたメニュー豊富な店です。若い頃、飲み会の後にタンタンメンを食べるために立ち寄る店でした。ベロベロに酔った後、締めのビールとともに味わう一杯。中華鍋でカンカン鳴らして作るニンニクを効かした麺が美味しかった。

 15年振りくらいになるかもしれませんが久しぶりに食べました。いろいろメニューはありますがタンタンメンです。辛さが6段階に増えていて、下から3番目の大辛にしました。

 辛そうな赤いスープ、卵で表面が閉じられています。麺は太麺ストレート、表面ツルツルです。チェーン店なので二流のイメージもありますが、これだけの良質麺を出す店は北海道味噌ラーメン系、こだわりつけ麺系など少ないです。
 独特のコク、旨み、甘みのあるスープに加えて辛み、ニンニク、卵の甘さがうまく融合しています。これに麺の美味さが絡まって絶妙の一杯に仕上がっています。これは美味い。お酒を飲んだ後でなくても最高です。

 長らく忘れていたサラリーマン青春時代の味、復活。クセになる一杯です。


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「ダブリナーズ・アイリッシュパブ」(渋谷店)

          

 渋谷のHMVは8月22日に閉店するそうです。タワーレコードと並んで私が保有するCDのかなりの割合を購入した場所だけに本当に残念です。音楽ショップの不況極まるということでしょうか。
 2年以上振りの訪問ですが4階までに縮小、各フロアの陳列棚も圧縮されていて通路はかなり余裕のあるレイアウトになっていました。これだと通が探すマイナーな商品はもうほとんど置かれていないでしょう。所謂普通の音楽ショップになっていました。
 最後に記念に何かと思いましたが適当なディスクがなく見送りました。月並みですが、一つの時代が終わったとしかいいようがありません。

 続いてアイリッシュパブに寄りました。HUBの渋谷店は16:00オープンのようで他の店舗を探したところ、これもチェーン店ですが「ダブリナーズ」がありました。12:00からのオープン。道玄坂センタービルの2階。テラス席も惹かれましたが、猛烈に暑かったのでまずは店内です。ギネス1パイント。このような日に昼過ぎからギネスを楽しめるのは人生の喜びの一つです。生きていてよかった。幸せな時間です。






          

 1杯で移動のつもりだったのですが、「マーフィーズ・アイリッシュ・スタウト」という商品もあったので追加です。多分どこかで飲んだことはあると思うのですが覚えていません。テラス席に移動して、道行く人を見下ろしながら味わいました。ギネスと比べると見た目はほぼ同じなのですが、何というか泡もコクも軽めで、若干スパイシーな後味があります。悪くはないですがやっぱりギネスかなと思いました。

 このダブリナーズはいい店です。渋谷の繁華街に位置していますが2階で穴場。HUBではあまり外国人を見かけませんが、ここは結構いました。渋谷、日吉、横浜とうまいギネスを飲める場所を確保しておけば思い付いた時にふらっと寄れます。


 その後、渋谷行き主目的の以前から一度食べたかったとあるラーメン屋の支店で定番をいただきました。美味しかったのですが好みのド真ん中という訳ではなく、もう一度食べるかというと微妙でした。別のメニューもいつか試したいと思います。

 暑い1日でしたがビール2杯で少しふらつきながら帰ってきました。


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「第12回京急将棋まつり」(8月14日)

          

 渡辺竜王のブログで上大岡の京急百貨店でも将棋まつりが開催されることを知りました。先日渋谷の将棋まつりに行ったばかりですが暇だったのと上大岡に一度行ってみたいのもあって出向きました。4日開催の中の3日目です。

 壇上は甲斐女流二冠と本田女流二段の対戦です。内容よりも田村康介六段の解説というか早指しの話しが面白かったです。鈴木八段との対戦で消費時間、田村2分、鈴木3分という勝負があったそうです。将棋は負けたけど、早さでは勝ったと。聞き手の鈴木環那女流初段から、どうしてもう少し考えないんですかと質問されて困っていました。






          

 書籍(佐藤著「戦いの絶対感覚」)を購入してサイン会で佐藤九段にサインしてもらいました。1.天衣無縫 2.研鑽 3.(?) 4.気概の中から選ぶことになっていました。恥ずかしながら1.の意味を知らなかったのですが、こういう場合、一番目だろうと思い、天衣無縫をお願いしました。






          

 天衣無縫(てんいむほう)とは 物事に技巧などの形跡がなく自然なさま、天人・天女の衣には縫い目がまったくないことから完璧で美しいことを表しているそうです。佐藤九段の将棋の理想なのでしょう。

 佐藤九段の指導対局も観戦しましたが、結構な腕自慢(飛車落ちか角落ち)に対して本気モード(?)で手厚く厳しく手を進めていました。駒を引いたり、手を渡されたりして、ちびっ子が終わった後の挑戦者3名も困って中考していました。じっくり指して長いのかなと思っていると一気に崩すのはさすがです。指導対局とはいえ実戦は迫力があり面白かったです。

 会場の人気はやはり羽生名人で講演、サイン会と大変な賑わいでした。17:30からメインイベントの羽生名人対佐藤九段の対戦があったのですが前回も観たので今回は早めに退散しました。


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テンシュテット/ウィーンフィル「マーラー交響曲第10番~アダージョ」

            

 テンシュテットが生涯唯一ウィーンフィルを指揮した1982年ザルツブルク音楽祭のライブです。28年の時を経てようやくディスク化されました。

 マーラーの未完となった交響曲第10番、残されたアダージョの演奏です。交響曲第9番第4楽章アダージョでこの世に別れを告げたマーラーが、再度アダージョで始めた音楽。現世と天国の間で魂が再び息を吹き返して苦悩します。複雑そして病的。バイオリンの不協和音、フルートの絶叫、コントラバスの歯軋り…これはウィーンフィルの十八番です。過激ともいえる激しい感情、表現の起伏。ロンドンフィルとのスタジオ録音も素晴らしかったのですが、ロンドンフィルとの演奏が第9番の延長にあるとすれば、このウィーンフィルとの魂の叫びは、この先に一体何があるのか…それは天国なのか地獄なのか先の見えない不安・苦しみ・緊迫感…そして浮遊感・脱力モードへ移行しますが気を抜くとすぐ目の前に死が口を開けて待っています。もう死を受け入れるのか、抵抗するのか…引き裂かれるような苦悩、諦観、それが切ないくらいに美しい。集中して聴きました。こんなにいい曲だったんだと認識です。


 前半にベートーベンの交響曲第3番「英雄」が納められています。始まりは控えめで「あれっ?」という感じですが徐々に盛り上がり、第4楽章終結部は堂々として非常に大きな演奏で締め括られます。そしてマーラーへと繋がります。

 残念ながらテンシュテットとウィーンフィルの相性は良くなく二度目はありませんでしたが、マーラーのアダージョを聴けば正に一期一会、この30分間に音楽家、演奏家として最善を尽くしたのが分かります。相性が悪いのにどうしてこんなに美しくて迫力ある演奏が可能なのか。お互い不思議な時間だったのかもしれません。音楽を愛する人間でありプロフェッショナルです。


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アレン・ハインズ「TOUCH」

          

 フードコートを目的に横浜ビブレに立ち寄ったのですが、当然お隣のHMVを散策したくなります。ロック・ポップで注目盤がなかったので、クラシックコーナーに向かったところ、手前のジャズコーナーで心地よい音楽が流れていました。
 ミディアムテンポのギターを中心にした音楽。でもジャズではないような。NOW PLAYINGの表示を見ると「ALLEN HINDS」、解説を読むと有名歌手から真っ先にお声のかかる大人気のスタジオミュージシャン、今やフロントマンとしても活躍とあります。このディスクはこれまでの3枚のアルバムからの選曲、ベスト盤とあります。

 暫くクラシックコーナーで見て回っていたのですが、やはり気になって結局購入しました。

 ベスト盤とはいえ全16曲ほとんど同じ雰囲気、アレンジでオリジナルのアルバムのようです。小気味よくうねるギター。誰とは思い出せないのですが、いろんなディスクから聴こえてきたような安定感のあるスムーズなギターサウンド。サンタナ、ジェフ・ベックに通じるところもありますがもっと軽くて同じではありません。玄人好みの渋いサウンドといえばいいのでしょうか。とてもいいです。ブルース、ジャズ、ロック・・・この音楽をどのジャンルと表現すればよいのか分かりませんが、フュージョンといえば軽すぎるような、分野の拘りを超えて自由に音楽、メロディを奏でています。

 アレン・ハインズ初めて知りましたが注目のギタリストです。


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「桂花」(横浜ビブレ店)

          

 久しぶりに再食したいシリーズ、熊本ラーメンの「桂花」です。桂花を初めて食べたのはもう20年近く前になるのかもしれません。自宅のインスタントラーメンでなく、外食でお金を払ってラーメンを食べるようになったのは大学生からだと思うので、まさに食べ始め初期です。初めて美味しいと思った外食ラーメンかどうかは忘れましたが、新宿や横浜でたまに食べたのを覚えています。
 その後、ラーメン店が多種多様になってきて、今や桂花を好きなラーメン屋と表すのは少し恥ずかしいというかもういないと思います。私は現代の流行ラーメンを食べ歩くのをほとんど諦めていて新規開拓しないからもあるでしょうが、今でもたまに無性に食べたくなります。

 本場熊本に複数店舗、京浜地区では新宿に3店舗くらいあります。横浜ではビブレのB1です。以前は普通の店舗だったのですが、数年前にフロア半分がフードコートに改装されて、その中の一コーナーになりました(生き残りました)。改装後の共同席はビブレで買い物をした後なのか、このコーナーが目当てなのかギャルで埋め尽くされています。甘い飲み物やクレープを挟んでお喋り中です。その中をむさ苦しい男が数人向かうのが角の桂花です。バイトのお兄ちゃんを覚悟していましたが修行を積んだ風の体格のいいお兄さんだったのでほっとしました。ここは「太肉麺(ターローメン)」です。

 七味をふり掛けてからいただきます。スープは、博多とんこつ系ではなく、コクがあるけどさっぱりの熊本系とんこつです。うまい、これです。
 そして麺は中細ストレート。博多とんこつラーメンは細麺です。これは元々屋台の流れを汲んでいて、火力がそれ程強くない中で処理しやすいようになったんだと思います。福岡出身者でもあの細麺がいいという人も多いですが私はどうせなら中太麺のほうがいいです。熊本、鹿児島は同じとんこつでも細麺ではなく中太麺なので気に入っています。
 これに桂花の特徴である生キャベツです。スープにこのシャキシャキ感が合うんです。更には豚の角煮「太肉(ターロー)」です。相変わらずのとろける旨さ。珍しいキクラゲもいいアクセントになっています。

 いやぁ美味いです。久しぶりだけど感激しました。以前はもう少しスープ臭かったような気もしますが(これが嫌で行かないという人もいました)、変わったのかどうか分かりません。十分満足できました。また行こうと思います。


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「HUB」(横浜西口店)

          

 今日は横浜西口、東急ハンズのちょっと先にある「HUB」に寄りました。いつものギネス1パイントです。この泡がタマりません。

 1パイント900円のところ会員カードを持っていると5%引きで850円です。日本のビールと比較すると高いのですが、生のジョッキをぐいっと空けるのではなく、一口ずつじっくり飲むので、これで足りないということはありません。1日の仕事で少し火照った頭を落ち着かせるのにこの1杯は最適・最高です。


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荻原魚雷「活字と自活」

             

 新聞の日曜版読書欄で「食っていけさえすればいい」と大きな表題を付けて紹介されていた本です。荻原魚雷氏の「活字と自活」。タイトルから想像できるようにフリーライターを生業とする著者の書くだけで生活するのは大変な日々と古本屋巡り、本との関わりを綴った作品です。

 こういう人ってやっぱりいるんだなぁと興味本位でアマゾンに注文した本ですが面白くて止まらなくなりました。
 内容は3章立てで、1.長年暮らす中央線高円寺での生活の様子 2.書評 3.雑感その他といったものです。メールマガジン、雑誌、本人のブログなどに発表してきた文章の寄せ集めですが、生活の中心に据える古本屋巡りが随所に出て来て一貫しています。

 高円寺、中野、阿佐ヶ谷といった中央線沿線駅周辺にはほとんど行ったことはないのですが、昔ながらの庶民的でディープな街の様子が伝わってきます。そこでの貧乏暮らしが面白おかしく描かれる。

 ただし、これだけでは本にならない。中盤グイグイと読ませるのは魚雷氏お気に入り本の紹介とそれを巡る思索です。紹介されるのはマイナーな作家の詩、随想、漫画、有名作家の対談などおそらく一般の書店ではお目にかかれない本の文章ばかりです。著書の多くは今となっては誰も思い出す人もいなくて埋もれてしまっていますが、魚雷氏がきらりと光る文章を紹介してくれます。更には作家がそれを執筆していた当時の様子を別の著書で拾って、細かく状況説明、フォローしています。こういう細かい作業を繋げることでマイナーな作家、本、文章、詩を現代に蘇らせる。このことに魚雷氏が使命を感じているのかどうかは分かりませんが、おかしいなぁ、面白いねと思える作家・本・文章が続きます。
 特に詩の作家・作品が多いのですが、へぇ日本でもこんないい詩が詠まれているんだと発見があります。

 好きな時間に寝て起きて大好きな古本屋巡り、読書を続けている・・・といってもやはり拭いきれない現状、将来への不安・焦り、が最後の3章の文章から垣間見えます。

 同じように40歳近くまで売れないバンドマンとして生きてきた男と比較してまだマシなほうだと自分を慰めたり、本の中に見出す貧しくても好きなことをやっているのは幸せだという文章を心の拠り所にしたり、ライターとして生き残るためには、とにかく上手いか、他人が真似できないユニークさを身に付けることが必要、自分はどう特徴を出せばいいのか悩んだりと、心情は揺れ動きます。
 それでもこれまでやって来た以上、このまま続けていくしかないと開き直って覚悟を決めています。

 この類の偏った生活あるいは異常なコレクションを目にして話しを聞くと、自分の偏り、収集などまだまだ大したことはないと気持ちがクールダウンされていきます。
 自由で気ままな生活に憧れないわけではありませんが、逆に大変だろうと自分には思えます。逆境で踏ん張る自信がないから、真面目にコツコツ、そっちのほうが楽かなぁ自分は。でもいろいろと考えさせられます。価値ある一冊です。

 魚雷氏は昔気質の生真面目な堅物ではありません。嵌ったゲームに何百時間も費やして反省したり、お金もないのに酒を飲んだり・・・そんなことやってちゃダメだよと野暮なツッコミを入れたくなるような氏の緩さもこの作品のいいアクセントになっています。

 そういえばと久しぶりに最寄り駅の古本屋に立ち寄ったのですが、入り口付近はエロ雑誌の圧迫感があり、入ってみる気にはなりませんでした。生活のための販売、陳列でしょうが昔ながらの古本屋は厳しいです。


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